子孫繁栄が家を守ることであった時代、お墓というものは必要不可欠なものでもありました。
また、江戸時代に強制的に行われた近所のお寺との檀家というシステム、仏教を広めるためだけでなく、地域の人の悩みなどにも対応してくれるお寺さんは小さな村意識ではとても便利なものでした。
しかし現代、近所との連携はそれほど必要のないものに変化をしています。
特に集合住宅などではゴミ出しや管理を会社で行うようになり、お金を出資することで賄うことができています。
近所に誰が住んでいるのかもわからない場合も増えていることでしょう。
人と協力しないと生活できなかったシステムが徐々に壊れていっています。
そんな中で、お墓の問題が出てきていますよね。
子孫繁栄を家の重要課題にしていた時代は終わり、個人単位で物事を進めることができる時代。
多種多様性は、今まで先祖が作り上げたきた仕組みの崩壊を生んでいます。
お寺が地域の中心であった時代が終わり、個々の生き方に合った仕組みへと大変換をしているのが今の状態です。
変わる生活形態
時代とともに人々の生活形態や思考にも変化が起きています。
もとは仏教の普及が目的だった、すべての人が檀家になるという仕組みも、宗教の自由化が起きて崩壊しています。
それなのにお墓だけは残されている。
子孫がない人や遠くに移住してしまった人には、お墓の管理は難しいという問題が起きています。
子孫もいない、お墓の管理をする人がいない、そうなるとお墓は自動的に無縁仏になります。
また、何もせずほったらかしにしてしまうと、高額な管理費の請求が来ることもあるのです。
きちんとお墓をどうするのかを決めることがとても大事といえますね。
先祖代々のお墓を管理し続けることが困難な場合、そのまま放置するのではなく、適切なやり方で墓じまいをすることが大切になってきます。
墓じまいをするために
では、墓じまいをするためにどのようにしたらいいのか悩む人も多いことでしょう。
檀家のお寺さんに相談するのが順序的には正しいことでしょう。
しかしながら、墓じまいを相談したことでお寺さんとトラブルになってしまうということが起きています。
問題は請求額です。
高額な費用をお寺から請求されるといった事案が報告されています。
墓じまいをするための適正価格というものが一般には広まっていません。
そのために、問題が起こっているともいえるでしょう。
では、問題を回避しながらうまく墓じまいができる方法はあるでしょうか?
墓じまいの業者に頼む
まだ、一般には知られていないかもしれませんが、このような墓じまいを請け負ってくれる業者というものが存在します。
自分でやるということも可能ですが、その場合には墓じまいに関する知識を調べる必要があります。
簡単にお墓を撤去すればいいという話でもないからです。
そんな時に墓じまいの業者に頼めば、すべてのノウハウを知っていますから、スムーズに事が運び、適正価格で墓じまいを行えるというメリットがあります。
時間的にも自分でやるよりも無駄なくできるというのもメリットですね。
では、墓じまいの業者はどのように見つけるといいのでしょう。
墓じまいの業者を見つけるポイント!
業者にもいろいろありますので、きちんとしたところに頼まなければ意味がありません。
では、どのような業者がよい業者なのかを見極めるポイントをご紹介します。
1:実績と信頼性
ネットなどで見つける際には口コミを利用する人がいますが、この口コミ、バイトを雇って嘘の書き込みをさせることもあります。
口コミだけに左右されずに第三者が書き込みしているレビューを参考にしたり、業者の信頼性や評判はどうかをチェックする必要があります。
2:専門知識と経験
墓じまいには専門的な知識が必要になってきます。
業者が墓じまいに関する専門的な知識を要しているか、施行例などを多く掲載しているかを調べるのにHPを活用して、多くの施行例を掲載しているかを確認するといいかもしれません。
きちんとした施行の仕方を行っているかを確認できれば、専門知識がある業者かどうかを判断する材料になります。
3:料金と契約条件
いろいろな業者の墓じまい料金を比較しましょう。
複数の業者から見積もりを取り、料金や契約内容を比較しながら適切な業者を選ぶとよいでしょう。
4:ライセンスや資格
お寺との交渉に必要な行政書士、弁護士が在籍しているかを確認しましょう。
きちんとした資格がある人が在籍しているかで業者の信頼性などを見極めることができます。
ネットで調べるときには、虚偽の情報も多いので施行例が多いかどうか、それらの写真が多く掲載されているかを確認するといいでしょう。
また、近所の業者を頼む場合には、墓じまいをした人の話などを聞くことも大切です。地元の葬儀社、墓地管理会社に相談するのもよいのですが、高額になることが多いので業者の比較をするようにしたほうが良いかもしれません。
時代とともに変わるライフスタイル!
ひと昔前ならお墓をしまうなんて言う概念はなかったことでしょう。
先祖がいるから今の私たちがいるからです。
その一族を繁栄させ、絶やさないことが重要とされていたからです。
現代人は、そのような考え方をする人は少なくなりました。
一族の繁栄のために子供を作るという考えが受け入れられなくなってきたからです。
子孫が絶えてしまう家も増えています。
お墓をどうするかはこれからの時代、重要な問題になってくるでしょう。
墓じまいをするにしても、適切な方法で終わらせることでけじめというものができるのではないかと思います。
お墓を終わらせるときに、今まで続いた家の先祖たちに感謝とお礼をする気持ちが大事ですよね。
ほったらかしにすることが1番問題ですからね。