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パウエルFRB議長に難題 停止時期見極め/貿易摩擦/新興国通貨不安

FRBは25、26日の金融政策を決める会合で追加利上げを決める見通しだが、パウエル議長は数多くの難題も抱えている。トランプ米政権の強硬な通商政策は物価動向の見極めを難しくする波乱要因。また好景気下で物価上昇率は目標の2%圏内に入り、追加利上げの根拠となっているが、金利は景気を冷やしかねない水準にも近づき、利上げ停止時期の見極めも課題だ。一方、米国の利上げの裏側では新興国通貨の不安定化も進んでおり、金融市場への影響も考慮すべきだとの声も上がっている。 (ワシントン 塩原永久)

 「予測は難しい」

 トランプ政権が仕掛けた輸入制限の影響について、パウエル氏は慎重な言い回しを続けている。

 ただ、全国12地区の連邦準備銀行の景況報告(ベージュブック)では、8月末までに大半の地区連銀に「先行きの不透明感」などを指摘する産業界の声が届いた。通商政策の行方が見通せないため、企業は設備投資の縮小や延期に動いている。

 米国は24日から、中国からの2千億ドル(約22兆円)相当の輸入品に追加関税を課す。これが国内価格に転嫁されれば景気の強さとは無関係な「悪い物価上昇」が発生。物価上昇率を政策判断の指標とするFRBは先行きが読みにくくなる。

 一方、FRBが重視する物価指数は7月に前年同月比2・3%上昇し、目標の2%を超えた。景気過熱の兆しともいえ、パウエル氏は8月下旬、「さらなる段階的な利上げが適切」と述べた。また失業率が歴史的な低水準にある点を物価上昇の前ぶれとみて、利上げの根拠とする見解もある。

 だが、FRB内には「(この先一段と)物価上昇率が高まる兆候はない」(セントルイス連銀のブラード総裁)と、利上げの早期打ち止めを求める声もある。

 背景にあるのはFRBが「中立金利」を3%程度とみている事情だ。中立金利とは、低すぎて景気が過熱することも、高すぎて景気が冷えることもない金利水準。今の利上げペースでは2019年半ばにも中立金利に達する見通しで、さらなる利上げは景気に悪影響を与えかねないといえ、利上げ停止を視野に入れなければならない。

 一方、米金利上昇に伴い新興国から資金が流出、一部の新興国通貨が急落する混乱が起きている。アルゼンチンやトルコは政策金利を引き上げる通貨防衛に追い込まれた。

 今後も動揺が広がれば、先進国と新興国が同時に改善を遂げてきた世界経済には逆風だ。利上げを続けてきたFRBに対し、「海外の金融リスクにもっと関心を寄せるべきだ」(エコノミスト)との声もある。

 26日に公表される経済見通しは、利上げ停止時期を含めた政策の将来像を示す。市場の想定と異なる利上げペースが示唆されれば、金融市場が混乱する事態も予測される。


引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180924-00000031-san-bus_all
posted by passion27 at 12:06 | TrackBack(0) | ビジネス

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