トランス脂肪酸は天然の植物油にはほとんど含まれず、水素を付加して硬化した部分硬化油を製造する過程で発生します。

それを原料とするマーガリン、ファットスプレッド、ショートニングに多く含まれており

一定量摂取すると悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を増加させ、善玉コレステロールを減らし、心臓疾患のリスクを高めると言われています。


【YouTube 動画】 この動画は、2007/09/11 にアップされました。
2013年 やっとでも日本でもトランス脂肪酸の対策が・・・
             



2003年以降トランス脂肪酸を含む製品の使用を規制する国が増えています。

トランス脂肪酸は自然界には反芻動物(ウシ・ヤギなど)の肉や乳に含まれています。

天然のトランス脂肪酸は天然の不飽和脂肪酸の中にわずかに含まれており、乳製品であるバターなどにもわずかに含まれています。

人工のトランス脂肪酸は、不飽和脂肪酸を多く含む油脂を水素化して製造するマーガリン、ファットスプレッド、ショートニングに数%以上含まれます。


健康への懸念から、米国のスターバックスやケンタッキーフライドチキンなどの大手チェーンでも、トランス脂肪酸の含量の少ない油脂への切り替えを始めています。


日本では、旧来の油を使用し、切替の予定がないファーストフードもあります。

日本ケンタッキーフライドチキンでは、2007年10月にトランス脂肪酸の含有量を半減させた調理油に切り替え、今後も含有量をゼロにする油の研究を進めていくと発表しています。


また、ミスタードーナツでは2007年12月より、油脂そのものを切り替えるだけでなく、その他の原材料中に含まれる油脂も改善し、大幅にトランス脂肪酸量を削減したと発表しています。

また、徹底した酸化値管理を行い、トランス脂肪酸増加についても厳しく管理されています。


ショートニングは食管改善効果が高いため、ビスケット、パン、ケーキ、スナック菓子などの小麦粉加工食品に多く使われています。

ファーストフード店の揚げ物にはからっとした食感が得られ、長持ちするショートニングが使われている場合があります。


人体への影響は、摂取に伴うリスクとして指摘されているのは主として虚血性心疾患(冠動脈の閉塞、狭心症、心筋梗塞)の発症と認知機能の低下です。

WHO/FAOの2003年のレポートでトランス脂肪酸は心臓疾患のリスク増加との強い関連が報告され、また、摂取量は全カロリーの1%未満にするように勧告されています。

その他、動脈硬化のリスクを高めたり、体内で炎症が生じていることを示す因子が高いことが示されました。

炎症因子についてはアトピーなどのアレルギー症への悪影響を及ぼす疑いが掲示されています。また、摂取量が多い場合に不妊症のリスクが高まる可能性があります。