(北村博子)
4月中旬、同神社では新型コロナウイルス退散祈願を兼ねて、疫病神を払う神事「鎮花祭(はなしずめのまつり)」が静かに営まれ、別所賢一宮司は「感染症にかからないよう、ご努力を重ねていただきたい」と話した。
「油の神様」や「菓子の神様」などとして同業者が信仰する神社は、その地域の氏神が一般的で、職能団体がその地域に新たな神社をつくった例は全国的にも珍しい。「薬の神さんとしては東京の日本橋や、京都の二条、名古屋にもうちから分霊した神社がありますが、いずれも大きな神社の境内にあるような『祠(ほこら)』です。拝殿があって神主が常駐する神社形式はうちだけ」と説明する。
今、全国各地から問い合わせが相次いでいるのは、毎年、11月に営まれる秋の例大祭「神農祭」で配る五葉笹を飾る張り子の虎をモチーフにしたお守りなど。関西でコレラが大流行した幕末の文政5(1822)年に、道修町の薬種仲買仲間が開発した丸薬と一緒に、病除け祈願した虎の張り子をお守りとして一緒に配ると、病気が鎮まったと伝わることから、その御利益にあやかろうと人気が出ている。
電話などを通じた注文は増加傾向にあり、現在、例年比の2割増となっている。「先日は広島の病院関係者の方から、毎日必死で働くスタッフに配りたいという手紙をいただき、25個送らせていただきました」。別所宮司は「今年の神農祭は開催できるか心配なところですが、張り子の虎を授かることで、感染予防意識を高め、健康のありがたさを感じる機会にしてほしい」と話している。
引用:産経新聞
https://www.sankei.com/west/news/200506/wst2005060002-n1.html
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