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2016年01月27日
【万能鑑定士Q −モナ・リザの瞳−】出演者・感想・完全ネタバレ(セリフ完全再現)
本日の映画紹介。
【万能鑑定士Q −モナ・リザの瞳−】
【出演者】
凛田莉子:綾瀬はるか
小笠原悠斗:松坂桃李
流泉寺美沙:初音映莉子
リシャール・ブレ:ピエール・ドゥラドンシヤン
朝比奈尚幸(ルーブル美術館の代理人):村上弘明
桜(リサイクルショップの店員):榮倉奈々
萩野甲陽:橋本じゅん
山田聡:村杉蝉之介
喜屋武友禅:児嶋一哉
江来香織:角替和枝
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【感想】
楽しいけど、浅い・・・
なんか物足りなく感じてしまいました。
サスペンス系の映画って、
どうしても謎が解けたら飽きちゃう!
しょうがないですよね〜
そんな私でも、楽しんで見れたので、
出来が良かったってことでしょうか?
情報は豊富で分かりやすかったし、
強いて言うのであれば、
ハラハラ感が欲しかったな〜
それがあれば更に評価は上がったのでは?
そんな感じに思えた映画です。
【あらすじ】(ネタバレあり)
レストランを貸切にして、
豪勢なパーティーを開催すると言う。
それを聞いて怪しいと思ったオーナーは、
貸切にした企業を調べようと凛田莉子に依頼した。
チラシを見るなり怪しい部分を指摘した凛田。
一方、角川書店の記者小笠原悠斗は、
自分の記事を編集長にダメ出しされて、
グルメ担当を強制的に任せられた。
グルメパーティーに参加した悠斗。
同じパーティーに潜入鑑定に来ていた凛田。
トルコ料理を作ろうとしていたシェフを見て、
凛田はすぐに指摘した。
調理の音が別の何かの音をマスキングしている。
クルミを割る音は、ガスバーナーの音を消し、
揚げ物の音は、ガラスの割る音を消す。
凛田は直ぐにオーナーに聞いた。
「ここ2階はなんですか?」
オーナーは答えた。
「ギャラリーですけど、今日は休館日で。」
それを聞いて凛田は言う。
「大変です。警察に電話してください。」
直ぐに2階に走った凛田。
2階のギャラリーにつくも一足違く、
すでに強盗に襲われていた。
しかし不幸中の幸い。
一番貴重な品をは盗まれずにいた。
それが悠斗と凛田の出会いであった。
翌日、凛田の元に訪れた悠斗。
そこに朝比奈が鑑定に依頼に訪れた。
ルーブル美術館のアジア圏の代理人である朝比奈。
来月日本に来るモナリザの鑑定を依頼した。
そのためにはルーブル美術館の、
学芸員になる必要があった。
こうしてルーブル美術館で行われる、
学芸員試験に参加することになった凛田。
会社に戻った悠斗は一部始終を記事にしたいと、
編集長に進言し、許可を得た。
悠斗は凛田とパリのルーブル美術館に向かった。
ルーブル美術館に着くと、直ぐに試験が始まる。
それは本物のモナリザを当てる試験。
通された部屋には複数のモナリザが飾られていた。
その中から、本物のモナリザを当てられれば合格。
試験管に、本物はどれか聞かれた凛田。
凛田は片言のフランス語で答えた。
「あの部屋にあるものは全部偽物。」
「通路にあったのが本物。」
それは見事に正解であった。
こうして学芸員の資格を得た凛田。
通路にあった本物のモナリザの後ろには、
『H29』の文字が書かれていた。
日本人で学芸員となったのは、
凛田ともう1人の女性、流泉寺美沙。
試験に合格した2人は、
日本で学芸員としての講義が始まることになる。
講義は12枚の絵から本物を直感で当てるもの。
それは2人で協力し、
1人が偽者と思う2枚の絵を直感で選び、
もう1人がその2枚のうちの1枚を排除する。
それを繰り返して最後に本物の絵を当てるもの。
講義はルーブル美術館の職員が立ち会い行う。
しかしフランス語の出来ない凛田。
足手まといの凛田に対して怒る美沙。
「学芸員がフランス語も出来ないなんて
「明日からは通訳しないから、何とかして。」
凛田は幼い頃から絵が大好きだった。
しかし勉強はまったく出来なかったのだ。
しかも一般常識が一切無かった。
そんな凛田がある日たたどり着いた記憶法。
物事を匂いとセットで記憶するというもの。
凛田は、その日1日でフランス語を暗記した。
翌日の講義。
完璧にフランス語を使いこなしていた凛田。
講義はスムーズに進んでいった。
ダ・ヴィンチの書いたモナリザには噂がある。
モナリザの瞳にはLとVの文字が見えると言う。
それを見た鑑定士はその後、
認識能力に障害をきざすと言われた。
それは、ダ・ヴィンチが解剖学にも長けていて、
何らかの細工をモナリザにしたとされていた。
講義を続けた凛田と美沙。
しかし、一度も成功することがなかった。
講義の後も一人練習を続けた凛田。
それを見た美沙も一緒に練習を始めた。
その練習で始めて1枚の本物を当てた二人。
喜ぶ2人だったが、突然凛田を頭痛が襲った。
それからも講義は続きいろんな絵で行われた。
本物の絵を当てる度に強くなる凛田の頭痛。
頭痛が増す中で、講義は最終日を迎えた。
2人はルーブル美術館の職員に連れられ、
大きな美術館に移動した。
最後の講義は本物のモナリザを当てるもの。
手法は今までとまったく同じ。
2人で排除を続けていく。
講義は順調に進み、残るは2枚。
凛田と美沙が選んだ最後の1枚。
モナリザは本物であった。
しかし同時に倒れこんだ凛田。
職員たちが駆け寄るが、
凛田は急に立ち上がりモナリザの前へ歩いた。
凛田が見たモナリザの瞳の中には、
LとVの文字が見えていた。
講義も終わり、通常の仕事に戻った凛田。
しかし凛田は鑑定が出来なくなっていた。
人間国宝の作る壷とレプリカの見分けすらできない。
凛田は店を閉めていなくなった・・・
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取材を続けていた悠斗は、行方を追った。
美沙のもとに話を聞きに行った悠斗。
凛田が学芸員の資格を失ったとことを知る。
悠斗はモナリザの瞳の噂の真相を探るため、
医学的にありえるかを、医師に相談しに行く。
基本的には、あり得ないという見解であったが、
凛田の前後の行動次第とも言った。
悠人はその帰り道。
困り果てた悠斗が見たのは、
モナリザ来日に伴い駅に貼られたポスター。
悠斗は並んだポスターの違和感に気付いた。
急いで家に帰った悠斗は、
凛田が受けた講義を、
12枚のカードに置き換え実践した。
何度も繰返し、何かに気が付いた悠斗。
その時、一本の電話が入る。
凛田の居場所が分かったという内容だった。
悠斗は直ぐに、凛田のいる場所へ向かった。
そして凛田を見つけると、
「これを見て欲しいんです。」
そう言うと、講義と同様の直観テストを始めた。
12枚の写真を講義と同じように、
悠斗と凛田は排除していった。
そして、いとも簡単に成功した2人。
疑問に思った凛田に、種証をした悠人。
それはとても簡単なものだった。
悠斗は最初から正解を分かっていたのだ。
片方の人間が正解を分かっている以上、
外れることはない訓練。
正解があると思い講義を続けた凛田は、
間違ったことを繰り返し行ったことで、
正しい鑑定能力を狂わしたのだった。
つまり瞳の中の文字が原因ではなく、
講義自体が全て仕組まれていたのである。
凛田が見たモナリザも、おそらく全て偽者。
真相を伝えた悠斗は凛田に言う。
「あの書類を渡されたときから、
嘘は始まっていたんです。」
「凛田さんは、
大きな事件に巻き込まれているんです。」
それを聞いた凛田は我にかえり、
「急がないと大変なことになる。」
そう言うと直ぐに美術館へ向かった。
そのころ美沙は、
まもなくモナリザ展が開催される美術館にいた。
慎重に保管されている名画モナリザ。
しかし関係者である美沙には、
モナリザを持ち出すことは容易かった。
美沙の仲間は時間通りに美術館に電話して、
警備員の目をそらした。
その隙に防犯カメラを細工した美沙。
後は予め入手したパスワードで絵を持ち出した。
そして裏口に待機した仲間に渡す。
美術館に到着した凜田は美沙へ言う。
「モナリザを返してください。」
凜田に気付かれた美沙は否定むせずに言った。
「最初から脅威を感じていた。」
「この計画にはあなたが邪魔だったの。」
「だから能力を失わせて、
学芸員から外れてもらうことにした。」
「あなたも世界中の人々も、
ルーブルに騙されていたの。」
「私たちはモナリザを盗み出したんじゃない。」
「返したの。」
「今この美術館の収蔵庫にあるものこそ、
本物のモナリザ。」
「103年前、
モナリザは一度盗みだされたことがある。」
「そして、無事ルーブルに戻ったとされている。」
「でもそれは嘘。」
「私たちはその嘘を正した。」
〜1911年のモナリザ盗難事件〜〜〜〜〜
ガラス職人のペルッチャが盗んだモナリザ。
しかし依頼人の詐欺師マルケスは、
そのモナリザを受け取りに現れなかった。
マルケスは本物がなくなったことで、
贋作を販売することが目的だったのだ。
業を煮やしたペルッチャは、
画商に本物のモナリザを売ろうとして捕まった。
そしてルーブルにモナリザは戻った。
Z〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
美沙はこの話が嘘だと凛田に伝えた。
ペルッチャが売ろうとしたものも偽者。
本物のモナリザは、
ペルッチャの隠した場所に今でも眠っている。
現代になり末裔に引き継がれたのだと。
それがルーブル職員のリシャール・ブレ。
本物のモナリザの裏には1503と書かれ、
バロア朝の紋章が刻印されている。
1910年にイタリア新聞にも載った事実と。
確かに現在本物とされるモナリザの裏には、
『M29』と書かれている。
しかし、その話に凛田は反論した。
それ自体がマルケスの仕組んだ嘘であり、
嘘の記事を書くことで贋作を作りやすくした。
ルーブルは反論をしないことで、
本物と偽者の区別がつくようにしたのだと。
更に、美沙もリシャール・ブレに騙されていると・・・
その時凛田に悠斗から電話が入った。
搬送業者を装って持ち出されたモナリザ。
悠斗は運ばれたモナリザを1人で追っていた。
そしてリシャール・ブレに捕まった。
電話越しに聞こえるリシャール・ブレの声。
「これから絵を燃やす。」
「偽りの歴史を正すために。」
凛田は電話から居場所の推測をした。
後ろで聞こえていた音と音楽。
高速エレベータの中と推測を立てた凛田。
美術館から20分以内で、40階以上のビル。
しかし東京の真ん中。
件数が多すぎて、探すには時間がかかる。
その時、凛田が目にしたのは、
美沙のジャケットに付いていたボタン。
ジャケットのボタンが1つだけ違ったのだ。
ボタンから再度推理をした凛田。
そのボタンは美沙が泊まっていたホテルで外れ、
付け替えてもらった代用品であると。
その柄のボタンを提供しているホテル。
直ぐに特定できたホテルに向かう凛田と警察。
その頃リシャール・ブレは、
悠斗とモナリザの置かれた部屋に火を放った。
ホテルに到着した凛田は、
手がかりを探すべくゴミ庫をあさった。
ある1つのゴミ袋の中から出てきたレシート。
その全てが『勝鬨』の店のものであることに気付く。
勝鬨にある高層ビルと範囲が絞られ、
居場所が特定出来た凛田。
急いで向かうが、
ビルの最上階からは煙が上がっていた。
最上階の煙の出る部屋を開けると、
モナリザは既に燃えており、
手足を縛られた状態で必死に阻止しようとした、
悠斗のみが助かったのであった。
凛田に着いて来た美沙。
美沙は燃えたモナリザを見て凛田に言った。
「最後の試験で鑑定したモナリザを覚えている。」
「あのとき私だけに分かるように仕掛けた印。」
そう言うと、燃えたモナリザの額縁から、
小さなピンを取り出した。
「この絵はあの試験に使っていた偽者。」
「瞳の中に、
あなたを騙すために付けたLとVもある。」
その証言を聞いた凛田は言った。
「つまり彼は本物のモナリザを持っている。」
「美沙さんの贋作を憎む気持ちに付け込んで、
彼はあなたを騙し続けていた。」
「この絵を燃やしたのも、
本物を持ち去るための時間稼ぎ。」
それを聞いていた警察は、
簡単に日本から持ち出すことは出来ないと言う。
しかしそれに対して凛田は言い返した。
「ある!」
「ルーブルでも使われた方法です。」
そう言い、警察を連れて直ぐに横浜港に向かった。
その頃本物のモナリザを盗んだリシャール・ブレ。
日本から持ち運ぶためにX線検査を受けていた。
そしてフランス政府に対して、
身代金を要求する手はずを進めていた。
モナリザのX線検査を終えて、
横浜港から出航しようとしたリシャール・ブレ。
そこを警察が囲い込んだ。
無条件で逮捕されるリシャール・ブレ。
連行されるリシャール・ブレに美沙は言った。
「この4年間は、
偽者だったかもしれないけど、
そこに私にとっての真実があったと、
今でも思ってる。」
「あなたには分からないでしょうね。」
モナリザを持ち出した手口は、
無数にあるモナリザの看板を、
フランスに持ち帰ると見せかけ、
本物を看板に埋め込んだもの。
本物のモナリザを探すには大変な労力がかかる。
凛田は美沙に言った。
「私には人の心を鑑定することはできません。」
「でもあなたの芸術を愛する気持ちだけは、
真実だと確信しています。」
そして、全看板を没収する警察に対して言う。
「私たちに選ばせてください。」
「私と彼女で鑑定します。」
それを聞いた美沙は言った。
「私にそんな資格は無。」
しかし、凛田は遮るように言った。
「本物をルーブルに返しましょう。」
「それがあなたの本当の願いなんでしょう?」
警察たちによって港に並べられた、
無数のモナリザの看板。
2人が指を差したモナリザは同じものだった。
慎重に解体する警察。
絵の裏には『H29』の刻印が・・・
悠斗は遠くから、2人を写真におさめていた。
共犯として連行される美沙に凛田は言った。
「どこかでまた、鑑定しましょうね。」
その言葉に美沙は泣き崩れていた。
美沙を暖かく抱きしめる凛田であった。
数日後。
モナリザ展は無事開催された。
凛田と悠斗はモナリザ展に足を運んだ。
そこで悠斗は凛田に聞いた。
「再度学芸員として迎え入れたいって、
言われたんじゃないんですか?」
凛田は答えた。
「いいんです。」
「私はやっぱりあの店が似合ってます。」
悠斗は続けて凛田に聞いた。
「大事なこと・・・」
「ずっと気になってたんですが、
Qってどういう意味ですか?」
「色々考えたんですよ。」
「Qってクイーンでしょ?」
凛田は前を向いたまま言った。
「教えません。」
そんな話をしながらモナリザの前に立った2人。
モナリザを見た凛田は呟いた。
「穏やかな目をしてる。」
それを聞いた悠斗は凛田に言う。
「モナリザはこんな事件に巻き込まれて、
どんな目で僕らを見ているんでしょうね?」
そして続けて凛田に聞く。
「聞きたいんですけど・・・」
「これ本物?」
凛田は微笑みながら答えた。
「さあね〜。」
(終わり)
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【万能鑑定士Q −モナ・リザの瞳−】
【出演者】
凛田莉子:綾瀬はるか
小笠原悠斗:松坂桃李
流泉寺美沙:初音映莉子
リシャール・ブレ:ピエール・ドゥラドンシヤン
朝比奈尚幸(ルーブル美術館の代理人):村上弘明
桜(リサイクルショップの店員):榮倉奈々
萩野甲陽:橋本じゅん
山田聡:村杉蝉之介
喜屋武友禅:児嶋一哉
江来香織:角替和枝
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【感想】
楽しいけど、浅い・・・
なんか物足りなく感じてしまいました。
サスペンス系の映画って、
どうしても謎が解けたら飽きちゃう!
しょうがないですよね〜
そんな私でも、楽しんで見れたので、
出来が良かったってことでしょうか?
情報は豊富で分かりやすかったし、
強いて言うのであれば、
ハラハラ感が欲しかったな〜
それがあれば更に評価は上がったのでは?
そんな感じに思えた映画です。
【あらすじ】(ネタバレあり)
レストランを貸切にして、
豪勢なパーティーを開催すると言う。
それを聞いて怪しいと思ったオーナーは、
貸切にした企業を調べようと凛田莉子に依頼した。
チラシを見るなり怪しい部分を指摘した凛田。
一方、角川書店の記者小笠原悠斗は、
自分の記事を編集長にダメ出しされて、
グルメ担当を強制的に任せられた。
グルメパーティーに参加した悠斗。
同じパーティーに潜入鑑定に来ていた凛田。
トルコ料理を作ろうとしていたシェフを見て、
凛田はすぐに指摘した。
調理の音が別の何かの音をマスキングしている。
クルミを割る音は、ガスバーナーの音を消し、
揚げ物の音は、ガラスの割る音を消す。
凛田は直ぐにオーナーに聞いた。
「ここ2階はなんですか?」
オーナーは答えた。
「ギャラリーですけど、今日は休館日で。」
それを聞いて凛田は言う。
「大変です。警察に電話してください。」
直ぐに2階に走った凛田。
2階のギャラリーにつくも一足違く、
すでに強盗に襲われていた。
しかし不幸中の幸い。
一番貴重な品をは盗まれずにいた。
それが悠斗と凛田の出会いであった。
翌日、凛田の元に訪れた悠斗。
そこに朝比奈が鑑定に依頼に訪れた。
ルーブル美術館のアジア圏の代理人である朝比奈。
来月日本に来るモナリザの鑑定を依頼した。
そのためにはルーブル美術館の、
学芸員になる必要があった。
こうしてルーブル美術館で行われる、
学芸員試験に参加することになった凛田。
会社に戻った悠斗は一部始終を記事にしたいと、
編集長に進言し、許可を得た。
悠斗は凛田とパリのルーブル美術館に向かった。
ルーブル美術館に着くと、直ぐに試験が始まる。
それは本物のモナリザを当てる試験。
通された部屋には複数のモナリザが飾られていた。
その中から、本物のモナリザを当てられれば合格。
試験管に、本物はどれか聞かれた凛田。
凛田は片言のフランス語で答えた。
「あの部屋にあるものは全部偽物。」
「通路にあったのが本物。」
それは見事に正解であった。
こうして学芸員の資格を得た凛田。
通路にあった本物のモナリザの後ろには、
『H29』の文字が書かれていた。
日本人で学芸員となったのは、
凛田ともう1人の女性、流泉寺美沙。
試験に合格した2人は、
日本で学芸員としての講義が始まることになる。
講義は12枚の絵から本物を直感で当てるもの。
それは2人で協力し、
1人が偽者と思う2枚の絵を直感で選び、
もう1人がその2枚のうちの1枚を排除する。
それを繰り返して最後に本物の絵を当てるもの。
講義はルーブル美術館の職員が立ち会い行う。
しかしフランス語の出来ない凛田。
足手まといの凛田に対して怒る美沙。
「学芸員がフランス語も出来ないなんて
「明日からは通訳しないから、何とかして。」
凛田は幼い頃から絵が大好きだった。
しかし勉強はまったく出来なかったのだ。
しかも一般常識が一切無かった。
そんな凛田がある日たたどり着いた記憶法。
物事を匂いとセットで記憶するというもの。
凛田は、その日1日でフランス語を暗記した。
翌日の講義。
完璧にフランス語を使いこなしていた凛田。
講義はスムーズに進んでいった。
ダ・ヴィンチの書いたモナリザには噂がある。
モナリザの瞳にはLとVの文字が見えると言う。
それを見た鑑定士はその後、
認識能力に障害をきざすと言われた。
それは、ダ・ヴィンチが解剖学にも長けていて、
何らかの細工をモナリザにしたとされていた。
講義を続けた凛田と美沙。
しかし、一度も成功することがなかった。
講義の後も一人練習を続けた凛田。
それを見た美沙も一緒に練習を始めた。
その練習で始めて1枚の本物を当てた二人。
喜ぶ2人だったが、突然凛田を頭痛が襲った。
それからも講義は続きいろんな絵で行われた。
本物の絵を当てる度に強くなる凛田の頭痛。
頭痛が増す中で、講義は最終日を迎えた。
2人はルーブル美術館の職員に連れられ、
大きな美術館に移動した。
最後の講義は本物のモナリザを当てるもの。
手法は今までとまったく同じ。
2人で排除を続けていく。
講義は順調に進み、残るは2枚。
凛田と美沙が選んだ最後の1枚。
モナリザは本物であった。
しかし同時に倒れこんだ凛田。
職員たちが駆け寄るが、
凛田は急に立ち上がりモナリザの前へ歩いた。
凛田が見たモナリザの瞳の中には、
LとVの文字が見えていた。
講義も終わり、通常の仕事に戻った凛田。
しかし凛田は鑑定が出来なくなっていた。
人間国宝の作る壷とレプリカの見分けすらできない。
凛田は店を閉めていなくなった・・・
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取材を続けていた悠斗は、行方を追った。
美沙のもとに話を聞きに行った悠斗。
凛田が学芸員の資格を失ったとことを知る。
悠斗はモナリザの瞳の噂の真相を探るため、
医学的にありえるかを、医師に相談しに行く。
基本的には、あり得ないという見解であったが、
凛田の前後の行動次第とも言った。
悠人はその帰り道。
困り果てた悠斗が見たのは、
モナリザ来日に伴い駅に貼られたポスター。
悠斗は並んだポスターの違和感に気付いた。
急いで家に帰った悠斗は、
凛田が受けた講義を、
12枚のカードに置き換え実践した。
何度も繰返し、何かに気が付いた悠斗。
その時、一本の電話が入る。
凛田の居場所が分かったという内容だった。
悠斗は直ぐに、凛田のいる場所へ向かった。
そして凛田を見つけると、
「これを見て欲しいんです。」
そう言うと、講義と同様の直観テストを始めた。
12枚の写真を講義と同じように、
悠斗と凛田は排除していった。
そして、いとも簡単に成功した2人。
疑問に思った凛田に、種証をした悠人。
それはとても簡単なものだった。
悠斗は最初から正解を分かっていたのだ。
片方の人間が正解を分かっている以上、
外れることはない訓練。
正解があると思い講義を続けた凛田は、
間違ったことを繰り返し行ったことで、
正しい鑑定能力を狂わしたのだった。
つまり瞳の中の文字が原因ではなく、
講義自体が全て仕組まれていたのである。
凛田が見たモナリザも、おそらく全て偽者。
真相を伝えた悠斗は凛田に言う。
「あの書類を渡されたときから、
嘘は始まっていたんです。」
「凛田さんは、
大きな事件に巻き込まれているんです。」
それを聞いた凛田は我にかえり、
「急がないと大変なことになる。」
そう言うと直ぐに美術館へ向かった。
そのころ美沙は、
まもなくモナリザ展が開催される美術館にいた。
慎重に保管されている名画モナリザ。
しかし関係者である美沙には、
モナリザを持ち出すことは容易かった。
美沙の仲間は時間通りに美術館に電話して、
警備員の目をそらした。
その隙に防犯カメラを細工した美沙。
後は予め入手したパスワードで絵を持ち出した。
そして裏口に待機した仲間に渡す。
美術館に到着した凜田は美沙へ言う。
「モナリザを返してください。」
凜田に気付かれた美沙は否定むせずに言った。
「最初から脅威を感じていた。」
「この計画にはあなたが邪魔だったの。」
「だから能力を失わせて、
学芸員から外れてもらうことにした。」
「あなたも世界中の人々も、
ルーブルに騙されていたの。」
「私たちはモナリザを盗み出したんじゃない。」
「返したの。」
「今この美術館の収蔵庫にあるものこそ、
本物のモナリザ。」
「103年前、
モナリザは一度盗みだされたことがある。」
「そして、無事ルーブルに戻ったとされている。」
「でもそれは嘘。」
「私たちはその嘘を正した。」
〜1911年のモナリザ盗難事件〜〜〜〜〜
ガラス職人のペルッチャが盗んだモナリザ。
しかし依頼人の詐欺師マルケスは、
そのモナリザを受け取りに現れなかった。
マルケスは本物がなくなったことで、
贋作を販売することが目的だったのだ。
業を煮やしたペルッチャは、
画商に本物のモナリザを売ろうとして捕まった。
そしてルーブルにモナリザは戻った。
Z〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
美沙はこの話が嘘だと凛田に伝えた。
ペルッチャが売ろうとしたものも偽者。
本物のモナリザは、
ペルッチャの隠した場所に今でも眠っている。
現代になり末裔に引き継がれたのだと。
それがルーブル職員のリシャール・ブレ。
本物のモナリザの裏には1503と書かれ、
バロア朝の紋章が刻印されている。
1910年にイタリア新聞にも載った事実と。
確かに現在本物とされるモナリザの裏には、
『M29』と書かれている。
しかし、その話に凛田は反論した。
それ自体がマルケスの仕組んだ嘘であり、
嘘の記事を書くことで贋作を作りやすくした。
ルーブルは反論をしないことで、
本物と偽者の区別がつくようにしたのだと。
更に、美沙もリシャール・ブレに騙されていると・・・
その時凛田に悠斗から電話が入った。
搬送業者を装って持ち出されたモナリザ。
悠斗は運ばれたモナリザを1人で追っていた。
そしてリシャール・ブレに捕まった。
電話越しに聞こえるリシャール・ブレの声。
「これから絵を燃やす。」
「偽りの歴史を正すために。」
凛田は電話から居場所の推測をした。
後ろで聞こえていた音と音楽。
高速エレベータの中と推測を立てた凛田。
美術館から20分以内で、40階以上のビル。
しかし東京の真ん中。
件数が多すぎて、探すには時間がかかる。
その時、凛田が目にしたのは、
美沙のジャケットに付いていたボタン。
ジャケットのボタンが1つだけ違ったのだ。
ボタンから再度推理をした凛田。
そのボタンは美沙が泊まっていたホテルで外れ、
付け替えてもらった代用品であると。
その柄のボタンを提供しているホテル。
直ぐに特定できたホテルに向かう凛田と警察。
その頃リシャール・ブレは、
悠斗とモナリザの置かれた部屋に火を放った。
ホテルに到着した凛田は、
手がかりを探すべくゴミ庫をあさった。
ある1つのゴミ袋の中から出てきたレシート。
その全てが『勝鬨』の店のものであることに気付く。
勝鬨にある高層ビルと範囲が絞られ、
居場所が特定出来た凛田。
急いで向かうが、
ビルの最上階からは煙が上がっていた。
最上階の煙の出る部屋を開けると、
モナリザは既に燃えており、
手足を縛られた状態で必死に阻止しようとした、
悠斗のみが助かったのであった。
凛田に着いて来た美沙。
美沙は燃えたモナリザを見て凛田に言った。
「最後の試験で鑑定したモナリザを覚えている。」
「あのとき私だけに分かるように仕掛けた印。」
そう言うと、燃えたモナリザの額縁から、
小さなピンを取り出した。
「この絵はあの試験に使っていた偽者。」
「瞳の中に、
あなたを騙すために付けたLとVもある。」
その証言を聞いた凛田は言った。
「つまり彼は本物のモナリザを持っている。」
「美沙さんの贋作を憎む気持ちに付け込んで、
彼はあなたを騙し続けていた。」
「この絵を燃やしたのも、
本物を持ち去るための時間稼ぎ。」
それを聞いていた警察は、
簡単に日本から持ち出すことは出来ないと言う。
しかしそれに対して凛田は言い返した。
「ある!」
「ルーブルでも使われた方法です。」
そう言い、警察を連れて直ぐに横浜港に向かった。
その頃本物のモナリザを盗んだリシャール・ブレ。
日本から持ち運ぶためにX線検査を受けていた。
そしてフランス政府に対して、
身代金を要求する手はずを進めていた。
モナリザのX線検査を終えて、
横浜港から出航しようとしたリシャール・ブレ。
そこを警察が囲い込んだ。
無条件で逮捕されるリシャール・ブレ。
連行されるリシャール・ブレに美沙は言った。
「この4年間は、
偽者だったかもしれないけど、
そこに私にとっての真実があったと、
今でも思ってる。」
「あなたには分からないでしょうね。」
モナリザを持ち出した手口は、
無数にあるモナリザの看板を、
フランスに持ち帰ると見せかけ、
本物を看板に埋め込んだもの。
本物のモナリザを探すには大変な労力がかかる。
凛田は美沙に言った。
「私には人の心を鑑定することはできません。」
「でもあなたの芸術を愛する気持ちだけは、
真実だと確信しています。」
そして、全看板を没収する警察に対して言う。
「私たちに選ばせてください。」
「私と彼女で鑑定します。」
それを聞いた美沙は言った。
「私にそんな資格は無。」
しかし、凛田は遮るように言った。
「本物をルーブルに返しましょう。」
「それがあなたの本当の願いなんでしょう?」
警察たちによって港に並べられた、
無数のモナリザの看板。
2人が指を差したモナリザは同じものだった。
慎重に解体する警察。
絵の裏には『H29』の刻印が・・・
悠斗は遠くから、2人を写真におさめていた。
共犯として連行される美沙に凛田は言った。
「どこかでまた、鑑定しましょうね。」
その言葉に美沙は泣き崩れていた。
美沙を暖かく抱きしめる凛田であった。
数日後。
モナリザ展は無事開催された。
凛田と悠斗はモナリザ展に足を運んだ。
そこで悠斗は凛田に聞いた。
「再度学芸員として迎え入れたいって、
言われたんじゃないんですか?」
凛田は答えた。
「いいんです。」
「私はやっぱりあの店が似合ってます。」
悠斗は続けて凛田に聞いた。
「大事なこと・・・」
「ずっと気になってたんですが、
Qってどういう意味ですか?」
「色々考えたんですよ。」
「Qってクイーンでしょ?」
凛田は前を向いたまま言った。
「教えません。」
そんな話をしながらモナリザの前に立った2人。
モナリザを見た凛田は呟いた。
「穏やかな目をしてる。」
それを聞いた悠斗は凛田に言う。
「モナリザはこんな事件に巻き込まれて、
どんな目で僕らを見ているんでしょうね?」
そして続けて凛田に聞く。
「聞きたいんですけど・・・」
「これ本物?」
凛田は微笑みながら答えた。
「さあね〜。」
(終わり)
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2016年01月23日
【おっぱいバレー】出演者・感想・完全ネタバレ (セリフ完全再現)
本日の映画紹介。
【おっぱいバレー】
【出演者】
寺嶋美香子:綾瀬はるか
堀内健次(先生):青木崇高
平田育夫(バレー部):木村遼希
楠木靖男(バレー部):高橋賢人
杉浦健吾(バレー部):本庄正季
江口拓(バレー部):恵隆一郎
岩崎耕平(バレー部):吉原拓弥
城良樹(バレー部):橘義尋
城和樹(良樹の父):仲村トオル
竜王中コーチ:田口浩正
原田幸次郎(美香子の恩師):小林勝也
原田の妻(幸次郎の妻):市毛良枝
戸畑第三中学校の教頭:光石研
ナカイ先輩:石田卓也
寺嶋美香子(中学時代):大後寿々花
寺嶋美香子の元カレ:福士誠治
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【感想】
少しだけ何かが足りない・・・
性に対する探究心?
そんな時の青春時代?
作りたいものは分かるんですけど・・・
何かが足りないんですよね〜
感動なのか?コメディなのか?
どちらかを重点的に描いたほうが、
良かった気がするんです・・・
詰め込もうとしすぎたんですかね〜
笑いきれずに、感動しきれない感じでした。
バランスはいまいちでしたが、
綾瀬はるかさんは上手ですね〜
実際の天然がそのまま出てた気がします。
なんか弾き付けられる魅力があります。
すみません。
感想はこんなことしか書けませんでした・・・
【あらすじ】(ネタバレあり)
自転車を漕ぎながら手を上げ、
風を感じる戸畑三中の5人。
「ダメだこんなんじゃない。」
「時速80キロ以上じゃないと、
おっぱいの感触味わえないらしい。」
次に試したのは、改造した車イス。
ヘルメットをして坂道を下った。
猛スピードで坂を下りながら言う。
「コレがおっぱいの感触・・・」
本物ではないが始めて体験する感触。
幸せを感じると同時に、
ガードレールを突き破り崖へと落ちた・・・
数日後の朝礼中、
教頭の話を聞かずに雑談をする5人。
「時速60キロがAカップ。」
「時速80キロがBカップ。」
「そして時速100キロがCカップ。」
その朝礼で教頭は赴任して来た国語の先生、
寺嶋美香子を紹介した。
紹介を受け生徒に挨拶をする寺嶋。
国語教師の彼女は自分の好きな本を紹介した。
紹介したのは高村光太郎の詩集『道程』。
「私の大好きな『道程』です。」
「私はこの『道程』が大好きです。」
「『道程』の意味、
『道程』の素晴らしさに触れてください。」
男子生徒はザワザワと騒ぎ出した。
鼻血を出す男子生徒もでて、
更にザワつきは大きくなった。
朝礼が終わると教頭は寺嶋に、
「今後あまり刺激しないようにお願いしますよ。」
そういって、今後受け持つ部活を伝えた。
それは、男子バレー部であった。
「はい。頑張ります。」
何も知らずに快諾した寺嶋。
しかしバレー部は、おっぱいバカの5人。
何も知らず張り切る寺嶋に、
同僚の堀内は言った。
「あいつら練習したとこなんて、
見たこと無いですよ。」
「そもそも頑張るというやつに、
一番無縁な奴等なんですよ。」
それを聞いた寺嶋は返す。
「教師がそんな事言ってどうするんですか。」
「頑張るのを教えるのが私たちじゃないですか。」
翌日、部室に行った寺嶋。
クラッカーを鳴らして歓迎する5人。
「歓迎してくれるのは嬉しいけど、練習は?」
寺嶋に言われて準備運動をする5人。
寺嶋は言う。
「今日は女子と練習試合するから。」
「女子だし手加減してあげてね。」
それを聞いた5人は言った。
「無理です。無理です。」
「だって僕ら5人しかいませんから。」
と、そこに1年の城が声をかけてきた。
「バレー部に入りたいんですけど。」
「小学校からバレーやってたんですけど。」
タイミングよく6人が揃った。
寺嶋は予定通り練習試合を進めた。
しかし結果は・・・
女子相手に15対0の圧倒的な敗北。
唖然とする寺嶋。
落ち込む様子もない5人。
それを見た城は怒って言う。
「本当にバレー部なんですか?」
「Aクイックも出来ないんですか?」
真剣な城とは違い5人は、
「Aっていやらしいこと?」
呆れた城は言った。
「僕。辞めます。」
部室に戻った5人と寺嶋。
歓迎会の続きをしようとする5人。
その行動に更に呆れ寺嶋は言う。
「みんなバレーボールやりたくないの?」
すると5人は、
「バレーボールやったことないし・・・」
「僕たち入部以来、
バレーボールやらせてもらって無いんです。」
1つ上の先輩にナカイという怖い先輩がいて、
卒業するまで、ずっといびられていたと話した。
くだらないことを続けさせられたせいで、
周りからわ「バカ部」と呼ばれていた。
それからは体育館は使えなく、
コートも女子部に占領された。
こうして今があることを伝えると、
「バレーボールなんて忘れて、
みんなで楽しみましょうよ。」
と言って歓迎会の続きを始めようとする。
その話を聞いた寺嶋は言った。
「バカにされたまんまで悔しくないの?」
「試合で勝ってみたいとか、
そんな気持ち無いの?」
「なんで頑張りもしないで諦めてるのよ。」
「朝礼でも言ったでしょ。」
そう言って『道程』の一説を言う寺嶋。
「僕の前に道はない。」
「僕の後ろに道はできる。」
そして続けて寺嶋は言った。
「もしあなたたちが頑張るなら、
先生なんでもするから。」
5人はこの言葉に食いついた。
「何でも?ってことは・・・」
「分かりました。」
「先生は僕らが頑張るなら、
何でもしてくれるんですよね?」
「もし僕らが今度の大会で1勝したら・・・」
「先生のおっぱいを見せてください。」
「お願いしま〜す。」
寺嶋は焦って返す。
「そんな事できる訳無いじゃない。」
5人は寺嶋の反応を弄ぶように言う。
「ですよね・・・」
「先生ってそんなものですよね・・・」
「嘘つき・・・」
更に焦った寺嶋は言った。
「嘘なんてつかないわよ。」
「私は嘘はつかない。」
思惑通りの発言に、5人は喜んだ。
勝てないことを祈るも、
顧問として勝ちたい寺嶋。
その話を堀内にすると、堀内は言う。
「学校に知れたら大騒ぎになりますよ。」
「そもそも教師として間違ってますよ。」
寺嶋はそんなことは分かっていた。
「そんな約束無しで頑張らせなきゃダメだよね。」
「約束は無しって明日はっきり言います。」
翌日。
5人は強豪校へ視察に行った。
コートにはコーチの激が飛んでいた。
「お前ら命かけてやってるのか?」
「死ぬまで走って来い。」
そんな厳しい練習を見た5人は考えた。
「俺たちとは違うみたい。」
「とりあえず練習の邪魔をするって言うのは?」
早速バレーボールに穴を開けようと、
用具庫に忍び込んだ5人。
同時に体育館に入ってくる新体操部。
レオタードに目が行っている隙に、
直ぐに他校の先生に見つかった。
寺嶋のもとに電話が入り、
5人を引き取りに行った寺嶋。
部室に戻った5人に寺嶋は怒った。
しかし5人の反応は
「だって俺ら普通にやっても勝てないから・・・」
呆れた寺嶋は続けた。
「だからって相手の足ひっぱっていいの?」
「自分たちは努力もせず、
汗も流さず、死ぬ気で頑張りもせず、
私のおっぱいを見ようっていう根性な訳?」
「私に対して失礼じゃないの?」
「そんなに簡単に見れると思ったら大間違い。」
少し違う怒り方・・・
自分自身言ったことに疑問を持った寺嶋。
すると5人は素直に受け止め、
「寺嶋先生の言うとおりです。」
「僕ら卑怯でした。」
「せっかく先生が約束してくれたのに・・・」
「すみませんでした。」
「先生の言うとおり、
死ぬ気で頑張って、
今度の大会1勝して、
寺島先生のおっぱい見ます。」
「やるぞ!おっぱい見るぞ!」
何か違った感じで意欲がでた5人。
次の日から、
女子部の使うコートを占領して練習を始めた。
それを見た女子バレー部の顧問は、
「何を言ったか知りませんけど、
今更何をやらせたって無理なんですから。」
寺嶋は返した。
「無理なんてことは無いです。」
「彼らは本気で頑張り始めたんです。」
必死に練習を始めた5人。
寺嶋も監督としての勉強を始めた。
しかし5人では試合はできない。
そこで、寺嶋と育夫は城を再度誘いに行った。
家にいたのは城の父。
家の中には城の父が獲った、
バレーボールのトロフィーが並んでいた。
城の父は2人に聞いた。
「あいつ練習頑張ってますか?」
城がバレーボールをやっていると思っていた。
慌てた育夫は話を変えて聞いた。
「今日は城君のお父さんに、
バレーボールのことを、
色々教えてもらおうと思って。」
城の父親はアドバイスをしてから、
息子について話した。
「あいつバレーボール楽しんでますかね?」
「私が怪我でバレーボール諦めてから、
あいつきっと自分が続けることで、
私を喜ばせようとしてる。」
「そう思えるんですよ。」
家を出た育夫は4人にその話をした。
そして手分けをして城を探すことにした。
城を見つけた育夫は言った。
「また俺たちとバレーボールをやろう。」
しかし城は答える。
「俺バレーボールなんて興味ないですから。」
そう言って背を向けて歩き出す城。
城は公園に停められたバイクを見つけ、
仲間たちと悪ふざけでバイクを倒した。
そのバイクの持ち主はナカイ先輩。
城はナカイ先輩に捕まってしまう。
城を殴り続けるナカイ先輩の下へ行く5人。
「城は僕らの後輩です。」
「殴るなら僕等をお願いします。」
怒っている見境のないナカイ先輩は、
5人をボコボコにした。
気の済んだナカイ先輩が帰ると、
育夫は城に言った。
「城。一緒に・・・一緒に・・・
俺たちと一緒に・・・見よう!」
「おっぱいを・・・」
城は身を張って助けようとした5にんに感謝し、
バレーボール部への再入部を決めた。
「よろしくお願いします。」
寺嶋にそう言って頭を下げた城の目線は、
寺嶋の胸元を見ていた・・・
練習を続けた6人は、どんどん力を付けていく。
女子バレー部とのリベンジ戦でも勝ち、
明らかに数ヶ月前とは変わっていた。
そんな6人に、複雑な気持ちを抱く寺嶋。
頑張っている6人には勝ってほしいけど、
勝ったら自分が困る・・・
そしていよいよ、公式戦の当日。
ベンチで大戦校を待つ6人と寺嶋。
そこに審判が来て言う。
「棄権のため戸畑三中の不戦勝ととします。」
コートで飛び跳ねて喜ぶ6人。
控え室に戻ると、育夫は寺嶋に言った。
「先生。お願いします。」
同時に拍手を始めた5人。
それに対して寺嶋は返した。
「まだ勝ってないでしょう?」
6人は言い返した。
「勝ちは勝ちです。」
「戦わずして勝つと書いて不戦勝ですから。」
動揺した寺嶋は言った。
「それは、ずるいんじゃないかな〜。」
寺嶋の言葉に大ブーイングの6人。
更に慌てた寺嶋は続けた。
「私は不戦勝でいいのかってこと言いたいの。」
まったく動じない5人は聞き返す。
「どこがダメなんですか?」
しかし、城だけは違った。
「先生の言うとおり、
不戦勝で勝ったっていえるんですか?」
5人は城に反論した。
「勝ちは勝ちだって。」
「おっぱい見たくないのか?」
しかし城は頑なに言う。
「もっとすっきりした気持ちで見たいんです。」
「不戦勝とかじゃなくて、
先輩たちと一緒に戦って、
おっぱいを見たいんです。」
その城の言葉に賛同したのは育夫だった。
「そうだな。」
「ちゃんと勝たないと先生だって、
すっきりおっぱい見せれないよな。」
「ですよね?」
急にふられた寺嶋は答えた。
「そうよ!」
こうして一時的に難を逃れた寺嶋だった。
しかし、このあとに6人は気づく。
2回戦の相手は強豪校の竜王中。
それを知って頭を抱えた6人。
帰り道に寺嶋は落ち込む6人に言った。
「私は勝てる気するけどな。」
「一人ひとりの技術は向こうのほうが上だし、
チームの戦力としても向こうが上。」
「それは仕方ないよね。」
「練習してきた年月が違うんだから。」
「でもね、君たちは今成長しているの。」
「もの凄い勢いでね〜。」
「あると思うんだ〜そう言う力って。」
「2回戦まであと2週間。」
「今の君たちなら、
勝てるかもしれないって私は思う。」
「私のおっぱいを見るために頑張りなさい。」
その言葉を聞いた6人。
今までの落ち込みとは違い、
急激にテンションを上げるのだった。
数日後、寺嶋は元彼に会っていた。
お酒を飲んで昔を思い出していた寺嶋。
昔に働いていた中学校。
生徒たちと仲良くしており、
生徒たちと一緒にロックのコンサートに行った。
それが他の先生たちにバレて、
寺嶋が誘ったのかと問い詰められ。
違うと否定した寺嶋。
その事がきっかけで、生徒との間に溝が出来た。
寺嶋は急に学校に行きたくない、
そう元彼に言い出したのだった。
仕事に追われていた元彼は、
まともに話も聞くことも出来ず、
自然に2人は別れたのであった。
今回元彼は寺嶋と寄りを戻そうと誘っていた。
寺嶋も優しい言葉に流されて、
食事の後はそのままホテルに行った。
過去のような良い雰囲気の2人。
元彼が寺嶋の上着のボタンを外そうとした時、
寺嶋にはバレー部の6人の顔が浮かんだ。
「これは皆の夢なの!」
そう言って元彼を払いのけた寺嶋。
そのままホテルを後にした・・・
一方、真剣に練習を続ける6人のもとに、
ナカイ先輩が現れた。
なぜ真剣にやっているのかと事情を聞いた。
怯えて事情を説明した6人。
それを聞いたナカイ先輩は言う。
「おっぱいか〜。」
「いいセンコウだな〜。」
「お前ら。コレで負けたら男じゃねえぞ!」
そう言って喝を入れてくれたのだった。
しかしこの時、部室の外では、
女子バレー部がその話を聞いていた・・・
2か回戦までの練習に励む6人。
城の父親が所属していた実業団の力も借りて、
厳しい練習の毎日で過ごした。
大会前の最終合宿。
6人が寝ると寺嶋は同僚の堀内に、
自分の中学の話した。
中学時代は部活をやっていなかったと話し、
過去に1度だけやった万引きの話をする。
その万引きで警察に捕まり停学処分を受けた話。
停学は自宅謹慎ではなく、1週間の実習。
その時担当したのが原田先生。
原田先生は怒りもせず説教もしない。
忘れ物の本を読ませて感想文を書かせた。
寺嶋は、その本に落書きを続けた。
実習最後の日に読んだのが『道程』だった。
「僕の前に道は無い」
「僕の後ろに道は出来る。」
その時書いた感想文を、
勝手にコンクールに出した原田先生。
〜〜その時書いた感想文〜〜〜〜〜〜〜〜〜
人は前を向いて歩くとき、必ず顔を上げます。
万引きした私のように、
キョロキョロと店員さんの視線を気にし、
うつむいた顔では決してありません。
私も前を向いて歩きたい。
自分の道を作りたい。
私の道は必ず私の後ろにできるのだから。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
その感想文は市で賞を貰い、
長い間、市役所に掲載された。
掲載されている期間、
毎日のように市役所に通った寺嶋。
そんなある日、
掲載された感想文の前に佇む原田先生を見た。
寺嶋に気がついた原田先生は言った。
「お前、教師にでもなったらどうだ?」
「国語の教師。向いているかもしれんぞ。」
そんな思い出話をした寺嶋は、
続けて堀内に言った。
「自分が何になりたいかなんて、
考えたことなかったけど、
目の前に道が開けた気がしたんだよね。」
「だから一人前の教師になれたら、
原田先生のところに報告に行きたいなって・・・」
それを聞いて堀内は言った。
「行けばいいじゃないですか。」
しかしうつむいて寺嶋は答えた。
「いけないよ。」
「だって私はまだ・・・」
そんな寺嶋に堀内は言った。
「僕は寺嶋先生、良い先生だと思いますよ。」
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いよいよ大会間近となったある日。
バレー部の6人は、自分達の将来の話をした。
「良かったよなバレー部にいて。」
「受験とかもこの勢いでいけると思わない?」
「最後かもね?皆で何かできるの。」
「美香子のおかげかな?」
「最後に良い思い出、できそうじゃん。」
そして皆は個々を奮わせ言った。
「絶対勝って美香子のおっぱい見ようぜ。」
「美香子のおっぱい見ることが、恩返しだ。」
その頃、男子バレー部のやる気は、
ふしだらな動機によるものと噂が広まった。
その噂は先生たちにも広まって、
ついに校長室に呼ばれた寺嶋とバレー部6人。
教頭は寺嶋に聞いた。
「変な噂が広まってましてね。」
「地区大会で1勝したら胸を見せてくれると、
寺嶋先生が約束したから頑張っているんだと。」
「本当のことですか?」
寺嶋は動揺した。
「それは・・・」
その時、育夫は寺嶋の返事に被せて答えた。
「本当だけど、嘘です。」
「そんな約束するはず無いじゃないですか。」
「僕等がふざけて言っているだけです。」
この声は教頭には届かない。
「黙れ。今は寺嶋先生に聞いているんだ。」
そして寺嶋は答えた。
「私は・・・」
「私が約束しました。」
そう言うとバレー部に向かい言った。
「ごめんね。嘘はつきたくないの。」
それを聞いていた校長は言った。
「所詮、こいつらはこんなもんですよ・・・」
見下した言葉を聞いた寺嶋は反論した。
「彼らが頑張っていたのは本当です。」
しかし校長は反論を遮り、
「言い訳は結構。」
「これは大変な問題ですよ。」
教室に戻った寺嶋に女子バレー部は言う。
「私が友達に話しちゃったんです。」
「そしたらこんなに広まっちゃって。」
「でも、先生のした約束は、
間違っていると思います。」
寺嶋は責任をとり学校を辞めることになった・・・
寺嶋のいない中での大会当日。
その日、寺嶋は原田先生のお墓の前にいた。
寺嶋は原田先生の墓に向って言う。
「原田先生。」
「やっぱり私ダメでした。」
「また失敗しちゃいました。」
「こんな報告でごめんなさい。」
そんな寺嶋を見かけた、原田先生の妻が声をかけた。
担任ではなかったが、寺嶋のことを知っていた妻。
そして家に連れて行かれた寺嶋。
寺嶋は原田先生の妻に、
自分が先生になったことを伝えた。
すると原田先生の妻は言った。
「主人が聞いたらとっても喜ぶわ。」
「あなたが万引きをして停学になったときね、
毎朝あの本棚の前で、
『今日はどの本にしようかな』って悩んでたの。」
それを聞いた寺嶋は、
本棚にある『道程』を手にとり開いた。
そこには自分の書いた落書きが・・・
「コレって・・・」
「忘れ物じゃなかったんですか?」
そう言って他の本を開くと、
全ての本に自分の落書きがあった。
原田先生の妻は続けて話した。
「どうしたら力になれるんだろうって、
コレでいいのかな〜
ダメなのかな〜
間違っているのかな〜
って、毎日毎日。」
「主人はいつも生徒たちに、
道は目の前にあるんだってこと、
気付かせたいって言ってた。」
「じゃあ、今度はあなたが同じ事を、
あなたの生徒たちに、
気付かせてあげられたらいいわね。」
涙する寺嶋は、
「私の・・・生徒たち・・・」
そう言うと走り出した。
寺嶋のいないバレー部は圧倒的に押されていた。
一生懸命声を出して応援する堀内。
しかし1点も取れずに1セット目は負ける。
そこに現れた寺嶋。
6人を見て言った。
「こらっ!お前等!」
「誰が約束は無しだって言ったのよ!」
「私は言ってないぞ、そんな事。」
「私は戸畑三中をクビになったって、
あなたたちの先生なのよ。」
「私のおっぱいを見るために頑張りなさい。」
2セット目から6人の動きは変わった。
今までの劣勢は嘘のように点数を重ねた。
そして2セット目を奪取した戸畑三中。
喜んだ6人と同時に、
竜王中のコーチの声が響き渡る。
「バカヤロウ!」
「お前等全員メンバーチェンジや!」
「おい!1軍!」
今まで戦ってたのは2軍だったのである。
それでもめげない戸畑三中の6人。
「関係ないよ。」
「俺たちには美香子のおっぱいが、
賭かっているんだから。」
「絶対勝つ!」
「おっぱい!おっぱい!おっぱい!オー!」
そして第3セット目。
圧倒的な強さの竜王中の1軍。
それでも喰らいつく戸畑三中。
しかし結果は4対15。
試合終了の笛が鳴った・・・
体育館のベンチに座ったまま、
立ち上がることができない寺嶋。
歩み寄ったのは城の父。
寺嶋は変な約束をしたことを謝った。
「どうして謝るんですか?」
「知ってましたよ僕はそのこと。」
「目的なんて別にいいんですよ。」
「あいつら頑張ることの素晴らしさを、
身をもって知ったんだから。」
「早く行ってあげてくださいよ。」
「あいつら待ってますよ。」
背中を押され寺嶋は控え室へと向かった。
そこには泣き崩れるバレー部の6人。
寺嶋は6人に声をかけた。
「さあ、みんな立って。」
「みんな胸張って!」
「みんな本当に良く頑張ったよ。」
「みんなカッコ良かった。」
「最高だったよ。」
「ありがとう・・・ありがとうね。」
すると6人は立ち上がり寺嶋に抱きついた。
数日後。
正式に寺嶋は退職となった。
学校を去ろうとする寺嶋に堀内は声をかけた。
「これからどうするんですか?」
寺嶋は答えた。
「もちろん教師を続けるよ。」
「私にはコレしかないと思ったし、
いい教師になろうって決めた。」
寺嶋は最後にバレー部の部室へ足を運んだ。
誰もいない部室を眺めた。
寺嶋の顔は清清しかった。
そして下駄箱で靴を履こうとしたとき、
中には手紙が入っていた。
それはバレー部6人からの手紙だった。
駅のホームで、その手紙を読んだ寺嶋。
「あいつら・・・」
そう言って電車に乗りこんだ。
走る線路脇には男子バレー部が待っていた。
『ありがとう!おっぱい先生!』
と書いたダンボールを持って、
自分たちの胸にバレーボールを2個忍ばし、
電車を追って走るバレー部6人。
それを見て窓を開けた寺嶋は、
男子バレー部6人に手を振って言う。
「ありがとう。みんな!」
「元気でね〜。」
「いい男になれよ〜。」
「ありがとう!」
〜〜バレー部から寺嶋に書いた手紙〜〜〜〜
寺嶋先生へ
先生はどう思っているか分かりませんが、
僕たちはあの試合勝てなかったけど、
全然後悔していません。
だって負けたおかげで、
先生の胸に飛び込むこと出来ましたから。
負けた場合に備えて僕等、
エブーの胸に飛び込む練習をしていたので、
良い位置に飛び込めました。
最高の感触ありがとうございました。
男子バレー部一同より。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(終わり)
〜〜 関 連 商 品 〜〜
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【出演者】
寺嶋美香子:綾瀬はるか
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江口拓(バレー部):恵隆一郎
岩崎耕平(バレー部):吉原拓弥
城良樹(バレー部):橘義尋
城和樹(良樹の父):仲村トオル
竜王中コーチ:田口浩正
原田幸次郎(美香子の恩師):小林勝也
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そんな時の青春時代?
作りたいものは分かるんですけど・・・
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感動なのか?コメディなのか?
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良かった気がするんです・・・
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笑いきれずに、感動しきれない感じでした。
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なんか弾き付けられる魅力があります。
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「ダメだこんなんじゃない。」
「時速80キロ以上じゃないと、
おっぱいの感触味わえないらしい。」
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猛スピードで坂を下りながら言う。
「コレがおっぱいの感触・・・」
本物ではないが始めて体験する感触。
幸せを感じると同時に、
ガードレールを突き破り崖へと落ちた・・・
数日後の朝礼中、
教頭の話を聞かずに雑談をする5人。
「時速60キロがAカップ。」
「時速80キロがBカップ。」
「そして時速100キロがCカップ。」
その朝礼で教頭は赴任して来た国語の先生、
寺嶋美香子を紹介した。
紹介を受け生徒に挨拶をする寺嶋。
国語教師の彼女は自分の好きな本を紹介した。
紹介したのは高村光太郎の詩集『道程』。
「私の大好きな『道程』です。」
「私はこの『道程』が大好きです。」
「『道程』の意味、
『道程』の素晴らしさに触れてください。」
男子生徒はザワザワと騒ぎ出した。
鼻血を出す男子生徒もでて、
更にザワつきは大きくなった。
朝礼が終わると教頭は寺嶋に、
「今後あまり刺激しないようにお願いしますよ。」
そういって、今後受け持つ部活を伝えた。
それは、男子バレー部であった。
「はい。頑張ります。」
何も知らずに快諾した寺嶋。
しかしバレー部は、おっぱいバカの5人。
何も知らず張り切る寺嶋に、
同僚の堀内は言った。
「あいつら練習したとこなんて、
見たこと無いですよ。」
「そもそも頑張るというやつに、
一番無縁な奴等なんですよ。」
それを聞いた寺嶋は返す。
「教師がそんな事言ってどうするんですか。」
「頑張るのを教えるのが私たちじゃないですか。」
翌日、部室に行った寺嶋。
クラッカーを鳴らして歓迎する5人。
「歓迎してくれるのは嬉しいけど、練習は?」
寺嶋に言われて準備運動をする5人。
寺嶋は言う。
「今日は女子と練習試合するから。」
「女子だし手加減してあげてね。」
それを聞いた5人は言った。
「無理です。無理です。」
「だって僕ら5人しかいませんから。」
と、そこに1年の城が声をかけてきた。
「バレー部に入りたいんですけど。」
「小学校からバレーやってたんですけど。」
タイミングよく6人が揃った。
寺嶋は予定通り練習試合を進めた。
しかし結果は・・・
女子相手に15対0の圧倒的な敗北。
唖然とする寺嶋。
落ち込む様子もない5人。
それを見た城は怒って言う。
「本当にバレー部なんですか?」
「Aクイックも出来ないんですか?」
真剣な城とは違い5人は、
「Aっていやらしいこと?」
呆れた城は言った。
「僕。辞めます。」
部室に戻った5人と寺嶋。
歓迎会の続きをしようとする5人。
その行動に更に呆れ寺嶋は言う。
「みんなバレーボールやりたくないの?」
すると5人は、
「バレーボールやったことないし・・・」
「僕たち入部以来、
バレーボールやらせてもらって無いんです。」
1つ上の先輩にナカイという怖い先輩がいて、
卒業するまで、ずっといびられていたと話した。
くだらないことを続けさせられたせいで、
周りからわ「バカ部」と呼ばれていた。
それからは体育館は使えなく、
コートも女子部に占領された。
こうして今があることを伝えると、
「バレーボールなんて忘れて、
みんなで楽しみましょうよ。」
と言って歓迎会の続きを始めようとする。
その話を聞いた寺嶋は言った。
「バカにされたまんまで悔しくないの?」
「試合で勝ってみたいとか、
そんな気持ち無いの?」
「なんで頑張りもしないで諦めてるのよ。」
「朝礼でも言ったでしょ。」
そう言って『道程』の一説を言う寺嶋。
「僕の前に道はない。」
「僕の後ろに道はできる。」
そして続けて寺嶋は言った。
「もしあなたたちが頑張るなら、
先生なんでもするから。」
5人はこの言葉に食いついた。
「何でも?ってことは・・・」
「分かりました。」
「先生は僕らが頑張るなら、
何でもしてくれるんですよね?」
「もし僕らが今度の大会で1勝したら・・・」
「先生のおっぱいを見せてください。」
「お願いしま〜す。」
寺嶋は焦って返す。
「そんな事できる訳無いじゃない。」
5人は寺嶋の反応を弄ぶように言う。
「ですよね・・・」
「先生ってそんなものですよね・・・」
「嘘つき・・・」
更に焦った寺嶋は言った。
「嘘なんてつかないわよ。」
「私は嘘はつかない。」
思惑通りの発言に、5人は喜んだ。
勝てないことを祈るも、
顧問として勝ちたい寺嶋。
その話を堀内にすると、堀内は言う。
「学校に知れたら大騒ぎになりますよ。」
「そもそも教師として間違ってますよ。」
寺嶋はそんなことは分かっていた。
「そんな約束無しで頑張らせなきゃダメだよね。」
「約束は無しって明日はっきり言います。」
翌日。
5人は強豪校へ視察に行った。
コートにはコーチの激が飛んでいた。
「お前ら命かけてやってるのか?」
「死ぬまで走って来い。」
そんな厳しい練習を見た5人は考えた。
「俺たちとは違うみたい。」
「とりあえず練習の邪魔をするって言うのは?」
早速バレーボールに穴を開けようと、
用具庫に忍び込んだ5人。
同時に体育館に入ってくる新体操部。
レオタードに目が行っている隙に、
直ぐに他校の先生に見つかった。
寺嶋のもとに電話が入り、
5人を引き取りに行った寺嶋。
部室に戻った5人に寺嶋は怒った。
しかし5人の反応は
「だって俺ら普通にやっても勝てないから・・・」
呆れた寺嶋は続けた。
「だからって相手の足ひっぱっていいの?」
「自分たちは努力もせず、
汗も流さず、死ぬ気で頑張りもせず、
私のおっぱいを見ようっていう根性な訳?」
「私に対して失礼じゃないの?」
「そんなに簡単に見れると思ったら大間違い。」
少し違う怒り方・・・
自分自身言ったことに疑問を持った寺嶋。
すると5人は素直に受け止め、
「寺嶋先生の言うとおりです。」
「僕ら卑怯でした。」
「せっかく先生が約束してくれたのに・・・」
「すみませんでした。」
「先生の言うとおり、
死ぬ気で頑張って、
今度の大会1勝して、
寺島先生のおっぱい見ます。」
「やるぞ!おっぱい見るぞ!」
何か違った感じで意欲がでた5人。
次の日から、
女子部の使うコートを占領して練習を始めた。
それを見た女子バレー部の顧問は、
「何を言ったか知りませんけど、
今更何をやらせたって無理なんですから。」
寺嶋は返した。
「無理なんてことは無いです。」
「彼らは本気で頑張り始めたんです。」
必死に練習を始めた5人。
寺嶋も監督としての勉強を始めた。
しかし5人では試合はできない。
そこで、寺嶋と育夫は城を再度誘いに行った。
家にいたのは城の父。
家の中には城の父が獲った、
バレーボールのトロフィーが並んでいた。
城の父は2人に聞いた。
「あいつ練習頑張ってますか?」
城がバレーボールをやっていると思っていた。
慌てた育夫は話を変えて聞いた。
「今日は城君のお父さんに、
バレーボールのことを、
色々教えてもらおうと思って。」
城の父親はアドバイスをしてから、
息子について話した。
「あいつバレーボール楽しんでますかね?」
「私が怪我でバレーボール諦めてから、
あいつきっと自分が続けることで、
私を喜ばせようとしてる。」
「そう思えるんですよ。」
家を出た育夫は4人にその話をした。
そして手分けをして城を探すことにした。
城を見つけた育夫は言った。
「また俺たちとバレーボールをやろう。」
しかし城は答える。
「俺バレーボールなんて興味ないですから。」
そう言って背を向けて歩き出す城。
城は公園に停められたバイクを見つけ、
仲間たちと悪ふざけでバイクを倒した。
そのバイクの持ち主はナカイ先輩。
城はナカイ先輩に捕まってしまう。
城を殴り続けるナカイ先輩の下へ行く5人。
「城は僕らの後輩です。」
「殴るなら僕等をお願いします。」
怒っている見境のないナカイ先輩は、
5人をボコボコにした。
気の済んだナカイ先輩が帰ると、
育夫は城に言った。
「城。一緒に・・・一緒に・・・
俺たちと一緒に・・・見よう!」
「おっぱいを・・・」
城は身を張って助けようとした5にんに感謝し、
バレーボール部への再入部を決めた。
「よろしくお願いします。」
寺嶋にそう言って頭を下げた城の目線は、
寺嶋の胸元を見ていた・・・
練習を続けた6人は、どんどん力を付けていく。
女子バレー部とのリベンジ戦でも勝ち、
明らかに数ヶ月前とは変わっていた。
そんな6人に、複雑な気持ちを抱く寺嶋。
頑張っている6人には勝ってほしいけど、
勝ったら自分が困る・・・
そしていよいよ、公式戦の当日。
ベンチで大戦校を待つ6人と寺嶋。
そこに審判が来て言う。
「棄権のため戸畑三中の不戦勝ととします。」
コートで飛び跳ねて喜ぶ6人。
控え室に戻ると、育夫は寺嶋に言った。
「先生。お願いします。」
同時に拍手を始めた5人。
それに対して寺嶋は返した。
「まだ勝ってないでしょう?」
6人は言い返した。
「勝ちは勝ちです。」
「戦わずして勝つと書いて不戦勝ですから。」
動揺した寺嶋は言った。
「それは、ずるいんじゃないかな〜。」
寺嶋の言葉に大ブーイングの6人。
更に慌てた寺嶋は続けた。
「私は不戦勝でいいのかってこと言いたいの。」
まったく動じない5人は聞き返す。
「どこがダメなんですか?」
しかし、城だけは違った。
「先生の言うとおり、
不戦勝で勝ったっていえるんですか?」
5人は城に反論した。
「勝ちは勝ちだって。」
「おっぱい見たくないのか?」
しかし城は頑なに言う。
「もっとすっきりした気持ちで見たいんです。」
「不戦勝とかじゃなくて、
先輩たちと一緒に戦って、
おっぱいを見たいんです。」
その城の言葉に賛同したのは育夫だった。
「そうだな。」
「ちゃんと勝たないと先生だって、
すっきりおっぱい見せれないよな。」
「ですよね?」
急にふられた寺嶋は答えた。
「そうよ!」
こうして一時的に難を逃れた寺嶋だった。
しかし、このあとに6人は気づく。
2回戦の相手は強豪校の竜王中。
それを知って頭を抱えた6人。
帰り道に寺嶋は落ち込む6人に言った。
「私は勝てる気するけどな。」
「一人ひとりの技術は向こうのほうが上だし、
チームの戦力としても向こうが上。」
「それは仕方ないよね。」
「練習してきた年月が違うんだから。」
「でもね、君たちは今成長しているの。」
「もの凄い勢いでね〜。」
「あると思うんだ〜そう言う力って。」
「2回戦まであと2週間。」
「今の君たちなら、
勝てるかもしれないって私は思う。」
「私のおっぱいを見るために頑張りなさい。」
その言葉を聞いた6人。
今までの落ち込みとは違い、
急激にテンションを上げるのだった。
数日後、寺嶋は元彼に会っていた。
お酒を飲んで昔を思い出していた寺嶋。
昔に働いていた中学校。
生徒たちと仲良くしており、
生徒たちと一緒にロックのコンサートに行った。
それが他の先生たちにバレて、
寺嶋が誘ったのかと問い詰められ。
違うと否定した寺嶋。
その事がきっかけで、生徒との間に溝が出来た。
寺嶋は急に学校に行きたくない、
そう元彼に言い出したのだった。
仕事に追われていた元彼は、
まともに話も聞くことも出来ず、
自然に2人は別れたのであった。
今回元彼は寺嶋と寄りを戻そうと誘っていた。
寺嶋も優しい言葉に流されて、
食事の後はそのままホテルに行った。
過去のような良い雰囲気の2人。
元彼が寺嶋の上着のボタンを外そうとした時、
寺嶋にはバレー部の6人の顔が浮かんだ。
「これは皆の夢なの!」
そう言って元彼を払いのけた寺嶋。
そのままホテルを後にした・・・
一方、真剣に練習を続ける6人のもとに、
ナカイ先輩が現れた。
なぜ真剣にやっているのかと事情を聞いた。
怯えて事情を説明した6人。
それを聞いたナカイ先輩は言う。
「おっぱいか〜。」
「いいセンコウだな〜。」
「お前ら。コレで負けたら男じゃねえぞ!」
そう言って喝を入れてくれたのだった。
しかしこの時、部室の外では、
女子バレー部がその話を聞いていた・・・
2か回戦までの練習に励む6人。
城の父親が所属していた実業団の力も借りて、
厳しい練習の毎日で過ごした。
大会前の最終合宿。
6人が寝ると寺嶋は同僚の堀内に、
自分の中学の話した。
中学時代は部活をやっていなかったと話し、
過去に1度だけやった万引きの話をする。
その万引きで警察に捕まり停学処分を受けた話。
停学は自宅謹慎ではなく、1週間の実習。
その時担当したのが原田先生。
原田先生は怒りもせず説教もしない。
忘れ物の本を読ませて感想文を書かせた。
寺嶋は、その本に落書きを続けた。
実習最後の日に読んだのが『道程』だった。
「僕の前に道は無い」
「僕の後ろに道は出来る。」
その時書いた感想文を、
勝手にコンクールに出した原田先生。
〜〜その時書いた感想文〜〜〜〜〜〜〜〜〜
人は前を向いて歩くとき、必ず顔を上げます。
万引きした私のように、
キョロキョロと店員さんの視線を気にし、
うつむいた顔では決してありません。
私も前を向いて歩きたい。
自分の道を作りたい。
私の道は必ず私の後ろにできるのだから。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
その感想文は市で賞を貰い、
長い間、市役所に掲載された。
掲載されている期間、
毎日のように市役所に通った寺嶋。
そんなある日、
掲載された感想文の前に佇む原田先生を見た。
寺嶋に気がついた原田先生は言った。
「お前、教師にでもなったらどうだ?」
「国語の教師。向いているかもしれんぞ。」
そんな思い出話をした寺嶋は、
続けて堀内に言った。
「自分が何になりたいかなんて、
考えたことなかったけど、
目の前に道が開けた気がしたんだよね。」
「だから一人前の教師になれたら、
原田先生のところに報告に行きたいなって・・・」
それを聞いて堀内は言った。
「行けばいいじゃないですか。」
しかしうつむいて寺嶋は答えた。
「いけないよ。」
「だって私はまだ・・・」
そんな寺嶋に堀内は言った。
「僕は寺嶋先生、良い先生だと思いますよ。」
〜〜〜Sponsords Link〜〜〜
いよいよ大会間近となったある日。
バレー部の6人は、自分達の将来の話をした。
「良かったよなバレー部にいて。」
「受験とかもこの勢いでいけると思わない?」
「最後かもね?皆で何かできるの。」
「美香子のおかげかな?」
「最後に良い思い出、できそうじゃん。」
そして皆は個々を奮わせ言った。
「絶対勝って美香子のおっぱい見ようぜ。」
「美香子のおっぱい見ることが、恩返しだ。」
その頃、男子バレー部のやる気は、
ふしだらな動機によるものと噂が広まった。
その噂は先生たちにも広まって、
ついに校長室に呼ばれた寺嶋とバレー部6人。
教頭は寺嶋に聞いた。
「変な噂が広まってましてね。」
「地区大会で1勝したら胸を見せてくれると、
寺嶋先生が約束したから頑張っているんだと。」
「本当のことですか?」
寺嶋は動揺した。
「それは・・・」
その時、育夫は寺嶋の返事に被せて答えた。
「本当だけど、嘘です。」
「そんな約束するはず無いじゃないですか。」
「僕等がふざけて言っているだけです。」
この声は教頭には届かない。
「黙れ。今は寺嶋先生に聞いているんだ。」
そして寺嶋は答えた。
「私は・・・」
「私が約束しました。」
そう言うとバレー部に向かい言った。
「ごめんね。嘘はつきたくないの。」
それを聞いていた校長は言った。
「所詮、こいつらはこんなもんですよ・・・」
見下した言葉を聞いた寺嶋は反論した。
「彼らが頑張っていたのは本当です。」
しかし校長は反論を遮り、
「言い訳は結構。」
「これは大変な問題ですよ。」
教室に戻った寺嶋に女子バレー部は言う。
「私が友達に話しちゃったんです。」
「そしたらこんなに広まっちゃって。」
「でも、先生のした約束は、
間違っていると思います。」
寺嶋は責任をとり学校を辞めることになった・・・
寺嶋のいない中での大会当日。
その日、寺嶋は原田先生のお墓の前にいた。
寺嶋は原田先生の墓に向って言う。
「原田先生。」
「やっぱり私ダメでした。」
「また失敗しちゃいました。」
「こんな報告でごめんなさい。」
そんな寺嶋を見かけた、原田先生の妻が声をかけた。
担任ではなかったが、寺嶋のことを知っていた妻。
そして家に連れて行かれた寺嶋。
寺嶋は原田先生の妻に、
自分が先生になったことを伝えた。
すると原田先生の妻は言った。
「主人が聞いたらとっても喜ぶわ。」
「あなたが万引きをして停学になったときね、
毎朝あの本棚の前で、
『今日はどの本にしようかな』って悩んでたの。」
それを聞いた寺嶋は、
本棚にある『道程』を手にとり開いた。
そこには自分の書いた落書きが・・・
「コレって・・・」
「忘れ物じゃなかったんですか?」
そう言って他の本を開くと、
全ての本に自分の落書きがあった。
原田先生の妻は続けて話した。
「どうしたら力になれるんだろうって、
コレでいいのかな〜
ダメなのかな〜
間違っているのかな〜
って、毎日毎日。」
「主人はいつも生徒たちに、
道は目の前にあるんだってこと、
気付かせたいって言ってた。」
「じゃあ、今度はあなたが同じ事を、
あなたの生徒たちに、
気付かせてあげられたらいいわね。」
涙する寺嶋は、
「私の・・・生徒たち・・・」
そう言うと走り出した。
寺嶋のいないバレー部は圧倒的に押されていた。
一生懸命声を出して応援する堀内。
しかし1点も取れずに1セット目は負ける。
そこに現れた寺嶋。
6人を見て言った。
「こらっ!お前等!」
「誰が約束は無しだって言ったのよ!」
「私は言ってないぞ、そんな事。」
「私は戸畑三中をクビになったって、
あなたたちの先生なのよ。」
「私のおっぱいを見るために頑張りなさい。」
2セット目から6人の動きは変わった。
今までの劣勢は嘘のように点数を重ねた。
そして2セット目を奪取した戸畑三中。
喜んだ6人と同時に、
竜王中のコーチの声が響き渡る。
「バカヤロウ!」
「お前等全員メンバーチェンジや!」
「おい!1軍!」
今まで戦ってたのは2軍だったのである。
それでもめげない戸畑三中の6人。
「関係ないよ。」
「俺たちには美香子のおっぱいが、
賭かっているんだから。」
「絶対勝つ!」
「おっぱい!おっぱい!おっぱい!オー!」
そして第3セット目。
圧倒的な強さの竜王中の1軍。
それでも喰らいつく戸畑三中。
しかし結果は4対15。
試合終了の笛が鳴った・・・
体育館のベンチに座ったまま、
立ち上がることができない寺嶋。
歩み寄ったのは城の父。
寺嶋は変な約束をしたことを謝った。
「どうして謝るんですか?」
「知ってましたよ僕はそのこと。」
「目的なんて別にいいんですよ。」
「あいつら頑張ることの素晴らしさを、
身をもって知ったんだから。」
「早く行ってあげてくださいよ。」
「あいつら待ってますよ。」
背中を押され寺嶋は控え室へと向かった。
そこには泣き崩れるバレー部の6人。
寺嶋は6人に声をかけた。
「さあ、みんな立って。」
「みんな胸張って!」
「みんな本当に良く頑張ったよ。」
「みんなカッコ良かった。」
「最高だったよ。」
「ありがとう・・・ありがとうね。」
すると6人は立ち上がり寺嶋に抱きついた。
数日後。
正式に寺嶋は退職となった。
学校を去ろうとする寺嶋に堀内は声をかけた。
「これからどうするんですか?」
寺嶋は答えた。
「もちろん教師を続けるよ。」
「私にはコレしかないと思ったし、
いい教師になろうって決めた。」
寺嶋は最後にバレー部の部室へ足を運んだ。
誰もいない部室を眺めた。
寺嶋の顔は清清しかった。
そして下駄箱で靴を履こうとしたとき、
中には手紙が入っていた。
それはバレー部6人からの手紙だった。
駅のホームで、その手紙を読んだ寺嶋。
「あいつら・・・」
そう言って電車に乗りこんだ。
走る線路脇には男子バレー部が待っていた。
『ありがとう!おっぱい先生!』
と書いたダンボールを持って、
自分たちの胸にバレーボールを2個忍ばし、
電車を追って走るバレー部6人。
それを見て窓を開けた寺嶋は、
男子バレー部6人に手を振って言う。
「ありがとう。みんな!」
「元気でね〜。」
「いい男になれよ〜。」
「ありがとう!」
〜〜バレー部から寺嶋に書いた手紙〜〜〜〜
寺嶋先生へ
先生はどう思っているか分かりませんが、
僕たちはあの試合勝てなかったけど、
全然後悔していません。
だって負けたおかげで、
先生の胸に飛び込むこと出来ましたから。
負けた場合に備えて僕等、
エブーの胸に飛び込む練習をしていたので、
良い位置に飛び込めました。
最高の感触ありがとうございました。
男子バレー部一同より。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(終わり)
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2016年01月16日
【風俗行ったら人生変わったwww】出演者・感想・完全ネタバレ(セリフ完全再現)
本日の映画紹介。
【風俗行ったら人生変わったwww】
【出演者】
遼太郎:満島真之介
かよ:佐々木希
晋作(ネット住人):松坂桃李
中畑光男(かよの彼氏):中村倫也
住吉徹(金貸し):山中聡
河合(ネット住民):藤間宇宙
田中(ネット住民):駒木根隆介
滝田(ネット住民):穂のか
佐良田(ネット住民・作家):山田真歩
東出(ネット住民):上原実矩
新田(ネット住民):阿部進之介
風俗嬢:坂ノ上朝美
ピザ屋:谷村美月
ビデオ屋:金田哲
ヤッくん(ギャル男):滝藤賢一
ユッコ(ヤッくんの彼女):時田愛梨
毛糸おじさん(かよの地元のおじさん):諏訪太郎
コーチ(かよの地元のおじさん):菅原大吉
麦わらおじさん(かよの地元のおじさん):佐藤二朗
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【感想】
馬鹿げてるけど、面白い!!!
雰囲気としては『電車男』ですね〜
元気が出ます!!!
コメディ映画として、
アホ臭い作り方として、
とても徹底されていて、
それを中心としたストーリー展開もバッチリ!
以外性の高い映画だったと思います。
それにしても・・・
満島君って兄妹揃って演技うまいですよね〜
どんな生活したら、
あんな演技うまい兄妹が生まれるんでしょうね?
【あらすじ】(ネタバレあり)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
僕の名前は奥遼太郎。
29歳童貞。
ニート暦当然あり、
幼少期の吃音症の名残もあり、
パニックになると過呼吸にもなる。
現在どうにか実家を出て蒲田で1人暮らし。
薄給の契約社員。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
証明写真で何度も写真を撮った遼太郎。
帰りにギャルカップルにぶつかってしまう。
ギャルは遼太郎に言った。
「このメンズ、乳見てない?」
それを聞いたギャル男も言う。
「お前絶対童貞だろ!」
そしてギャル男は遼太郎の持つ証明写真を見て、
「こんな写真じゃさすがに受かるバイトねえんだよ。」
「お前、何が楽しくて生きているんだよ。」
そう言って遼太郎の首もとをつかみ、
連れて行こうとするギャル男。
遼太郎はパニックとなり過呼吸になった。
それを見て怖がり逃げるギャルカップル。
遼太郎はバックからビニール袋を出して口に当てた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
大きく分けると人には2種類いるって思う。
ツイている奴と、いない奴。
少し前に流行った風に言うなら、
持っている奴と、いない奴。
もちろん絶対的に後者だ。
証明写真を撮るだけで緊張するような男。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
その後免許の更新で警察署へ向かった遼太郎。
無事更新が終わり警察署を出ると大雨。
バックに入っていたはずの折りたたみ傘は、
ギャル男に絡まれた際に落としたようだ。
変わりに入っていたのはデリヘルのチラシ。
自分を変えたいと思った遼太郎は、
警察所の前からデリヘルに電話した。
ホテルでデリヘル嬢の到着を待っていると、
「始めまして。かよです。」
その整った顔に喜んだ遼太郎。
『キターーー!』
かよは部屋に入るなり言った。
「シャワー借りていいですか?」
「あっ!」
「ご一緒なさいますか?」
その言葉に動揺した遼太郎。
パニックを起こして、またもや過呼吸になる。
それを見たかよは、動じずに声をかけた。
「大丈夫ですか?」
かよの顔は遼太郎からは天使に見えていた。
ホテルを出て、かよは言った。
「今日はごめんなさい。」
「何も出来なくて。」
「なのにお金まで頂いちゃって。」
遼太郎は答えた。
「当然ですよ。呼んだのこっちですから。」
「こっちこそ・・・
こんな時間までつき合わせちゃって・・・」
「迷惑かけてすみません。」
かよは返した。
「今日はもう終わりでしたから。」
「良かったらこれ貰っていただけませんか?」
「もし次があったら、
今日の分までサービスしますから。」
かよは名刺を遼太郎の胸ポケットに入れた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あの時点でもう惚れてた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
翌日、遼太郎はかよの名刺先に電話した。
もちろん電話に出たのは受付の男性。
「もしかして今日もかよご使命ですか?」
「でもあいにく今日はダメなんですよ、かよ。」
「一日中予約で埋まってまして。」
「明日の20時以降なら空いてますよ。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
彼女が風俗嬢であることを思い知った瞬間であった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
それから何度もかよと会った遼太郎。
もちろん貯金もどんどん減っていった。
しかし遼太郎は毎回話すことも出来ずにいた。
そんな遼太郎にかよは言った。
「遼太郎さんって変わってますよね。」
「今日も何もしてこないですし。」
「そんなに話もしてないよ。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
初めてのタメ語にグッと来た。
だから僕も思い切って使ってみた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
遼太郎の違和感のあるタメ語に笑うかよ。
以前の過呼吸になった時に怪我した額の傷に、
毎回絆創膏を張りなおしてくれるかよ。
その傷も、もう完治して張り直すことも無かった。
かよは何もしないり遼太郎に言う。
「こうして何もしないで普通にいるほうが、
逆に恥ずかしいですね。」
「服着ているのに裸みたい。」
「普通って言うのも、何か変か?」
それに対して遼太郎は答えた。
「俺。普通って難しいから。」
それを聞いて、かよは笑顔で言う。
「だね!」
自然な感じで近づく2人。
その瞬間時間終了のアラームが鳴った。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
一時間で二万弱。
かよさんにはお金を使わないと会えない。
そのことを自覚する瞬間だ。
そして金は、いずれ尽きる。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お金を払おうとする遼太郎。
「もらえないよ。」
そう言うかよに、力ずくでお金を渡した。
そんな遼太郎に、かよは言う。
「よったら交換しない?連絡先。」
「だってこれ以上お金を使わせるの悪いから。」
「話をするの、
居酒屋でもファミレスでも出来るでしょ?」
「それに私、友達ほとんどいないんだ。」
遼太郎は答えた。
「僕なんか、ほとんどどころか1人もいないよ。」
かよは笑って言った。
「じゃあ、ほとんど一緒だね。」
「東京って1人にはきつい街だよね。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
綺麗だなって思ったけど、
かよさんの笑顔はなぜか泣いているように見えた。
29年間生きてきて、
女の子と話したことなんて、
ましてや触れたことなんて、
フォークダンス以来ほぼないこの俺が、
2人の妹たちには、
ばい菌扱いされているこの俺が、
最高2ヶ月誰とも口を聞かずに
過ごしたこともあるこの俺が、
女の子と2人で会うんだぜ!
二次元じゃないぜ!
かよさんと会うんだぜ!
それもタダなんだぜ!
消費者金融行かずにすんだぜ!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ひょっとして神様っているのか〜い!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
だけど込み上げる嬉しさと同じくらい、
異様で泣きたくなるような得体の知れない不安が、
ヌタリと忍び寄ってくる予感があったんだ。
手に入れてさえないものを失うような。
その正体は何なのか、
この時はまだはっきりとは分からなかったけど
とにかくこの気持ちを誰かに言いたかった。
たとえ会ったことも無ければ顔も見たことも無い
光社会の誰かでも・・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
遼太郎はチャットでネット住人仲間に、
今までの経緯を報告した。
遼太郎に恋が音連れたことに喜ぶ住人。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
この3日後初めて外で待ち合わせをした。
でも日の光は僕には眩し過ぎた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
待ち合わせ場所で待つかよ。
その場所に行けずに、
木の影で隠れて見ていた遼太郎に気がつくかよ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そして僕は初めて女の子とお酒を飲んだ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
話題も無い遼太郎の行動にかよは喜んだ。
「知ってる?」
「お絞りって絞ると結構絞れるんだよ。」
「知ってる?」
「大根っておろすと大根おろしって言うけど、
山芋はなんでとろろになるんでしょうか?」
このような意味のない会話を続ける遼太郎。
お酒の入って、更に勢い付いた遼太郎は聞いた。
「彼氏いるの?」
かよは答えた。
「いないよ。こんな仕事しててさ。」
そして2人は残ったお酒をボトルキープする。
ボトルに2人で名前を書いた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
人生で初キープだった。
『遼太郎&かよ』
俺今ラッキー池田以上にラッキーだ!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
別の日は一緒に買い物に行った。
帽子を一緒に選ぶ2人は、
まるで付き合っているかのようだった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
俺がハット。
ハットに俺。
俺の人生にハットなんて
一生縁が無いものだと思ってた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
それから数回会ったときに遼太郎は聞いた。
「かよさん。」
「僕、ひどく言葉が出ないときあるでしょ?」
「気になるでしょ?」
かよは答えた。
「私は遼太郎さんと話していると落ち着くよ。」
「言葉がゆっくりな分、
この人が言っていることは
本当なんだなって思えるっていうか・・・
実感できるっていうか・・・
とにかく信頼できる。」
遼太郎は言った。
「俺も、かよさんのこと信頼できる。」
「あの時思ったんだ。」
「東京にもこんな優しい子がいるんだなって。」
かよは素直に言う。
「ありがと。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
吃音のことを打ち明けられたことで、
苦手だった電話も平気になった。
どころか長電話の楽しさを初めて知った。
電話でしか話せないことも鳴るってことも・・・
それからついさっきまで会っていたのに、
声が聞きたくなるっていう気持ちも。
だけど肝心なことは、
『どうして風俗で働いているのか?』
とは聞けなかった。
いや、聞きたくなかったのかもしれない。
とにかく、恋だった・・・
紛れもなく僕はかよさんに恋をしていた。
かよさんの事を好きになればなるほど、
いとおしく思えば思うほど、
あの指で、あの唇で、
毎日いったい何人の男に、
どんなことをしているんだろう?
そんなドブみたいに汚い
最低な妄想が止まらなくなったんだ。
僕は海の厳しさを知らない淡水魚だった。
そしてこの日を境に、
かよさんからの連絡は途絶えた。
何があったんだよ?かよさん。
着信拒否をされてないことが、
せめてもの救いだった。
風俗嬢だったこと意外に、
僕はかよさんの事を何も知らなかった。
風俗嬢と客。
2人の間にそれ以上のものは無かった。
連絡しても、
彼女が答えてくれなければそれでおしまい。
そんな点線みたいな、
か細い関係だったことを今更自覚した。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そんな塞ぎこんだ遼太郎。
家から出ずに宅配ピザを注文した。
遼太郎は友達が来ているかのように、
奥の部屋で雑音を流し、騒がしくして対応した。
しかし店員はそんな気持ち悪い行動に言う。
「そんなの見栄にもなってないから。」
「どうせ張るなら意地張れよ。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
失恋は地獄だって事初めて知った。
海水は思っていた以上にきつかった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
落ち込んでいるとネット住人達が励ましてくれた。
「変わりたいって言ってたじゃない。」
そして電話することを薦めるも、
電話すること躊躇う遼太郎。
そんな遼太郎にネット住人の晋作は、
BSアンテナをずらしてみるように伝えた。
言われたとおりにアンテナをずらした後に、
部屋のテレビをつけると、BSチャンネルが映らない。
それを見て晋作は笑って言う。
「先輩の末来も同じって事ですよ。」
「ほんの数ミリの誤差かもしれないですけど、
見えない電波を飛ばしてるけど、
はるか宇宙の衛星においては、
何千キロ何万キロってずれてるって事です。」
「南米で飛んだ蝶の羽ばたきが、
北欧では嵐を起こすかもしれない。」
「つまり、届くか逃げるかです。」
その言葉で、遼太郎は再度かよに電話した。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
だからとは思えないけど、
見えない電波はかよさんに繋がった。
奥遼太郎に誰より自分が驚いた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
直ぐにかよの家に向かった遼太郎。
自転車に乗りながら叫んだ。
「奥手の奥じゃ無かったよ〜」
かよの家に着くと、かよは今までの話をした。
東北秋田から上京したかよ。本名サチコ。
昔から素直だったかよ。
田舎では遠まわしなセクハラと分からずに、
地元のおじさんたちに優しくした。
そんな純粋なかよ。
大学に行き先生を目指した。
しかし田舎から出てきたかよに、
声をかけたのはチャラチャラした先輩中畑。
新入生歓迎コンパに連れて行かれたかよ。
その日、かよは中畑に処女を奪われた。
一般的に考えればただのレイプ。
断れない性格のかよと、中畑の関係は続いた。
中畑は超ギャンブル狂。
借金を作ってかよの金まで持ち出した。
更に浮気をしまくるカス中のカス。
それでもかよは、
渡す金を作るためバイトを増やした。
しかし中畑の借金は増えていき、
ついに先生になる夢を諦め風俗で働き出した。
その話を聞いて遼太郎は聞いた。
「どうして別れなかったの?」
かよは答えた。
「悔しさと麻痺。」
「でも今はとっくに別れてる。ちゃんと。」
「私にちゃんと惚れさせたいって思ったから。」
「だから尽くした。」
「本当のカップルになりたかったの。」
その時、家の外から中畑の声が聞こえた。
「頼むよサチコ。開けてくれよ。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
きっとこうやって開けてしまっていたんだろう。
かよさんは、優しいから。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
何度もかよを呼ぶ中畑の声。
その声を聞いてかよは遼太郎に言う。
「開けるまで帰ってくれないの。」
「近所の目もあるし・・・」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ということは、きっと・・・
それくらい童貞でもわかる。
そんなこと誰にも言えず、たった一人で・・・
この顔の意味がやっと分かった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
遼太郎は最初に会った時の、
かよの言葉を思い出した。
『東京って1人にはきつい町だよね。』
そして震えるかよを抱きしめた後に、
「俺が追い払ってやる。」
そう言って玄関へ行く遼太郎。
玄関のドアを開けて、中畑に遼太郎は言った。
「ここは僕の家ですけど。」
「前の人は引っ越したんではないでしょうか?」
白々しい対応の遼太郎に中畑は言った。
「お前は誰なんだよ?」
そして無理やり部屋に入ろうとする中畑。
動揺した遼太郎は、
「かよさんの彼氏だ〜」
そう言って中畑に突進した。
その勢いに中畑は押され、
高層マンションの踊場から下に落とされそうになる。
本気の遼太郎にビビる中畑は謝った。
遼太郎は言った。
「お前、二度とかよさんに近づくな。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
以後、中畑が押しかけてくることは無くなった。
だけどかよさんには100万近くの借金だけが残った。
この紙切れ一枚をどうにかしなければ何も変わらない。
結局、話どころじゃなかった。
正直ちょっともらしちゃった。
かよさんとは一度だけ会った。
いつもの居酒屋で。
だけど・・・
どんな話をしたのかも覚えていない。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
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以前の生活に戻りかけていた遼太郎。
ある日家のチャイムが鳴り、ドアを開けた遼太郎。
「初めまして先輩。」
来るはずないネット住人の晋作が家に来た。
来るはずない人間。
最初は疑ったが確かに前日の夜に
『助けに行きます。』
の書き込みが晋作からあった。
晋作は借用書奪還の作戦を立ててきた。
一通り作戦を聞き終わると晋作は言った。
「あんな話し聞かされて、
むかつかない奴は人間じゃないでしょ。」
「という訳で行きましょう。」
チャット仲間とはいえ初対面。
断る遼太郎に晋作は言った。
「コミュニケーション障害って、
言ってませんでしたっけ?」
「長電話。楽しかったんでしょ?」
「持ってんじゃないですか。コミュニケーション。」
「何かを乗り越えた人は先輩でしょ?」
「むかついている人も同じ。」
「他に理由ありますか?」
そして協力をすることを決めたチャット仲間たち。
ネット仲間7人が集結した。
闇金のボス住吉はBSで映画を見ていた。
作戦@
屋上に忍び込んでアンテナを曲げた。
見ていた映画が映らなく、不思議がる住吉。
作戦A
換気口におならをする。
同時に強烈な臭さにベランダの窓を開けた。
作戦B
チャイムを鳴らして
晋作が引越ししたと引き出物を届ける。
そして晋作はスカンクを飼っている話をし、
時間稼ぎを続ける。
作戦C
その間に家に入りDVDの中身を全て抜き取る。
部屋に戻った住吉は見ていた映画(キョンシー)
の続きが気になり、レンタルビデオ屋に向かった。
作戦D
キョンシー貸し出し中。
店員に扮したチャット仲間たちが対応。
板橋店、渋谷店、新宿店と回るも貸し出し中。
どの店でも嘘のテレビを流していた。
それは大風が来るとのニュース。
作戦E
住吉のマンションに向けて強風を吹かす。
家に戻った住吉。
最後の締めくくりの予定が、
設置した送風装置が動かない。
動揺する遼太郎。
しかし晋作はいたって冷静に、
隣のビルを指差して言った。
「先輩自己ベストいくつです?」
「走り幅跳びの?」
隣のビルには他のネット住人と送風装置。
遼太郎は晋作の質問に答えた。
「こう見えて4m60は飛んでたけど。」
晋作は言う。
「性格には4m78cmと3mm。」
「飛べる距離です。」
「勇気さえ出せば・・・」
「見本見せますよ。」
呆気にとられながら答える遼太郎。
「そんなの見せられても無駄です。」
「僕と晋作君では比べる要素も・・・」
遮るように晋作は言った。
「ありますよ。」
「僕も昔相当迫害されてましたし・・・」
「一度本気で死のうとしたことがあります。」
「その時知ったんですよ。」
「青すぎる空は、悲しいほど怖いって事を。」
そう言った晋作は飛んだ。
ビルから、仲間のいる隣のビルへと・・・
着地した晋作は隣のビルにいる良太郎に言う。
「早く飛べ〜」
「男には、
風を吹かせなきゃいけないときがあるんだよ。」
自分を奮い立たせた遼太郎は・・・
飛んだ!風を掻き分けるように・・・
月に映った影はまるでマイケル・ジョーダン。
その頃家に戻った住吉。
家の中は荒らされていた。
スカンクの仕業と勘違いする住吉。
その瞬間家に強風が入り、
沢山の借用書は窓から家の外へ・・・
時間はぴったり。
そこは大学相撲部の早朝練習のコース。
落ちた沢山の借用書を踏みつけていった。
遼太郎とネット住人は喜んだ。
その姿を遠くから見ていたかよ。
その日かよに会った遼太郎は聞いた。
「かよさん知ってる?」
「かよさんも夢見るでしょ?」
「ほとんどの哺乳類の動物は夢を見るらしいんだ。」
「でもね。」
「俺はカヨさんと出会うまであまり眠れなくて。」
「ギュっと目をつむっても、
いつまでたっても眠りは来ない。」
「苦しい想像ばっかり浮かんでは消えて。」
「大人になればなるほど、
そういう夜ばっかりが増えて。」
「でもね・・・
俺はカヨさんと会ってから、
良く眠れるようになったんだ。」
「瞼を閉じるとかよさんが浮かんできて、
僕を楽しいたびに連れて行ってくれるから。」
そう言った遼太郎は泣いていた。
そして話を続ける。
「嘘。本当は余計苦しいときもあった。」
「楽しい旅の後だからこそ、
苦しさは何倍にもなって。」
「したくも無い想像ばっか・・・
気付けばしてて・・・」
かよは言う。
「ごめんね。私がバカだから・・・」
被せるように遼太郎は言う。
「そうだよ。カヨさんはバカだよ。」
「1人で抱えて。」
「分かりやすいバカ男に騙されて、
その事に気付いているのに
気付かない振りして。」
「尽くして、尽くして、夢まで捨てて。」
「どうしようもないバカだよ!」
声を荒げたせいで、
遼太郎は過呼吸を起こした。
駆け寄ろうとするかよ。
そんなかよと自分の過呼吸を制して言う。
「ごめんかよさん。」
「言いたいことはそんな事じゃないのに。」
「俺が言いたいのは、たったの6文字なのに。」
遼太郎が言いたい言葉に気付いたかよ。
かよは言った。
「やめといたほうがいいって。」
「私こんなのだよ。汚れてるよ。」
遼太郎は続けた。
「知ってるって。」
「初めて会ったとき言ってくれたでしょ?」
「『大丈夫だよ』って。」
「大丈夫。大丈夫だよ。」
「かよさんの過去なら、俺が一緒にしょうから。」
「俺はかよさん。」
「き・み・が・す・き・だ」
かよはその言葉に答えた。
「私も好き。」
その時・・・
その様子を見ていたネット仲間7人。
送風機にスイッチを入れた。
かよのスカートはめくりあがり、パンツが見えた。
興奮した遼太郎は再び過呼吸になった。
そんな遼太郎のもとに駆け寄った7人、
喜びを共感するのであった。
家に帰った遼太郎。
宅配ピザが届く。
騒がしい奥の部屋に向って言う。
「ちょっとお前ら、うるさいよ。」
そしてピザ屋に言った。
「本当にみんな育ち盛りで。」
ピザ屋は遼太郎の言葉に笑った・・・
(終わり)
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【風俗行ったら人生変わったwww】
【出演者】
遼太郎:満島真之介
かよ:佐々木希
晋作(ネット住人):松坂桃李
中畑光男(かよの彼氏):中村倫也
住吉徹(金貸し):山中聡
河合(ネット住民):藤間宇宙
田中(ネット住民):駒木根隆介
滝田(ネット住民):穂のか
佐良田(ネット住民・作家):山田真歩
東出(ネット住民):上原実矩
新田(ネット住民):阿部進之介
風俗嬢:坂ノ上朝美
ピザ屋:谷村美月
ビデオ屋:金田哲
ヤッくん(ギャル男):滝藤賢一
ユッコ(ヤッくんの彼女):時田愛梨
毛糸おじさん(かよの地元のおじさん):諏訪太郎
コーチ(かよの地元のおじさん):菅原大吉
麦わらおじさん(かよの地元のおじさん):佐藤二朗
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【感想】
馬鹿げてるけど、面白い!!!
雰囲気としては『電車男』ですね〜
元気が出ます!!!
コメディ映画として、
アホ臭い作り方として、
とても徹底されていて、
それを中心としたストーリー展開もバッチリ!
以外性の高い映画だったと思います。
それにしても・・・
満島君って兄妹揃って演技うまいですよね〜
どんな生活したら、
あんな演技うまい兄妹が生まれるんでしょうね?
【あらすじ】(ネタバレあり)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
僕の名前は奥遼太郎。
29歳童貞。
ニート暦当然あり、
幼少期の吃音症の名残もあり、
パニックになると過呼吸にもなる。
現在どうにか実家を出て蒲田で1人暮らし。
薄給の契約社員。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
証明写真で何度も写真を撮った遼太郎。
帰りにギャルカップルにぶつかってしまう。
ギャルは遼太郎に言った。
「このメンズ、乳見てない?」
それを聞いたギャル男も言う。
「お前絶対童貞だろ!」
そしてギャル男は遼太郎の持つ証明写真を見て、
「こんな写真じゃさすがに受かるバイトねえんだよ。」
「お前、何が楽しくて生きているんだよ。」
そう言って遼太郎の首もとをつかみ、
連れて行こうとするギャル男。
遼太郎はパニックとなり過呼吸になった。
それを見て怖がり逃げるギャルカップル。
遼太郎はバックからビニール袋を出して口に当てた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
大きく分けると人には2種類いるって思う。
ツイている奴と、いない奴。
少し前に流行った風に言うなら、
持っている奴と、いない奴。
もちろん絶対的に後者だ。
証明写真を撮るだけで緊張するような男。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
その後免許の更新で警察署へ向かった遼太郎。
無事更新が終わり警察署を出ると大雨。
バックに入っていたはずの折りたたみ傘は、
ギャル男に絡まれた際に落としたようだ。
変わりに入っていたのはデリヘルのチラシ。
自分を変えたいと思った遼太郎は、
警察所の前からデリヘルに電話した。
ホテルでデリヘル嬢の到着を待っていると、
「始めまして。かよです。」
その整った顔に喜んだ遼太郎。
『キターーー!』
かよは部屋に入るなり言った。
「シャワー借りていいですか?」
「あっ!」
「ご一緒なさいますか?」
その言葉に動揺した遼太郎。
パニックを起こして、またもや過呼吸になる。
それを見たかよは、動じずに声をかけた。
「大丈夫ですか?」
かよの顔は遼太郎からは天使に見えていた。
ホテルを出て、かよは言った。
「今日はごめんなさい。」
「何も出来なくて。」
「なのにお金まで頂いちゃって。」
遼太郎は答えた。
「当然ですよ。呼んだのこっちですから。」
「こっちこそ・・・
こんな時間までつき合わせちゃって・・・」
「迷惑かけてすみません。」
かよは返した。
「今日はもう終わりでしたから。」
「良かったらこれ貰っていただけませんか?」
「もし次があったら、
今日の分までサービスしますから。」
かよは名刺を遼太郎の胸ポケットに入れた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あの時点でもう惚れてた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
翌日、遼太郎はかよの名刺先に電話した。
もちろん電話に出たのは受付の男性。
「もしかして今日もかよご使命ですか?」
「でもあいにく今日はダメなんですよ、かよ。」
「一日中予約で埋まってまして。」
「明日の20時以降なら空いてますよ。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
彼女が風俗嬢であることを思い知った瞬間であった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
それから何度もかよと会った遼太郎。
もちろん貯金もどんどん減っていった。
しかし遼太郎は毎回話すことも出来ずにいた。
そんな遼太郎にかよは言った。
「遼太郎さんって変わってますよね。」
「今日も何もしてこないですし。」
「そんなに話もしてないよ。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
初めてのタメ語にグッと来た。
だから僕も思い切って使ってみた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
遼太郎の違和感のあるタメ語に笑うかよ。
以前の過呼吸になった時に怪我した額の傷に、
毎回絆創膏を張りなおしてくれるかよ。
その傷も、もう完治して張り直すことも無かった。
かよは何もしないり遼太郎に言う。
「こうして何もしないで普通にいるほうが、
逆に恥ずかしいですね。」
「服着ているのに裸みたい。」
「普通って言うのも、何か変か?」
それに対して遼太郎は答えた。
「俺。普通って難しいから。」
それを聞いて、かよは笑顔で言う。
「だね!」
自然な感じで近づく2人。
その瞬間時間終了のアラームが鳴った。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
一時間で二万弱。
かよさんにはお金を使わないと会えない。
そのことを自覚する瞬間だ。
そして金は、いずれ尽きる。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お金を払おうとする遼太郎。
「もらえないよ。」
そう言うかよに、力ずくでお金を渡した。
そんな遼太郎に、かよは言う。
「よったら交換しない?連絡先。」
「だってこれ以上お金を使わせるの悪いから。」
「話をするの、
居酒屋でもファミレスでも出来るでしょ?」
「それに私、友達ほとんどいないんだ。」
遼太郎は答えた。
「僕なんか、ほとんどどころか1人もいないよ。」
かよは笑って言った。
「じゃあ、ほとんど一緒だね。」
「東京って1人にはきつい街だよね。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
綺麗だなって思ったけど、
かよさんの笑顔はなぜか泣いているように見えた。
29年間生きてきて、
女の子と話したことなんて、
ましてや触れたことなんて、
フォークダンス以来ほぼないこの俺が、
2人の妹たちには、
ばい菌扱いされているこの俺が、
最高2ヶ月誰とも口を聞かずに
過ごしたこともあるこの俺が、
女の子と2人で会うんだぜ!
二次元じゃないぜ!
かよさんと会うんだぜ!
それもタダなんだぜ!
消費者金融行かずにすんだぜ!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ひょっとして神様っているのか〜い!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
だけど込み上げる嬉しさと同じくらい、
異様で泣きたくなるような得体の知れない不安が、
ヌタリと忍び寄ってくる予感があったんだ。
手に入れてさえないものを失うような。
その正体は何なのか、
この時はまだはっきりとは分からなかったけど
とにかくこの気持ちを誰かに言いたかった。
たとえ会ったことも無ければ顔も見たことも無い
光社会の誰かでも・・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
遼太郎はチャットでネット住人仲間に、
今までの経緯を報告した。
遼太郎に恋が音連れたことに喜ぶ住人。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
この3日後初めて外で待ち合わせをした。
でも日の光は僕には眩し過ぎた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
待ち合わせ場所で待つかよ。
その場所に行けずに、
木の影で隠れて見ていた遼太郎に気がつくかよ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そして僕は初めて女の子とお酒を飲んだ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
話題も無い遼太郎の行動にかよは喜んだ。
「知ってる?」
「お絞りって絞ると結構絞れるんだよ。」
「知ってる?」
「大根っておろすと大根おろしって言うけど、
山芋はなんでとろろになるんでしょうか?」
このような意味のない会話を続ける遼太郎。
お酒の入って、更に勢い付いた遼太郎は聞いた。
「彼氏いるの?」
かよは答えた。
「いないよ。こんな仕事しててさ。」
そして2人は残ったお酒をボトルキープする。
ボトルに2人で名前を書いた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
人生で初キープだった。
『遼太郎&かよ』
俺今ラッキー池田以上にラッキーだ!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
別の日は一緒に買い物に行った。
帽子を一緒に選ぶ2人は、
まるで付き合っているかのようだった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
俺がハット。
ハットに俺。
俺の人生にハットなんて
一生縁が無いものだと思ってた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
それから数回会ったときに遼太郎は聞いた。
「かよさん。」
「僕、ひどく言葉が出ないときあるでしょ?」
「気になるでしょ?」
かよは答えた。
「私は遼太郎さんと話していると落ち着くよ。」
「言葉がゆっくりな分、
この人が言っていることは
本当なんだなって思えるっていうか・・・
実感できるっていうか・・・
とにかく信頼できる。」
遼太郎は言った。
「俺も、かよさんのこと信頼できる。」
「あの時思ったんだ。」
「東京にもこんな優しい子がいるんだなって。」
かよは素直に言う。
「ありがと。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
吃音のことを打ち明けられたことで、
苦手だった電話も平気になった。
どころか長電話の楽しさを初めて知った。
電話でしか話せないことも鳴るってことも・・・
それからついさっきまで会っていたのに、
声が聞きたくなるっていう気持ちも。
だけど肝心なことは、
『どうして風俗で働いているのか?』
とは聞けなかった。
いや、聞きたくなかったのかもしれない。
とにかく、恋だった・・・
紛れもなく僕はかよさんに恋をしていた。
かよさんの事を好きになればなるほど、
いとおしく思えば思うほど、
あの指で、あの唇で、
毎日いったい何人の男に、
どんなことをしているんだろう?
そんなドブみたいに汚い
最低な妄想が止まらなくなったんだ。
僕は海の厳しさを知らない淡水魚だった。
そしてこの日を境に、
かよさんからの連絡は途絶えた。
何があったんだよ?かよさん。
着信拒否をされてないことが、
せめてもの救いだった。
風俗嬢だったこと意外に、
僕はかよさんの事を何も知らなかった。
風俗嬢と客。
2人の間にそれ以上のものは無かった。
連絡しても、
彼女が答えてくれなければそれでおしまい。
そんな点線みたいな、
か細い関係だったことを今更自覚した。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そんな塞ぎこんだ遼太郎。
家から出ずに宅配ピザを注文した。
遼太郎は友達が来ているかのように、
奥の部屋で雑音を流し、騒がしくして対応した。
しかし店員はそんな気持ち悪い行動に言う。
「そんなの見栄にもなってないから。」
「どうせ張るなら意地張れよ。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
失恋は地獄だって事初めて知った。
海水は思っていた以上にきつかった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
落ち込んでいるとネット住人達が励ましてくれた。
「変わりたいって言ってたじゃない。」
そして電話することを薦めるも、
電話すること躊躇う遼太郎。
そんな遼太郎にネット住人の晋作は、
BSアンテナをずらしてみるように伝えた。
言われたとおりにアンテナをずらした後に、
部屋のテレビをつけると、BSチャンネルが映らない。
それを見て晋作は笑って言う。
「先輩の末来も同じって事ですよ。」
「ほんの数ミリの誤差かもしれないですけど、
見えない電波を飛ばしてるけど、
はるか宇宙の衛星においては、
何千キロ何万キロってずれてるって事です。」
「南米で飛んだ蝶の羽ばたきが、
北欧では嵐を起こすかもしれない。」
「つまり、届くか逃げるかです。」
その言葉で、遼太郎は再度かよに電話した。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
だからとは思えないけど、
見えない電波はかよさんに繋がった。
奥遼太郎に誰より自分が驚いた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
直ぐにかよの家に向かった遼太郎。
自転車に乗りながら叫んだ。
「奥手の奥じゃ無かったよ〜」
かよの家に着くと、かよは今までの話をした。
東北秋田から上京したかよ。本名サチコ。
昔から素直だったかよ。
田舎では遠まわしなセクハラと分からずに、
地元のおじさんたちに優しくした。
そんな純粋なかよ。
大学に行き先生を目指した。
しかし田舎から出てきたかよに、
声をかけたのはチャラチャラした先輩中畑。
新入生歓迎コンパに連れて行かれたかよ。
その日、かよは中畑に処女を奪われた。
一般的に考えればただのレイプ。
断れない性格のかよと、中畑の関係は続いた。
中畑は超ギャンブル狂。
借金を作ってかよの金まで持ち出した。
更に浮気をしまくるカス中のカス。
それでもかよは、
渡す金を作るためバイトを増やした。
しかし中畑の借金は増えていき、
ついに先生になる夢を諦め風俗で働き出した。
その話を聞いて遼太郎は聞いた。
「どうして別れなかったの?」
かよは答えた。
「悔しさと麻痺。」
「でも今はとっくに別れてる。ちゃんと。」
「私にちゃんと惚れさせたいって思ったから。」
「だから尽くした。」
「本当のカップルになりたかったの。」
その時、家の外から中畑の声が聞こえた。
「頼むよサチコ。開けてくれよ。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
きっとこうやって開けてしまっていたんだろう。
かよさんは、優しいから。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
何度もかよを呼ぶ中畑の声。
その声を聞いてかよは遼太郎に言う。
「開けるまで帰ってくれないの。」
「近所の目もあるし・・・」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ということは、きっと・・・
それくらい童貞でもわかる。
そんなこと誰にも言えず、たった一人で・・・
この顔の意味がやっと分かった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
遼太郎は最初に会った時の、
かよの言葉を思い出した。
『東京って1人にはきつい町だよね。』
そして震えるかよを抱きしめた後に、
「俺が追い払ってやる。」
そう言って玄関へ行く遼太郎。
玄関のドアを開けて、中畑に遼太郎は言った。
「ここは僕の家ですけど。」
「前の人は引っ越したんではないでしょうか?」
白々しい対応の遼太郎に中畑は言った。
「お前は誰なんだよ?」
そして無理やり部屋に入ろうとする中畑。
動揺した遼太郎は、
「かよさんの彼氏だ〜」
そう言って中畑に突進した。
その勢いに中畑は押され、
高層マンションの踊場から下に落とされそうになる。
本気の遼太郎にビビる中畑は謝った。
遼太郎は言った。
「お前、二度とかよさんに近づくな。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
以後、中畑が押しかけてくることは無くなった。
だけどかよさんには100万近くの借金だけが残った。
この紙切れ一枚をどうにかしなければ何も変わらない。
結局、話どころじゃなかった。
正直ちょっともらしちゃった。
かよさんとは一度だけ会った。
いつもの居酒屋で。
だけど・・・
どんな話をしたのかも覚えていない。
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以前の生活に戻りかけていた遼太郎。
ある日家のチャイムが鳴り、ドアを開けた遼太郎。
「初めまして先輩。」
来るはずないネット住人の晋作が家に来た。
来るはずない人間。
最初は疑ったが確かに前日の夜に
『助けに行きます。』
の書き込みが晋作からあった。
晋作は借用書奪還の作戦を立ててきた。
一通り作戦を聞き終わると晋作は言った。
「あんな話し聞かされて、
むかつかない奴は人間じゃないでしょ。」
「という訳で行きましょう。」
チャット仲間とはいえ初対面。
断る遼太郎に晋作は言った。
「コミュニケーション障害って、
言ってませんでしたっけ?」
「長電話。楽しかったんでしょ?」
「持ってんじゃないですか。コミュニケーション。」
「何かを乗り越えた人は先輩でしょ?」
「むかついている人も同じ。」
「他に理由ありますか?」
そして協力をすることを決めたチャット仲間たち。
ネット仲間7人が集結した。
闇金のボス住吉はBSで映画を見ていた。
作戦@
屋上に忍び込んでアンテナを曲げた。
見ていた映画が映らなく、不思議がる住吉。
作戦A
換気口におならをする。
同時に強烈な臭さにベランダの窓を開けた。
作戦B
チャイムを鳴らして
晋作が引越ししたと引き出物を届ける。
そして晋作はスカンクを飼っている話をし、
時間稼ぎを続ける。
作戦C
その間に家に入りDVDの中身を全て抜き取る。
部屋に戻った住吉は見ていた映画(キョンシー)
の続きが気になり、レンタルビデオ屋に向かった。
作戦D
キョンシー貸し出し中。
店員に扮したチャット仲間たちが対応。
板橋店、渋谷店、新宿店と回るも貸し出し中。
どの店でも嘘のテレビを流していた。
それは大風が来るとのニュース。
作戦E
住吉のマンションに向けて強風を吹かす。
家に戻った住吉。
最後の締めくくりの予定が、
設置した送風装置が動かない。
動揺する遼太郎。
しかし晋作はいたって冷静に、
隣のビルを指差して言った。
「先輩自己ベストいくつです?」
「走り幅跳びの?」
隣のビルには他のネット住人と送風装置。
遼太郎は晋作の質問に答えた。
「こう見えて4m60は飛んでたけど。」
晋作は言う。
「性格には4m78cmと3mm。」
「飛べる距離です。」
「勇気さえ出せば・・・」
「見本見せますよ。」
呆気にとられながら答える遼太郎。
「そんなの見せられても無駄です。」
「僕と晋作君では比べる要素も・・・」
遮るように晋作は言った。
「ありますよ。」
「僕も昔相当迫害されてましたし・・・」
「一度本気で死のうとしたことがあります。」
「その時知ったんですよ。」
「青すぎる空は、悲しいほど怖いって事を。」
そう言った晋作は飛んだ。
ビルから、仲間のいる隣のビルへと・・・
着地した晋作は隣のビルにいる良太郎に言う。
「早く飛べ〜」
「男には、
風を吹かせなきゃいけないときがあるんだよ。」
自分を奮い立たせた遼太郎は・・・
飛んだ!風を掻き分けるように・・・
月に映った影はまるでマイケル・ジョーダン。
その頃家に戻った住吉。
家の中は荒らされていた。
スカンクの仕業と勘違いする住吉。
その瞬間家に強風が入り、
沢山の借用書は窓から家の外へ・・・
時間はぴったり。
そこは大学相撲部の早朝練習のコース。
落ちた沢山の借用書を踏みつけていった。
遼太郎とネット住人は喜んだ。
その姿を遠くから見ていたかよ。
その日かよに会った遼太郎は聞いた。
「かよさん知ってる?」
「かよさんも夢見るでしょ?」
「ほとんどの哺乳類の動物は夢を見るらしいんだ。」
「でもね。」
「俺はカヨさんと出会うまであまり眠れなくて。」
「ギュっと目をつむっても、
いつまでたっても眠りは来ない。」
「苦しい想像ばっかり浮かんでは消えて。」
「大人になればなるほど、
そういう夜ばっかりが増えて。」
「でもね・・・
俺はカヨさんと会ってから、
良く眠れるようになったんだ。」
「瞼を閉じるとかよさんが浮かんできて、
僕を楽しいたびに連れて行ってくれるから。」
そう言った遼太郎は泣いていた。
そして話を続ける。
「嘘。本当は余計苦しいときもあった。」
「楽しい旅の後だからこそ、
苦しさは何倍にもなって。」
「したくも無い想像ばっか・・・
気付けばしてて・・・」
かよは言う。
「ごめんね。私がバカだから・・・」
被せるように遼太郎は言う。
「そうだよ。カヨさんはバカだよ。」
「1人で抱えて。」
「分かりやすいバカ男に騙されて、
その事に気付いているのに
気付かない振りして。」
「尽くして、尽くして、夢まで捨てて。」
「どうしようもないバカだよ!」
声を荒げたせいで、
遼太郎は過呼吸を起こした。
駆け寄ろうとするかよ。
そんなかよと自分の過呼吸を制して言う。
「ごめんかよさん。」
「言いたいことはそんな事じゃないのに。」
「俺が言いたいのは、たったの6文字なのに。」
遼太郎が言いたい言葉に気付いたかよ。
かよは言った。
「やめといたほうがいいって。」
「私こんなのだよ。汚れてるよ。」
遼太郎は続けた。
「知ってるって。」
「初めて会ったとき言ってくれたでしょ?」
「『大丈夫だよ』って。」
「大丈夫。大丈夫だよ。」
「かよさんの過去なら、俺が一緒にしょうから。」
「俺はかよさん。」
「き・み・が・す・き・だ」
かよはその言葉に答えた。
「私も好き。」
その時・・・
その様子を見ていたネット仲間7人。
送風機にスイッチを入れた。
かよのスカートはめくりあがり、パンツが見えた。
興奮した遼太郎は再び過呼吸になった。
そんな遼太郎のもとに駆け寄った7人、
喜びを共感するのであった。
家に帰った遼太郎。
宅配ピザが届く。
騒がしい奥の部屋に向って言う。
「ちょっとお前ら、うるさいよ。」
そしてピザ屋に言った。
「本当にみんな育ち盛りで。」
ピザ屋は遼太郎の言葉に笑った・・・
(終わり)
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2016年01月13日
【シュアリー・サムデイ】出演者・感想・完全ネタバレ(セリフ完全再現)
本日の映画紹介。
【シュアリー・サムデイ】
【出演者】
喜志巧:小出恵介
真鍋京平:勝地涼
後藤和生:鈴木亮平
北村雄喜:ムロツヨシ
岩崎秀人:綾野剛
葉月美沙(ヒメノ):小西真奈美
宮城祐(美沙の彼氏):横田栄司
喜志建夫(巧の父):竹中直人
北村雄一郎(雄喜の父):モト冬樹
北村美和子(雄喜の母):原日出子
飯島(亀頭):遠藤憲一
亀頭(飯島):吉田鋼太郎
体育教師 - 高橋努
教頭 - 笹野高史
後藤翔子(和生の妹)井上真央
弁当屋の店長(宮城のバイト先):大竹しのぶ
警官A:妻夫木聡
警官B;小栗旬
上戸彩(エンドロール):上戸彩
やっさん(ホームレス):岡村隆史
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【感想】
意外としっかり作りこまれてます。
遊びの要素がふんだんに入っていて、
その中で友情や恋愛も入れている。
ここまで盛り沢山でよい映画って少ないです。
しかしこの映画は、ここまで詰め込んで、
この出来なんだから,成功なんでは?
って思いました。
小栗くんらしいストーリーな気がします。
今考えるととても凄い出演者ですよね〜
【あらすじ】(ネタバレあり)
真鍋京平は教室の窓から、
校庭で一部始終を見守る先生達に言った。
「ファック・ユー」
「校長あんたは何もわかっっちゃいねえ。」
「確かに今の若い奴らは、
愛国心も無ければ自立心もねえ。」
「平和ボケに漬かった連中ばかりだ。」
「でもな。俺たちは違う。」
「この腐れきった日本を、
根本から立て直すべく立ち上がったんだ。」
教頭先生は言った。
「学校爆破なんてバカな真似はやめなさい。」
それを無視して京平は続けた、
「異端児は戦う、それは100も承知だ。」
「それでもガバメントの犬にはならねえし、
ましてやハイスクールの言いなりにはならねえ。」
「俺たちが新しい日本を作っていくんだよ。」
「この第一歩が文化祭の復活だ〜。」
「今年から文化祭廃止だと?」
「ハメまくりだって言うから、
ギター猛特訓したんだぞ。」
「いつまで童貞でいさせる気だ〜。」
それを聞いていた喜志巧は呆れて言う。
「あれは完全な八つ当たりだ。」
京平は続けた。
「後5分だとよ〜。」
「創立57年の歴史が詰まった、
この校舎が一瞬でボンってわけだ。」
「さあ3分切ったぞ〜。」
「今から非難しても助かるかどうか〜。」
教頭は諦めて京平達の要望を飲んだ。
「君たちの要求どおり文化祭の開催を決定する。」
それを聞いた京平は喜んで言った。
「あんたら新しい時代の幕開けに立ち会ったんだ。」
「サンキュー!」
教室にいた5人。
巧、京平、和生、雄喜、秀人は喜んだ。
しかし・・・
「あれ?タイマーが止まらない。」
慌てた5人は教室を飛び出し逃げた・・・
しかし校庭に出ると雄喜が居なかった。
同時に爆発する校舎。
「雄喜〜。」
〜現在〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
京平は巧に言う。
「雄喜には焦ったけどな〜。」
「マジ死んだと思ったもん。」
巧は答えた。
「死んではねえけど、
片腕なくしてしまったけどな。」
その答えに対して京平は言う。
「そんなの単なる噂だろ?」
「あの事件から会ってねえからって、
被害妄想炸裂させんなよ。」
「暗くなるからあいつの話するなよ。」
「あれからもう3年だぞ。」
「さえない人生過ごしやがってよ。」
「お前の3年なんて10秒で語れてしまうよ。」
そう言って 巧の3年を話し始めた京平。
「高校3年で中退して、
デカだった親父を退職に追い込んで、
152日付き合った彼女にも振られて、
挙句の果てが、
親父の始めたバーの手伝いってドンだけだよ。」
それを聞いた巧は言い返す。
「だまれ童貞の分際で!」
「俺の3年が10秒ならな、
てめえの3年は8秒で語れる。」
そう言うと仕返しとばかりに京平の3年を話し始めた。
「高校3年で中退して
振られる彼女も居ないから
毎日ダッチワイフとバーチャルSEX。」
「生身の彼女が欲しくなって
大検受けたら奇跡的に3流大学に合格。」
「だけど、いまだ童貞。」
くだらない話の中で京平は呟いた。
「あ〜その辺に女転がってねえかな?」
その瞬間に目の前で車に引かれた金髪の女性。
驚きながら巧は答えた。
「女転がってますけど・・・」
急いで女のもとへ駆け寄る2人。
もちろん運転手も駆け寄ったが、
女は立ち上がり運転手にピストルを向けた。
そして跪く運転手を尻目に車に乗って逃げた。
車を奪われたヤクザ風の男性。
それは一緒に校舎を爆破した後藤和生だった。
その夜、巧の親父のバーで和生の話をする2人。
「あいつもこの3年でいろいろあったのかな?」
「高校辞めてから、
皆とは会わなくなっちまったからな。」
「よしっ!」
「僕たちの知らない和生君の3年を想像しよ。」
そう言うと2人で勝手に和生の3年を話し出す。
「高校3年で中退して、
格闘家を目指して頑張ってみたものの、
命より大切な妹の入院費が払えなくなって、
格闘家を断念・・・」
「金を稼ぐためにヤクザになった。」
とその時、慌てた様子の和生がバーに入って来た。
「その通り。」
そう言って2人の妄想通りと伝えると、
組長に追われていると話し、奥に逃げ込んだ。
同時にバーのガラスが割れて、
白いスーツを着た男が入ってきた。
「今ここにうちの若いもんが着たろ?」
急な展開に無言で答えない2人。
2人を無視し、男は和生を探し始めた。
和生を見つけられない白スーツの男は2人に言う。
「明日の夜までに和生と、
彼が奪った3億円用意しておいて貰えるかな?」
巧が口ごたえをしようとすると、
男はピストルを発砲して言った。
「マイネームイズ亀頭。」
「亀の頭って書いて亀頭。」
「約束破ったら、君たちと和生君皆殺し。」
「OK?」
2人は頷くことしか出来なかった。
亀頭が帰ると同時に和生は奥から出てきた。
言い寄る2人に和生は言った。
「俺は奪ってねえよ。」
「昼間、女に車パクられたの見ただろ?」
「あの中に3億積んでたんだよ。」
「昼間の女俺見たことあるんだよ。」
「あの女、ガキの頃にお前のお袋だと思って
歌舞伎町まで探しに行った女だ。」
「お前らなら知っていると思って。」
それを聞いて巧は昔を思い出し呟いた。
「あいつの名前はハッピーナイト。」
〜10年前〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『あの頃の俺はただ母親に会いたかった。』
『だけど、あれは俺の初恋だったのか・・・』
小さかった巧は雑誌を持って父親のもとへ。
「お父さん。この人。」
「綺麗な人だね?」
「この人に会いに行ってるの?」
「もしかしてお母さん?」
その雑誌は風俗紙であった。
何も言わない父親の反応に、
母親だと思った巧は仲間たちに教え、
その日5人で歌舞伎町に向かった。
雑誌に載っていた風俗店『ハッピーナイト』で、
呼び込みの男性に事情を話して中に通してもらった。
「君が私の子?」
そう言ってヒメノは現れた。
「私いくつだと思ってるの?」
「君のお父さんはタダの客。」
「せっかく来てくれて悪いけど・・・」
巧は答えた。
「お姉さんがお母さんじゃないって知ってた。」
「お父さんがお母さん以外の人を、
好きになっちゃたんじゃないかと思って。」
寂しそうな巧の顔を見て
「安心して。」
「お父さんは寂しさを紛らわせるために
私に会いにきているだけ。」
「誰も私なんか好きにならないよ。」
そう言うとヒメノは巧の手を自分の胸に当てて言う。
「お母さんよりいいおっぱいしてるでしょ?」
照れて手を離す巧は言う。
「知らないよ。触ったことないし。」
ヒメノはからかう様に巧に言う。
「じゃあちゃんと触ってみる?」
もう一度巧の手を自分の胸に持っていく。
巧は言った。
「あったかい・・・」
ヒメノは笑って言う。
「何かいいね。こういうの。」
優しいヒメノに巧は言った。
「お姉さんがお母さんだったら良かったのに。」
そしてヒメノは聞いた。
「お父さん何している人?」
巧は素直に答えた。
「刑事。」
その言葉に焦ったヒメノ。
ヒメノは事務所へと走って言う。
「警察が来る。」
同時にガサ入れが入った。
事務所ではヤクの取引が行なわれていた。
逃げようとするヤクザと、
それを捕まえようとする警察。
その中間に巧は居た。
逃げようとヤクザは銃を発砲する。
警察とヤクザの間で、頭を抱えて伏せる巧。
巧を守ろうとする父親。
想定外のことに親分の飯島だけを
捕まえそびれてしまった・・・
保護された巧の前を連行されるヒメノが通る。
思わず歩み寄った巧。
そんな巧にヒメノは言う。
「言ったでしょ?」
「誰も私なんか好きにならないって。」
「私は汚れちゃったのよ。」
さっきとは違い寂しそうな顔をするヒメノ。
そんなヒメノに巧は言った。
「お姉さんは綺麗だよ。」
「俺は好きだよ。」
それを聞いたヒメノは巧に抱きついて言う。
「君が大きくなったらお嫁さんにしてくれる?」
巧は答えた。
「いいよ。俺がお姉さんを守ってあげる。」
ヒメノは巧から離れ、
「ありがとう。」
「おかげで救われた・・・」
そう言い残してヒメノは連行された。
〜現在〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
荒れたバーに父親が帰って来た。
巧は聞いた。
「10年前の歌舞伎町の女覚えているか?」
親父は答えずに言う。
「お前らまた余計なことに、
首突っ込んでんじゃね絵だろうな?」
「お前らな〜そうやって、
一生自分たちで傷の舐め合いやってろ。」
「じゃあな負け犬。」
親父が出て行くと巧は叫んだ。
「あの事件のせいにして、
自分たちから逃げるのはもうやめだ。」
「3億取り戻して、
バカで最強だった俺たちを取り戻す。」
そして3人は岩崎秀人のもとへ向かった。
秀人は相変わらず路上ライブを行なっていた。
秀人を遠くから見た巧は言う。
「あいつも俺たちと一緒だ。」
「高校3年で中退して、
親の会社継ぐどころか家を追い出されて、
プロになれるわけでもねえのに、
とりあえず歌ってる。」
ライブを終えた秀人に事情を伝えると、
話を聞いた秀人は答えた。
「別に俺は楽しくやってるよ。」
その反応に巧は言う。
「本当にそうだったら、
こんな話持ちかけてねえよ。」
昔と変わらない巧のノリに秀人は答えた。
「とかいって、本当は道連れが欲しいんだろ?」
こうして協力することになった秀人。
巧は10年前の風俗紙の切抜きを持っていた。
それを見た秀人の顔は曇っていた・・・
秀人は巧に言った。
「美沙さんは宮城さんの女だよ。」
3人が探すヒメノは美沙と言う名前だった。
〜3年前〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『3年前この人は俺たちの近くにいたんだ。』
『間違いなく彼女はミサさんだ。』
5人は町で秀人を使ってナンパをしていた。
秀人は女生の目を5秒見つめる事で、
簡単に落とすことができる力を持っていた。
その近くで路上ライブをしていた宮城祐。
宮城の歌に秀人は一瞬で惚れこんだ。
そして4人にバンドを組もうと持ちかけた。
最初は反対した京平。
「告られまくりの、ハメまくりなのにな〜。」
の一言で一番乗り気になった。
秀人は毎晩のように宮城のもとでギターを勉強した。
そこに来ていた宮城の彼女が美沙だったのである。
文化祭を目標に練習を続けた5人。
そして巧が作った詩に宮城が、
メロディーを付けてくれることになった。
しかし文化祭が中止になった・・・
宮城のもとに居た秀人。
「頼まれてた曲もう少しで出来っから。」
そう言う宮城に秀人は答えた。
「文化祭が中止になったら意味ないですよ。」
秀人を諭すように宮城は言う。
「関係ねえよ。」
「楽器があればどこでもステージになる。」
「ラブ・アンド・ピース。」
「ロックは人を傷つけるためにあるんじゃねえ。」
「人に愛されるためにあるんだ。」
そして宮城は続けた。
「俺。美沙と一緒になろうって思ってるんだ。」
「秀人。人に愛される音出せよ。」
その後、5人は爆破事件の計画を立てた。
あくまで文化祭を開催するための脅しで、
校庭に置いた爆弾を爆発させて、
教室にある爆弾には火薬を入れない。
その予定で実行に移された計画・・・
しかし、勢いで教室の爆弾にも火薬を入れた京平。
ついに校舎は爆発してしまった・・・
〜京平〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
気付いたら俺はいつもの場所に向かってた。
宮城さんがバカって叱ってくれたら、
笑って流せる気がした。
でもそこに宮城さんは居なかった。
俺はもう2度と2人には会えないって、
なんだかそう思ったんだ。
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〜現在〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
京平は知っている限りの話を3人にした。
それから宮城と会っていないこと。
その後、美沙だけは見かけたこと。
北村雄喜の父親が勤める銀行の裏口から
美沙が出てきたのを見たと・・・
4人は直ぐに雄喜の家に向かった。
あの事件から家を出なくなった雄喜。
まずは母親に美沙の写真を見せた。
しかし知らないという母親。
そんな母親は雄喜について話す。
「高校3年で中退して、
その1ヵ月後に父親が自殺して、
外の世界から完全に心を閉ざしちゃった。」
「爆破事件のせいで
父親が自殺したと思い込んで。」
そして父親の自殺の理由を聞いた巧。
しかし雄喜の母親は笑って言った。
「絶対あなたたちのせいじゃないわよ。」
「あの人は、
あなたたちのことが大好きだったんだから。」
そして京平の腕の話も嘘だと笑った。
京平は直ぐに雄喜の部屋の前に行って、
中に居る雄喜に対して話し掛けた。
「雄喜。俺。元気そうで良かった。」
「留守電聞いてる?」
「毎日くだらない内容でウゼエかもしれないけど、
これからも毎日続けるから。」
あの事件から京平は毎日、
雄喜に留守電を残していたのだ・・・
その後4人は、
昔から同じ場所に居るホームレスのもとへ向った。
美沙の写真を見せて話を聞くと、
宮城は弁当屋で働いていたという。
そして危ない奴らに追われて、
連れていかれた2人を見たと・・・
4人は直ぐに宮城が働いていた弁当屋に行く。
店主は宮城が3年前に亡くなったと話す。
住所を聞いた4人は、
宮城が住んでいたアパートへ向かう。
誰も居なかったが、部屋はそのまま残っていた。
美沙と映る写真と、高校時代に依頼した曲の原案。
そして宮城の位牌・・・
それを見たタクミは言う。
「最悪だ〜。」
命日は3年前の今日9月15日。
それは3年前の爆破事件の日であった。
それから巧は事情を話さずに、
3人を車に乗せて墓地へと向かった・・・
そこは宮城の眠る墓。
そして美沙が宮城の墓の前に居た。
巧は美沙に言う。
「やっと会えましたね。美沙さん。」
「全ては偶然じゃなく、必然だったってことだ。」
「覚えてますか?俺らのこと?」
「10年前歌舞伎町の、
ハッピーナイトを尋ねたガキどもです。」
「あれからあなたが、
なぜ3億円を奪うことになったのか、
教えてもらえますか?」
美沙は今までの経緯を話し出した。
「10年前私は飯島という男に裏切られ、
麻薬取引の罪を全て背負って、
6年間刑務所で過ごした。」
〜3年前の9月15日〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
6年の実刑が終わり出所した美沙。
行く当てのない美沙に聞こえてきたのが、
路上で歌う宮城の曲であった。
その曲に感動した美沙は、
ギターカバンに大金の入った封筒を入れて、
曲の途中で立ち去ろうとした。
それに対して宮城は演奏を中断して言った。
「良かったら飲みに行かない?」
「すげえ美人が大金落として行ったんだ。」
美沙は宮城と一緒に居酒屋に行った。
お酒が入り本音を言う美沙。
「もう全部終わりにしたい。」
それを聞いた宮城は返す。
「もったいねえ。」
「後は幸せになるだけじゃねえか。」
しかし、美沙は反論する。
「後は死ぬだけよ。」
「私なんて生きている価値無いもん。」
慰めるように宮城は答えた。
「あんたが死んだら俺が泣く。」
「それって価値無いことかな?」
「人生やり直しなんかできねえけど、
まんざらでもねえって気がする。」
「俺とあんたがこうして会えたみたいにさ。」
こうして、幸せな時間が流れ出した美沙。
それから時が経ち、
宮城の演奏を評価した、
音楽プロデューサーが聞きに来ることになった。
宮城は成功して稼げたら、
結婚してロンドンで暮らそうと美沙に伝えた。
プロデューサーが聞きに来る日。
いつもの場所の近くにある交番は、
爆破事件のため誰も居なくなっていた。
同時に美沙を探しに飯島が現れた。
抵抗するも美沙と宮城は連れて行かれた。
そして美沙は宮城を助けるために、
飯島のもとへと戻った。
それからの美沙は、
マネーロンダリングの資金運用を任され、
宮城を守るためにも組織で働いた。
その片棒を担がされていたのが、
雄喜の父親であったのだ。
正義感のある雄喜の父親は自殺して、
遺書に全ての事実を残した。
大きな組織が裏で動いており、遺書も闇へ消え、
飯島も組織から消されそうになって逃げた。
飯島がいなくなって美沙は開放されたが、
宮城はあの時既に殺されていたことを知った。
そして飯島への復讐を考えたのであった。
〜現代〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
全ての事実を知った4人。
と同時に遠くから声が聞こえた。
「そういうことだったのか〜。」
そこには亀頭がいた。
和生の携帯のGPS機能を使い現れたのだった。
亀頭はミサに言う。
「会いたかったんだ〜。飯島に。」
美沙は亀頭のしている時計を見て気がついた。
「飯島?」
亀頭は言う。
「今亀頭って言うんだよ。」
「結構変わったろ?」
「向こうでさ〜いろいろいじってさ〜。」
「顔、髪型、骨格、皮膚・・・」
「見てくれよこの足。」
「タッパ変えるために足まで切ってさ〜。」
「でも変えなきゃ日本帰られないからさ〜。」
「どうしても、お前に会いたくてさ〜」
そう言って美沙の近くに歩み寄る飯島。
美沙は隠し持っていた銃を飯島に向けた。
「許さない。」
「この3年間どれだけあんたを憎んだか。」
飯島は怒鳴りながら言う。
「和生!銃を取れ!」
和生は躊躇いながらも、
飯島に言われたまま、美沙から銃を取った。
美沙をつれて行く飯島。
飯島に秀人は聞いた。
「どうして宮城さんを殺したんですか?」
飯島は答える。
「決まってるだろ!」
「人の物に手を出したからだよ。」
「それから・・・
俺の秘密を知ったからには、
君たちにも全員死んでもらうから。」
その言葉と同時に走り出した巧。
飯島を蹴り倒して美沙をつれ逃げた。
3人も3億のアタッシュケースを奪い逃げる。
追いかけてくる飯島と組員。
美沙は逃げられないと思い、巧に言う。
「ももいいよ。降ろして。」
「私が戻れば飯島は・・・」
それに対して巧は言った。
「そんな勝手な真似させるかよ。」
「あんたにはなあ、幸せになって欲しいんだよ。」
美沙は聞いた。
「なんで私なんかのために?」
巧は答える。
「違う。俺たちのためだ。」
「俺たちは3年前に爆弾事件を起こした犯人だ。」
「俺たちがあんなバカな真似をしなければ、
あの交番にはいつもどおり警官がいて
宮城さんは殺されずにすんだ。」
「今度こそ守ってやりたいんだよ。」
一生懸命逃げた5人だが、
とうとう飯島に追いつかれてしまう。
銃を向けて飯島は言う。
「手を上げろ、今度は本当に撃つぞ。」
観念し美沙を差し出す・・・
と思わせたが一緒に逃げていたのは、
美沙に扮したホームレス。
美沙は途中で3億円を持たせて逃げさせていた。
怒った飯島は和生の足に銃を撃った。
そしてボコボコにした4人言う。
「明日までに3億と美沙用意しろ。」
「出来なかったら、
臓器全部売って沈めちゃうからOK?」
「逃げたり察にちくったら、
てめえ等の家族も皆殺しだぞ。」
バーに戻った4人。
京平は声を荒げて言った。
「最強だった俺たちを取り戻す?」
「ただのバカだから、
こんな風になってるんじゃないのかよ!」
「3年前から何も変わってないじゃないかよ!」
返すことの出来ない3人を見て、
膝をついた京平は今までとは違い静かな声で言う。
「怖わいんだよ。」
「明日を生きるのが、怖いんだよ。」
「こんな毎日が続くなら、
死んじまったほうがましだ!」
それを聞て巧は言う。
「嘘つけ。」
「必死に生きようとしてたじゃねえか!」
「俺知ってるよ。]
[お前が影で必死こいて大検受かったことも。」
「大学で犯罪者みたいに呼ばれても、
俺らの前では明るく振舞っていたことも。」
「いつかきっと・・・
そうやって胸に秘めて、
生きりゃあいいじゃねええか。」
「お前の人生。俺たちが見届けてやるからよ。」
それを聞いていた秀人は言った。
「俺たちだって怖ええよ。」
「それでもヘラヘラ笑ってられるのは、
お前らが居るからだろ?」
続けて和生も言う。
「俺たちの痛みは、俺たちが分かってる。」
3人の気持ちを知った京平。
「お前ら寒いんだよ。」
そう言って笑った。
その笑みに3人も笑顔になった。
そして巧は静かに言った。
「銀行強盗すっか?」
各々はその日はバラバラになった。
秀人は宮城の歌ってた場所に行った。
ビールとタバコを供えて言う。
「人に愛される音、
出せるようになりましたかね?」
そして1人弾き語りを始めた。
和生は入院する妹のもとへ向った。
妹は和生に言う。
「あんまり無理しないでよ?」
「私今のままで凄い幸せだよ。」
「私も一緒に、
夢を追ってる気持ちになれるんだ〜。」
和生は妹に背を向けたまま泣いていた・・・
京平は雄喜のもとへ向った。
そして扉一枚挟んで話しかける。
「叔父さんは正義のために死んでいったんだ。」
「明日叔父さんの銀行に強盗しに行く。」
「それで俺たちはパクられて塀の中だ。」
「逃れる方法はそれしかねえんだと。」
「だから俺の留守電ダイアリーは
しばらく御預けだな。」
「明日最後に一個だけ、
やり残したことやっちまおうってことになってさ。」
「雄樹・・・ごめんな・・・」
そう言うと雄喜の部屋の前に、
宮城が作曲した楽譜を置いてその場を後にした。
巧は1人バーを掃除していた。
そして誰もいないバーの
カウンターに向かって言った。
「お世話になりました。」
〜翌日〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
いつもの場所に集まった4人。
すると楽器を持って雄喜が駆けつけた。
「ごめん。送れちゃって。」
京平と和生は、雄喜の肩を叩き言う。
「遅せえんだよ。」
そして揃った5人。
巧が路上の真ん中で話す。
「この曲を、雄喜の叔父さんと宮城さんにささげる。」
そして『シュアリー・サムデイ』の演奏が始まった。
歌い終わった頃には沢山の観客が拍手を送っていた。
演奏を終えた5人は銀行に乗り込んだ。
しかし・・・
そこには大勢の警察と連行される飯島。
警察は5人を見て聞いた。
「なんだお前等は?」
顔を見合わせて笑った5人。
と同時に走って銀行から逃げた。
〜前日の夜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
4人がバーに逃げ込んだ後。
バーを訪れた美沙は、店の前で巧の父に会った。
そして全ての真実を教えたのであった。
父は警察の後輩に、美沙の自供したテープを渡し、
その代わりにミサを巻き込まないように伝えていた。
〜現在〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
走って逃げた5人は、路上ライブした場所に戻っていた。
恭平は言う。
「体力なくなったな〜俺たち。」
それを聞いた巧は答えた。
「けど、まだ走ってんだな〜。」
「走ってていいんだな〜。」
その日、巧がバーに帰ると父がいた。
父は巧に言う。
「務所に入らずにすんでよかったな。」
「美沙って子に感謝しておけよ。」
その言葉を聞いて巧は聞き返した。
「彼女がどうかしたのか?」
父は言う。
「知りたかったら直接彼女に聞け。」
「今夜の飛行機で日本を発つことになった。」
「彼女に伝えてくれ。」
「お前には2度救われたって。」
その言葉に、すぐに走り出した巧。
それを見た父は笑ってつぶやいた。
「勢いだけじゃねえかよ。」
空港に着いた巧は美沙を見つけて言う。
「約束したじゃねえかよ。」
「俺のお嫁さんになってくれるって。」
「あの時は何も出来なかったけど、
今なら俺があんたを守る。」
「幸せにする。だから・・・」
美沙は走って巧に抱きついた。
「ありがとう。」
「また救われちゃったね。」
「でも1人じゃないの。」
「心の中に祐が居るの。」
そして巧から離れていった。
「あなたが守ってあげる人は私じゃない。」
「もっと素敵な人が居るはずだから。」
巧はそれでも美沙に言う。
「俺はあんたが・・・」
しかし被せるように美沙は、
「じゃあね。」
とだけ言って背中を向け歩き出した。
そのまま立ち尽くす巧。
巧の後ろには・・・
「ふ〜られた君。ふ〜られた君。」
と変な曲を歌う京平と、3人がいた。
涙する巧を尻目に4人は駆け寄り、
涙する巧を中心にして写真を撮った。
(終わり)
〜〜エンドロール1〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
いつもの公園で撮影する上戸彩を見かける。
遠くで見ていた京平は言った。
「彼女から見たら俺らはただの塵だぞ〜」
それに対して巧は返した。
「分からなねえぞ〜」
同時に上戸彩に歩み寄る秀人。
カウントダウンを始める巧。
「5・4・3・2・1。」
「落ちた〜。」
それを見ていた京平は言った。
「予知夢が当たった!」
〜〜エンドロール2〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
公衆トイレにこもる京平は変な曲を歌っていた。
「俺にもやっと彼女が出来た。」
「ボディコン時代遅れの女の子。」
と天井を見上げると・・・
天井のスプリンクラーの横に『性転換装置』の文字。
以前ホームレスが話していた噂『性転換装置』
それを見た京平は言う。
「あるじゃねえか〜。」
〜シュアリー・サムデイ(歌詞)〜〜〜〜〜〜〜
♪巧(小出恵介)withシュアリー・スターズ
作詞・作曲 トータス松本
どれだけの朝を どれだけの夜を
蹴飛ばせばいいのだろう
どれだけの嘘を どれだけの涙を
忘れれば気がすむのだろう
明日は風の中
あの虹の彼方に
どれほどの馬鹿と どれほどの間違いを
くり返してもまだ終わらない
どれくらい先まで どれくらい走れる
転んでも 滑り落ちても
明日は風の中
あの虹の彼方に
声を嗄らしながら
君の名を呼びながら
ぼくは大きく手を伸ばすよ
声を嗄らしながら
君の名を呼びながら
ぼくは大きく手を伸ばすよ
どれだけの人を どれだけの自分を
愛することができるのだろう
明日は風の中
明日は風の中
あの虹の彼方に
あの虹の彼方に
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・「携帯・スマホゲーム」DORAKENを実際に攻略して・・・
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【シュアリー・サムデイ】
【出演者】
喜志巧:小出恵介
真鍋京平:勝地涼
後藤和生:鈴木亮平
北村雄喜:ムロツヨシ
岩崎秀人:綾野剛
葉月美沙(ヒメノ):小西真奈美
宮城祐(美沙の彼氏):横田栄司
喜志建夫(巧の父):竹中直人
北村雄一郎(雄喜の父):モト冬樹
北村美和子(雄喜の母):原日出子
飯島(亀頭):遠藤憲一
亀頭(飯島):吉田鋼太郎
体育教師 - 高橋努
教頭 - 笹野高史
後藤翔子(和生の妹)井上真央
弁当屋の店長(宮城のバイト先):大竹しのぶ
警官A:妻夫木聡
警官B;小栗旬
上戸彩(エンドロール):上戸彩
やっさん(ホームレス):岡村隆史
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【感想】
意外としっかり作りこまれてます。
遊びの要素がふんだんに入っていて、
その中で友情や恋愛も入れている。
ここまで盛り沢山でよい映画って少ないです。
しかしこの映画は、ここまで詰め込んで、
この出来なんだから,成功なんでは?
って思いました。
小栗くんらしいストーリーな気がします。
今考えるととても凄い出演者ですよね〜
【あらすじ】(ネタバレあり)
真鍋京平は教室の窓から、
校庭で一部始終を見守る先生達に言った。
「ファック・ユー」
「校長あんたは何もわかっっちゃいねえ。」
「確かに今の若い奴らは、
愛国心も無ければ自立心もねえ。」
「平和ボケに漬かった連中ばかりだ。」
「でもな。俺たちは違う。」
「この腐れきった日本を、
根本から立て直すべく立ち上がったんだ。」
教頭先生は言った。
「学校爆破なんてバカな真似はやめなさい。」
それを無視して京平は続けた、
「異端児は戦う、それは100も承知だ。」
「それでもガバメントの犬にはならねえし、
ましてやハイスクールの言いなりにはならねえ。」
「俺たちが新しい日本を作っていくんだよ。」
「この第一歩が文化祭の復活だ〜。」
「今年から文化祭廃止だと?」
「ハメまくりだって言うから、
ギター猛特訓したんだぞ。」
「いつまで童貞でいさせる気だ〜。」
それを聞いていた喜志巧は呆れて言う。
「あれは完全な八つ当たりだ。」
京平は続けた。
「後5分だとよ〜。」
「創立57年の歴史が詰まった、
この校舎が一瞬でボンってわけだ。」
「さあ3分切ったぞ〜。」
「今から非難しても助かるかどうか〜。」
教頭は諦めて京平達の要望を飲んだ。
「君たちの要求どおり文化祭の開催を決定する。」
それを聞いた京平は喜んで言った。
「あんたら新しい時代の幕開けに立ち会ったんだ。」
「サンキュー!」
教室にいた5人。
巧、京平、和生、雄喜、秀人は喜んだ。
しかし・・・
「あれ?タイマーが止まらない。」
慌てた5人は教室を飛び出し逃げた・・・
しかし校庭に出ると雄喜が居なかった。
同時に爆発する校舎。
「雄喜〜。」
〜現在〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
京平は巧に言う。
「雄喜には焦ったけどな〜。」
「マジ死んだと思ったもん。」
巧は答えた。
「死んではねえけど、
片腕なくしてしまったけどな。」
その答えに対して京平は言う。
「そんなの単なる噂だろ?」
「あの事件から会ってねえからって、
被害妄想炸裂させんなよ。」
「暗くなるからあいつの話するなよ。」
「あれからもう3年だぞ。」
「さえない人生過ごしやがってよ。」
「お前の3年なんて10秒で語れてしまうよ。」
そう言って 巧の3年を話し始めた京平。
「高校3年で中退して、
デカだった親父を退職に追い込んで、
152日付き合った彼女にも振られて、
挙句の果てが、
親父の始めたバーの手伝いってドンだけだよ。」
それを聞いた巧は言い返す。
「だまれ童貞の分際で!」
「俺の3年が10秒ならな、
てめえの3年は8秒で語れる。」
そう言うと仕返しとばかりに京平の3年を話し始めた。
「高校3年で中退して
振られる彼女も居ないから
毎日ダッチワイフとバーチャルSEX。」
「生身の彼女が欲しくなって
大検受けたら奇跡的に3流大学に合格。」
「だけど、いまだ童貞。」
くだらない話の中で京平は呟いた。
「あ〜その辺に女転がってねえかな?」
その瞬間に目の前で車に引かれた金髪の女性。
驚きながら巧は答えた。
「女転がってますけど・・・」
急いで女のもとへ駆け寄る2人。
もちろん運転手も駆け寄ったが、
女は立ち上がり運転手にピストルを向けた。
そして跪く運転手を尻目に車に乗って逃げた。
車を奪われたヤクザ風の男性。
それは一緒に校舎を爆破した後藤和生だった。
その夜、巧の親父のバーで和生の話をする2人。
「あいつもこの3年でいろいろあったのかな?」
「高校辞めてから、
皆とは会わなくなっちまったからな。」
「よしっ!」
「僕たちの知らない和生君の3年を想像しよ。」
そう言うと2人で勝手に和生の3年を話し出す。
「高校3年で中退して、
格闘家を目指して頑張ってみたものの、
命より大切な妹の入院費が払えなくなって、
格闘家を断念・・・」
「金を稼ぐためにヤクザになった。」
とその時、慌てた様子の和生がバーに入って来た。
「その通り。」
そう言って2人の妄想通りと伝えると、
組長に追われていると話し、奥に逃げ込んだ。
同時にバーのガラスが割れて、
白いスーツを着た男が入ってきた。
「今ここにうちの若いもんが着たろ?」
急な展開に無言で答えない2人。
2人を無視し、男は和生を探し始めた。
和生を見つけられない白スーツの男は2人に言う。
「明日の夜までに和生と、
彼が奪った3億円用意しておいて貰えるかな?」
巧が口ごたえをしようとすると、
男はピストルを発砲して言った。
「マイネームイズ亀頭。」
「亀の頭って書いて亀頭。」
「約束破ったら、君たちと和生君皆殺し。」
「OK?」
2人は頷くことしか出来なかった。
亀頭が帰ると同時に和生は奥から出てきた。
言い寄る2人に和生は言った。
「俺は奪ってねえよ。」
「昼間、女に車パクられたの見ただろ?」
「あの中に3億積んでたんだよ。」
「昼間の女俺見たことあるんだよ。」
「あの女、ガキの頃にお前のお袋だと思って
歌舞伎町まで探しに行った女だ。」
「お前らなら知っていると思って。」
それを聞いて巧は昔を思い出し呟いた。
「あいつの名前はハッピーナイト。」
〜10年前〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『あの頃の俺はただ母親に会いたかった。』
『だけど、あれは俺の初恋だったのか・・・』
小さかった巧は雑誌を持って父親のもとへ。
「お父さん。この人。」
「綺麗な人だね?」
「この人に会いに行ってるの?」
「もしかしてお母さん?」
その雑誌は風俗紙であった。
何も言わない父親の反応に、
母親だと思った巧は仲間たちに教え、
その日5人で歌舞伎町に向かった。
雑誌に載っていた風俗店『ハッピーナイト』で、
呼び込みの男性に事情を話して中に通してもらった。
「君が私の子?」
そう言ってヒメノは現れた。
「私いくつだと思ってるの?」
「君のお父さんはタダの客。」
「せっかく来てくれて悪いけど・・・」
巧は答えた。
「お姉さんがお母さんじゃないって知ってた。」
「お父さんがお母さん以外の人を、
好きになっちゃたんじゃないかと思って。」
寂しそうな巧の顔を見て
「安心して。」
「お父さんは寂しさを紛らわせるために
私に会いにきているだけ。」
「誰も私なんか好きにならないよ。」
そう言うとヒメノは巧の手を自分の胸に当てて言う。
「お母さんよりいいおっぱいしてるでしょ?」
照れて手を離す巧は言う。
「知らないよ。触ったことないし。」
ヒメノはからかう様に巧に言う。
「じゃあちゃんと触ってみる?」
もう一度巧の手を自分の胸に持っていく。
巧は言った。
「あったかい・・・」
ヒメノは笑って言う。
「何かいいね。こういうの。」
優しいヒメノに巧は言った。
「お姉さんがお母さんだったら良かったのに。」
そしてヒメノは聞いた。
「お父さん何している人?」
巧は素直に答えた。
「刑事。」
その言葉に焦ったヒメノ。
ヒメノは事務所へと走って言う。
「警察が来る。」
同時にガサ入れが入った。
事務所ではヤクの取引が行なわれていた。
逃げようとするヤクザと、
それを捕まえようとする警察。
その中間に巧は居た。
逃げようとヤクザは銃を発砲する。
警察とヤクザの間で、頭を抱えて伏せる巧。
巧を守ろうとする父親。
想定外のことに親分の飯島だけを
捕まえそびれてしまった・・・
保護された巧の前を連行されるヒメノが通る。
思わず歩み寄った巧。
そんな巧にヒメノは言う。
「言ったでしょ?」
「誰も私なんか好きにならないって。」
「私は汚れちゃったのよ。」
さっきとは違い寂しそうな顔をするヒメノ。
そんなヒメノに巧は言った。
「お姉さんは綺麗だよ。」
「俺は好きだよ。」
それを聞いたヒメノは巧に抱きついて言う。
「君が大きくなったらお嫁さんにしてくれる?」
巧は答えた。
「いいよ。俺がお姉さんを守ってあげる。」
ヒメノは巧から離れ、
「ありがとう。」
「おかげで救われた・・・」
そう言い残してヒメノは連行された。
〜現在〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
荒れたバーに父親が帰って来た。
巧は聞いた。
「10年前の歌舞伎町の女覚えているか?」
親父は答えずに言う。
「お前らまた余計なことに、
首突っ込んでんじゃね絵だろうな?」
「お前らな〜そうやって、
一生自分たちで傷の舐め合いやってろ。」
「じゃあな負け犬。」
親父が出て行くと巧は叫んだ。
「あの事件のせいにして、
自分たちから逃げるのはもうやめだ。」
「3億取り戻して、
バカで最強だった俺たちを取り戻す。」
そして3人は岩崎秀人のもとへ向かった。
秀人は相変わらず路上ライブを行なっていた。
秀人を遠くから見た巧は言う。
「あいつも俺たちと一緒だ。」
「高校3年で中退して、
親の会社継ぐどころか家を追い出されて、
プロになれるわけでもねえのに、
とりあえず歌ってる。」
ライブを終えた秀人に事情を伝えると、
話を聞いた秀人は答えた。
「別に俺は楽しくやってるよ。」
その反応に巧は言う。
「本当にそうだったら、
こんな話持ちかけてねえよ。」
昔と変わらない巧のノリに秀人は答えた。
「とかいって、本当は道連れが欲しいんだろ?」
こうして協力することになった秀人。
巧は10年前の風俗紙の切抜きを持っていた。
それを見た秀人の顔は曇っていた・・・
秀人は巧に言った。
「美沙さんは宮城さんの女だよ。」
3人が探すヒメノは美沙と言う名前だった。
〜3年前〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『3年前この人は俺たちの近くにいたんだ。』
『間違いなく彼女はミサさんだ。』
5人は町で秀人を使ってナンパをしていた。
秀人は女生の目を5秒見つめる事で、
簡単に落とすことができる力を持っていた。
その近くで路上ライブをしていた宮城祐。
宮城の歌に秀人は一瞬で惚れこんだ。
そして4人にバンドを組もうと持ちかけた。
最初は反対した京平。
「告られまくりの、ハメまくりなのにな〜。」
の一言で一番乗り気になった。
秀人は毎晩のように宮城のもとでギターを勉強した。
そこに来ていた宮城の彼女が美沙だったのである。
文化祭を目標に練習を続けた5人。
そして巧が作った詩に宮城が、
メロディーを付けてくれることになった。
しかし文化祭が中止になった・・・
宮城のもとに居た秀人。
「頼まれてた曲もう少しで出来っから。」
そう言う宮城に秀人は答えた。
「文化祭が中止になったら意味ないですよ。」
秀人を諭すように宮城は言う。
「関係ねえよ。」
「楽器があればどこでもステージになる。」
「ラブ・アンド・ピース。」
「ロックは人を傷つけるためにあるんじゃねえ。」
「人に愛されるためにあるんだ。」
そして宮城は続けた。
「俺。美沙と一緒になろうって思ってるんだ。」
「秀人。人に愛される音出せよ。」
その後、5人は爆破事件の計画を立てた。
あくまで文化祭を開催するための脅しで、
校庭に置いた爆弾を爆発させて、
教室にある爆弾には火薬を入れない。
その予定で実行に移された計画・・・
しかし、勢いで教室の爆弾にも火薬を入れた京平。
ついに校舎は爆発してしまった・・・
〜京平〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
気付いたら俺はいつもの場所に向かってた。
宮城さんがバカって叱ってくれたら、
笑って流せる気がした。
でもそこに宮城さんは居なかった。
俺はもう2度と2人には会えないって、
なんだかそう思ったんだ。
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〜現在〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
京平は知っている限りの話を3人にした。
それから宮城と会っていないこと。
その後、美沙だけは見かけたこと。
北村雄喜の父親が勤める銀行の裏口から
美沙が出てきたのを見たと・・・
4人は直ぐに雄喜の家に向かった。
あの事件から家を出なくなった雄喜。
まずは母親に美沙の写真を見せた。
しかし知らないという母親。
そんな母親は雄喜について話す。
「高校3年で中退して、
その1ヵ月後に父親が自殺して、
外の世界から完全に心を閉ざしちゃった。」
「爆破事件のせいで
父親が自殺したと思い込んで。」
そして父親の自殺の理由を聞いた巧。
しかし雄喜の母親は笑って言った。
「絶対あなたたちのせいじゃないわよ。」
「あの人は、
あなたたちのことが大好きだったんだから。」
そして京平の腕の話も嘘だと笑った。
京平は直ぐに雄喜の部屋の前に行って、
中に居る雄喜に対して話し掛けた。
「雄喜。俺。元気そうで良かった。」
「留守電聞いてる?」
「毎日くだらない内容でウゼエかもしれないけど、
これからも毎日続けるから。」
あの事件から京平は毎日、
雄喜に留守電を残していたのだ・・・
その後4人は、
昔から同じ場所に居るホームレスのもとへ向った。
美沙の写真を見せて話を聞くと、
宮城は弁当屋で働いていたという。
そして危ない奴らに追われて、
連れていかれた2人を見たと・・・
4人は直ぐに宮城が働いていた弁当屋に行く。
店主は宮城が3年前に亡くなったと話す。
住所を聞いた4人は、
宮城が住んでいたアパートへ向かう。
誰も居なかったが、部屋はそのまま残っていた。
美沙と映る写真と、高校時代に依頼した曲の原案。
そして宮城の位牌・・・
それを見たタクミは言う。
「最悪だ〜。」
命日は3年前の今日9月15日。
それは3年前の爆破事件の日であった。
それから巧は事情を話さずに、
3人を車に乗せて墓地へと向かった・・・
そこは宮城の眠る墓。
そして美沙が宮城の墓の前に居た。
巧は美沙に言う。
「やっと会えましたね。美沙さん。」
「全ては偶然じゃなく、必然だったってことだ。」
「覚えてますか?俺らのこと?」
「10年前歌舞伎町の、
ハッピーナイトを尋ねたガキどもです。」
「あれからあなたが、
なぜ3億円を奪うことになったのか、
教えてもらえますか?」
美沙は今までの経緯を話し出した。
「10年前私は飯島という男に裏切られ、
麻薬取引の罪を全て背負って、
6年間刑務所で過ごした。」
〜3年前の9月15日〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
6年の実刑が終わり出所した美沙。
行く当てのない美沙に聞こえてきたのが、
路上で歌う宮城の曲であった。
その曲に感動した美沙は、
ギターカバンに大金の入った封筒を入れて、
曲の途中で立ち去ろうとした。
それに対して宮城は演奏を中断して言った。
「良かったら飲みに行かない?」
「すげえ美人が大金落として行ったんだ。」
美沙は宮城と一緒に居酒屋に行った。
お酒が入り本音を言う美沙。
「もう全部終わりにしたい。」
それを聞いた宮城は返す。
「もったいねえ。」
「後は幸せになるだけじゃねえか。」
しかし、美沙は反論する。
「後は死ぬだけよ。」
「私なんて生きている価値無いもん。」
慰めるように宮城は答えた。
「あんたが死んだら俺が泣く。」
「それって価値無いことかな?」
「人生やり直しなんかできねえけど、
まんざらでもねえって気がする。」
「俺とあんたがこうして会えたみたいにさ。」
こうして、幸せな時間が流れ出した美沙。
それから時が経ち、
宮城の演奏を評価した、
音楽プロデューサーが聞きに来ることになった。
宮城は成功して稼げたら、
結婚してロンドンで暮らそうと美沙に伝えた。
プロデューサーが聞きに来る日。
いつもの場所の近くにある交番は、
爆破事件のため誰も居なくなっていた。
同時に美沙を探しに飯島が現れた。
抵抗するも美沙と宮城は連れて行かれた。
そして美沙は宮城を助けるために、
飯島のもとへと戻った。
それからの美沙は、
マネーロンダリングの資金運用を任され、
宮城を守るためにも組織で働いた。
その片棒を担がされていたのが、
雄喜の父親であったのだ。
正義感のある雄喜の父親は自殺して、
遺書に全ての事実を残した。
大きな組織が裏で動いており、遺書も闇へ消え、
飯島も組織から消されそうになって逃げた。
飯島がいなくなって美沙は開放されたが、
宮城はあの時既に殺されていたことを知った。
そして飯島への復讐を考えたのであった。
〜現代〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
全ての事実を知った4人。
と同時に遠くから声が聞こえた。
「そういうことだったのか〜。」
そこには亀頭がいた。
和生の携帯のGPS機能を使い現れたのだった。
亀頭はミサに言う。
「会いたかったんだ〜。飯島に。」
美沙は亀頭のしている時計を見て気がついた。
「飯島?」
亀頭は言う。
「今亀頭って言うんだよ。」
「結構変わったろ?」
「向こうでさ〜いろいろいじってさ〜。」
「顔、髪型、骨格、皮膚・・・」
「見てくれよこの足。」
「タッパ変えるために足まで切ってさ〜。」
「でも変えなきゃ日本帰られないからさ〜。」
「どうしても、お前に会いたくてさ〜」
そう言って美沙の近くに歩み寄る飯島。
美沙は隠し持っていた銃を飯島に向けた。
「許さない。」
「この3年間どれだけあんたを憎んだか。」
飯島は怒鳴りながら言う。
「和生!銃を取れ!」
和生は躊躇いながらも、
飯島に言われたまま、美沙から銃を取った。
美沙をつれて行く飯島。
飯島に秀人は聞いた。
「どうして宮城さんを殺したんですか?」
飯島は答える。
「決まってるだろ!」
「人の物に手を出したからだよ。」
「それから・・・
俺の秘密を知ったからには、
君たちにも全員死んでもらうから。」
その言葉と同時に走り出した巧。
飯島を蹴り倒して美沙をつれ逃げた。
3人も3億のアタッシュケースを奪い逃げる。
追いかけてくる飯島と組員。
美沙は逃げられないと思い、巧に言う。
「ももいいよ。降ろして。」
「私が戻れば飯島は・・・」
それに対して巧は言った。
「そんな勝手な真似させるかよ。」
「あんたにはなあ、幸せになって欲しいんだよ。」
美沙は聞いた。
「なんで私なんかのために?」
巧は答える。
「違う。俺たちのためだ。」
「俺たちは3年前に爆弾事件を起こした犯人だ。」
「俺たちがあんなバカな真似をしなければ、
あの交番にはいつもどおり警官がいて
宮城さんは殺されずにすんだ。」
「今度こそ守ってやりたいんだよ。」
一生懸命逃げた5人だが、
とうとう飯島に追いつかれてしまう。
銃を向けて飯島は言う。
「手を上げろ、今度は本当に撃つぞ。」
観念し美沙を差し出す・・・
と思わせたが一緒に逃げていたのは、
美沙に扮したホームレス。
美沙は途中で3億円を持たせて逃げさせていた。
怒った飯島は和生の足に銃を撃った。
そしてボコボコにした4人言う。
「明日までに3億と美沙用意しろ。」
「出来なかったら、
臓器全部売って沈めちゃうからOK?」
「逃げたり察にちくったら、
てめえ等の家族も皆殺しだぞ。」
バーに戻った4人。
京平は声を荒げて言った。
「最強だった俺たちを取り戻す?」
「ただのバカだから、
こんな風になってるんじゃないのかよ!」
「3年前から何も変わってないじゃないかよ!」
返すことの出来ない3人を見て、
膝をついた京平は今までとは違い静かな声で言う。
「怖わいんだよ。」
「明日を生きるのが、怖いんだよ。」
「こんな毎日が続くなら、
死んじまったほうがましだ!」
それを聞て巧は言う。
「嘘つけ。」
「必死に生きようとしてたじゃねえか!」
「俺知ってるよ。]
[お前が影で必死こいて大検受かったことも。」
「大学で犯罪者みたいに呼ばれても、
俺らの前では明るく振舞っていたことも。」
「いつかきっと・・・
そうやって胸に秘めて、
生きりゃあいいじゃねええか。」
「お前の人生。俺たちが見届けてやるからよ。」
それを聞いていた秀人は言った。
「俺たちだって怖ええよ。」
「それでもヘラヘラ笑ってられるのは、
お前らが居るからだろ?」
続けて和生も言う。
「俺たちの痛みは、俺たちが分かってる。」
3人の気持ちを知った京平。
「お前ら寒いんだよ。」
そう言って笑った。
その笑みに3人も笑顔になった。
そして巧は静かに言った。
「銀行強盗すっか?」
各々はその日はバラバラになった。
秀人は宮城の歌ってた場所に行った。
ビールとタバコを供えて言う。
「人に愛される音、
出せるようになりましたかね?」
そして1人弾き語りを始めた。
和生は入院する妹のもとへ向った。
妹は和生に言う。
「あんまり無理しないでよ?」
「私今のままで凄い幸せだよ。」
「私も一緒に、
夢を追ってる気持ちになれるんだ〜。」
和生は妹に背を向けたまま泣いていた・・・
京平は雄喜のもとへ向った。
そして扉一枚挟んで話しかける。
「叔父さんは正義のために死んでいったんだ。」
「明日叔父さんの銀行に強盗しに行く。」
「それで俺たちはパクられて塀の中だ。」
「逃れる方法はそれしかねえんだと。」
「だから俺の留守電ダイアリーは
しばらく御預けだな。」
「明日最後に一個だけ、
やり残したことやっちまおうってことになってさ。」
「雄樹・・・ごめんな・・・」
そう言うと雄喜の部屋の前に、
宮城が作曲した楽譜を置いてその場を後にした。
巧は1人バーを掃除していた。
そして誰もいないバーの
カウンターに向かって言った。
「お世話になりました。」
〜翌日〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
いつもの場所に集まった4人。
すると楽器を持って雄喜が駆けつけた。
「ごめん。送れちゃって。」
京平と和生は、雄喜の肩を叩き言う。
「遅せえんだよ。」
そして揃った5人。
巧が路上の真ん中で話す。
「この曲を、雄喜の叔父さんと宮城さんにささげる。」
そして『シュアリー・サムデイ』の演奏が始まった。
歌い終わった頃には沢山の観客が拍手を送っていた。
演奏を終えた5人は銀行に乗り込んだ。
しかし・・・
そこには大勢の警察と連行される飯島。
警察は5人を見て聞いた。
「なんだお前等は?」
顔を見合わせて笑った5人。
と同時に走って銀行から逃げた。
〜前日の夜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
4人がバーに逃げ込んだ後。
バーを訪れた美沙は、店の前で巧の父に会った。
そして全ての真実を教えたのであった。
父は警察の後輩に、美沙の自供したテープを渡し、
その代わりにミサを巻き込まないように伝えていた。
〜現在〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
走って逃げた5人は、路上ライブした場所に戻っていた。
恭平は言う。
「体力なくなったな〜俺たち。」
それを聞いた巧は答えた。
「けど、まだ走ってんだな〜。」
「走ってていいんだな〜。」
その日、巧がバーに帰ると父がいた。
父は巧に言う。
「務所に入らずにすんでよかったな。」
「美沙って子に感謝しておけよ。」
その言葉を聞いて巧は聞き返した。
「彼女がどうかしたのか?」
父は言う。
「知りたかったら直接彼女に聞け。」
「今夜の飛行機で日本を発つことになった。」
「彼女に伝えてくれ。」
「お前には2度救われたって。」
その言葉に、すぐに走り出した巧。
それを見た父は笑ってつぶやいた。
「勢いだけじゃねえかよ。」
空港に着いた巧は美沙を見つけて言う。
「約束したじゃねえかよ。」
「俺のお嫁さんになってくれるって。」
「あの時は何も出来なかったけど、
今なら俺があんたを守る。」
「幸せにする。だから・・・」
美沙は走って巧に抱きついた。
「ありがとう。」
「また救われちゃったね。」
「でも1人じゃないの。」
「心の中に祐が居るの。」
そして巧から離れていった。
「あなたが守ってあげる人は私じゃない。」
「もっと素敵な人が居るはずだから。」
巧はそれでも美沙に言う。
「俺はあんたが・・・」
しかし被せるように美沙は、
「じゃあね。」
とだけ言って背中を向け歩き出した。
そのまま立ち尽くす巧。
巧の後ろには・・・
「ふ〜られた君。ふ〜られた君。」
と変な曲を歌う京平と、3人がいた。
涙する巧を尻目に4人は駆け寄り、
涙する巧を中心にして写真を撮った。
(終わり)
〜〜エンドロール1〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
いつもの公園で撮影する上戸彩を見かける。
遠くで見ていた京平は言った。
「彼女から見たら俺らはただの塵だぞ〜」
それに対して巧は返した。
「分からなねえぞ〜」
同時に上戸彩に歩み寄る秀人。
カウントダウンを始める巧。
「5・4・3・2・1。」
「落ちた〜。」
それを見ていた京平は言った。
「予知夢が当たった!」
〜〜エンドロール2〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
公衆トイレにこもる京平は変な曲を歌っていた。
「俺にもやっと彼女が出来た。」
「ボディコン時代遅れの女の子。」
と天井を見上げると・・・
天井のスプリンクラーの横に『性転換装置』の文字。
以前ホームレスが話していた噂『性転換装置』
それを見た京平は言う。
「あるじゃねえか〜。」
〜シュアリー・サムデイ(歌詞)〜〜〜〜〜〜〜
♪巧(小出恵介)withシュアリー・スターズ
作詞・作曲 トータス松本
どれだけの朝を どれだけの夜を
蹴飛ばせばいいのだろう
どれだけの嘘を どれだけの涙を
忘れれば気がすむのだろう
明日は風の中
あの虹の彼方に
どれほどの馬鹿と どれほどの間違いを
くり返してもまだ終わらない
どれくらい先まで どれくらい走れる
転んでも 滑り落ちても
明日は風の中
あの虹の彼方に
声を嗄らしながら
君の名を呼びながら
ぼくは大きく手を伸ばすよ
声を嗄らしながら
君の名を呼びながら
ぼくは大きく手を伸ばすよ
どれだけの人を どれだけの自分を
愛することができるのだろう
明日は風の中
明日は風の中
あの虹の彼方に
あの虹の彼方に
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2016年01月06日
【るろうに剣心】出演者・感想・完全ネタバレ(セリフ完全再現)
本日の映画紹介。
【るろうに剣心】
【出演者】
緋村剣心:佐藤健
神谷薫:武井咲
相楽左之助:青木崇高
明神弥彦:田中偉登
高荷恵:蒼井優
武田観柳:香川照之
鵜堂刃衛:吉川晃司
外印:綾野剛
戌亥番神:須藤元気
斎藤一:江口洋介
桂小五郎:宮川一朗太
山県有朋:奥田瑛二
浦村署長 - 斉藤洋介
関原妙(牛鍋屋の店員):平田薫
三条燕(牛鍋屋の店員):永野芽郁
我荒・兄(道場に乗り込んだ男):平山祐介
我荒・弟(道場に乗り込んだ男):深水元基
清里明良(緋村に殺された若侍):窪田正孝
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【感想】
面白い。面白い。
さすがに、あの漫画を実写化なんて・・・
と思っていた自分が間違いだった。
ここまで忠実に再現するなんて・・・
愕然としました。
配役も完璧と言っても良いと思います。
後編もあるので、
総合的に感想は書こうと思いますが、
それにしても凄いですね〜
私の中では忘れられない漫画だけに、
細かい事を言ったらキリがないのですが、
はずは佐藤健くんに拍手です!
江口さんの配役も感動でしたが、
左之助役の青木崇高さんも、
しっかり味出していただいて最高です。
子供のころの目標は『三重の極み』修得でしたから・・・
【あらすじ】(ネタバレあり)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
今から約140年前「幕末」の動乱期
「人きり抜刀斎」と呼ばれる暗殺者が居た
倒幕派の命により京都を暗躍し
その修羅の如き強さと冷徹さから
人々に恐れられた
時は天下分け目の戊辰戦争・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1868年1月
京都・鳥羽伏見の山中
幕府と維新軍の戦いが行なわれていた。
藩幕府に恐れられた新撰組の斎藤一。
斎藤は抜刀斎を探して山中を駆け回っていた。
とてつもない勢いで人を切り倒していく1人の男。
やっと巡り合った2人。目を合わせたとき、
「勝ったぞ〜。錦の見肌じゃ〜。」
その声を聞き、緋村はつぶやいた。
「来たか新しい時代が・・・」
立ち去ろうとする緋村に斎藤は言った。
「これで終わりだと思うなよ。」
「例え世の中が変わろうとも、
剣に生き、剣に死ぬしか俺たちに道はない。」
その言葉を聞いた緋村は、
何も言わず持っていた刀を地面に刺し、
背中を向けて歩き出したのであった・・・
その山中で1人の男が死体の中から立ち上がった。
「なぜだ、なぜ俺は生き残った・・・」
そう言って緋村の突き刺した刀に手を当てた。
その時多くの悲鳴が聞こえて、残像が脳裏をよぎる。
「コレが人きり抜刀斎の・・・」
時は流れ1978年(明治11年)東京
世の中は変わり抜刀令も出された時代。
一方で金にものを言わす人間も増えていた。
「人間とは弱いものだ。」
「口では理想を語りたがるが、
結局は三つのものの前では獣となる。」
「自分のため、金のため、そして快楽のため・・・」
そう言うのは武田観柳。
観柳は報告に来た高荷恵に言う。
「成功だ。」
「この新型のアヘンは人間どもを獣に変える。」
お褒めの言葉を頂き、恵が部屋を去ろうとすると、
黒ずくめの男たちが屋敷に入ってきた。
一瞬で恵以外の研究員は殺された。
怯える恵に観柳は言う。
「作り方を知っているのは一人で十分。」
その頃、東京の町では人が殺され、
死体に斬奸状が置かれる事件が続いていた。
斬奸状には
『人きり抜刀斎 神谷活心流』
との文字が・・・
東京にたどり着いた緋村。
緋村の腰にかける刀を見た神谷薫。
「そこの男。」
「廃刀令を蔑ろにして刀を持ち歩くとは、
お前が噂の人きり抜刀斎か?」
そう言って木刀を振りかざした。
薫の剣をかわして緋村は言った。
「拙者は流浪人。」
「あてのない剣客でござる。」
「これは逆刃刀でござる。」
そう言って腰にかける刀を見せた。
緋村の無実が分かり木刀をしまった薫。
薫は自分の流派を名乗って、
人を切り続ける『人きり抜刀斎』を探していた。
そのころ観柳のもとから逃げ出していた恵。
唯一の新型アヘンの製造方法を分かる恵。
観柳は直ぐに鵜藤刃衛に連れ戻しを命じた。
警察に助けを求めて駆け込んだ恵だが、
刃衛はそんなことは構わずに警察に乗り込む。
次々と警官を殺す刃衛。
刃衛は特殊な能力『心の一方』を使う。
それはまるで猛獣に睨まれたかのように、
身動きが一切聞かなくなる術法。
警官は一切歯が立たずに、
とうとう恵は追い詰められた。
恵は危機一髪で警察署から逃げだした。
恵に逃げられ町を歩く刃衛。
腰にかけた刀を見て刃衛に声をかけた薫。
「待ちなさい。お前が抜刀斎か?」
刃衛は直ぐに薫を殺そうとするが、
それを助けたのは緋村だった。
間一髪で薫を助けた緋村は刃衛に聞いた。
「お前か?抜刀斎を名乗る男は。」
刃衛は答えずに緋村の顔を見て言った。
「その傷、その速さは、お前が伝説の・・・」
そう言って『心の一方』を使うも緋村には効かない。
「お前には効かぬか・・・」
その時一連の騒動に駆けつけた警察。
緋村は剣を交えることなく、薫を連れて逃げた。
薫に家に行った緋村。
そこは神谷活心流の道場であり、
薫は道場の師範代であった。
死んだ父を慕った門下生は多数いたが、
抜刀斎騒動が始まってから門下生が、
次々にいなくなったと聞いた緋村。
悔しそうに薫は言う。
「剣は人を殺すための道具にあらず。」
「人を生かす剣を理想とする
神谷活心流が殺人剣に汚されるとは・・・」
その言葉を聞いた緋村。
自分の命を顧みず流派を守ろうとする薫に、
「亡き父上殿も、
娘の命を代償にしてまでも流儀を守ることを
望んだりはしないでござろう。」
そう言って屋敷から出て行った。
数日後の神谷活心流の道場。
唯一の門下生明神弥彦と薫は掃除をしていた。
すると、多数の男達が道場に入って来て言う。
「この道場を貰い受ける。」
「あるお方が高い値で買いたいと・・・」
「お前にとっても悪い話じゃない。」
「こんな人きり道場、誰もよりつかんじゃろ。」
抵抗するも力ずくで地上げをする男達は言う。
「人を活かす剣など甘っちょろい。」
「目的は暴力。極意は殺生。」
「それが剣術の本質よ〜。」
とその時、屋敷に入ってきた緋村は言った。
「確かに。」
「その方のいっていることは、
一度も己の手を汚したことの無い者がいう、
甘っちょろい戯れ言でござる。」
「剣は凶器、剣術は殺人術。」
「どんな綺麗事や、お題目を言ってもそれが真実。」
「けれども拙者はそんな真実よりも薫殿が言う
甘っちょろい戯れ言が隙でござるよ。」
そう言うと十数人いた大男たちを次々に倒しだした。
そして緋村は言った。
「人きり抜刀斎がふるう剣は飛天御剣流。」
「一対多数の切り合いを得意とする古流儀の術。」
「こんな刀で無い限り、確実に人を惨殺する。」
それの言葉を聞いて薫は気がついた。
緋村が人きり抜刀斎と呼ばれる人物だと・・・
近くの住人の通報で道場には警察がやって来た。
全てを自分のせいと伝え連れて行かれる緋村。
そんな緋村に薫は言う。
「待って、流浪人さん。」
「名前ぐらい教えなさいよ。」
緋村は静かな笑顔で答えた。
「緋村剣心でござるよ。」
警察に連行された緋村。
「久しぶりだな、人きり抜刀斎。」
そう斉藤に言われて獄中から出される緋村。
斎藤に連れて行かれた先には山県有朋がいた。
山県は緋村に言った。
「どこに雲隠れしておった?」
「ここ10年腕の立つ流浪人が、
人を助けたと噂が立つたび、
部下をやって調べさせた。」
「あの時代道は違ったが、
お互いより良い国を望んでた。」
そう言って緋村を讃えた後に、
話は新型アヘン『蜘蛛の巣』の話題になった。
山県は素直に緋村に言った。
「力を貸してくれ。」
「陸軍の要職に就き、この腕をもう一度・・・」
しかし緋村はすぐに断った。
「人きり家業で要職につく気は無いでござる。」
それを聞いていた斎藤は、
「腑抜けになったか?」
「人きりが切らずして、どうやって人を守る?」
「綺麗事を言う前に、まずは自分を守って見せろ。」
そう言うと同時に刀を抜き、
一方的に緋村に切りかかった。
間一髪でかわし続けるも、
斉藤相手に刀を抜かぬことは出来なかった。
間一髪で斉藤の刃を受け止めた緋村の逆刃刀。
「お前の抜いた刃は、
いずれお前を苦しめることになるぞ。」
という斉藤の言葉通りに、
自分に向いた刃は徐々に緋村の肩へと突き刺さった。
それでも緋村は答えた。
「拙者は過去を捨てた身。」
「もう人は切らぬ。」
決意の固い緋村を見て斉藤を止めた山県。
緋村に謝り釈放の手はずをとった。
緋村が警察を出ると薫が待っていた。
静かに緋村に歩み寄った薫は言った。
「行くとこないんでしょ?」
「うちに来て。」
緋村は答えた。
「分かったでござろう。」
「拙者が人きりだったって・・・」
薫は緋村の言葉を遮り言う。
「そんなの知らないわ。」
「私が出会ったのは、剣心って言う流浪人よ。」
「誰にだって語りたくない過去の1つや2つはある。」
「行くよ。」
薫が緋村を道場へと連れて行くと、
弥彦は道場に恵みを連れて来ていた。
弥彦は逃げる恵みを道で見かけて、
道場に連れて来たのであった。
その日は、緋村へのお礼を含めて、
弥彦と恵も連れて牛鍋を食べに行った。
牛鍋屋にたまたま現れたのは観柳。
直ぐにトイレへと逃げる恵。
観柳は緋村を見つけると近寄って、
多額の金額で用心棒として雇いたいと言う。
それをあっさり断った緋村。
一部始終を見ていた相楽左之助は横槍を入れた。
左之助は自分を雇えと観柳に言う。
観柳は金に見合うかと聞くと、
左之助は緋村を見ながら答えた。
「試してみるかい?」
「伝説の人きり緋村抜刀斎さんよ。」
緋村を人きりと知って客は騒ぎ出す。
それを見た緋村は左之助に言った。
「ここでは店の迷惑でござる。」
「外に出ていただければ。」
外に出た左之助は早速、大刀斬馬刀を振り回す。
緋村はそんな左之助に言った。
「おぬしとは剣をあわせたくない。」
「剣をあわせる理由が無い。」
「あんな男のために、
その腕をくれてやるでござるか?」
その言葉で我に返った左之助。
「まあいいさな。」
「また警察にしょっ引かれるのもなんだしな。」
翌日。
またしても偽抜刀斎によって人きりは行なわれた。
殺されたのは道場を襲った男たちと、数名の警官。
その現場を見て緋村は薫に言った。
「一度人を殺めると後戻りは出来なくなる。」
「それが人きりと言うものでござるよ。」
現場にいた斎藤は緋村に気がつき、話し掛けた。
「道場を襲ったあの男達。」
「お前が切っても同じことだった。」
「むしろお前が切っていれば、
あの警官達は巻き添えを食わずに済んだはずだ。」
緋村は何も答えずに、
ただ警官に寄り添い泣き崩れる妻を見て、
若かれし頃に犯した自分の罪を思い出した。
自分の頬につく十字傷の思い出。
若くして暗殺家業を頼まれた緋村。
緋村は夜な夜な幕府側の主要人物たちを暗殺した。
殺した若い男の死体に泣きつく妻を見た緋村。
「末来を担う若者を殺してまで、
何が新時代の為の暗殺なのか?」
「俺のしていることは正しいのか?」
そう維新軍に楯突いた過去と、
その時付けられた傷を思い出したのだった。
一方、観柳は『蜘蛛の巣』を売って、
観柳帝国を築こうと考えていた。
アヘン工場を作るために地上げを進める観柳。
そのために、どうしても神谷道場が欲しかった。
その頃から道場付近の井戸に毒が投入された。
道場にどんどん担ぎ込まれる住民たち。
居合わせた恵が主導を握り何とか、
住人たちの一命は取り留めた。
緋村はそんな恵に素性を聞いた。
すると恵は逆に聞いた。
「その手でさぞ多くの命を奪ってきたんでしょうね?」
「その傷はご自慢の傷?」
「何かの勲章かしら?」
緋村は自分の顔についた十字傷について話した。
1つは若い侍につけられ、
1つはその妻になるはずだった女につけられたと・・・
その話を聞いた恵も素直に過去を話した。
「私はあなたとは違う。」
「親も居ない。頼る親戚も居ない。」
「私は観柳に拾われて、あいつの女になった。」
「お互いに利用しあっただけよ。」
「あいつはアヘンで儲けるために。」
「そして私は生きていくために・・・」
恵の目には涙が浮かんでいた。
緋村は決心する。恵を守るため、
住人を守るためにも観柳を潰そうと・・・
緋村の動きに気がついた左之助は、
自分も行くと言い出した。
観柳の屋敷に向かおうとするも、
恵がいないことに気がつく。
恵は道場や緋村に迷惑がかからぬように、
何も言わずに観柳のもとへ戻ったのだ。
すぐに緋村と左之助は観柳の屋敷を目指した。
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観柳の屋敷には金で雇われた沢山の用心棒がいた。
屋敷に乗り込んできた緋村を見た観柳。
「倒したやるにはいくらでも金はやるぞ。」
そう言うと、金をばら撒いた。
必死に緋村と左之助に襲い掛かる用心棒達。
しかし力の差は圧倒的であった。
何十何百という用心棒を倒して屋敷の中に。
中に入ると今までとは違う腕の立つ用心棒が・・・
佐之助は戌亥番神と、
緋村は外印と手を合わせた。
今までとは違い一筋縄ではいかない相手。
しかし緋村と左之助は勝利した。
殺すことなく勝利した緋村に、外印は言った。
「何が殺さずの誓いだ?」
「殺さずしてこの戦いが終わると思うか?」
緋村は背を向けたまま答えた。
「終わらして見せる。」
緋村と左之助は観柳ぼ待つ部屋へ向い、
部屋の扉を開けた瞬間・・・
新型10連式ガトリング砲で、
止む事のない銃撃を繰り返す観柳。
手を出せない緋村と左之助。
そこに斉藤がやって来て言う。
「あいつを切るためなら手を貸す。」
「あの銃をある方向に向ければ、
反対側が死角になる。」
左之助は手を上げて観柳の前へ出た。
「参った。勝てるはず無い。」
同時に緋村も手を上げて出て行った。
「降参でござる。」
気を抜いた観柳。
それを見て、同時に反対方向に走り出す2人。
慌てた観柳はすぐにガトリング砲で2人を追う。
その隙を突き、正面から斉藤が観柳を襲った。
追い詰められた観柳に緋村は言った。
「金で買えないものがなんだか分かるか?」
「お前がいま乞うているもの。」
「命だ!」
観柳は斉藤に連行され、緋村は恵を助けた。
が・・・
恵は緋村に言った。
「急いで。薫さんが・・・」
この騒動の隙をつき刃衛が薫を連れ去った。
目的は本気の緋村と剣を交えるため。
「お前を人質にすれば抜刀斎は怒る。」
「あやつを往年の人きりに立ち戻らせる。」
すぐに刃衛を追いかけた緋村。
追いついた緋村に刃衛は言う。
「怒っているな?」
緋村は答えた。
「薫殿を巻き込んだ貴様と、
それを阻止できなかった俺自身にな。」
そして緋村と刃衛との戦いが始まった。
刃衛は強く、完全に押される緋村。
そんな緋村をあざ笑うように、
「まだおぬしは昔の抜刀斎には遠く及ばぬ。」
そう言うと薫に『心の一方』をかけた刃衛。
息が出来なくなった薫。
緋村は怒った。
「命が欲しければ薫殿にかけた心の一方を解け。」
それに対して刃衛は答える。
「俺にはもう解けぬ。」
「方法は二つに一つ。」
「自力で解くか、術者を殺し剣気を断ち切るか。」
本気になった緋村は昔の人きりへと戻っていった。
「遊びは終わりだ。殺してやるからかかって来い。」
そう言った緋村は鞘に刀を戻した。
そして最後の一撃・・・
『飛天御剣流双龍閃』
倒れこんだ刃衛に緋村は、
「肘の関節を砕き筋を絶った。」
「これでお前の剣の命は終わった。」
「そして・・・これで息の根も・・・」
そう言って逆刃刀を逆に向けた。
「薫殿を守るため、俺は今一度人きりに戻る。」
「死ね!」
逆刃刀が刃衛を襲おうとした瞬間・・・
「やめて〜!」
息も出来ないはずの薫が声をあげた。
「人きりに戻らないで。」
「あなたが殺してしまった人のために、
あなたが今まで助けた人のために、
人を切らなくても誰かを助けることは出来る。」
「それが、あなたが目指した新しい世の中でしょ。」
薫は自力で『心の一方』を解いたのだった。
それを見ていた刃衛は緋村に言う。
「決着をつけるぞ・・・抜刀斎。」
傷ついた刃衛に緋村は答えた。
「もうよせ。」
「左手しか使えぬおぬしに勝機はござらん。」
それを聞いた刃衛を刀を自分の体に差した。
「お前の本性は人きりよ。」
「同じ人きりが言ってるんだから間違いねえ。」
「所詮人きりは人きり。」
「お前がいつまでほざいてられるか、
地獄の淵で見ててやろう。」
そう言い残して自害した・・・
死闘が終わり薫を連れ帰ろうとした緋村。
そこに現われた斎藤は緋村に言った。
「思い知ったか?」
「殺さずの流浪人などと、
エセ正義をほざいていると
どんな目にあうのか?」
それに対して緋村は答えた。
「人を切れば、そこに恨みが生まれる。」
「恨みはまた、人を切らせる。」
「その連なりを絶つのが、
この切れない刀の役目でござる。」
斎藤は緋村の考えを否定するように言う。
「いつまでそんな綺麗事を言っているつもりだ。」
「流浪人など弱者の逃げ道に過ぎん。」
「剣に生き、剣に死ぬ。」
「それ以外に俺たちに道はない。」
翌日、目を覚ました薫。
料理を作る恵を見て、
「剣心は?」
と聞くと緋村を探し出した。
そこに買出しから戻ってきた緋村。
緋村の顔を見て薫は笑顔で言った。
「おかえりなさい。剣心。」
ヒムラも笑顔で答えた。
「ただいまでござる。」
(終わり)
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緋村剣心:佐藤健
神谷薫:武井咲
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高荷恵:蒼井優
武田観柳:香川照之
鵜堂刃衛:吉川晃司
外印:綾野剛
戌亥番神:須藤元気
斎藤一:江口洋介
桂小五郎:宮川一朗太
山県有朋:奥田瑛二
浦村署長 - 斉藤洋介
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三条燕(牛鍋屋の店員):永野芽郁
我荒・兄(道場に乗り込んだ男):平山祐介
我荒・弟(道場に乗り込んだ男):深水元基
清里明良(緋村に殺された若侍):窪田正孝
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面白い。面白い。
さすがに、あの漫画を実写化なんて・・・
と思っていた自分が間違いだった。
ここまで忠実に再現するなんて・・・
愕然としました。
配役も完璧と言っても良いと思います。
後編もあるので、
総合的に感想は書こうと思いますが、
それにしても凄いですね〜
私の中では忘れられない漫画だけに、
細かい事を言ったらキリがないのですが、
はずは佐藤健くんに拍手です!
江口さんの配役も感動でしたが、
左之助役の青木崇高さんも、
しっかり味出していただいて最高です。
子供のころの目標は『三重の極み』修得でしたから・・・
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「人きり抜刀斎」と呼ばれる暗殺者が居た
倒幕派の命により京都を暗躍し
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人々に恐れられた
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1868年1月
京都・鳥羽伏見の山中
幕府と維新軍の戦いが行なわれていた。
藩幕府に恐れられた新撰組の斎藤一。
斎藤は抜刀斎を探して山中を駆け回っていた。
とてつもない勢いで人を切り倒していく1人の男。
やっと巡り合った2人。目を合わせたとき、
「勝ったぞ〜。錦の見肌じゃ〜。」
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「来たか新しい時代が・・・」
立ち去ろうとする緋村に斎藤は言った。
「これで終わりだと思うなよ。」
「例え世の中が変わろうとも、
剣に生き、剣に死ぬしか俺たちに道はない。」
その言葉を聞いた緋村は、
何も言わず持っていた刀を地面に刺し、
背中を向けて歩き出したのであった・・・
その山中で1人の男が死体の中から立ち上がった。
「なぜだ、なぜ俺は生き残った・・・」
そう言って緋村の突き刺した刀に手を当てた。
その時多くの悲鳴が聞こえて、残像が脳裏をよぎる。
「コレが人きり抜刀斎の・・・」
時は流れ1978年(明治11年)東京
世の中は変わり抜刀令も出された時代。
一方で金にものを言わす人間も増えていた。
「人間とは弱いものだ。」
「口では理想を語りたがるが、
結局は三つのものの前では獣となる。」
「自分のため、金のため、そして快楽のため・・・」
そう言うのは武田観柳。
観柳は報告に来た高荷恵に言う。
「成功だ。」
「この新型のアヘンは人間どもを獣に変える。」
お褒めの言葉を頂き、恵が部屋を去ろうとすると、
黒ずくめの男たちが屋敷に入ってきた。
一瞬で恵以外の研究員は殺された。
怯える恵に観柳は言う。
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その頃、東京の町では人が殺され、
死体に斬奸状が置かれる事件が続いていた。
斬奸状には
『人きり抜刀斎 神谷活心流』
との文字が・・・
東京にたどり着いた緋村。
緋村の腰にかける刀を見た神谷薫。
「そこの男。」
「廃刀令を蔑ろにして刀を持ち歩くとは、
お前が噂の人きり抜刀斎か?」
そう言って木刀を振りかざした。
薫の剣をかわして緋村は言った。
「拙者は流浪人。」
「あてのない剣客でござる。」
「これは逆刃刀でござる。」
そう言って腰にかける刀を見せた。
緋村の無実が分かり木刀をしまった薫。
薫は自分の流派を名乗って、
人を切り続ける『人きり抜刀斎』を探していた。
そのころ観柳のもとから逃げ出していた恵。
唯一の新型アヘンの製造方法を分かる恵。
観柳は直ぐに鵜藤刃衛に連れ戻しを命じた。
警察に助けを求めて駆け込んだ恵だが、
刃衛はそんなことは構わずに警察に乗り込む。
次々と警官を殺す刃衛。
刃衛は特殊な能力『心の一方』を使う。
それはまるで猛獣に睨まれたかのように、
身動きが一切聞かなくなる術法。
警官は一切歯が立たずに、
とうとう恵は追い詰められた。
恵は危機一髪で警察署から逃げだした。
恵に逃げられ町を歩く刃衛。
腰にかけた刀を見て刃衛に声をかけた薫。
「待ちなさい。お前が抜刀斎か?」
刃衛は直ぐに薫を殺そうとするが、
それを助けたのは緋村だった。
間一髪で薫を助けた緋村は刃衛に聞いた。
「お前か?抜刀斎を名乗る男は。」
刃衛は答えずに緋村の顔を見て言った。
「その傷、その速さは、お前が伝説の・・・」
そう言って『心の一方』を使うも緋村には効かない。
「お前には効かぬか・・・」
その時一連の騒動に駆けつけた警察。
緋村は剣を交えることなく、薫を連れて逃げた。
薫に家に行った緋村。
そこは神谷活心流の道場であり、
薫は道場の師範代であった。
死んだ父を慕った門下生は多数いたが、
抜刀斎騒動が始まってから門下生が、
次々にいなくなったと聞いた緋村。
悔しそうに薫は言う。
「剣は人を殺すための道具にあらず。」
「人を生かす剣を理想とする
神谷活心流が殺人剣に汚されるとは・・・」
その言葉を聞いた緋村。
自分の命を顧みず流派を守ろうとする薫に、
「亡き父上殿も、
娘の命を代償にしてまでも流儀を守ることを
望んだりはしないでござろう。」
そう言って屋敷から出て行った。
数日後の神谷活心流の道場。
唯一の門下生明神弥彦と薫は掃除をしていた。
すると、多数の男達が道場に入って来て言う。
「この道場を貰い受ける。」
「あるお方が高い値で買いたいと・・・」
「お前にとっても悪い話じゃない。」
「こんな人きり道場、誰もよりつかんじゃろ。」
抵抗するも力ずくで地上げをする男達は言う。
「人を活かす剣など甘っちょろい。」
「目的は暴力。極意は殺生。」
「それが剣術の本質よ〜。」
とその時、屋敷に入ってきた緋村は言った。
「確かに。」
「その方のいっていることは、
一度も己の手を汚したことの無い者がいう、
甘っちょろい戯れ言でござる。」
「剣は凶器、剣術は殺人術。」
「どんな綺麗事や、お題目を言ってもそれが真実。」
「けれども拙者はそんな真実よりも薫殿が言う
甘っちょろい戯れ言が隙でござるよ。」
そう言うと十数人いた大男たちを次々に倒しだした。
そして緋村は言った。
「人きり抜刀斎がふるう剣は飛天御剣流。」
「一対多数の切り合いを得意とする古流儀の術。」
「こんな刀で無い限り、確実に人を惨殺する。」
それの言葉を聞いて薫は気がついた。
緋村が人きり抜刀斎と呼ばれる人物だと・・・
近くの住人の通報で道場には警察がやって来た。
全てを自分のせいと伝え連れて行かれる緋村。
そんな緋村に薫は言う。
「待って、流浪人さん。」
「名前ぐらい教えなさいよ。」
緋村は静かな笑顔で答えた。
「緋村剣心でござるよ。」
警察に連行された緋村。
「久しぶりだな、人きり抜刀斎。」
そう斉藤に言われて獄中から出される緋村。
斎藤に連れて行かれた先には山県有朋がいた。
山県は緋村に言った。
「どこに雲隠れしておった?」
「ここ10年腕の立つ流浪人が、
人を助けたと噂が立つたび、
部下をやって調べさせた。」
「あの時代道は違ったが、
お互いより良い国を望んでた。」
そう言って緋村を讃えた後に、
話は新型アヘン『蜘蛛の巣』の話題になった。
山県は素直に緋村に言った。
「力を貸してくれ。」
「陸軍の要職に就き、この腕をもう一度・・・」
しかし緋村はすぐに断った。
「人きり家業で要職につく気は無いでござる。」
それを聞いていた斎藤は、
「腑抜けになったか?」
「人きりが切らずして、どうやって人を守る?」
「綺麗事を言う前に、まずは自分を守って見せろ。」
そう言うと同時に刀を抜き、
一方的に緋村に切りかかった。
間一髪でかわし続けるも、
斉藤相手に刀を抜かぬことは出来なかった。
間一髪で斉藤の刃を受け止めた緋村の逆刃刀。
「お前の抜いた刃は、
いずれお前を苦しめることになるぞ。」
という斉藤の言葉通りに、
自分に向いた刃は徐々に緋村の肩へと突き刺さった。
それでも緋村は答えた。
「拙者は過去を捨てた身。」
「もう人は切らぬ。」
決意の固い緋村を見て斉藤を止めた山県。
緋村に謝り釈放の手はずをとった。
緋村が警察を出ると薫が待っていた。
静かに緋村に歩み寄った薫は言った。
「行くとこないんでしょ?」
「うちに来て。」
緋村は答えた。
「分かったでござろう。」
「拙者が人きりだったって・・・」
薫は緋村の言葉を遮り言う。
「そんなの知らないわ。」
「私が出会ったのは、剣心って言う流浪人よ。」
「誰にだって語りたくない過去の1つや2つはある。」
「行くよ。」
薫が緋村を道場へと連れて行くと、
弥彦は道場に恵みを連れて来ていた。
弥彦は逃げる恵みを道で見かけて、
道場に連れて来たのであった。
その日は、緋村へのお礼を含めて、
弥彦と恵も連れて牛鍋を食べに行った。
牛鍋屋にたまたま現れたのは観柳。
直ぐにトイレへと逃げる恵。
観柳は緋村を見つけると近寄って、
多額の金額で用心棒として雇いたいと言う。
それをあっさり断った緋村。
一部始終を見ていた相楽左之助は横槍を入れた。
左之助は自分を雇えと観柳に言う。
観柳は金に見合うかと聞くと、
左之助は緋村を見ながら答えた。
「試してみるかい?」
「伝説の人きり緋村抜刀斎さんよ。」
緋村を人きりと知って客は騒ぎ出す。
それを見た緋村は左之助に言った。
「ここでは店の迷惑でござる。」
「外に出ていただければ。」
外に出た左之助は早速、大刀斬馬刀を振り回す。
緋村はそんな左之助に言った。
「おぬしとは剣をあわせたくない。」
「剣をあわせる理由が無い。」
「あんな男のために、
その腕をくれてやるでござるか?」
その言葉で我に返った左之助。
「まあいいさな。」
「また警察にしょっ引かれるのもなんだしな。」
翌日。
またしても偽抜刀斎によって人きりは行なわれた。
殺されたのは道場を襲った男たちと、数名の警官。
その現場を見て緋村は薫に言った。
「一度人を殺めると後戻りは出来なくなる。」
「それが人きりと言うものでござるよ。」
現場にいた斎藤は緋村に気がつき、話し掛けた。
「道場を襲ったあの男達。」
「お前が切っても同じことだった。」
「むしろお前が切っていれば、
あの警官達は巻き添えを食わずに済んだはずだ。」
緋村は何も答えずに、
ただ警官に寄り添い泣き崩れる妻を見て、
若かれし頃に犯した自分の罪を思い出した。
自分の頬につく十字傷の思い出。
若くして暗殺家業を頼まれた緋村。
緋村は夜な夜な幕府側の主要人物たちを暗殺した。
殺した若い男の死体に泣きつく妻を見た緋村。
「末来を担う若者を殺してまで、
何が新時代の為の暗殺なのか?」
「俺のしていることは正しいのか?」
そう維新軍に楯突いた過去と、
その時付けられた傷を思い出したのだった。
一方、観柳は『蜘蛛の巣』を売って、
観柳帝国を築こうと考えていた。
アヘン工場を作るために地上げを進める観柳。
そのために、どうしても神谷道場が欲しかった。
その頃から道場付近の井戸に毒が投入された。
道場にどんどん担ぎ込まれる住民たち。
居合わせた恵が主導を握り何とか、
住人たちの一命は取り留めた。
緋村はそんな恵に素性を聞いた。
すると恵は逆に聞いた。
「その手でさぞ多くの命を奪ってきたんでしょうね?」
「その傷はご自慢の傷?」
「何かの勲章かしら?」
緋村は自分の顔についた十字傷について話した。
1つは若い侍につけられ、
1つはその妻になるはずだった女につけられたと・・・
その話を聞いた恵も素直に過去を話した。
「私はあなたとは違う。」
「親も居ない。頼る親戚も居ない。」
「私は観柳に拾われて、あいつの女になった。」
「お互いに利用しあっただけよ。」
「あいつはアヘンで儲けるために。」
「そして私は生きていくために・・・」
恵の目には涙が浮かんでいた。
緋村は決心する。恵を守るため、
住人を守るためにも観柳を潰そうと・・・
緋村の動きに気がついた左之助は、
自分も行くと言い出した。
観柳の屋敷に向かおうとするも、
恵がいないことに気がつく。
恵は道場や緋村に迷惑がかからぬように、
何も言わずに観柳のもとへ戻ったのだ。
すぐに緋村と左之助は観柳の屋敷を目指した。
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観柳の屋敷には金で雇われた沢山の用心棒がいた。
屋敷に乗り込んできた緋村を見た観柳。
「倒したやるにはいくらでも金はやるぞ。」
そう言うと、金をばら撒いた。
必死に緋村と左之助に襲い掛かる用心棒達。
しかし力の差は圧倒的であった。
何十何百という用心棒を倒して屋敷の中に。
中に入ると今までとは違う腕の立つ用心棒が・・・
佐之助は戌亥番神と、
緋村は外印と手を合わせた。
今までとは違い一筋縄ではいかない相手。
しかし緋村と左之助は勝利した。
殺すことなく勝利した緋村に、外印は言った。
「何が殺さずの誓いだ?」
「殺さずしてこの戦いが終わると思うか?」
緋村は背を向けたまま答えた。
「終わらして見せる。」
緋村と左之助は観柳ぼ待つ部屋へ向い、
部屋の扉を開けた瞬間・・・
新型10連式ガトリング砲で、
止む事のない銃撃を繰り返す観柳。
手を出せない緋村と左之助。
そこに斉藤がやって来て言う。
「あいつを切るためなら手を貸す。」
「あの銃をある方向に向ければ、
反対側が死角になる。」
左之助は手を上げて観柳の前へ出た。
「参った。勝てるはず無い。」
同時に緋村も手を上げて出て行った。
「降参でござる。」
気を抜いた観柳。
それを見て、同時に反対方向に走り出す2人。
慌てた観柳はすぐにガトリング砲で2人を追う。
その隙を突き、正面から斉藤が観柳を襲った。
追い詰められた観柳に緋村は言った。
「金で買えないものがなんだか分かるか?」
「お前がいま乞うているもの。」
「命だ!」
観柳は斉藤に連行され、緋村は恵を助けた。
が・・・
恵は緋村に言った。
「急いで。薫さんが・・・」
この騒動の隙をつき刃衛が薫を連れ去った。
目的は本気の緋村と剣を交えるため。
「お前を人質にすれば抜刀斎は怒る。」
「あやつを往年の人きりに立ち戻らせる。」
すぐに刃衛を追いかけた緋村。
追いついた緋村に刃衛は言う。
「怒っているな?」
緋村は答えた。
「薫殿を巻き込んだ貴様と、
それを阻止できなかった俺自身にな。」
そして緋村と刃衛との戦いが始まった。
刃衛は強く、完全に押される緋村。
そんな緋村をあざ笑うように、
「まだおぬしは昔の抜刀斎には遠く及ばぬ。」
そう言うと薫に『心の一方』をかけた刃衛。
息が出来なくなった薫。
緋村は怒った。
「命が欲しければ薫殿にかけた心の一方を解け。」
それに対して刃衛は答える。
「俺にはもう解けぬ。」
「方法は二つに一つ。」
「自力で解くか、術者を殺し剣気を断ち切るか。」
本気になった緋村は昔の人きりへと戻っていった。
「遊びは終わりだ。殺してやるからかかって来い。」
そう言った緋村は鞘に刀を戻した。
そして最後の一撃・・・
『飛天御剣流双龍閃』
倒れこんだ刃衛に緋村は、
「肘の関節を砕き筋を絶った。」
「これでお前の剣の命は終わった。」
「そして・・・これで息の根も・・・」
そう言って逆刃刀を逆に向けた。
「薫殿を守るため、俺は今一度人きりに戻る。」
「死ね!」
逆刃刀が刃衛を襲おうとした瞬間・・・
「やめて〜!」
息も出来ないはずの薫が声をあげた。
「人きりに戻らないで。」
「あなたが殺してしまった人のために、
あなたが今まで助けた人のために、
人を切らなくても誰かを助けることは出来る。」
「それが、あなたが目指した新しい世の中でしょ。」
薫は自力で『心の一方』を解いたのだった。
それを見ていた刃衛は緋村に言う。
「決着をつけるぞ・・・抜刀斎。」
傷ついた刃衛に緋村は答えた。
「もうよせ。」
「左手しか使えぬおぬしに勝機はござらん。」
それを聞いた刃衛を刀を自分の体に差した。
「お前の本性は人きりよ。」
「同じ人きりが言ってるんだから間違いねえ。」
「所詮人きりは人きり。」
「お前がいつまでほざいてられるか、
地獄の淵で見ててやろう。」
そう言い残して自害した・・・
死闘が終わり薫を連れ帰ろうとした緋村。
そこに現われた斎藤は緋村に言った。
「思い知ったか?」
「殺さずの流浪人などと、
エセ正義をほざいていると
どんな目にあうのか?」
それに対して緋村は答えた。
「人を切れば、そこに恨みが生まれる。」
「恨みはまた、人を切らせる。」
「その連なりを絶つのが、
この切れない刀の役目でござる。」
斎藤は緋村の考えを否定するように言う。
「いつまでそんな綺麗事を言っているつもりだ。」
「流浪人など弱者の逃げ道に過ぎん。」
「剣に生き、剣に死ぬ。」
「それ以外に俺たちに道はない。」
翌日、目を覚ました薫。
料理を作る恵を見て、
「剣心は?」
と聞くと緋村を探し出した。
そこに買出しから戻ってきた緋村。
緋村の顔を見て薫は笑顔で言った。
「おかえりなさい。剣心。」
ヒムラも笑顔で答えた。
「ただいまでござる。」
(終わり)
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