恋の架け橋

その日の夜の出来事
咲子が住むアパートにて

昇平さん、どうして
どうしてですか
あれほど、私に優しく接してくれて
楽しい生活を送っていたのに
嘘でしょ
冗談でしょ
昇平さんは冗談が好きだったから・・・
昇平さん・・・
思いだして下さい


翌日

昇平さん
おはようございます

おはよう
咲子さん

本当に覚えていないのですか

申し訳ありません

大丈夫です
ゆっくり思いだして下さい

ありがとうございます

今日もお弁当を持って参りましたので
食べてくださいね

ありがとう



昇平さ〜ん

美恵子さん
おはようございます

昇平さん
ごめんなさい
今日はお弁当を作る時間がなかったの
多分、美味しくないと思うけど
咲子さんのお弁当で我慢してね

美恵子さん
それは言い過ぎだよ

あら、ごめんなさい
それでは、私は今日は出張なの
咲子さんもよ
足手まといにならないでね

はい・・・
わかりました
昇平さん
お弁当は冷蔵庫の中に入れてありますから

ありがとう



土木作業場にて



昇平、そっちの方はどうだ

はい・・・

どうした
今日は昼から顔色が悪いぞ

胃が先ほどから痛くて
工場長
トイレに行かせてください

大丈夫か

痛いです

おい、嘔吐と下痢があるんじゃないか

はい、実は・・・

よし、今日は仕事はもういい
病院へ連れて行こう

ありがとうございます
申し訳ありません・・・・

おかしいな
午前中はあれだけ元気があったのにな


病院にて

先生、どうですか

ああ、軽い食中毒だな
１時間くらい点滴をしよう
終わったら、自宅で安静にしていなさい

申し訳ありません
工場長

仕方ない



工場にて

昇平さん
大丈夫ですか
班長から話を聞いて
食中毒だそうで
そういえば
今日は咲子さんのお弁当を食べたのよね

ああ

咲子さん
あなた、お弁当に何を入れたの
まさか
一昨日とかの唐揚げでも入れたんじゃないの

違います
私は早朝に新鮮な食材を買って作りました

昇平さん
お弁当に唐揚げが入っていませんでしたか

ああ、そういえば・・・

ほら、みて
咲子さん
あなたは、昇平さんを殺す気

そんなことはありません
それに、今日は唐揚げは入れていません

昇平さん
お弁当を見せて

ほら、唐揚げが入っているじゃない

それは、私のお弁当箱ではありません

あなたは嘘つきね
お父さん
咲子さんをクビにして

咲子さん
本当に違うのか

はい、これは私のお弁当箱ではありません

困ったな

お父さん
困ったじゃないでしょ
これは事件よ
警察に通報しないと

違います
嘘ではありません

咲子さん
悪いがしばらく事実がわかるまで
仕事を休んでくれ

わかりました
工場長・・・・