2011年07月06日
動物園の変貌
『失われた志』という城山三郎対談集を読み始めた。
昭和2年生まれどうし、藤沢周平との対談から始まる。その中で、話の核心とは違うところで妙に心をひかれた話題があった。
動物園の狼。
昔、藤沢氏が狼の檻の前にさしかかると十頭あまりの狼がいっせいに吠えだしたのを聞いて感動した話。
狼の持つ「孤独と禍々しさ」に惹かれるものがあったんでしょうね、という分析。
さらに、「しばらくしてもう一度吠え声を聞きたくて動物園へ行ったんですが、もうどこを探しても狼はいませんでした」
日本の動物園からはもう、動物の持つそういう底知れぬ神秘の部分は消え、
かわいいもの、愛らしいものが「飾られている」場所になってしまったのかもしれない。
昭和2年生まれどうし、藤沢周平との対談から始まる。その中で、話の核心とは違うところで妙に心をひかれた話題があった。
動物園の狼。
昔、藤沢氏が狼の檻の前にさしかかると十頭あまりの狼がいっせいに吠えだしたのを聞いて感動した話。
狼の持つ「孤独と禍々しさ」に惹かれるものがあったんでしょうね、という分析。
さらに、「しばらくしてもう一度吠え声を聞きたくて動物園へ行ったんですが、もうどこを探しても狼はいませんでした」
日本の動物園からはもう、動物の持つそういう底知れぬ神秘の部分は消え、
かわいいもの、愛らしいものが「飾られている」場所になってしまったのかもしれない。