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2016年05月07日

赤ちゃんをおんぶした主婦の自転車が転倒・・・潜む危険

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karugaru_kyari.jpg
http://kodomo.mama-bicycle.com/onbu/karugaru_kyari.jpg

東京・国分寺市で、生後7カ月の赤ちゃんをおぶった母親が、自転車で道路を横断中に、乗用車と接触して、赤ちゃんは亡くなりました。
悲惨な事故は、なぜ起きたのでしょうか?

道路や自転車のホイールには、生々しい血の跡がありました。
自転車に乗っていたのは、33歳の女性で、背中に生後7カ月の息子をおぶっていました。現場近くにいた人は「ドンという音がしたから、なんか嫌な予感がした。一生懸命、人工呼吸をやっていて。『駿成君、頑張って』とか、お母さんが声をかけていた」と話しました。
東京・国分寺市の府中街道。事故が起きたのは午前10時前。
自転車に乗った女性が、路地から道路を横断しようとした際、反対車線から来た車と衝突しました。
自転車は転倒し、おんぶされていた生後7カ月の山田駿成ちゃんは、頭を打つなどして死亡、母親は軽傷でした。
事故直前の現場付近をとらえた、防犯カメラの映像。
現場は3車線の道路で、事故当時は、信号待ちの車で渋滞していました。
駿成ちゃんをおんぶして、自転車に乗っていた母親は、横断歩道ではない場所を、車の間をすり抜けて横断していたところ、反対側から来た車と接触したのです。
警視庁は、車を運転していた25歳の女を自動車運転過失致傷の現行犯で逮捕し、事故の状況について、くわしく調べています。

[iモード]親子を襲った悲劇[iモード]
現場付近で、小さな子どもを持つ女性に取材すると、「(自転車を)1回なんか、使ってみたことはあるんですけど、このだっこひも、なんか緩かったりとかして、自分と体が密着していないときに、落ちそうになるんですよね。危ないなと思って、ちょっとやめました」、「もう絶対、おんぶとかだっこして、自転車に乗りたくないなって思いました。ベビーカーで乗せて、歩いているときでも怖いので、やっぱり歩道狭いし、車もぶんぶん来るので」、「(横断歩道ではないところを、なぜ渡る?)なんかここ、信号がちょっと、あっちじゃないですか。駅があるので、たぶんみんな、駅に行きたいんだと思います」などの声が聞かれました。

気軽に子どもを乗せて出かけられる自転車。買い物や保育園への送り迎えなど、よく見かける光景だが、乳幼児と自転車に乗るルールは、都道府県によって異なります。
東京都では、一般の自転車の場合、おんぶひもなどで、幼児1人を背負って乗ることは、問題ないとしています。
今回、事故に遭った母親も、おんぶひもで子どもを背負って乗っていました。

一方、自転車事故にくわしい専門家は、子どもをおぶっての走行は危険だと指摘します。
東京工業大学・鈴木美緒助教は「お子さんを背負っているということで、自転車に乗っている、その方自体の重心が高くなっているというのが、ふらつきやすくなっている原因だったと思います」と語りました。
同じ女性が、赤ちゃんをおんぶした場合としていない場合で、自転車をこぎだそうとするときのシミュレーション。赤ちゃんの体重は、生後7カ月の平均相当、8kgと仮定します。
こぎだす際に、車体が5度傾いたとした場合、赤ちゃんをおんぶした女性は、おんぶしていない場合の1.16倍の力で、傾いた方向に引っ張られるといいます。
鈴木助教は「(1.16倍の差があると)女性の場合はやっぱり、腕の力が弱いですので、ハンドルで支えきれずに、転倒してしまうということはありえると思います。後ろのお子さんが見えていないということで、気になったりすることによって、ちょっと集中が、そがれるようなところはあるかなと」と語りました。
しかし、小さな子どもを持つ母親からは、「自転車での移動が必須にはなるんですけど、そうせざるを得ない状況になると、わたしも、だっこひもを使うということになりそうですね」という声も聞かれました。
便利さとそこに潜む危険・・・
子どもを背負って自転車に乗ることの問題点を、今回の事故は浮き彫りにしています。



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