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2015年10月11日

【信さん・炭坑町のセレナーデ】出演者・感想・完全ネタバレ(セリフ完全再現)

本日の映画紹介。
【信さん・炭坑町セレナーデ】
信さん・炭坑町セレナーデ.jpg

【出演者】
辻内美智代:小雪
辻内守:池松壮亮(中村大地)
中岡信一:石田卓也(小林廉)
李英男:柄本時生(肥田大輝)
須藤典男(徳用マッチ):村上淳
渡辺久仁子(駄菓子屋店主):中尾ミエ
李重明(英男の父):岸部一徳
中岡大輔(信一の父):光石研
中岡はつ(信一の母):大竹しのぶ
中岡美代(信一の妹):金澤美穂(岡田流南)

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【感想】
う〜ん・・・
分かるんだけど・・・
役者みんな上手なんだけど・・・
何か少し物足りないんです・・・

悪い映画ではないんですけどね〜
池松くんも柄本くんも、
もちろん小雪さんも、
脇固める俳優陣みんなうまいんですけどね〜

でも少し残念なんですよね・・・
青春に特化するわけでもなく、
恋愛に特化するわけでもなかったのが、
とても中途半端になったんですかね?

あくまで私個人の見解なので・・・


【あらすじ】(ネタバレあり)
1963年(昭和38年)
辻内守は母の美智代と島にやってきた。
母の故郷の炭坑島。
「もう東京に帰らん?」
「帰らんよ!」

その島では、
「あんちゃんあれ!」
そう言って炭鉱の山を指差す。
あちこちで火が上がっている山で、
中岡信一たちは石炭を広い小遣い稼ぎをしていた。
その信一がいる小学校に転校してきた守。

東京からやってきた守と美智代は、
その島には合わないくらい清楚だった。
しかし離婚して戻ってきた美智代。
離婚の噂は直ぐに島中に広まった。

信一は石炭を売ってもらったお金で、
お菓子を買っていたが、それを見た父親は、
盗んだ金と思って信一を殴りつけた。
それは過去にさかのぼる。
学校で給食費を盗んだと言われ母親に殴られた。
信一には実に覚えのないこと。
しかし大人は誰も信じてくれなかった。
それでも涙することのない信一。

ある日守はクラスの悪がき3人に、
カツ上げされそうになっていた。
それを1人で助けに入った信一。
信一はあっという間に3人を倒した。
『これが僕と信さんの始めての出会いだった』

そこにたまたま通りかかった美智代。
美智代は信一に聞いた。
「名前は?」
信一はぶっきらぼうに答えた。
「中村信一。」
それを聞いた美智代は言う。
「じゃあ信さんね。」
そう言って守と信一に怪我が無いか確認した。
信一の体には親から受けた傷があった。
美智代はそれには触れず。
「ありがとうね。信さん。」
「守を助けてくれて。」
親の優しさに触れた信一は、
何も言わずに海に向かって歩き出した。
美智代はそんな信一を後ろから抱きしめた。
優しさを肌で感じた信一は静かに泣いた。

次の日信一は校庭のひまわりを抜き取り、
しずかに守の家に置いて逃げた。
信一は美智代に恋をしたのだった。
それは初恋だった・・・

小学校は夏休みになった。
信一と守は仲良くなり毎日遊んだ。
運動音痴の守に野球を教える信一。
バッティングの合言葉は「アンポンタン!」
その掛け声でバットを振りホームランを打った。
そのボールは家に持ち帰り、
昭和38年7月20日と書いて記念とした。

そんな信一の家庭事情は複雑であった。
父親も母親も本当の両親ではない。
父は死んで、今は父の弟に引き取られている。

ある日。
学校で苛められていた朝鮮留学生の英男。
一向に手を出さない英男を、
気になり守は家に着いていった。
そこで英男の父の教えを聞いた。
自国ではないので日本人には手を出すなとの教え。
そして晩御飯をご馳走になって帰った守。
その日から守と英男は仲良くなった。

一方で美智代は徳用マッチと飲みに出かけ、
酔っ払った美智代は近所の駄菓子屋の
玄関に干されていた干し柿を持ち帰った。
次の日、真っ先に怒られたのは信一。
問い詰められた信一は、食べたと嘘をついた。
自分をかばってくれた事を知った美智代は、
「信さんのおかげで、
  美味しい思いさせてもらった。」
「ありがとうね。」
美智代の言葉に喜ぶ信一。
そんな信一が書いていた絵は美智代の似顔絵。

それから数日後。
信一の義理の父が亡くなった。
炭坑の仕事を終えての帰宅途中に
誤って崖から落ちてしまったのである。
焼香に訪れた徳用マッチと李さん(英男の父)。
それを追い返す信一の義母はつ。

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それから信一は毎日新聞配達をしていた。
死んだ義父の変わりに家計を支えるため。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
信さんなんで炭鉱がだめになっていくのか?
なんで大人が争っているのか?
あの頃子供だった僕たちには、
一切分からなかった。

そうだけど信さん。
信さんが日に日に僕らから・・・
子供の世界から遠ざかって行くのは分かっていたよ。

信さん。
信さんの少年時代は他の誰よりも短かったんだね。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

1970年(昭和45年)
信一は炭坑で働いていた。
血の繋がらない母と妹を守るために・・・
妹の美代はそんな信一の行動に怒り、
信一の好きな美智代に嫉妬していた。

いつしか信一が心の支えとなっていた美智代。
しかし信一は仕事によって、
美智代と会う回数は減っていた。
ある日銭湯で会った2人。
美智代は信一に言った。
「私には信さんがいるから大丈夫。」
そう言った美智代に信一は、
「俺。東京へ働きに行くことにしました。」
「しばらく帰ってこられません。」
そう言って美智代の手を握り歩いた。

一方で高校生となっていた守と英男。
英男は相変わらず虐められていた。
それでも日本人には手を出さない英男。
守は何でやり返さないのか聞くが、
英男は守に言った。
「春までの辛抱だから。」
「春になったら大阪に行く。」
それを聞いた守は言い返した。
「やり返せ。行く前にやり返せ。」

イラつく守が家に帰ると、
留守番を頼まれた信一が家にいた。
イラつきが収まらない守は信一を連れ、
キャッチボールをした。
「信さん。母ちゃんに大事な事言ってないよね。」
「何で言わない?」
信さんは答えた。
「それは・・・言えないこともある。」
それを聞いて守は言う。
「分からん。分からん。」
「みんななんで我慢する!」
答えに困った信一は守に答えた。
「それは守がガキだから。」
力を込めて投げるボールと共に守は言う。
「嘘つきよりもガキのほうがいい。」

数日後・・・
美代が受験に合格した。
それを報告しに美智代のもとへ行く信さん。
美智代は東京へ行く信一に、背広を作っていた。
背広を着せた美知代を抱きしめる信一。
「何もしないから、このまま。」
そう言って抱きしめ続ける信さん。
「それとも何かして欲しい?」
美智代は答えた。
「なんも・・・」
信一は答えた。
「中途半端だ!」
美智代は、
「アンポンタン!」
と言って信一から離れた・・・

英男が大阪へ向う日。
駅へ行くと英男の家族だけがいて、
英男の姿は無かった。
守は英男を探しに行くと、
いつも英男を虐めていた同級生を、
1人でボコボコにしていた。
「これで思い残す事はない。」
「お前はすっきりしたか?」
守は答えた。
「かえってモヤモヤしてる。」
「お前が嘘つきって分かったから・・・」
笑いながら英男は言う。
「俺らの友情は本物だよ。」
「美代ちゃんによろしく。」
「俺が好きだったこと伝えてくれ。」
それに対して守は言った。
「自分で言えよ。」
それを聞き英男は、守と握手しようと手を出した。
守は手を出さずに言った。
「別れの挨拶は嫌だ。」
「またな!」

信一が東京へ行くまで残りわずか。
未だ炭坑で働く信一だが、炭坑で事故が発生した。
大混乱の炭坑だが従業員の安否は不明。
守と美智代も炭坑へ向った。

そのころ炭坑の奥にいた信一。
怪我した仲間を連れ脱出しようとしていた。
しかし閉じ込められ酸素の薄い炭坑の奥。
仲間は1人1人と倒れて行った。
「美智代さん・・・」
そう言い残す力を振り絞り脱出しようとする信一。

しかし・・・
信一は遺体となって帰ってきた。
「あんちゃん。あんちゃん。」
そう言って信一に寄り添う美代。
美智代も手を差し伸べようとするが、
「やめて。あんちゃんに触らないで!」
一方で気丈を振る舞い家にいた義母はつ。
信一の死がわかっても信一の下へは行かず、
泣きながら米を継ぎ続けていた・・・

事故から数日後。
美智代が島を歩いていると、
野球している少年たちの声が響いていた。
以前、信一と守が野球をしていた広場。
「私にも打たせて。」
そう言って子供からバットを借りた美智代。
「アンポンタン!」
「アンポンタン!」
「アンポンタン!」
泣きながら何度もバットを振り続けた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
信さん。信さんが亡くなった翌年。
僕らの炭坑は閉山したよ。
炭住に住んでいた人たちは1人消え、二人消え。
みんな居なくなって・・・

おばちゃんと美代ちゃんは、
信さんが死んだ後すぐ引っ越して。
一遍美代ちゃんからハガキがあ着たけど、
それっきり・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1年後
守は島を離れ銀行で働いていた。
美智代も守のもとへ行くことを決めた。
それは島を出るという事。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
信さん
あそこに炭坑があったのも、
あそこで泣いたり、笑ったり、
いがみ合った人がいたのも、
みんな忘れられるんだろうね・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

守と美智代を乗せた船は出港した。
船の上から島を見て美智代は言った。
「見納めだね。」
「しっかり瞼に焼き付けなきゃいけないね。」
それを聞いていた守は何も言わず。
船の上から島に向かい、
信さんとの思い出の記念ボールを投げた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
信さん。
ばってん。
今日も空は青かばい。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

(終わり)


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