軌跡

魔人ハンターミツルギ

『魔人ハンターミツルギ』江戸時代初期を舞台とした時代劇特撮

当時流行していた合体変身ヒーロー物だが、主人公であるミツルギ三兄妹は

プラスチック製のヘルメットをかぶり胸には手榴弾、腰には金属製のベルトと

時代考証を無視したスタイルであった。

宇宙人であるはずのサソリ軍団も含め、他の登場人物は時代劇らしい服装をしているため

三兄妹のいでたちが余計に目立つこととなった。

巨大神ミツルギと宇宙怪獣の戦闘シーンには「アニクリエーション」と称し

人形アニメ技法が用いられ、俳優による実写部分とは別に制作された。

日本のTVヒーロー特撮としては極めて異例な手法ではあったが、

毎週放映の番組ゆえに制作スケジュールは逼迫し

そのため、特撮部分全てが完全なストップモーション・アニメーションではなく

人形を手で動かした物を普通に撮影したカットも多かった。（特に、番組後半では目立つ）

結果、当時の子供の目にも人形劇にしか見えず、評判は芳しくなかった。

また、裏番組に1週間前に開始した『バビル2世』や、前年から放送していた

『ワイルド7』などの人気番組があったことからも、人気・視聴率は苦戦を強いられた。

全12話と放映期間は短かく、マイナーな作品ではあるが、その世界観の独自性や

部分的とは言えストップモーション・アニメーションに挑戦したこと、

更に後年『スーパージョッキー』で紹介された事などからマニア人気はあり

また話数の少なさゆえに、全話のビデオ・LD・DVD化も成されるに至った