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2015年08月09日

下水道のしくみと役割 歴史から学ぶ下水道

水の循環

数十億年前から変わらない水の循環の中で。
地球上の水は太陽の熱で暖められて蒸発し、大気圏で冷やされて雨や雪となって再び降り注ぎます。降った雨水はやがて海などに注ぎこみ、そしてまた蒸発する。
数十億年前からその量をほとんど変えず、循環を繰り返してきた水。
私たちが使った水も、このサイクルのなかにあります。


下水道の役割

普段は目にすることのない下水道。
でも、見えないところで、私たちの快適な生活をしっかり支えています。
いったいどんな仕事をしているのでしょう。

街をきれいにする

下水道の重要な役割の一つ目は、汚水を処理して快適で衛生的な生活が営めるようにすること。私たちが毎日の生活で使った水や、し尿を「汚水」といいます。
汚水は下水道管を流れ、下水処理場に集められて浄化されます。汚れた水が溜まらず、蚊やハエなどの害虫や悪臭の発生が防げ、街が清潔に保たれます。

トイレの水洗化と生活排水の処理

下水道の重要な役割の二つ目は、トイレが水洗になることで、家の中で嫌な臭いが
なくなり、快適な生活がおくれます。
また、台所などからの汚水も下水道に流せて、街が清潔になります。

浸水から守る

下水道の重要な役割の三つ目は、降った雨をすばやく排除して、浸水から街を守ること。
雨は「雨水」として下水道管に入り、すみやかに川などに流されます。これは分流式下水道という方式で、合流式下水道では、汚水と雨水は一緒に下水処理場まで運ばれ、ここで処理して川や海などに流されます。

きれいな水辺をつくる

下水道の重要な役割の四つ目は、川、湖、海などをきれいにして、 生態系を守ること。
「汚水」を浄化して川や海などに戻すことで、水質を保全し水環境をよみがえらせる働きをしています。 下水道の整備とともに汚れた川がきれいになり、本来の生態系が復活します。


下水道の仕組み

下水はどこに流れて行って、どのようにきれいにされているのでしょう。
順を追ってご紹介します。

汚水のゆくえ

家庭から出た汚水は、下水道管へ流れ込みます。

自然流下とポンプ場

下水道管はだんだん太くなります。この下水道管は、汚水が自然に流れていくように勾配をつけて埋設されていて、だんだん深くなります。
下水道管があまり深くなると工事や点検・清掃などの管理が大変なので、ポンプで汲み上げまた高いところから流し込みます。

汚れた水をきれいにする

下水処理場に送られた汚水は、科学技術が生かされたさまざまな施設や設備できれいにされます。また、きれいにされた下水処理水は、水洗トイレ用水、工業用水、修景用水などに再利用されています。

雨水のゆくえ

街が浸水して生活や安全が損なわれる被害を防ぐために、雨水をすみやかに集めて排除しなければなりません。この雨水処理は下水道の大切な役割です。
雨水を排除する方法には合流式と分流式の2つの種類があります。

分流式下水道

分流式下水道は、雨水はそのまま川や海などに流されます。
処理しないので効率的に排除できますが、道路の汚れや大気汚染物質などが雨水といっしょに流れ出して、公共用水域を汚染する場合もあります。

合流式下水道

合流式下水道では、雨水は汚水といっしょに下水処理場に流れていきます。
大雨時に汚水の混じった雨水が公共用水域に放流されてしまうことがあり、水質汚濁を招くこともあります。そのため、汚水の混じった雨水を一時的にためておく施設を設けているところもあります。


下水道を守る

いつも滞りなく機能するのがあたりまえの下水道。
私たちの快適な生活を支えるために、守られ、維持管理されています。 未然に事故を防止するために、下水道管やマンホールなどの清掃・点検・修繕を行っています。 正しく使えば、下水道管や下水処理場が楽になり、維持管理コストの削減にもつながります。


下水道の正しい使い方

水や下水道を正しく使えば、下水道管や下水処理場の負担が減り、水環境も守れます。どんな使い方をすればいいのか考えてみましょう。

1日の水の使用量

1日に使う水の量を見てみましょう。約1000リットル

賢い水利用の効果 

水質は良いに越したことはありません。
でも、用途に応じて水質を使い分ける「水の使い分け」を実行すれば、下水道への負担を減らし、また有効利用の幅も広がります。

環境効果

庭木の水やりや打ち水に、雨水や米のとぎ汁、風呂の残り湯などを上手に活用して、水の使用量をダイエット。処理水を使った真夏の打ち水は、省エネ効果も高めます。

下水道に流してはいけないもの 

下水道の大敵は油。下水道管を詰まらせる原因です。
その上、下水処理場できれいにするのも大変です。
ちゃんと水洗トイレ用の紙を使う、自然に優しい洗たく洗剤を使う、髪の毛を下水道に流さない、雨水マスに落ち葉やゴミを捨てない、といったこともぜひ心がけましょう。


日本の下水道発達史1 藤原京や平城京の下水道

藤原京(694年 持統8年)や平城京(710年 和銅3年)などの都では、道路と宅地を計画的に配置し、道路の両側には溝が設けられていました。この溝が下水道の役割を果たし、雨水や家々から出る汚水も排除したのではと考えられています。この溝はとても規模が大きく、平城京の朱雀大路の西側にある溝は、幅7m、深さ1m、もありました。
また、道路脇の溝の流水を水路で宅地内まで引き込み、この水路の上で用を足していたと推測され、古代版水洗トイレといえます。しかしながら、この時代のトイレがすべて水洗式とは考えられず、くみ取り式トイレもあったと考えられています。

日本の下水道発達史2 江戸の下水道

江戸時代につくられた城下町をみていると、城下町を建設するにあたり、下水道も計画的に整備されたことがうかがえます。江戸の街には、下水道(開渠)が張りめぐらされており、これらの下水道は、雨水や宅地内から出る汚水を集め、最終的には川や堀などに流していました。汚水を集める下水道は、各家庭の裏にあったことから背割下水と呼ばれていました。
江戸の下水道は開渠であったことから、下水が滞らないよう維持管理には特に注意が払われていました。維持管理は各町々の責任で行われていましたが、修理は当初は幕府の負担で行われていたものの、次第に各町々に委ねられるようになったようです。

日本の下水道発達史3 近代下水道〜戦前期の下水道

暗渠式(地下に埋設した)の近代下水道がはじめてつくられたのは、神戸や横浜にあった外国人居留地でした。居留地がつくられたところは海を埋め立ててつくられ、少しの雨でもぬかるみができるような場所でした。居留地に住んでいる外国人は貿易を生業とする人が多く、商品を浸水から守ることや住環境を少しでもよくしようと、当時、本国でつくられつつあった近代下水道を積極的に取り入れようとしました。そして、神戸外国人居留地では1868年(明治元年)にレンガ製の卵形下水道がつくられ、横浜外国人居留地でも1869年(明治2年)に陶管製下水道が規模が小さいながらもつくられました。
外国人居留地以外では、明治10年代に横浜や東京神田地区にレンガ製卵形下水道がつくられ、以後昭和戦前期までに下水道事業に着手した都市は約50都市でした。この時代の下水道は下水を処理せずにそのまま海や川などに放流するもので、下水処理場を備えた下水道を持っている都市は東京、名古屋、大阪などわずか7都市にすぎませんでした。

日本の下水道発達史4 戦後期以降の下水道

昭和30年代の高度経済成長に伴い、公共用水域の水質汚濁が社会問題となり、下水道の整備が強く叫ばれるようになりました。1967年(昭和42年)開始の下水道整備五カ年計画ではじめて水質汚濁の解消がうたわれ、1970年(昭和45年)の公害国会では、下水道法にも水質汚濁防止の目的が加えられました。さらに、下水道普及地区においては、水洗便所にすることが義務付けられ、下水道は処理場を持つこととされました。その後、下水道の整備が積極的に進められています。

世界の下水道発達史1 古代文明の下水道

歴史上もっとも古い下水道は、紀元前五千年頃にメソポタミアのチグリス・ユーフラテス河沿いのウル、バビロン、ニネヴェなどの都市につくられたとされています。インダス文明の中心地モヘンジョダロやハラッパ、ロタールなどにも下水道があったことがわかっています。しかし、これらの下水道は、流末が都市の外まで延びておらず、途中で切れています。途中に沈殿施設を設け、最終的には地下浸透させていたのではないかと考えられています。また、汚水を処理するものではなく、沐浴などの儀式に使われた水だけを始末する施設ではないかと主張する学者もおり、本当のことはよくわかっていません。

世界の下水道発達史2 ローマの下水道

最初の下水道は、紀元前6世紀頃に建設されたと言われていますが、紀元前3世紀から1世紀にかけてアーチ型の天井を持つ暗渠に改良されました。この下水道はクロアカ・マキシマ(大下水道)と呼ばれ、大きいもので高さ4.2m、内径3.3mのものもあり、市内全域に敷設されました。この下水道は、規則正しい間隔で通気孔を備えていました。また、市内には144ヶ所の水洗式公衆トイレがあったとされており、このトイレを使用する場合は課税されたことから、世界最初の有料トイレといえます。下水道の維持管理は行政が行い、清掃作業は罪人が担当していました。クロアカ・マキシマは、現在も738mにわたり雨水渠として利用されています。近代下水道は、ローマの下水道が起源と言ってもよいと考えられます。

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