2016年03月04日
大好きだけど意外と知らない「マグロ」のこと
日本人のマグロの人気は相変わらずですね。 この「マグロ」、食べることには興味がありますが、その生態やなどはあまり知られていないですね。 今回は人気のマグロについて解説してみましょう。
実は”出世魚”なんです。
マグロはスズキ目サバ科の魚で、サバやカツオ、サワラの親類です。
このうちマグロ属は
ホンマグロ、ビンナガ(ビンチョウ)、メバチ、キハダ、タイセイヨウマグロ、ミナミマグロ(インドマグロ)、コシナガの7種類があります。
マグロ一族は、すべて熱帯の海で5月から6月ごろ産卵します。
種類によってそれぞれ産卵する場所が異なり、ホンマグロは地中海やメキシコ湾など、ミナミマグロはジャワ島の南方、キハダやメバチは赤道付近に産卵場所があるといわれています。
また、小型のビンナガは太平洋広域で産卵するといわれています。
それぞれの産卵場所では、まずメスが海面付近でゆっくりと群れ、輪を描くように泳ぎながら産卵します。
ビンナガマグロで80万〜260万粒、大きなクロマグロは930万〜4000万粒も産卵するといいます。
続いて、オスが群れながらそこに精子を振りかけます。
受精卵はそのまま海面に浮遊します。
透明な卵なので、他の魚に気付かれることはありません。
そして、わずか1日で孵化するといわれています。
キハダやメバチは赤道付近に産卵場所があるマグロの稚魚は黒潮にのって回遊し、夏から秋にかけて相模湾などにやってきます。
この時期、この相模湾でも、80〜90センチ前後のマグロがつれることがあります。
この相模湾などで釣れるメジと呼ばれるマグロはホンマグロの幼魚。
静岡では、このマグロの成長に合わせてその呼び名が変わります。
メジカッコ → メジカ → メジ → クロシビ → シビ
と呼び名が変化していくのです。
マグロも『出世魚』なんです。
江戸時代には下級の食べ物だった
マグロは今でこそ高級魚。
おすし屋さんで、トロでも注文しようものなら、その美味しさが舌先に残る余韻も吹き飛ぶくらいの「お会計」となりますね。
しかし、江戸時代にはこれがまったく下級の食べ物であったとされています。
『本朝食鑑』には
「凡そ士以外の人は食べないものである」とあり
『魚鑑』には
「肉赤く血点あり、味いよからず」とあり、
さらに『古今料理集』には
「まぐろ、下魚也。 賞翫に用いず」とそっけない表現がされています。
特に「トロ」は脂肪が強いため敬遠され、すし屋でも赤身のほうが値段が高かったといわれています。
当時、武家は赤身を好み、脂身であるトロは庶民や肉体労働者が食べればよいとばかりに捨てられていたといいます。
江戸庶民の味 『ネギマ鍋』
それならばと江戸時代に庶民が考えたのが『ネギマ鍋』です。
”ネギ”は葱をさします。
”マ”はマグロという説と、マグロの脂を移した葱を主役で食べる”間つなぎ”でマグロを食べたことから”ネギマ”となったという説があります。
食べ方は、すき焼きと同じように2種類があり、平鍋で割り下を具が浸るほどに入れて食べる方法と、深鍋にたっぷりの割り下を入れて煮込む方法があったといいます。
いずれにせよ、脂の乗った『トロ』の旨味と栄養が江戸庶民の活力源であったことは間違いないですね。
マグロが高級魚になったのは昭和30年代から
マグロは明治のころまではそれほど高級な魚ではなかったようです。
それが、近年のように高級化していったのは、日本人の食生活が脂っこくなった昭和30年代以降といわれています。
この頃、ついにトロが赤身を追い抜き、ホンマグロの大トロともなれば、とても庶民の口には入らない高値の花となっていくのでした。
トロが多いのはホンマグロですが、それでも200キロ以上の大物からでも、わずか15キロ位しか採れません。
市場の卸価格で、ホンマグロのトロはキロ当たり何万円もします。
胸ビレからアゴにかけてのカマの部分である大トロ(別名カマサキ)となれば当然それ以上の値段になります。
通常我々が食べているのはホンマグロではなく、メバチマグロがほとんどです。
しかしこのメバチマグロ、魚体が小さく、トロにあたる腹肉部は薄いため、トロはほとんどありません。 やはりその希少性から高値になるというわけですね。
まとめ
最近では、回転寿司などでマグロが安く食べられるようになりました。 トロも比較的安く食べられるようにはなりましたが、たまには”本物”のトロを食べてみたいですね。 そのためにはまず、『お金持ちのスポンサー』を探すところから始めましょうか?
実は”出世魚”なんです。
マグロはスズキ目サバ科の魚で、サバやカツオ、サワラの親類です。
このうちマグロ属は
ホンマグロ、ビンナガ(ビンチョウ)、メバチ、キハダ、タイセイヨウマグロ、ミナミマグロ(インドマグロ)、コシナガの7種類があります。
マグロ一族は、すべて熱帯の海で5月から6月ごろ産卵します。
種類によってそれぞれ産卵する場所が異なり、ホンマグロは地中海やメキシコ湾など、ミナミマグロはジャワ島の南方、キハダやメバチは赤道付近に産卵場所があるといわれています。
また、小型のビンナガは太平洋広域で産卵するといわれています。
それぞれの産卵場所では、まずメスが海面付近でゆっくりと群れ、輪を描くように泳ぎながら産卵します。
ビンナガマグロで80万〜260万粒、大きなクロマグロは930万〜4000万粒も産卵するといいます。
続いて、オスが群れながらそこに精子を振りかけます。
受精卵はそのまま海面に浮遊します。
透明な卵なので、他の魚に気付かれることはありません。
そして、わずか1日で孵化するといわれています。
キハダやメバチは赤道付近に産卵場所があるマグロの稚魚は黒潮にのって回遊し、夏から秋にかけて相模湾などにやってきます。
この時期、この相模湾でも、80〜90センチ前後のマグロがつれることがあります。
この相模湾などで釣れるメジと呼ばれるマグロはホンマグロの幼魚。
静岡では、このマグロの成長に合わせてその呼び名が変わります。
メジカッコ → メジカ → メジ → クロシビ → シビ
と呼び名が変化していくのです。
マグロも『出世魚』なんです。
江戸時代には下級の食べ物だった
マグロは今でこそ高級魚。
おすし屋さんで、トロでも注文しようものなら、その美味しさが舌先に残る余韻も吹き飛ぶくらいの「お会計」となりますね。
しかし、江戸時代にはこれがまったく下級の食べ物であったとされています。
『本朝食鑑』には
「凡そ士以外の人は食べないものである」とあり
『魚鑑』には
「肉赤く血点あり、味いよからず」とあり、
さらに『古今料理集』には
「まぐろ、下魚也。 賞翫に用いず」とそっけない表現がされています。
特に「トロ」は脂肪が強いため敬遠され、すし屋でも赤身のほうが値段が高かったといわれています。
当時、武家は赤身を好み、脂身であるトロは庶民や肉体労働者が食べればよいとばかりに捨てられていたといいます。
江戸庶民の味 『ネギマ鍋』
それならばと江戸時代に庶民が考えたのが『ネギマ鍋』です。
”ネギ”は葱をさします。
”マ”はマグロという説と、マグロの脂を移した葱を主役で食べる”間つなぎ”でマグロを食べたことから”ネギマ”となったという説があります。
食べ方は、すき焼きと同じように2種類があり、平鍋で割り下を具が浸るほどに入れて食べる方法と、深鍋にたっぷりの割り下を入れて煮込む方法があったといいます。
いずれにせよ、脂の乗った『トロ』の旨味と栄養が江戸庶民の活力源であったことは間違いないですね。
マグロが高級魚になったのは昭和30年代から
マグロは明治のころまではそれほど高級な魚ではなかったようです。
それが、近年のように高級化していったのは、日本人の食生活が脂っこくなった昭和30年代以降といわれています。
この頃、ついにトロが赤身を追い抜き、ホンマグロの大トロともなれば、とても庶民の口には入らない高値の花となっていくのでした。
トロが多いのはホンマグロですが、それでも200キロ以上の大物からでも、わずか15キロ位しか採れません。
市場の卸価格で、ホンマグロのトロはキロ当たり何万円もします。
胸ビレからアゴにかけてのカマの部分である大トロ(別名カマサキ)となれば当然それ以上の値段になります。
通常我々が食べているのはホンマグロではなく、メバチマグロがほとんどです。
しかしこのメバチマグロ、魚体が小さく、トロにあたる腹肉部は薄いため、トロはほとんどありません。 やはりその希少性から高値になるというわけですね。
まとめ
最近では、回転寿司などでマグロが安く食べられるようになりました。 トロも比較的安く食べられるようにはなりましたが、たまには”本物”のトロを食べてみたいですね。 そのためにはまず、『お金持ちのスポンサー』を探すところから始めましょうか?
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