施設側の報告書などによると、当時50代の職員は14年6月、当時40代で知的障害のある男性入所者が決められた摂取量を超えてお茶を飲もうとしたので注意し、茶わんの取り合いになった。その際、取り上げた茶わんで側頭部を殴り出血させたため、2人で病院に行った。
入所者は約1週間のけがを負っていたが、看護師に「作業中につまずいて壁に頭をぶつけた」と事実と異なる説明をし、医師の診断書にもその通り記載された。
施設側はこの日、保護者に暴行を認めて謝罪する一方、警察には通報せず、五島市に連絡したのも10日後だった。市は連絡の遅れや加害者以外の職員が病院に付き添わなかったことは問題だとして指導し、県に報告。職員はその後、退職した。
施設を運営する社会福祉法人の杉徹也理事長は取材に「施設に隠蔽(いんぺい)の意図はなく、対応に問題はなかった」と述べ、警察に通報しなかった点も「保護者に謝罪したので必要ないと判断した」と説明した。
県はこの年、同法人に障害者総合支援法に基づく改善勧告をしたが、「行政処分ではない」として公表しなかった。県は警察に通報しなかった理由について「他に虐待行為が確認できず、単発の事案だったことなどを考慮した」としている。(共同)
https://www.nikkansports.com/general/news/201903040000743.html
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