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2017年08月05日
『風が強く吹いている』1 〜 箱根駅伝を目指す青春小説 〜
どーも!
あつしです!
今回は
『風が強く吹いている』
を紹介したいと思います。
三浦しをん先生の作品で
箱根駅伝を目指す小説です。
この作品は
2006年に新潮社から出版され
その後
漫画化、ラジオドラマ化され
舞台になり映画になりました。
(私は先日、友人からの紹介で知りましたが・・・ww)
ある日―――
寛政大学 文学部4年 清瀬灰二(きよせ はいじ、通称:ハイジ) は
銭湯帰りに逃げている万引き犯と出くわします。
その美しい走りに清瀬は
一緒にいた左官屋の親父の自転車を借り
追っかけていきます。
清瀬は万引き犯に追いつきます。
万引き犯は蔵原走(くらはら かける、通称:カケル)と名乗り
大学に入る為、仙台から上京してきたのはいいが
生活費を麻雀につぎ込み
今は大学の敷地内で野宿している。と伝えます。
それを聞いたハイジは
自らも住んでいる竹青荘(ちくせいそう、通称:アオタケ)に
住むように提案します。
(いや、提案じゃなく決定事項でしたね)
竹青荘には
ハイジとカケルの他に
理工学部3年(2浪)
平田彰宏(ひらた あきひろ、通称:ニコチャン)
ニコチャンとは、ヘビースモーカーでニコチン大魔王だったため命名。
高校時代は陸上部でした。
法学部4年
岩倉雪彦(いわくら ゆきひこ、通称:ユキ)
3年の時に司法試験を合格した秀才。
社会学部4年
坂口洋平(さかぐち ようへい、通称:キング)
キングとは、クイズ番組が大好きでクイズ王から命名。
小心者のため、クイズ番組に出場経験は一度もないが博識です。
商学部3年
杉山高志(すぎやま たかし、通称:神童)
神童とは、すごい田舎で暮らしており人口が少なく何をやっても1番だったことから命名。
学校には山を2つ越えて通っていたそうです。
(ブラジルのサッカー選手みたいなエピソードですね)
理工学部2年
ムサ・カマラ(通称:ムサ)
黒人留学生。といっても、普通の国費留学生で陸上経験はない。
文学部2年
柏崎茜(かしわざき あかね、通称:王子)
王子とは、端正な顔立ちから命名。
しかし、運動とはこれまで無縁で部屋は漫画で埋め尽くされています。
(うらやましい)
1年
城太郎(じょう たろう、通称:ジョータ)
城次郎(じょう じろう、通称:ジョージ)
双子で高校時代はサッカー部に所属。
明るく無邪気な性格です。
同じ部屋で住んでおり、度々決起集会などは2人の部屋になります。
文学部4年 清瀬灰二
高校時代陸上強豪校に所属し監督は実の父親でした。
足に違和感がありながらも相談できずケガをします。
人心掌握術に長けており、みんなの体調管理からトレーニングメニューの仕切り
その他の雑用までこなすリーダーです。
社会学部1年 蔵原走
高校時代は陸上部に所属し、全国を制覇した選手でしたが
監督とソリが合わず殴ってしまい所属していた陸上部は活動停止、
カケルは退部します。
しかし、走ることを辞めることが出来ずハイジと出会い
人間的にも成長していきます。
の10人が竹青荘で一緒に暮らしています。
ハイジは竹青荘が埋まり
10人になるのを待っていました。
後日、カケルの歓迎会を双子の部屋でやることになります。
そこでハイジは驚くことを言います。
「陸上で頂点を目指そう!」
「みんなで箱根駅伝に出よう!」
これを聞いた住人達は驚きます。
そりゃーそうですよね!
ニコチン中毒、運動音痴の漫画オタク、陸上経験のない黒人留学生、
クイズ番組大好き・・・などなど
箱根駅伝を目指すことは普通ありえないことです。
部員も10人しかいません。
しかし
ハイジは見越しており
さまざまな手法で
1人ずつやる気を起こさせていきました。
竹青荘はもともと
寛政大学陸上競技部寮でした。
ハイジはそこまで見越していたんですね!
まずは
一人ひとりのタイムを上げること
そして
箱根駅伝予選会に出場するために
記録会でタイムを残すこと
陸上未経験者が多い中
ハイジは一人ひとりの特性を見抜いて練習メニューを組み立て
練習し徐々にタイムを上げていきます。
最初は
「無理だ!」と信じていなかったカケルですが
ハイジは竹青荘メンバーは潜在能力が高いと信じており
カケルも徐々にハイジの言葉を信じていきます。
いよいよ予選会・・・
10人しかいない寛政大学は
誰か一人でも完走できないと箱根駅伝に出場することができませんし
他の大学が12人中10人の合計タイムで競うのに対し
寛政大学は10人中10人がいいタイムで完走しなければなりません。
予選会がスタートします。
しばらく走った時には
黒人選手が先頭に立ち
寛政大学は
第一集団にカケルとハイジ
第二集団に他の8人が走っています。
10キロ過ぎ
集団に動きがあり
喜久井大の3年生と東体大のキャプテンがスパートかけ
カケルとハイジ以外の選手たちは引き離されます。
500メートル走ったところで
ハイジに「俺、行きます」とカケルは一気に抜き去ります。
他大学の黒人選手が1位と2位でゴールし
周りの観客が
「どうせ上位は黒人選手だよ」
と言っている中
堂々3位で現れゴールしたのは蔵原走でした。
清瀬灰二は
喜久井大と東体大がペースを上げたのについていき
右脛に違和感を感じながらも崩れこむようにゴールします。
喜久井大の選手と同着の6位でした。
ジョータとジョージがゴールし
つづいてユキ、ムサ、ニコチャン、神童が
80位から90位台に入ります。
キングも健闘し123位でゴール!
残るは王子です・・・
ふらふらになりながら必死にゴールを目指す王子の姿があります!
王子はこみ上げる吐き気と戦いながらもがくように前進しています。
ゴール手前で走りながら吐いてしまいましたが
176位でゴールし意識を失います。
(全員必死で気力も体力も尽き果てたことがよくわかります)
運命の予選会結果発表です。
予選会の結果は1位から6位までが純粋な10人の合計タイム
7位以降はインカレポイントも加味されてのタイムになるため
合計タイム順とは違う結果になります。
陸上を始めたばかりの寛政大学はインカレポイントがないため
どうしても6位までにタイムで入りたいところです。
1位 東京体育大学
2位・・・発表が始まりました。
5位までの間に寛政大学の名前は呼ばれません。
6位・・・全員が祈ります。
西京大学 と発表されます。
ここからはインカレポイントも絡むため
本当に順位が読めません。
7位 城南文化大学
8位 寛政大学
呼ばれた瞬間、全員で喜び
本当に箱根駅伝に出場できるんだ!
と、カケルは腹の底から咆哮します。
ここまでで半分ぐらいです!
読んでいるうちに何回泣いたことか・・・
青春を思い出し、心が震え、懐かしく、羨ましく・・・
本当に心が洗われる作品でした。
次回は
箱根駅伝を書きたいと思います。
漫画化にもなってます。
ぜひ小説より漫画の方はこちらをどうぞーー
漫画版『風が強く吹いている』