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2016年02月25日

国内の水族館でラッコが「絶滅」の危機に オスの「草食化」も一因

愛らしいしぐさで人気のラッコが、国内の水族館で「絶滅」の危機にひんしています。オスの「草食化」も一因になっているそうです。いったいラッコに何が起きたのか。




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サンシャイン水族館、展示に幕 
 東京・池袋のサンシャイン水族館のラッコ展示が2月末で、約30年の歴史に幕を下ろします。今年1月、メスのミール(13歳)がガンで亡くなり、パートナーのオスのロイズ(10歳)が国内の別の水族館に「引っ越し」することになったためです。

 展示水槽の横に設けられたメッセージボードには、来館者が書いた「さよなラッコ」「ラッコさんバイバイ」などのカードが100枚以上集まりました。



捕獲禁止、輸入ストップ

 全国動物園水族館協会(JAZA)によると、ラッコは82年に日本に初めて輸入されました。ところが、94年の28施設122頭をピークに減少が続き、サンシャイン水族館によると、今年1月14日時点で10施設14頭と、約20年間で9割近く減りました。

 ラッコが減っている理由は、野生ラッコが多く住んでいる米国やロシアからの輸入が途絶えていることが大きいそうです。ラッコを保護するために、米国やロシアでは捕獲を禁じていて、米国からは98年、ロシアからは03年を最後に輸入がストップしています。



ラッコの世界も高齢化
 国内での繁殖も思うように進んでいません。水族館同士でラッコを貸し借りして繁殖を進めてきましたが、相性が悪くて妊娠しなかったり、出産してもすぐに赤ちゃんが死んでしまったりしています。

 高齢化が進み、いまは出産適齢期を過ぎた15歳以上のラッコが多くなっています。

 また最近は、思わぬ変化も出てきているそうです。

 国内のラッコの繁殖計画を取りしきる鳥羽水族館(三重県)の飼育員石原良浩さんによると、国内で飼育されているラッコの大半は水族館生まれで、世代を重ねるごとに繁殖能力が落ちているといいます。







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抵抗されると諦めるオス
 交尾する際、野生のオスは、海面で体勢が崩れないようにメスの鼻にかみつきながら10〜15分間、激しい交尾をします。ところが、水族館生まれのオスは交尾を試みようとしても、メスに抵抗されるとすぐに諦めてしまうことが多いといいます。

 石原さんは「水族館生まれのラッコは、人間と同じように『草食化』が進んでいるようです」と指摘しています。「近いうちに国内でラッコが見られなくなる日がくるかもしれません」とも話しています。
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