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2015年06月19日
【森崎書店の日々】出演者・感想・完全ネタバレ(セリフ完全再現)
本日の映画紹介。
【森崎書店の日々】
【出演者】
貴子:菊池亜希子
英明:松尾敏伸
トモコ:田中麗奈
サトル:内藤剛志
高野:奥村智史
藤崎書店の客:吉沢悠
マスター:きたろう
サブ:岩松了
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【感想】
温かい話です。
内藤さんの言葉と好きですね〜
最後の田中麗奈さんの言葉も名言。
こんな温かい街だったら、
人間の心って豊かになるんでしょうね〜
ホッコリしたいときには良い映画です!
感動があると言うわけでもなく、
ストーリーが良いというわけでもないんですが、
心温まるんですよね〜♪
これ系の映画私好きなんです。
是非一度見てください。
【あらすじ】(ネタバレあり)
貴子と英明はとあるレストランでデートしていた。
2人で話す。他愛もない会話。
その時近くの席に店員がバースデーケーキを運んだ。
その席の友人たちの祝福モード。
それを見た英明は突然話した。
「俺結婚することになったんだ。」
貴子は聞いた。
「することになった?」
「誰と誰が?」
秀樹は言った。
「俺と彼女が・・・」
貴子は自分が彼女と思っていた・・・
貴子は1人アパートに帰った。
当然の如く落ち込む貴子。
売る本の根付けをしていたサトル。
そこに現れた常連客のサブ。
サブは以前から探していた本を渡されて、
上機嫌で帰っていく。
依然として落ち込んだままの貴子。
職場でもまったく身が入らない。
数日後貴子は仕事を辞めた・・・
引きこもりになって寝続けていた貴子。
貴子のもとに母から電話が入った。
「貴子。元気にしている?」
「せっかく入った会社だったのにね〜」
「いつまでもそんな状況よくないよ。」
同時期サトルのもとへ電話が入った。
「サトル?あんたは元気?」
貴子の母はサトルの姉。
姉に聞いてサトルは貴子に電話した。
「貴子ちゃん元気?」
「サトルです。今書店から電話してます。」
貴子は言った。
「サトルおじさん?」
サトルは言った。
「しばらく働く気ないなら家こないか?」
「腰痛めちゃってさ〜」
「病院行く日に店開けてくれればそれでいいんだよ。」
「店の上に部屋もあるし。」
数日後。悩んでいた貴子のもとにサトルから手紙が届いた。
それはサトルの店。藤崎書店の地図が入っていた。
貴子はそれを見て小さい頃にサトルから貰った、
お年玉の宝の地図を思い出していた。
貴子は決意してサトルの書店を訪れた。
サトルとは8年ぶりの再会であった。
店の中に通された貴子は言った。
「かび臭い。」
それに対してサトルは言った。
「しっとりしていると言って欲しいな。」
そしてこれから住む2階の部屋に通された。
そこは明らかに物置・・・
「本どければ何とかなるよ!」
貴子はサトルのいない日は店番をした。
客はめったに来ないが、サブが来た。
「サトルさんは?って言うか誰?」
「バイトの子?」
貴子は答えた。
「私バイトって言うか・・・」
「叔父は1時くらいには着ますが。」
サブは貴子に話しかけてきた。
「今日は志賀直哉を読もうと思ってね。」
「君本は読まないの?」
「薄っぺらい人間になりたくなきゃ、
ここにある本少しは読みなさいよ。」
そういうとサブは本の話を続けた。
とても長い話・・・
しばらくしてサトルが帰ってきた。
貴子はサブの長い話で疲れていた。
そんな貴子はサトルに聞いた。
「この店大丈夫?」
サトルは笑って答えた。
「厳しいね〜」
「今は古本が売れない時代だからね〜」
「でもこういう本が好きな人もいてね。」
「ここにある本はどれでも読んでいいからね。」
失恋してから貴子の虚無感たっぷりの生活は続いた。
そんな貴子を心配するサトル。
貴子に声をかけ続けるサトル。
ある日サトルは貴子を誘った。
連れて行ったのは、とある喫茶店。
マスターは30年営業を続ける老舗。
喫茶店で貴子はサトルに聞いた。
「叔父さんは私くらいの時、何してたの?」
サトルは答えた。
「本を読みまくって旅してたかな?」
「いろんな世界を見てみたかった。」
「そして自分の可能性を見てみたかった。」
そう話すサトルに貴子は再び聞いた。
「それで何か見つかったの?」
サトルは答えた。
「見つかったとも言うし、
見つかるものではないとも言う。」
「そうこうしているうちに、
親父が倒れて店を継いだんだ。」
「これほど僕に向いている職業はないと思うよ。」
貴子は言う。
「いいな〜。自分の好きなことやって生きていける。」
しかしサトルは答えた。
「そうでもないよ。今でも迷うことはあるし・・・」
サトルが客と話しているとき、
マスターが貴子に話しかけてきた。
「是非、神保町の生活を楽しんでよ。」
そんなマスターに貴子は言った。
「叔父も同じようなこと言うんですよね。」
マスターは答えた。
「そりゃそうさ。」
「サトルさん以上に、この街を愛している人はいないよ。」
「いろいろあったみたいだけど、
未だにこの街にいる。」
貴子は小さかったときの記憶を思い出していた。
実家の縁側で1人泣くサトルの背中だった・・・
喫茶店の帰り道サトルに貴子は聞いた。
「私、今時間を無駄にしているのかな?」
サトルは返した。
「そんなことないよ。」
「今は夏休み。」
「君という船は今この街に碇をおろしてる。」
「よく休んだら、
また出向したらいいんじゃないか?」
その日から貴子は本を読み出した。
あれから何冊もの本を読んだ。
そんな時、古本の一冊に線が引かれていた。
『視ることは、それはもう何かなのだ。
自分の魂の一部分あるいは、
全部がそれに乗り移ることなのだ。』
古本に見せられた貴子。
店に来たサブに言った。
「私こういう街があるって知らなかったな。」
サブは答える。
「本屋だけで170件以上。」
「ここは世界一の書店街なんだ。」
それを聞いた貴子は言う。
「それぞれの本屋さんに、
ちゃんとそれぞれの色がある。」
「みんなそれぞれ。
いろいろあっていいんだな〜って・・・」
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貴子は街になじんできていた。
マスターの店で働くトモコと仲良くなり、
喫茶店にも足を運ぶようになった。
神保町の書店をめぐっては本を読んだ。
そんなある日、
書店に並んでいない一冊の本を見つけた貴子。
貴子はサトルに聞いた。
「この本って何?」
サトルは言った。
「この前仕入れた本だよ。」
「これだけ値段が決まらなくて。」
「これ貴子ちゃんに値段つけてもらうよ。」
「読んで思った値段つけて。」
貴子はサトルに言った。
「この前まで本のことに興味が無かったのに、
今こうしているんだもん。」
そんな貴子にサトルは答える。
「いいんじゃない?」
「いつからでも人生始まる感じがして。」
神保町の古本祭り。
街中に古本の出店が並ぶ。
藤崎書店も祭りに参加した。
貴子と露店で本を売っていると、
サトルは貴子に話し始めた。
「この祭りをやると、
つくづく神保町って本みたいだって思うよ。」
「開けるまでは凄く静かで、
開くととてつもない世界が広がっていて、
閉じるとまたシーンと静かになる。」
貴子はそれに対して一言。
「私は好きだな〜この街。」
そんな貴子にサトルは言った。
「貴子ちゃんが居たかったら、
いつまででも居ていいからね〜。」
常に優しくしてくれるサトル。
そんなサトルに貴子は聞いた。
「何でそんなに私に優しくしてくれるの?」
サトルは答えた。
「貴子ちゃんが好きだからだ。」
「君は僕の天使だ。」
「君は恩人だ。」
「生まれたときに・・・」
「前に旅の話したでしょ。」
「その旅始めるきっかけになったのは、
貴子ちゃんなんだよ。」
「大学を卒業して出版社に就職したんだけど、
商業的に本を売るのが無理だったんだ。」
「この世界に自分の居場所なんて、
ないんじゃないかって思っていた。」
「自分の殻に閉じこもっていたともいえるし、
破れなかったともいえる。」
「そんな時に君が生まれた。」
「生まれたての君を見たときに涙が出そうになって。」
「もう少し頑張ろうかなって思うようになった。」
「今は自信がないけど、
いつか自信を持ってここが自分の居場所だって、
言えるようになりたいって。」
珍しく自分の話をするサトルに貴子は聞いた。
「それで居場所は見つかったの?」
サトルは答えた。
「そういうことになるのかな?」
「ずいぶん時間はかかったけど。」
「世界に飛び出して最後にたどり着いた場所が、
自分が子供の頃から知り尽くした場所だなんて・・・」
「でもその時には場所ではなくて、
大切なのは気持ちだって分かっていたから。」
「本当にいつまで居てもいいからね。」
そういい残してサトルは1人喫茶店へ行った。
喫茶店でサトルはマスターに聞いた。
「人はいつも失ったものを、
探しながら生きているんですかね?」
マスターは聞き返した。
「桃子さん?」
サトルは返した。
「桃子のことや、あの店を継いだころのことなんです。」
「桃子は僕があの日引き止めていたら、
引き留まったんですかね?」
マスターは静かに答えた。
「それは何者にもわからないことですね。」
英明のことを忘れかけていたある日、
サトルと本の引き取りに向かった貴子。
帰りの運転中に横断歩道を渡る英明を見かけた。
忘れかけていた記憶が蘇り、
再び暗闇のどん底に戻ってしまった貴子。
サトルは元気のない貴子を気にした。
そして貴子に聞いた。
「ここに来る前に何があったんだ?」
「苦しいなら全部話しちゃったほうがいいんじゃない?」
サトルの優しさに泣き出した貴子。
そして英明とのことを話し始めた。
「私何見ていたんだろう・・・」
「いっぱい寝たら・・・
そして起きたら無かったことにならないかなって・・・」
「ならないんだよね。」
サトルは言った。
「今からそいつを謝罪させに行こう。」
「君を傷つけたんだから。」
「悔しくないの?」
「いつまでも過去の亡霊に付きまとわれることになるよ。」
そして貴子とサトルは英明のもとへ・・・
英明にサトルは謝罪させようとする。
しかしサトルはまったく動じない。
「何でこいつの言うこと全部鵜呑みにするんだよ。」
「会社辞めたのもこいつの勝手だろ。」
「どういうつもりだよ。」
それを聞いた貴子は英明に言った。
「私はあなたのことが好きだった。」
「私は物じゃないの。」
「普通に物を考えて、泣くことだってある。」
「私は苦しかった。」
貴子の気持ちを受け、サトルも英明に言う。
「この子は素直に言ったんだ。」
「君も正直に答えるべきじゃないのか?」
それでもまったく動じない英明。
「警察を呼ばれたくなかったら帰ってくれ。」
そう言って家に入っていった。
帰りの車サトルは貴子に言った。
「ごめんね。」
貴子は言う。
「ああやって自分の気持ち言うの始めてかも知れない。」
「なんかちょっと軽くなった。」
次の日貴子はサトルに預かった一冊の本を読み終えた。
そして自分で値段をつけた。
書店の本棚に本を入れて本に向かって拝む貴子。
貴子はサトルに言った。
「私ここ出て行くね。」
「仕事探してここ出て行く。」
サトルは言った。
「急だね。」
貴子は返す。
「急じゃないんだ。踏ん切りついたし・・・」
出て行くことを決めた貴子。
仲良くなったトモコに話した。
「私も自分の足で歩こうと思う。」
「この街出るの少しさびしいけどね。」
するとトモコは言う。
「私もこの街好きだよ。」
「ここに来ると思うの。」
「自分で価値を作れる人間になるんだって。」
「ある古本屋さんの言葉でね、
価値のあるものを買うのではなく、
価値を作れる人間は強い。」
「私もそんな人間になりたいんだ〜。」
貴子は答えた。
「いいね〜。」
(終わり)
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【森崎書店の日々】
【出演者】
貴子:菊池亜希子
英明:松尾敏伸
トモコ:田中麗奈
サトル:内藤剛志
高野:奥村智史
藤崎書店の客:吉沢悠
マスター:きたろう
サブ:岩松了
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【感想】
温かい話です。
内藤さんの言葉と好きですね〜
最後の田中麗奈さんの言葉も名言。
こんな温かい街だったら、
人間の心って豊かになるんでしょうね〜
ホッコリしたいときには良い映画です!
感動があると言うわけでもなく、
ストーリーが良いというわけでもないんですが、
心温まるんですよね〜♪
これ系の映画私好きなんです。
是非一度見てください。
【あらすじ】(ネタバレあり)
貴子と英明はとあるレストランでデートしていた。
2人で話す。他愛もない会話。
その時近くの席に店員がバースデーケーキを運んだ。
その席の友人たちの祝福モード。
それを見た英明は突然話した。
「俺結婚することになったんだ。」
貴子は聞いた。
「することになった?」
「誰と誰が?」
秀樹は言った。
「俺と彼女が・・・」
貴子は自分が彼女と思っていた・・・
貴子は1人アパートに帰った。
当然の如く落ち込む貴子。
売る本の根付けをしていたサトル。
そこに現れた常連客のサブ。
サブは以前から探していた本を渡されて、
上機嫌で帰っていく。
依然として落ち込んだままの貴子。
職場でもまったく身が入らない。
数日後貴子は仕事を辞めた・・・
引きこもりになって寝続けていた貴子。
貴子のもとに母から電話が入った。
「貴子。元気にしている?」
「せっかく入った会社だったのにね〜」
「いつまでもそんな状況よくないよ。」
同時期サトルのもとへ電話が入った。
「サトル?あんたは元気?」
貴子の母はサトルの姉。
姉に聞いてサトルは貴子に電話した。
「貴子ちゃん元気?」
「サトルです。今書店から電話してます。」
貴子は言った。
「サトルおじさん?」
サトルは言った。
「しばらく働く気ないなら家こないか?」
「腰痛めちゃってさ〜」
「病院行く日に店開けてくれればそれでいいんだよ。」
「店の上に部屋もあるし。」
数日後。悩んでいた貴子のもとにサトルから手紙が届いた。
それはサトルの店。藤崎書店の地図が入っていた。
貴子はそれを見て小さい頃にサトルから貰った、
お年玉の宝の地図を思い出していた。
貴子は決意してサトルの書店を訪れた。
サトルとは8年ぶりの再会であった。
店の中に通された貴子は言った。
「かび臭い。」
それに対してサトルは言った。
「しっとりしていると言って欲しいな。」
そしてこれから住む2階の部屋に通された。
そこは明らかに物置・・・
「本どければ何とかなるよ!」
貴子はサトルのいない日は店番をした。
客はめったに来ないが、サブが来た。
「サトルさんは?って言うか誰?」
「バイトの子?」
貴子は答えた。
「私バイトって言うか・・・」
「叔父は1時くらいには着ますが。」
サブは貴子に話しかけてきた。
「今日は志賀直哉を読もうと思ってね。」
「君本は読まないの?」
「薄っぺらい人間になりたくなきゃ、
ここにある本少しは読みなさいよ。」
そういうとサブは本の話を続けた。
とても長い話・・・
しばらくしてサトルが帰ってきた。
貴子はサブの長い話で疲れていた。
そんな貴子はサトルに聞いた。
「この店大丈夫?」
サトルは笑って答えた。
「厳しいね〜」
「今は古本が売れない時代だからね〜」
「でもこういう本が好きな人もいてね。」
「ここにある本はどれでも読んでいいからね。」
失恋してから貴子の虚無感たっぷりの生活は続いた。
そんな貴子を心配するサトル。
貴子に声をかけ続けるサトル。
ある日サトルは貴子を誘った。
連れて行ったのは、とある喫茶店。
マスターは30年営業を続ける老舗。
喫茶店で貴子はサトルに聞いた。
「叔父さんは私くらいの時、何してたの?」
サトルは答えた。
「本を読みまくって旅してたかな?」
「いろんな世界を見てみたかった。」
「そして自分の可能性を見てみたかった。」
そう話すサトルに貴子は再び聞いた。
「それで何か見つかったの?」
サトルは答えた。
「見つかったとも言うし、
見つかるものではないとも言う。」
「そうこうしているうちに、
親父が倒れて店を継いだんだ。」
「これほど僕に向いている職業はないと思うよ。」
貴子は言う。
「いいな〜。自分の好きなことやって生きていける。」
しかしサトルは答えた。
「そうでもないよ。今でも迷うことはあるし・・・」
サトルが客と話しているとき、
マスターが貴子に話しかけてきた。
「是非、神保町の生活を楽しんでよ。」
そんなマスターに貴子は言った。
「叔父も同じようなこと言うんですよね。」
マスターは答えた。
「そりゃそうさ。」
「サトルさん以上に、この街を愛している人はいないよ。」
「いろいろあったみたいだけど、
未だにこの街にいる。」
貴子は小さかったときの記憶を思い出していた。
実家の縁側で1人泣くサトルの背中だった・・・
喫茶店の帰り道サトルに貴子は聞いた。
「私、今時間を無駄にしているのかな?」
サトルは返した。
「そんなことないよ。」
「今は夏休み。」
「君という船は今この街に碇をおろしてる。」
「よく休んだら、
また出向したらいいんじゃないか?」
その日から貴子は本を読み出した。
あれから何冊もの本を読んだ。
そんな時、古本の一冊に線が引かれていた。
『視ることは、それはもう何かなのだ。
自分の魂の一部分あるいは、
全部がそれに乗り移ることなのだ。』
古本に見せられた貴子。
店に来たサブに言った。
「私こういう街があるって知らなかったな。」
サブは答える。
「本屋だけで170件以上。」
「ここは世界一の書店街なんだ。」
それを聞いた貴子は言う。
「それぞれの本屋さんに、
ちゃんとそれぞれの色がある。」
「みんなそれぞれ。
いろいろあっていいんだな〜って・・・」
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貴子は街になじんできていた。
マスターの店で働くトモコと仲良くなり、
喫茶店にも足を運ぶようになった。
神保町の書店をめぐっては本を読んだ。
そんなある日、
書店に並んでいない一冊の本を見つけた貴子。
貴子はサトルに聞いた。
「この本って何?」
サトルは言った。
「この前仕入れた本だよ。」
「これだけ値段が決まらなくて。」
「これ貴子ちゃんに値段つけてもらうよ。」
「読んで思った値段つけて。」
貴子はサトルに言った。
「この前まで本のことに興味が無かったのに、
今こうしているんだもん。」
そんな貴子にサトルは答える。
「いいんじゃない?」
「いつからでも人生始まる感じがして。」
神保町の古本祭り。
街中に古本の出店が並ぶ。
藤崎書店も祭りに参加した。
貴子と露店で本を売っていると、
サトルは貴子に話し始めた。
「この祭りをやると、
つくづく神保町って本みたいだって思うよ。」
「開けるまでは凄く静かで、
開くととてつもない世界が広がっていて、
閉じるとまたシーンと静かになる。」
貴子はそれに対して一言。
「私は好きだな〜この街。」
そんな貴子にサトルは言った。
「貴子ちゃんが居たかったら、
いつまででも居ていいからね〜。」
常に優しくしてくれるサトル。
そんなサトルに貴子は聞いた。
「何でそんなに私に優しくしてくれるの?」
サトルは答えた。
「貴子ちゃんが好きだからだ。」
「君は僕の天使だ。」
「君は恩人だ。」
「生まれたときに・・・」
「前に旅の話したでしょ。」
「その旅始めるきっかけになったのは、
貴子ちゃんなんだよ。」
「大学を卒業して出版社に就職したんだけど、
商業的に本を売るのが無理だったんだ。」
「この世界に自分の居場所なんて、
ないんじゃないかって思っていた。」
「自分の殻に閉じこもっていたともいえるし、
破れなかったともいえる。」
「そんな時に君が生まれた。」
「生まれたての君を見たときに涙が出そうになって。」
「もう少し頑張ろうかなって思うようになった。」
「今は自信がないけど、
いつか自信を持ってここが自分の居場所だって、
言えるようになりたいって。」
珍しく自分の話をするサトルに貴子は聞いた。
「それで居場所は見つかったの?」
サトルは答えた。
「そういうことになるのかな?」
「ずいぶん時間はかかったけど。」
「世界に飛び出して最後にたどり着いた場所が、
自分が子供の頃から知り尽くした場所だなんて・・・」
「でもその時には場所ではなくて、
大切なのは気持ちだって分かっていたから。」
「本当にいつまで居てもいいからね。」
そういい残してサトルは1人喫茶店へ行った。
喫茶店でサトルはマスターに聞いた。
「人はいつも失ったものを、
探しながら生きているんですかね?」
マスターは聞き返した。
「桃子さん?」
サトルは返した。
「桃子のことや、あの店を継いだころのことなんです。」
「桃子は僕があの日引き止めていたら、
引き留まったんですかね?」
マスターは静かに答えた。
「それは何者にもわからないことですね。」
英明のことを忘れかけていたある日、
サトルと本の引き取りに向かった貴子。
帰りの運転中に横断歩道を渡る英明を見かけた。
忘れかけていた記憶が蘇り、
再び暗闇のどん底に戻ってしまった貴子。
サトルは元気のない貴子を気にした。
そして貴子に聞いた。
「ここに来る前に何があったんだ?」
「苦しいなら全部話しちゃったほうがいいんじゃない?」
サトルの優しさに泣き出した貴子。
そして英明とのことを話し始めた。
「私何見ていたんだろう・・・」
「いっぱい寝たら・・・
そして起きたら無かったことにならないかなって・・・」
「ならないんだよね。」
サトルは言った。
「今からそいつを謝罪させに行こう。」
「君を傷つけたんだから。」
「悔しくないの?」
「いつまでも過去の亡霊に付きまとわれることになるよ。」
そして貴子とサトルは英明のもとへ・・・
英明にサトルは謝罪させようとする。
しかしサトルはまったく動じない。
「何でこいつの言うこと全部鵜呑みにするんだよ。」
「会社辞めたのもこいつの勝手だろ。」
「どういうつもりだよ。」
それを聞いた貴子は英明に言った。
「私はあなたのことが好きだった。」
「私は物じゃないの。」
「普通に物を考えて、泣くことだってある。」
「私は苦しかった。」
貴子の気持ちを受け、サトルも英明に言う。
「この子は素直に言ったんだ。」
「君も正直に答えるべきじゃないのか?」
それでもまったく動じない英明。
「警察を呼ばれたくなかったら帰ってくれ。」
そう言って家に入っていった。
帰りの車サトルは貴子に言った。
「ごめんね。」
貴子は言う。
「ああやって自分の気持ち言うの始めてかも知れない。」
「なんかちょっと軽くなった。」
次の日貴子はサトルに預かった一冊の本を読み終えた。
そして自分で値段をつけた。
書店の本棚に本を入れて本に向かって拝む貴子。
貴子はサトルに言った。
「私ここ出て行くね。」
「仕事探してここ出て行く。」
サトルは言った。
「急だね。」
貴子は返す。
「急じゃないんだ。踏ん切りついたし・・・」
出て行くことを決めた貴子。
仲良くなったトモコに話した。
「私も自分の足で歩こうと思う。」
「この街出るの少しさびしいけどね。」
するとトモコは言う。
「私もこの街好きだよ。」
「ここに来ると思うの。」
「自分で価値を作れる人間になるんだって。」
「ある古本屋さんの言葉でね、
価値のあるものを買うのではなく、
価値を作れる人間は強い。」
「私もそんな人間になりたいんだ〜。」
貴子は答えた。
「いいね〜。」
(終わり)
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