アフィリエイト広告を利用しています

広告

posted by fanblog

2015年10月03日

【 迷い道 】E

スポンサードリンク







     【 迷い道 】E


 男の子と付き合った経験が 全くなかった沙代子は、どこか恋イコール結婚へと飛躍して考えてしまうところがあった。

だから彼も沙代子といるときは、息苦しく感じ始めているのでないかと 先回りして思ってしまう。

 恋した時の付き合いかた、なんて本があればいいなとさえ思ったくらいだ。

でも彼にしてみれば、恋に思いきり下手な私が妙に新鮮に感じられたようだ。

変に付き合い慣れしてない沙代子は 彼にとって 可愛く見えたのかもしれない。

 彼がさりげなく足を組んで、ギターを弾く姿、大好きな音楽の話をするときの彼の顔。

見ているだけで全てが沙代子にとって幸せな時間だった。

このひと時が恋というものなのだろう。

チェックの綿シャツにジーンズが彼に良く似合った。

ベンチに並んで座った時の彼の横顔も私は好きだった。

 そんな彼と永遠に付き合いたい気持ちもあった。

けれど、彼と結婚するイメージは何故か沸かなかった。

 彼がコーヒーを飲む仕草を見ているだけでいい。

他愛もない話題にふけるだけでいい。

 初めて体験した恋に 私は夢中だった。

彼は学生だったから、いつもお金がない。

だからデートと言えば、彼はギターを弾くのを私は ただ傍で聞いているだけの時が多かった。

あと音楽の話を延々とし続ける彼の そばにいるだけ。

 音楽が何より好きで、卒業したら東京へ行きたいと いつも言っていた彼。

その時は君も一緒についてきて欲しい、とも言っていた。

 世の中 そんな甘くないことくらい分かり切っているのに、沙代子は彼なら大丈夫とまで信じ切っていた。

初めての恋は 本当に怖いもの知らずになってしまうものだとつくづく思う。

 沙代子にとって 彼の話題全てが自分自身の世界だった。

恋は、社会から遠ざけてしまう力を持っている。

この一時期、友人からも 離れていた。

 そうやって私が彼の事だけを見ていた時 誰かが 私を見ていた

全く知らなかった人ではなかった。

私自身 彼も出来たばかりだから 意識もしていなかった。

 ある日、突然 その男の人から交際を求められた。

当然 沙代子は 断った。

 けど、受け入れてくれなかった。

それどころか、沙代子のいる前で 彼に脅迫じみた電話を掛けたのだった。

「今日から 俺が沙代子と付き合うことに決めた。だからお前は もう金輪際 沙代子と付き合うな!」

すごいエゴイスト!!!

私は あなたとなんか付き合う気がないです

泣いて訴えたけど 電話で脅迫された彼からは それきり連絡が途絶えた。

 唖然としている沙代子に その男性は 殆ど強引な付き合いを求めていった。

有無も言わせず、自らボディーガードと称して 沙代子の通勤の行き帰りに付きまとう毎日。

帰りも友人たちと遊びに行くことも許されず、仕事が終わった後は 余程の事がない限り一緒に行動することを約束させられた。

こんなの絶対 恋じゃない!

沙代子は 前の彼に会いたかった。

どうして 一度も電話してくれないの?

どうして電話1本で 別れることが出来るの?

日々楽しかったことは忘れられない・・・

 今は 縛られているだけの毎日。

一緒にいると息苦しくさえなる。

 その日 会っていても 沙代子が帰宅すれば 自宅から帰宅コールを要求する人。

会うことを約束させられると、キャンセルは ほぼ許されない。

とにかく怖い彼だった。

そりゃ相手も人間だから、優しい表情の時もあったが そんな時に負けてしまう。

私が弱いばかりに 馬鹿な恋にはまってしまった。

でも はまってしまったこの恋から しばらく抜け出れずにいた。 Fに続く


スポンサードリンク




【このカテゴリーの最新記事】
この記事へのコメント
コメントを書く

お名前:

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/4233945
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
最新記事
プロフィール
羊羹ママさんの画像
羊羹ママ
就活すれど履歴書返却されるばかり。けど生活は待ってくれないので収入源求めてアンテナ張って日々頑張っています
ブログ
プロフィール
カテゴリアーカイブ
日別アーカイブ

スポンサードリンク

×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。