徹底解剖

2013年8月1日　初版第一刷発行
2013年7月25日　発売（という情報が多く出回っていますが、初版発行より先に販売されているってこと？）

著者・・・・・・川上亮
イラスト・・・・・犬倉すみ
協力・・・・・・アミューズメントメディア総合学院
ブックデザイン・・渡辺高志（GALOP）
発行・・・・・・ＡＭＧ出版
発売・・・・・・株式会社竹書房
印刷・製本・・・・共同印刷株式会社

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「人狼ゲーム」の内容を解剖していく前に、この本の出版に携わっている上記の人物で気になった二人を調べることにしました。

一人目はこの人物
この小説だけではなく、「人狼ゲーム」シリーズの生みの親。（と、ここでは言っておきます）

著者・川上亮ってどんな人？

・1976年大阪府生まれ。
・ボードゲームやカードゲームの企画・制作をしている【株式会社コザイク】代表
・創作集団【グループＳＮＥ】に所属し、別名義【秋口ぎぐる】として活動していた。

このくらいの情報はちょっと検索すれば、出てきますよね？
ということで、秋口ぎぐる／川上亮さんのTwitterからの情報でまとめてみました。

・ アイドル好き。特にNMB４８の大ファンだと思われる。（どのくらいのファンかというと専門学校の講義で語るほどのファン）
・ 2015年まで専門学校で10年以上講師を務めていた。（おそらくアミューズメントメディア総合学院）
・ 2015年から2017年9月までアメリカへ移住（テキサス州ヒューストン市）
・ 2017年10月より熊本県に移住
・ 2017年11月に【グループＳＮＥ】脱退（本人曰くクビ。本当は独立して成功しているため）
・ 創作の原動力は復讐？
・ 三児の父

二人目はこの方です。

イラスト・犬倉すみってどんな人？

・ 本作「人狼ゲーム」がイラストレーターデビュー作品（在学中にデビュー）
・ 2014年 アミューズメントメディア総合学院 キャラクターデザイン学科卒業
・ 某サイトでイラスト販売を行っている（行っていた？）
・ 人狼ゲームシリーズ以外の作品　「婚活刑事」
犬倉さんって情報が少ないんですよね。おそらくペンネームだと思われます。


STORY
高校二年生の愛梨は、バイトの帰りに何者かに拉致される。目覚めると、周囲には円を描くように同じ制服を着た男女が座っていた。そして、首には何の目的か分からない首輪がはめられていた。不可解な状況に戸惑う愛梨たち。すると壁に掛けられたモニターが光り、「人狼ゲーム」と表示され、『皆さんにはこれから人狼ゲームをプレイしていただきます。拒否権はありません。これは、特別な方々を楽しませるためのショーです。この場で起きるすべての出来事は撮影され、中継されています』と告げられる。「人狼ゲーム」とは、プレイヤーが村人と狼に分かれ、それぞれがある種の条件の下にお互いを当てるというもの。しかし、このゲームでの“負け”は“死”を意味していた・・・・。何故、彼ら彼女らはここに集められたのか？そして、生き残るのは誰か・・・・生死を賭けたゲームが、いま始まる―――。　（文庫　裏表紙より）

ルール説明（本文より抜き出しまとめてみました）

ルール１　村人の中に人狼が2人います。
ルール２　毎日20時に同じ席で、人狼と思われる1人を投票する。
ルール３　最多票を集めた者は吊るされます。（複数いた場合は、当事者以外で決選投票を行う。）
ルール４　深夜0時から翌朝6時までは、自分の部屋にいてください。
ルール５　人狼は深夜0時から2時まで村人を1人殺害してください。
ルール６　生き残りが人狼だけ、もしくは村人だけになるまで繰り返す。
ルール７　生き残った側の勝利。
ルール８　勝利した側に合計1億円お支払いします。
ルール９　ゲームの進行をさまたげてはいけない。建物からでたり、備品を損壊してはいけない。ほかの参加者に危害を加えてはいけない。ルール違反は命を失う
ルール10　村人の中に予言者が1人います。

役職紹介
人狼（2名）・・・・毎晩、村人1人殺害する
村人（7名）・・・・特殊能力なし
予言者（1名）・・・毎晩1人だけ、参加者の正体を知ることができる
※　表紙裏のプレイヤー紹介では、預言者となっていましたが、本文は予言者になっています。

預言者と予言者の違い
預言者・・・神託を告げる者
予言者・・・未来を予測する者

人狼ゲームにおいて、どちらの漢字の方があっているのでしょうか？
正体を知ることのできるよ言者
予測ではなく、決定事項を知ることができることから、やはり預言者の方が合っている気がします。

登場人物
ゲーム参加者
仁科愛梨・・・・・北摂高校2年　201号室　
猪瀬尚子・・・・・北摂高校2年　205号室
多田友広・・・・・北摂高校2年　110号室
井上真理絵・・・・北摂高校2年　207号室
井上このみ・・・・北摂高校1年　209号室
下林勇平・・・・・北摂高校1年　102号室
町村誠一郎・・・・北摂高校3年　108号室
川崎文隆・・・・・北摂高校3年　104号室
稲葉瞳・・・・・・北摂高校3年　203号室
藤木毅・・・・・・北摂高校3年　106号室

参加者以外の登場人物（名前がある者）
津野・・・・・・愛梨のバイト仲間。
直島・・・・・・愛梨のバイト先の店主
アサト・・・・・瞳の彼氏
マサ・・・・・・マサトのバンド仲間

参加者の関係性　ネタバレ
仁科愛梨と猪瀬尚子はクラスメイト（仲は良くない）
多田友宏と井上真理絵はクラスメイト（共に2度目の参加）
仁科愛梨と多田友宏は元クラスメイト
井上真理絵と井上このみは姉妹
仁科愛梨は多田友宏に好意を持っている
このみと津野は交際していた

参加者たちも気づいていなかった関係性　ネタバレ
恨みのループ
愛梨 → 勇平 → 文隆 → 瞳 → 毅 → 尚子 → 誠一郎 → 真理絵 → 友宏 → このみ → 愛梨

勇平と尚子の恨み対象は描かれていませんでしたが、恨みループが完成するにはこの形で間違いないと思います。

映画では描かれていないゲーム参加者たちの過去であり、ゲーム参加者に選ばれた理由がこの恨みのループです。

死亡順と役職　ネタバレ
１　猪瀬尚子　　ルール違反　　　村人　　　ゲーム参加を拒否し、進行を妨げた
２　川崎文隆　　投票　　　　　　村人　　　決戦投票で４票集めた
３　下林勇平　　襲撃　　　　　　村人　　　刺殺（愛梨を守るためだと考えられる）
４　町村誠一郎　投票　　　　　　村人　　　自称予言者に誘導され、3票集めた
５　稲葉瞳　　　襲撃　　　　　　村人　　　刺殺
６　井上真理絵　投票　　　　　　人狼　　　人狼だとバレ、4票集めた
７　藤木毅　　　襲撃　　　　　　預言者　　刺殺
８　多田友宏　　ルール違反　　　人狼　　　愛梨の裏切り（？）で2票集めた
勝者　仁科愛梨・井上このみ　共に村人（後半戦は共に人狼）

この終わり方だと、続編を期待します。しかし、残念ながら小説版には続編はありません。

プロの作品にケチをつけることではないのですが、読んでいる中で一文だけ気になる箇所を発見。
３４ページの尚子の回想シーン
――――生活力のない母と、中学生の息子と、そして高校生の尚子ーーーー

この中学生の息子とは尚子の弟だと思いますが、この書き方だと尚子の息子とも解釈できそうです。

普通であれば、【中学生の弟】という表現の方がしっくりくるように感じました。

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映画や漫画もいいですが、たまには小説もいいですね。