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2018年03月10日

キリストを刺した聖槍「ロンギヌスの槍」に世界が震えた!



ロンギヌスの槍はゴルゴダの丘で磔刑に処せられらイエス・キリストの死を確認するため脇腹を刺したとされる槍のことで、イエスの血がついた聖遺物として扱われている。
様々な奇跡や言い伝えが存在するロンギヌスの槍。
1つづつ見ていこう。

名前の由来
槍を刺したローマ兵の名をとって「ロンギヌスの槍」と呼ばれている。
ロンギヌスとは人名なのだ。
この人物、白内障を患っていたが槍を刺した際滴ったイエスの血が目に落ちると視力を取り戻した。
それを契機として彼は洗礼を受け後に聖者(聖ロンギヌス)と言われるようになった。
後にカッパドキアで捕らわれ改心するように言われるが拒否して斬首刑にされた。
ロンギヌスは殉職者として崇敬されバチカンには槍と共に「ロンギヌス像」が飾られている。
尚、名前に関しては兵卒の名前だという説のほかに、ギリシャ語で槍を表す「ロンケー」が訛ったのだとする説、長い槍だったため「ロング」が訛ったとする説、古代ローマにはロンギヌスは「暗殺者」という意味があったとする説なども存在する。
名前だけでも諸説ある、興味深い逸品である。

世界を制する力
所有する者に世界を制する力を与え、逆に失うと所有者は滅びるとされる。
例えば、8世紀の西ローマ帝国の皇帝シャルルマーニュは、槍を手にして以来47回の戦いに勝利したとされるが、ある時槍を落としてしまい、直後に死亡したと言われている。
アドルフ・ヒトラーの野望は彼がウィーンのホーフブルク王宮で、聖槍の霊感を受けた時より始まるという説がある。
1938年、ハプスブルク家の財宝もろともロンギヌスの槍を手に入れ、その翌年にポーランドへ侵攻し第二次世界大戦の切っ掛けを作ったのだ。
また、ナチス・ドイツ時代に聖槍などの帝国宝物をニュルンベルクへ移管したのは、神聖ローマ帝国の後継者であることを示すためという見解もある。
そして、1945年米軍のウォルター・ウィリアム・ホーン中尉にロンギヌスの槍を奪われ、それから僅か80分後にベルリンの地下壕で拳銃自殺をしたという。

槍の捏造
現在、ロンギヌスの槍と伝えられているものは、ウィーンのホーフブルグ宮殿で展示されているものをはじめ数本存在するが、どれが本物であるか、あるいはその全てが偽物であるかは今のところ判明していない。
その背景に槍の捏造がある。
前述のように槍の入手は即ち勝利であり、戦時下において兵の士気を高めるために槍を発見した、という情報を流したというものである。
実際11世紀にイスラム軍に対して劣勢であった十字軍に槍の発見が報じられたという逸話がある。

本物はどこに
「南極大陸に眠っている」・「ドイツが保有している」・「既に失われた」・「そもそもそんなものなかった」所在に関しても諸説ある。
聖書に立ち返ってみると「ロンギヌスの槍」等というものは登場していない。
「ヨハネによる福音書」に短く「兵卒が十字架にかけられたイエス・キリストの遺体を槍で刺したところ、血と水が流れ出した。」という記述があるが、ロンギヌスという兵卒云々は聖書にはまったくもって含まれておらず、その後どうな多加という記載も一切ない。
「作り話が伝説として流布しただけ」と取るか、「聖書にも記載されなかった隠された真実が伝承された」と取るかは受け手次第といったところか・・・ 
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