2024年09月19日
【関ケ原 (2017)】
映画『関ケ原』(2017年)は、戦国時代の大きな出来事である「関ヶ原の戦い」を描いた歴史映画です。司馬遼太郎の原作を基にしていて、石田三成と徳川家康の二人が激しく対立する姿がメインです。戦国時代好きはもちろん、歴史に興味がない人でも迫力ある合戦シーンとキャラクターのドラマを楽しめる映画だと思います。
まず主人公は石田三成(岡田准一)。彼は「忠義」と「正義」を貫く武士で、豊臣家を守るために命をかけて戦う人物です。三成はめちゃくちゃ真面目で、信念が強いキャラ。理想を追い求めるあまり、周りと衝突してしまい、孤立していく姿がなんとも切ないんですよね。観ている側としては、「あー、もうちょっと柔軟に考えれば…」なんて思っちゃうんだけど、それでも彼の生き方には何か共感できる部分があるんです。自分が信じるものを貫き通す姿勢ってやっぱりかっこいいなって。
そして、三成を支える忍び・初芽(有村架純)との関係も感動的です。初芽は三成の側にずっと寄り添い、彼のために尽くすんだけど、その姿がまた涙を誘います。戦国時代の厳しい世界で、こういう人間関係が描かれると、映画全体に温かさが加わって良い感じなんです。
一方で、三成のライバル徳川家康(役所広司)は、まさに「冷静沈着な策士」って感じ。家康は現実主義で、勝つためにはどんな手段でも取る、まさに戦国の大物です。彼の行動は常に計算されていて、天下を狙うために冷酷な選択もためらわない。三成の熱さに対して、家康は冷静に動くタイプなので、この対照的な二人の関係が映画の大きな魅力です。お互いが全く違う信念で動いているので、どっちの言い分もわかるんだけど、それがまた見ていて面白いところですね。
さて、この映画のハイライトといえば、もちろん「関ヶ原の戦い」。これはもう本当に圧巻です!何千人もの兵士がぶつかり合う大規模な合戦シーンは、迫力満点で、まるでその場にいるかのような臨場感があります。CGやエキストラを駆使して、当時の戦場がリアルに再現されているので、歴史好きにはたまらない映像体験です。戦の混乱や兵士たちの動きがしっかり描かれているから、まるで自分がその時代にタイムスリップしたみたいな感覚になれます。
でも、映画全体としてちょっと気になる点もあります。『関ケ原』の原作ってすごく長くて、登場人物もめちゃくちゃ多いんです。だから、映画に収めるにはどうしても時間が足りないところがあって、登場人物一人ひとりの背景がそこまで深掘りされていないんですよね。特に戦国時代やこの時代の人物に詳しくない人にとっては、誰が誰で、どんな動機で動いているのかがちょっと分かりにくいかもしれません。もう少しキャラクター同士の関係や感情が描かれていれば、もっと感情移入できたかなと思います。
それでも、岡田准一の石田三成役は本当に素晴らしかったです。三成の理想を追い求める姿や、その信念に苦しむ様子がリアルに伝わってきて、彼の演技にグッと引き込まれました。また、役所広司の徳川家康も圧倒的な存在感で、彼の冷静な戦略家としてのキャラクターを見事に演じていました。この二人の演技合戦は本当に見応えがあって、映画全体を引き締めています。
さらに、戦国時代の政治的な駆け引きや、各勢力の思惑が錯綜する様子も見どころです。三成は忠義を貫こうとするけれど、その正義感がかえって彼を孤立させてしまう。一方で、家康はその弱みを巧みに利用して天下を狙っていく。この二人の戦略の違いが、物語をさらに面白くしています。映画を観ていると、ただの合戦映画ではなく、戦国時代の複雑な権力闘争や人間関係の深さがよく伝わってきます。
『関ケ原』は、戦のシーンが派手でカッコいいだけじゃなくて、そこに生きた人々の信念や葛藤が丁寧に描かれた映画です。石田三成と徳川家康という対照的な二人が、どうやって天下を目指し、それぞれの運命を迎えるのか。見終わった後に、戦国時代の人間ドラマの重みがじわじわと心に残ります。
この映画は、歴史ファンにはもちろん、戦国時代のドラマや人間関係に興味がある人にもぜひ観てほしい一作です。岡田准一と役所広司の演技を堪能したい人や、迫力ある合戦シーンを楽しみたい人にもぴったり。ぜひ、一度この壮大な歴史ドラマにどっぷり浸かってみてください!
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