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2021年09月24日

NetFrix「監禁面接」原作との違い

まず。主人公のアランがイメージしていたフランスの50代男性とはちょっと違っていた。
ドルフマンが「この人は元軍人か?」と尋ねてしまうほどの強面で体格もよい。
フランス男性って細身で小柄な印象が強いので、
人事部一筋の男が、屈強な体躯なのが意外だった。

ストーリーの大筋のところは変わっていなかった。
その代わり、原作で恐ろしかったフォンタナは小物扱いで、
企業の権力争いや裁判の勝ち負けに焦点が絞られていた。

フォンタナがホントに恐ろしいほど怖いのが魅力だったのに!

それと、シャルルの人柄にブレがあった。無欲で善意の塊のようなシャルルが
ハッキングのプロっていう設定はどうかと思う。
そこは、もう1人ちゃんと同僚役なくさない方がよかったのでは…。
ドルフマン殺しても終わりってわけじゃないのに。

主人公の一人語りではないので、アランの揺れる心のうちは沈黙のまま。
どこまでが彼の戦略で、どこからが運だったのかも
ドラマをみただけではわからない。

原作は一章ごとに、なんどもハラハラドキドキ、そして絶望を味わう。
ドラマでは、アランの苦しさをあまり追求していない
「ブレイキング・バッド」くらいのスパンで描いてくれたら…もっと
感情移入できたのだけど、原作があるし、結末も決まっているから、そうもいかないのかな。

印象深かったのは、裁判のシーン。
人民を誘導することに、極度な不快感を表す裁判長。
陪審員制度が定着しているから、素人の意見を揺さぶられるのは嫌なのだろうな。
それに、なんといっても「集団心理」by.ル・ボンの怖さを知っているお国柄。
「正義」が変化することも重々承知。ここはホント見ごたえありでしたな。

アランの自宅の荒み感も、とても雄弁だった。失業年数も4年から6年に優れているから、
たしかに、もう、生活ギリギリって感じなのね。
義理の息子のへっぽこな感じもいい。ニコルの美しさも。実は不倫していたのも、理解できる。
原作でもほんとは不倫してたかも、アランが気づいていなかっただけでね。


なんだかだ、原作と比べながらでも
たっぷり楽しめた作品でした。

ドラマを観てから原作にチャレンジするのもアリです。
ゾクゾク感は原作の方が勝ってます。

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