神奈川歯科大学付属病院(横須賀市小川町)の1階に、患者や地域住民が利用できるカフェがオープンした。接客に当たるのは、市内にある障害福祉サービス事業所の利用者。障害のある人たちが働く経験を積み、就労につながればと、病院が地域貢献の一環として新たに設けた。
「いらっしゃいませ」
オープン初日。世界三大花木の一つで、大学のシンボルツリーでもある樹木から店名を取った「ジャカランダCafe」では、そろいの青紫色のエプロンを着けた店員5人が、来店者を明るく出迎えた。
5人は障害福祉サービス事業所「シャローム浦上台デイサービスセンター」(同市浦上台)の利用者2人と職員3人。身体や精神に障害のある男性2人は職員のサポートを受けながら、カウンターで注文を取ったり、飲み物を提供したりした。「接客業は学生時代以来、久しぶり。人と話すのが楽しい」と笑顔を見せたのは、高次脳機能障害がある男性(57)。「社会復帰したいと考えていたので、スタートが切れてうれしい」と喜んだ。
病院は設備の老朽化などに伴い、2017年11月1日に同市稲岡町の大学敷地内から目の前に新築移転。「1階のスペースを障害者の活躍できる場にしたい」と移転前からカフェの開店を計画していた。市内の福祉事業所などに市を通じて呼び掛け、センターが「利用者の将来の就労に向けた体験の場になれば」と応じた。
カフェでは、コーヒー、紅茶、キャロットジュース(いずれも250円)などの飲み物や、鎌倉市内の福祉事業所が手作りしたチョコレートケーキなどの軽食を用意。初日と同様、今後も職員を含む2〜5人ほどでチームを組み、接客などに当たる予定だ。
シャローム浦上台施設長の宇都宮明子さんは「医療と福祉が一体となって、障害がある人を応援する場にしていきたい」と期待を寄せた。
カフェは約30席。営業時間は月曜から土曜の午前10時から午後4時まで。日曜と祝日、年末年始は休業。
神奈川新聞|2018/11/05
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