2016年06月25日
恐るべし...マイコプラズマ肺炎の流行
一昨日、息子の通う幼稚園の欠席者の中に、
1人マイコプラズマ肺炎の子が居たんです。
それが1日経った昨日は、一気にマイコプラズマ肺炎でお休みの子が5人に
やはりこの辺で流行り出しているんでしょうか
マイコプラズマ肺炎の感染してから発症するまでの潜伏期間は、通常2〜3週間と長く、初期症状としては風邪のような症状のため、病院などに行かずに自己判断で様子を見てしまうことがあります。
また、病原体の排出期間が長いことで、知らない間に人から人に感染し、長期に渡り流行を起こす可能性があるのです。
マイコプラズマ肺炎とは...?
マイコプラズマという菌が肺に感染しておこる病気です。しつこい咳と、頑固な発熱が特徴ですが、肺炎という名の割には、聴診器で呼吸音を聞いても異常がなく、外見だけではわかりにくい肺炎です。
発熱・全身倦怠感・頭痛などの症状があらわれます。
また痰などを伴わない乾いた咳(乾性咳嗽)がみられます。咳は経過とともに強くなり、熱が下がったあとも1ヶ月程度続くことが特徴的とされています。
年長児や青年では、後期になると痰を伴う湿った咳(湿性咳嗽)になることが多いようです。
また、声がかすれる(嗄声)、耳痛、咽頭痛、消化器症状、胸痛などといった症状や、ゼイゼイ・ヒューヒューといった呼吸音(喘鳴)が認められることもあります。
中耳炎・無菌性髄膜炎・脳炎・肝炎・膵炎・溶血性貧血・心筋炎・関節炎などの合併症を併発する場合もあります。
大体が、外来治療で治りますが、近年、薬の効きにくいマイコプラズマ肺炎も増えてきており、注意が必要な疾患です。
感染経路としては、咳やくしゃみなどによる飛沫感染、感染している人との接触による接触感染があり、家族間での感染や学校などの集団生活の場で感染しやすく、流行しやすい感染症となっています。
幼児から成人まで幅広い年齢層でかかりますが、特に6〜12歳の小児に多くみられます。
幼児では肺炎にまで進むことは少なく、カゼ症状くらいで治ることが多かったのですが、最近は幼児でも肺炎が見られるようになってきました。
一度かかっても十分な免疫ができないため、何回もかかることがあります。
診断は...?
マイコプラズマの診断は、少し難しいのです。
体内でバイ菌が暴れると、白血球や、CRP(炎症反応)が、高値になりますが、マイコプラズマでは、殆ど変化がなく、一般的な血液検査は当てになりません。
マイコプラズマにかかると、マイコプラズマの抗体(MPHA)ができますので、この抗体を調べればマイコプラズマに罹ったかどうかということがわかります。
正確な検査方法は、ペア血清といって2回採血して、抗体の上昇の程度を見て診断する方法ですが、結果がわかるまで時間がかかるのが難点です。
また発病初期に採血されることはあまりなく、ある程度症状が進んでから検査されることが殆どです。
今年5月にマイコプラズマ肺炎にかかった時の私の血液検査の結果です。
緊急にかかった時と、その4日後に2回採血して、こちらは2回目の血液検査のものです。
緊急の時は「肺炎」としか診断されませんでしたが、2回目の血液検査後に初めて「マイコプラズマ肺炎」と診断されました。
治療は...?
マイコプラズマに効く薬はマクロライド系の抗生物質です。
よく使用される製品は、エリスロマイシン、リカマイシン、クラリス、クラリシッド、ジスロマック等ですが、最近このマクロライド系の抗生物質に効かないマイコプラズマ肺炎が増えてきました。
以前は、「マクロライドが効かないマイコはない」 と、言われていました。ところが、「マクロライドが効かないマイコ」が、2000年あたりからどんどん増えてきてしまいました。原因はいろいろ推察されていますが、マクロライド系の抗生物質の使い過ぎもあるようです。
マクロライド系の抗生物質が無効な場合には、テトラサイクリン系の抗生物質やニューキノロン系の抗菌薬が有効とされています。
大人のマイコプラズマ肺炎の特徴
マイコプラズマ肺炎の患者は、14歳以下の子どもが8割とされていますが、大人でも発症します。
大人がマイコプラズマに感染するケースとしては、保育園や幼稚園、小中学校に通う子どもが学校で感染し、潜伏期間中に家庭内で二次感染を起こすケースが多く見られます。
症状は子どものマイコプラズマ肺炎とほとんど同じですが、大人のマイコプラズマ肺炎には、子どもの症例にはない特徴もあります。
まず微熱や咳、身体のだるさが長く続くことがあります。しばらくすると微熱から38〜39度の熱になりますが、一日中高いままではなく、ある決まった時間になると熱が上がり、しばらくすると下がるという現象(弛張熱)みられます。
そしてマイコプラズマ肺炎の症状として最も特徴的なものに、痰のからまない乾いた咳があります。この咳は熱が下がったあとも長引くケースが多いのですが、大人の場合は乾いた咳から長引く気道の炎症により分泌物が増し、湿った咳になりやすいのも特徴です。
また子どもに比べて、大人、特に高齢者は重症化するリスクが高く、胸に水が溜まる「胸水貯留」や呼吸不全を引き起こす場合もあり、ときに入院が必要となります。
このように潜伏期間も排出期間も長く、若く健康な人であってもマイコプラズマ肺炎にかかったり、肺炎が重症化してしまうことがあるのです。
身近にマイコプラズマ肺炎にかかった人がいたら、治ってからもしばらくはマスクを着用して感染しないように気をつけたいですね
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