「周りの音がすべて耳に入ってくる」「暑さや寒さを感じにくい」―。発達障害者の中には、光や音などの特定の刺激を過剰に受けたり、反応が著しく鈍くなったりする人がいる。こういった感覚過敏と発達障害の関連性について、当事者らが話し合う交流会が18日、松山市若草町の市総合福祉センターであった。
【症状学び、改善策議論】
感覚過敏・鈍麻は五感をはじめ、運動に関わる固有感覚や平衡感覚が敏感または鈍感で、生活に大きな支障が出ている場合を指す。発達障害ならば必ずしも感覚過敏があるとは言えず、感覚過敏があっても発達障害ではないケースもある。特性や症状は千差万別という。
会は高機能自閉症、アスペルガー症候群などの子どもがいる保護者らでつくるダンボクラブ(田中輝和会長)が主催。当事者の家族や支援者も含めた約30人が四つのグループに分かれ、「感覚過敏・鈍麻で考えられるもの」などのテーマに沿って意見を出し合った。
参加者が挙げたのは「目から情報を拾いすぎる」「柔らかい素材の服しか着られない」「疲れに気が付かないまま過ごし、突然体調を崩してしまう」といった日々の悩みや不安。周囲に理解してもらえないつらさを吐露する人もいた。改善策の議論では、「刺激に集中しないよう、深呼吸して気持ちを切り替えてみては」などと提案した。
田中会長による講話もあり、感覚過敏は自分では認識しづらいため、まずはストレスや不安を感じる刺激を把握することが重要と説明。具体的な対応方法として▽刺激を取り除く▽サングラスやマスク、ヘッドホンを使うといった独自のルールを決める▽感覚統合療法を受ける―などを紹介した。
就労に関しては「一般就労では人事担当者らが感覚過敏を知らなくて当たり前。どうしても合わない時は部署異動やテレワークなどの検討を」とアドバイス。特性や配慮の方法を周囲に伝え、支援者に助けてもらうことも必要だとした上で「自分に合った仕事を見つけてほしい」と語った。
学習障害(LD)と診断を受けている市内の20代女性は聴覚と味覚が敏感だといい「これまで感覚過敏を学ぶ機会がなかった。対応策を知ることができ、参加して良かった」と話した。
2018年3月27日(火)(愛媛新聞)
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