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2015年10月07日

【 迷い道 】I

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【 迷い道 】I


 一瞬の幸せであろうと 楽しいひと時を過ごせたなら それでいいのだろうか?

結婚を求めない恋人同士も幸せなのかな?

大体 軽井沢のペンションってところは その場限りの恋で終わってしまいそうな場所にも感じ取られる。

だから 沙代子は 余計に真紀の事が心配になるのかもしれない。

それに、彼女とは沙代子の友人たちの中で 一番親密度が深い。

彼女の弱さは 誰よりも沙代子が 知っている。

 真紀は 旅先での彼とのツーショット写真を見せてくれた。

軽井沢を背景にした二人の写真は やっぱり絵になるなぁ。

結婚もしないで 彼と旅行するなんて沙代子には到底考えることすら出来ない。

そのあたりは 彼女と考えが合わないところだ。

ま、人それぞれだもの。

 旅行の写真を彼に渡したいのだけど なかなか彼に会えなくて、とお茶の別れ際 彼女は愚痴っていた。

沙代子には 帰って行く真紀の後姿が何故か 寂しそうに見えた。

幸せって永遠に続くものだなんて 沙代子は思わないけれど 別れを予感する幸せは嫌だ。

恋人より 仕事を愛する君江には そういう類の悩みがないだろうなぁ、と思う。

これは沙代子の勝手な憶測にすぎないが。

けれど君江の場合は 本当は弱くて片意地張って生きているのかも知れない。

真紀と別れてしばらくの間、沙代子は仕事が忙しく残業の毎日が続いた。

真紀のことが心配だったけれど 考える余裕がなかった。

 そうこうしているうちに 沙代子にもやっと彼氏が出来た。

例の音楽好きの彼だ。

友達以上恋人未満のような関係。

いつも音楽の夢ばかりを追っている彼は 真紀の彼と同じようなものかも知れない。

女って自分に恋人が出来ると 今まで一番大切だった女友達が二の次になる。

別に薄情になったわけでもないのだが・・・

 沙代子が恋に目覚め、そして失恋。

さらに怖くなるくらいの激しい恋を経験し、沙代子自身が潰れてしまった。

自分が潰れて初めて 真紀の気持ちが痛いほど理解出来た。

 心の中に 言いしれない大きな穴があいた。Jに続く

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2015年10月06日

【 迷い道 】H

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          【 迷い道 】H

 彼女が見せてくれる写真には、雑誌に出てくるようなかわいい男の子が写っていた。

その彼女の頭には 理想の男性像がしっかりインプットされていた。

 寂しがり屋の真紀は 一人でいることが出来なかった。

いつも誰かといることを望んだ。

彼が出来るとすぐに心を許してしまう。

沙代子は、そんな真紀が心配だった。

私のように臆病でもないから、人目惚れしてしまうと積極的になる。

 同性から見ても彼女は 本当にかわいい。

女性としての器量を十分備えている彼女は、いつも男の子たちの視線を引いた。

 彼女は栄子のような理想を求めているわけでもなく、ただ普通の家庭を持ちたいと願っていた。

一人で過ごすことが耐えられないから。

彼女の内面からは、どことなく母性本能を感じさせる。

一緒にいて疲れないタイプだ。

彼女自身は、誰かに頼りたいと思っているのに 何故か逆に頼られてしまうのだ。

 真紀は 沙代子の話に口をはさむことをしなかった。

いつも聞くだけで、笑い飛ばすこともなくあえて助言することもしなかった。

互いに物を言わずとも理解しあえた。

だから、沙代子も同じように真紀に助言することもせず、黙って聞くだけだった。

彼女が笑うと両頬に えくぼが出来、とても魅力ある表情になる。

沙代子は 彼女のえくぼが大好きだった。

きっと真紀を取り巻く男の子たちは、このえくぼに惚れたのだろうと思う。

 真紀は 好きになった男の子と旅行をしたことがある。

旅行に行く前に 真紀とお茶をした。

その時の彼女の表情は生き生きしていた。

彼女の中で 結婚という形式は関係ない。

彼が好きだから 共に行動したいから どこかに旅行したい、ただそれだけ・・

 彼女は 純粋に自分の気持ちを大切にする。

「どうして結婚するまでは男の子の人と旅行しちゃいけないの?お互いが分かりあえて利ありだよ」

当時は 結婚してもいないのに そういうことは社会的に認められていない時代だった。

真紀は 沙代子に手を振って 彼との旅に出発した。

 彼女が帰って来るまで 沙代子は 何となく落ち着かなかった。

数日後、真紀から お茶しない?って電話をかけて来た。

お店に入ると、真紀が手を振っている。

旅行中 何かあったのでは?と心配している沙代子と裏腹に 無邪気な表情の真紀が目の前にいる。

どことなく旅行前とは 雰囲気が違う。

軽井沢に行って来たらしい。

宿泊は ペンションで オーナーのご夫妻とも仲良くなったそうだ。

真紀と彼は 夫婦扱いされていたらしい。

「夫婦気取りも悪くなかったよ」

真紀は 旅先での出来事を いろいろ話してくれた。

普段、自分から あまり話す方じゃないのに 彼との旅行で少し変わったような気がする。

より一層可愛くなった。

沙代子は、目の前にいる真紀が 自分から離れて行くような寂しい気がした。

 真紀は 今の彼と結婚するつもりだろうか?

沙代子は 自分より大人になって戻って来た彼女が 何故か 心配でもあった。

 軽井沢と言う町は 恋人たちにとって 映画のセッティングを思わせる場所だ。

このなかでは 自分が主人公にもなれる。

ペンションの庭を恋人同士で散歩していると、並木道の木漏れ日が互いの表情を一層輝かせる。

 沙代子も女友達と一度遊びに行ったことがあるから 軽井沢の良さは十分知っている。

ただ 軽井沢の町は 恋人同士で遊びに行くには最高の場所だが 旅を終えたあとが少々気になる。

 今 沙代子の前にいる真紀は 正直言って幸せそのものだ。

「良かったね」って手放しで喜んであげたいのだが 何故か言えない。

 一度も誰とも付き合ったことのない沙代子でさえ 妙な予感がするのだ。

恋人を持たないひがみから来るのか、よくわからなかった。

 沙代子以上に 真紀は純粋な心の持ち主。

純粋と奥手とは 異なるかも知れないが、もし真紀が傷ついてしまったら、という思いが 沙代子の脳裏をよぎった。Iに続く

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2015年10月05日

【 迷い道 】G

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  【 迷い道 】G


 君江は どうしているだろうか。

恋なんて 結婚なんていらない。

別れや離婚を経験するくらいなら、仕事一筋に生きている方が幸せ、と彼女は言う。

一人で生きていく収入が彼女にはあるから 言えるのだろうけど、本当にその方が楽なのかも知れない。

 人もうらやむような美女美男カップルで早くに結婚してすぐに離婚してしまった栄子は、まだ自分の理想に
合いそうな彼氏を探しているのだろうか?

バツイチと世間から烙印を押されても彼女は 別段気にしない。

強いなぁと思う。

 沙代子自身が幸せ絶頂の時は そんな友人たちに会いたいとは思わなかったのに不安で仕方ない。

今は とにかく会いたい。

 冬子なら家にいるだろうか?

何でもいいから話をしたいと思った。

単純に男の人に振り回されている私より、結婚相手の条件を頑として譲らない彼女の生き方の方が立派だと今になって思う。

 そういえば 加奈も結婚はしたけれど ご主人と相性が合わなくて苦労したのだった。

沙代子は、自分に男運がないのかも と さえ考えるようになった。

 この時期 沙代子は会社の同僚と 気分転換に良くお酒を飲みに出かけた。

当然、彼からは私の居所がつかめなくて、今のように携帯電話もない時代だから怒り狂っていたはずだ。

 そういうときは 決まって 夜遅く私の自宅に電話がかかってきて 今からすぐに会いに来い!
と半ば命令状態。

行かないと後が怖いから、夜も遅いのに仕方なく 彼の家に向かう。

で、着くと案の定 沙代子の身勝手な行動を怒る。

彼が納得するまで 謝り続けなければならない。

とにかく彼は自分の思い通りに私が動かないと よく腹を立てた。

亭主関白タイプだ。

 私もそれなりに仕事もしていたし、友人たちとも遊びたい。

でも彼から旅行とかに誘われても 怖くて断ることも出来ない。

栄子の生き方と比べれば、まるで正反対。

栄子が私の今の彼と仮に お付き合いしていたら、彼女の方から即刻別れているだろう。

・・・加奈だったら・・・?

 沙代子は 自分がどうすれば 良いのか分からず 彼の事が原因でイライラがたまり 同僚に面あたりもした。

 当り散らされた同僚は 当然 私を叱った。

恋に狂った沙代子の目をさまそうと頑張ってくれた。

その時の彼と別れることが出来たのは 同僚のお蔭かも知れない。

 その彼との1年半のお付き合いに やっとピリオドを打つことが出来た。

沙代子は この恋で 随分勉強させられた。

 しばらく誰とも付き合う気になれなかった。

今までの男との人は 一体 私のどこに魅力があって交際を求めてきたのだろう?

 すれていないから可愛いとも言われたことがある。

この頃から 自分を自然に表現するようになった。

私は 機嫌を取る恋に辟易していた。

 久しぶりに友人たちと姫路城に行くことになった。

いわゆる合コン。

 他愛もない話をして楽しい1日だった。

そのメンバーの中に自衛隊経験のある超真面目な2歳年上の男性がいた。

その彼は 結婚資金も充分 蓄えていますって別に その気のない私に唐突に話すのだった。

 なぜ そんなことを私に話すのか 分からなかった。

結局 沙代子が鈍感なことが 災いして 何もなく時が過ぎて行った。

 沙代子は しばらく 仕事に専念した。

ついこの間まで 男の人に束縛され続けていたので、やっと自由になれた喜びの方が大きかった。

会社の帰りに 同僚と飲む機会が増えた。

 彼に1日監視されていた時期は 沙代子の態度が会社内で尋常でなかったって同僚から聞かされた。

 心許せる同僚のお蔭で 少しずつ自分を取り戻していった 沙代子は 以前のように女友達を大切にするようになった。

 気がつけば、友人たちも沙代子と同じく形は違えども 様々な事で苦しんでいた。

加奈は 一人で生きていく決心をしたようだ。

その当時の女性が一人で生きていくには 相当の仕事を見つけないと無理だ。

男女雇用機会均等法の前だったから、、、

友人でありながら、何の手助けも出来ない苛立ちを覚えた。

所詮、結婚しないと女は生きて行けないのか、とさえ思う。

 そう、もう一人 大切な友人がいた。

真紀だ。

色気も可愛さもある反面、寂しがり屋で そこが男の子に好かれる彼女。

彼女からは 付き合っている男の子の話をよく聞かされた。

その当時 沙代子は まだ奥手で誰ともお付き合いの経験がなかった頃だったから、彼女の話は恋愛小説に出てくるかのように新鮮に感じられた。

真紀が羨ましくさえ思った。 Hに続く

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2015年10月04日

【 迷い道 】F

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    【 迷い道 】F



 その原因は、沙代子が男の人を知らなさ過ぎたことだ。

すぐに自分自身が相手に染まってしまう。

どこかで嫌われるのを恐れて、素直になれない自分がいる。

 素直に自分を表現することも許されない。

半ば強引な付き合いだった。

 心のない恋なんてありえない。

心がないから 余計に束縛しようと躍起になるようだ。

いつでも沙代子の全ての行動を知りたがった。

 そうすることで沙代子の心を独占できると思いこんでいるようだ。

けれど そんな付き合いでも 知らず知らずのうちに情が芽生えてくる。

私でなければ付き合えない人だと思うと、結局 彼の思うように動いている自分がいる。

 恋なのか 彼が怖くて付き合っているのか自分でも分からなくなっていた。

スケートに誘われたこともある。

全く滑ることが出来なかった私は、空いているリンク中央まで手を引いてもらい、そこで彼に手取り足取り教えてもらった。

幾度も体ごと氷の上に転び 服がびしょ濡れになって彼に笑われた。

そんな楽しかったことも確かにあった。

 でもすごく短気な人で 道の往来であろうが彼の逆鱗に触れると頬をぶたれることもしばしば・・・

彼が許してくれるまで 沙代子は泣きながら彼の後を追いかけて必死で謝るのだった。

 そんな付き合いに沙代子は 疲れを感じ 別れたいと思うようになった。

けど そんな強引な彼に別れ話を持ち出すのは 怖くて沙代子には到底言えなかった。

どうすればいいのか随分悩んだ。

彼の事を良く知っている知り合いに相談しても

「君自身のことは君しか解決できないよ。君にも責任があるのだから勇気を持って話をするしかない。」と言われてしまった。

何とか彼に話はしたものの、彼に別れる意思はなく うやむやに終わってしまった。

 沙代子は、これ以上どうすることも出来なかった。

友人たちのことを ふと思い出した。 Gに続く

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2015年10月03日

【 迷い道 】E

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     【 迷い道 】E


 男の子と付き合った経験が 全くなかった沙代子は、どこか恋イコール結婚へと飛躍して考えてしまうところがあった。

だから彼も沙代子といるときは、息苦しく感じ始めているのでないかと 先回りして思ってしまう。

 恋した時の付き合いかた、なんて本があればいいなとさえ思ったくらいだ。

でも彼にしてみれば、恋に思いきり下手な私が妙に新鮮に感じられたようだ。

変に付き合い慣れしてない沙代子は 彼にとって 可愛く見えたのかもしれない。

 彼がさりげなく足を組んで、ギターを弾く姿、大好きな音楽の話をするときの彼の顔。

見ているだけで全てが沙代子にとって幸せな時間だった。

このひと時が恋というものなのだろう。

チェックの綿シャツにジーンズが彼に良く似合った。

ベンチに並んで座った時の彼の横顔も私は好きだった。

 そんな彼と永遠に付き合いたい気持ちもあった。

けれど、彼と結婚するイメージは何故か沸かなかった。

 彼がコーヒーを飲む仕草を見ているだけでいい。

他愛もない話題にふけるだけでいい。

 初めて体験した恋に 私は夢中だった。

彼は学生だったから、いつもお金がない。

だからデートと言えば、彼はギターを弾くのを私は ただ傍で聞いているだけの時が多かった。

あと音楽の話を延々とし続ける彼の そばにいるだけ。

 音楽が何より好きで、卒業したら東京へ行きたいと いつも言っていた彼。

その時は君も一緒についてきて欲しい、とも言っていた。

 世の中 そんな甘くないことくらい分かり切っているのに、沙代子は彼なら大丈夫とまで信じ切っていた。

初めての恋は 本当に怖いもの知らずになってしまうものだとつくづく思う。

 沙代子にとって 彼の話題全てが自分自身の世界だった。

恋は、社会から遠ざけてしまう力を持っている。

この一時期、友人からも 離れていた。

 そうやって私が彼の事だけを見ていた時 誰かが 私を見ていた

全く知らなかった人ではなかった。

私自身 彼も出来たばかりだから 意識もしていなかった。

 ある日、突然 その男の人から交際を求められた。

当然 沙代子は 断った。

 けど、受け入れてくれなかった。

それどころか、沙代子のいる前で 彼に脅迫じみた電話を掛けたのだった。

「今日から 俺が沙代子と付き合うことに決めた。だからお前は もう金輪際 沙代子と付き合うな!」

すごいエゴイスト!!!

私は あなたとなんか付き合う気がないです

泣いて訴えたけど 電話で脅迫された彼からは それきり連絡が途絶えた。

 唖然としている沙代子に その男性は 殆ど強引な付き合いを求めていった。

有無も言わせず、自らボディーガードと称して 沙代子の通勤の行き帰りに付きまとう毎日。

帰りも友人たちと遊びに行くことも許されず、仕事が終わった後は 余程の事がない限り一緒に行動することを約束させられた。

こんなの絶対 恋じゃない!

沙代子は 前の彼に会いたかった。

どうして 一度も電話してくれないの?

どうして電話1本で 別れることが出来るの?

日々楽しかったことは忘れられない・・・

 今は 縛られているだけの毎日。

一緒にいると息苦しくさえなる。

 その日 会っていても 沙代子が帰宅すれば 自宅から帰宅コールを要求する人。

会うことを約束させられると、キャンセルは ほぼ許されない。

とにかく怖い彼だった。

そりゃ相手も人間だから、優しい表情の時もあったが そんな時に負けてしまう。

私が弱いばかりに 馬鹿な恋にはまってしまった。

でも はまってしまったこの恋から しばらく抜け出れずにいた。 Fに続く


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就活すれど履歴書返却されるばかり。けど生活は待ってくれないので収入源求めてアンテナ張って日々頑張っています
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