2018年03月05日
宇宙最大の謎「ダークマターの正体」がとんでもなくやばい
ダークマターという名前を聞いたことがあるだろうか?
宇宙全体の3割ほどを占める物質だと言われているが何者なのかは未だに明らかになっておらず実は観測すらされたことがない謎の存在だ。
日本語では暗黒物質と略され何やら怖い・危ないイメージを伴う名前だが未知の物質・見えない物質であることからこの様に呼ばれている。
ダークマターとは何なのか?
今現在わかっていることをご紹介していこう。
ダークマターの始まり
なぜ、今まで観測したことのないダークマターの存在を知ることができたのだろうか?
1933年スイスの天文学者フリッツ・ツビッキーが、1000個以上の銀河を含む巨大なかみのけ座銀河団の質量を測ったことが始まりだ。
ツビッキーは運動の速さで求める力学質量と光の強さで求める光度質量の二種類の方法で質量の計測を試した。
その結果光度質量で出た質量よりも力学質量で出た質量の方が400倍も重く出たのだ。
ここから宇宙には観測できない(光を放たない)物質が沢山存在しているという事がわかった。
これをダークマターと呼ぶようになったのだ。
ダークマターとは何か?
では、ダークマターとは具体的にどんな物質なのだろうか?
現状わかっていることはまず光を放たないこと。
これは先ほども述べたように観測できないことから明らかになっている。
次に観測可能な星や銀河などの通常の物質に比べて5〜6倍に質量を持っていること。
これはここ最近の観測から明らかになってきた。
さらにダークマターは冷たい物質ということ。
熱い物質は非常に乱雑な動きをするがダークマターは安定した動きをしている。
銀河などが遠心力で分散せずに固まっているのはその周りにいるダークマターが冷たい体と言われている。
真っ暗で冷たく動かない重たい物体。。。
想像するとまさに闇そのもの。
ダークマターの有力候補
ダークマターの正体について今までいろいろな説が浮上してきた。
ブラックホールがダークマターという説があったが質量が少なすぎて候補から外れた。
現在有力な候補が2つある。
1つが超対称粒子だ。
この世界の物質を構成する最小単位素粒子の中でも素粒子同士でペアを組むことができるものを超対称粒子と呼ぶ。
その中でもニュートラリーノと呼ばれるものは質量がとても重くダークマターの特徴として知られる条件を全て満たしている可能性があると言われておりダークマターの正体の有力候補だ。
もう1つがアクシオンと呼ばれる素粒子でこちらはまだ発見されていない仮説上の存在だ。
こちらは、ニュートラリーノと比べると質量は非常に軽い。
しかしアクシオンの存在が解明されれば宇宙の解明に大きくつながるため研究が進められている。
ダークマターの最新研究
この未知なる物質ダークマターを明らかにすることが宇宙の謎を明らかにする大きな一歩であることは理解いただけただろう。
そのため何とかダークマターの存在を明らかにしようと世界中で様々な取り組みが進められている。
1つはXMASS(エックスマス)実験。
キセノンと呼ばれる液体を大きな検出器に入れ地中深くに埋めた装置で実験する。
キセノンという液体はダークマターとぶつかると光を放つと予想されているためその光を観測することでダークマターを検出しようとする試みである。
実は日本の岐阜市の地下にXMASSは埋められている。
未だにダークマターを検知できてはいないが今後に期待したい。
またXMASSと同じような実験がアメリカでも行われている。
CDMS(シーディーエムエス)と呼ばれダークマターが衝突した時の揺れである反跳(はんちょう)と呼ばれる反応を検知することでダークマターを解明しようとしている。
もう1つスイスのジュネーブにあるLHC(大型ハドロン衝突型加速器)と呼ばれる装置がある。
ここでは高エネルギーの衝突を起こさせ宇宙誕生後を再現することで宇宙の謎を解明しようとしている。
ダークマターも宇宙誕生後産まれたといわれているためLHCでダークマターの謎も解明出来ると期待されているのだ。
謎に満ちたダークマターの正体は少しずつ明らかになってきており今も研究実験は続けられている。
今後の研究でダークマターの正体が明らかになれば宇宙の謎解明の大きな一歩となる。
ダークマターはニュートラリーノかアクシオンがはたまた全く別の物質かもしれない。
ダークマターの正体が明らかになれば宇宙がもっと身近な存在になるかもしれないと思うと非常にワクワクしてくる。
ダークマターの正体が解明できることを信じ今後の研究に期待しよう。
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