2016年02月27日
「ビーチに打ち上げられたイルカの赤ちゃん」の写真を撮ろうと観光客押し寄せ……
愛くるしい顔をして頭が良いことでも知られるイルカは、水族館やシーワールドでも大人気だ。それがイルカの赤ちゃんとなると、サイズも小さいだけに可愛さも倍増である。
ところが、そんなイルカの赤ちゃんがビーチに打ち上げられたにもかかわらず、助けの手を差し伸べられるどころが、観光客が写真を撮ろうと押し寄せ、信じられないような結末を迎えてしまったのである……。
・海岸に打ち上げられたイルカの赤ちゃん
アルゼンチンのブエノスアイレスにあるリゾート地サンタ・テレシータで、海岸に打ち上げられたラプラタカワイルカの赤ちゃんが発見された。
イルカはおそらく体長50〜80センチほどで、まるで、アニメか何かから飛び出して来たような可愛さだ。その時点でイルカは生きていたとのことで、本来なら、すぐに海に帰されるべきである。
・イルカが群衆に囲まれてもみくちゃに!
ところが、ビーチにいた観光客によって砂浜に運び込まれ、イルカはアッという間に群衆に囲まれてしまったのだ。
そして、現在は削除されているが、ある男性が、その様子を写した写真をFacebookに投稿。その写真では、群衆の真ん中にいる男性がイルカの赤ちゃんを抱え、なんとかイルカを触ろうとしたり、写真を撮ろうとする人々にもみくちゃにされているのだ!
・死に至りビーチに取り残されてしまったイルカ
群衆の誰かが、「イルカを触るのを止めて海に戻すように」と呼びかけたが、誰も言うことを聞かなかったという。その後、悲しくもイルカの赤ちゃんは息絶えてしまいビーチに放置されたが、環境保護団体と当局がビーチに到着した時には、すでにイルカの死骸は消えていたとのこと。
当局は、「イルカは皮膚の乾燥で死に至るため、ビーチに打ち上げられていたら早急に海に戻すように」と、現地の人々に呼びかけている。
南米の海域に生息するラプラタカワイルカは、生息数が3万頭を切り、絶滅の危機に瀕している種だそうだ。そうでなくとも、まだ息がある海水生物が海岸に打ち上げられていたら、すぐに海に戻されるべきである。希少な哺乳類が、‟人間” という哺乳類に遭遇してしまったばかりに悲しい結末を迎えるとは、なんとも残念としか言いようがない。
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