読み忘れていたので読んでみた。
12才の少年だった主人公が
犯してしまった殺人事件。
主人公の視点で語られる物語なのだけれど
一人称ではないところが…ルメートルだ。
いつも、いつも、主人公に冷たい。
アントワーヌはいい子でも悪い子でもない。
でもきっと、この事件がなかったとしても
どこか怯えて、何かを恐れながら、
それでも、母のように規律に従って
人を責めず自分を律して
生きていたんじゃないかと思わせる人物だった。
ルメートルは「その女アレックス ALEX」で衝撃を受けて
ヴェルーヴェン警部シリーズを一気読み
(といっても、残念なことに切りよく三部作)
恐ろしいし、衝撃的な内容だし
構成も複雑でネタバレしたらもったいないので
詳細は書かないけれど
絶対に読んでほしい作品…あ、でも苦手な人はいるかも。
いや、苦手でも読んでほしい。
絶叫系コースター、乗るのはだめでも
客観的に見ているのは以外と平気だったりするでしょう?
この作家の書き方もそんな感じ
物語の中では、主人公や登場人物たちが
かなり過酷な目にあうのだけれど
書き手はひどく冷静で、一歩引いた視点で語っているので
「怖そう」というだけで「怖い」までには至らない。
覗き見させられているようで、読んでいて時々恥ずかしさを覚える。
そう、主人公にも読者にも
作者が「冷笑」しているように思うときがある。
なのに、読んでしまう。読みだしたら、続きが気になって仕方がない。
一気読みするしかない。
まだ読んでいないのは、「監禁面接」と「天国でまた会おう」
これも今からとても楽しみ
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