CMで再び脚光
障害者水泳で世界を目指す2人の高校生スイマーが再び脚光を浴びている。新居浜東高3年の岡部歩乃佳さん(17)と南宇和高3年の中道穂香さん(17)。2人が出演し、4月から全国放送で流れたテレビCMが話題となった。2020年の東京パラリンピックを前に「Wほのか」として注目され、刺激し合い、夢舞台に照準を合わせる。
岡部さんは右前腕、中道さんは右脚が、生まれつきない。自身の体を生かす泳ぎのための鍛え方は違うが、障害のクラスは同じ。日本身体障がい者水泳連盟の育成選手S指定、A指定にそれぞれ選ばれ、切磋琢磨(せっさたくま)する。
CMは電機大手のパナソニックが東京五輪、パラリンピックを目指すアスリートを都道府県別に紹介する企画の一つ。企画担当者は「愛媛でパラアスリートを紹介しようと考えたとき、2人しかいないと思った」と話し、相手の存在を力に変えて練習に励む姿勢に感銘を受けたという。
「絶対に負けたくない」―。競技人口の少ないパラスポーツは「自分との戦いであることが多い」と中道さん。だからこそ、肩を並べて競い合える他者がいるのは貴重だ。岡部さんは中道さんのほかにも意識する選手がいるというものの「(中道さんとは)お互いの練習量も知っている。注目されるからこそ、抜かれるわけにはいかない」と気を緩めることはない。
強くなるための悔しい思いも、ぶつかる壁もそれぞれにある。同じ目標を見ている2人。運命的な「もう一人」の存在が、特別な原動力だ。
2018年5月5日(土)(愛媛新聞)
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