人馬の間に、どこまで深い絆は築き上げられるものなのだろうか。28日に行われた今年の日本ダービーで壮絶な死を遂げたスキルヴィングの最期を目の当たりにして、改めて考えさせられた。
29日付の紙面でスキルヴィングの原稿を担当した。書いていても、書き終えてもモヤモヤしたままだった。帰宅後、ゴールしてからのスキルヴィングの動きを録画されたものをネット上で繰り返し見たが、そこでようやく気が付いた。原稿に主観がないからだ―と。本コラムで少し書かせていただきたい。
馬は言葉をしゃべれない。会話をしての意思疎通は無理だ。お互いが雰囲気を感じて、こうなのかなという予測がつく程度だろう。そんな関係性なのに、スキルヴィングの行動は、鞍上のルメールを守り切って力尽きたと私は思ってしまう。
苦しくて歩くのもつらかっただろう。最後の直線では、ルメールが追うのを止めても、前へ前へ歩んだ。ゴールをするという競走馬の宿命がそうさせたかもしれないが、倒れたのはルメールが下馬した後。この行動で鞍上が危険にさらされることはなかった。スキルヴィングの生命力、精神力は並ではない。もうその勇姿は見られないが、彼の最期を忘れることはないだろう。(米内宏一郎)
https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/chuspo/sports/chuspo-699035?fbclid=IwAR0uVI2pttYjdak5a91ZbJ7jhLn7pzlY3EyyjOHdcoERBZei16UN9TUzgYU&redirect=1
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