2018年03月22日
ヨーロッパを支配した名刀「ウルフバート」に世界が震えた!
ヨーロッパの広域の戦場を支配した剣、謎の名匠による1000年先の技術の剣「ウルフバード(Ulfberht)」
西暦800年から1050年ごろ極限られた精鋭バイキングしか持つことができなかったと言われる名刀です。
この名刀、純鉄でできていますが、当時に純鉄を作る技術はまだなくヨーロッパにおいて純鉄に改めてお目にかかれたのは少なくとも1000年後でした。
何故、ウルフバートという刻印があるのかも未だ謎で生産地の名前ではないかとか本物の名刀であるという出所の証明ではないかなど、推測の域を出ません。
今回はそんなオーパーツともいうべき謎多き名刀についてご紹介していきたいと思います。
現代の技術でも再現不能
ウルフバードは坩堝鋼(るつぼこう)と呼ばれる最も純度の高い鉄で作られていますが、鉄をここまで熱するための炉は産業革命で初めて発明されたと考えられています。
また、現代の鍛冶職人が忠実に同じような剣を作ってみようと試みてみましたが、行程が複雑で非常に難しいと言います。
今から1000年以上も前にどのように作られたのでしょうか?
フランク王国
ウルフバードは200年以上に渡って出現しているため1人の職人によるものではないのは明らかであり、最近の研究によると「ウルフバード」というのはフランク語であると学者たちは言います。
では、フランク語とは何か?
というと、フランク王国という5〜9世紀にかけて西ヨーロッパを支配したゲルマン系の王国で話されていた言葉です。
フランク王国は現在のフランス・イタリア北部・ドイツ西部・オランダ・ベルギー・ルクセンブルク・スイス・オーストリア及びスロベニアに相当する地域を支配しイベリア半島とイタリア半島南部、ブリテン諸島を除く西ヨーロッパのほぼ全域に勢力を及ぼした大陸です。
キリスト教を受容し、ローマ・カトリック教会と密接な関係を構築したことから、西ヨーロッパにおけるキリスト教の普及とキリスト教文化の発展に重要な役割を果たしました。
そして、ウルフバードに刻まれる十字架はローマ・カトリック教徒との密接な関係を表していると思われます。
教会は武器の主要な製造販売者だった事も知られています。
ウルフバードの名の前に刻まれたギリシャ十字は司教と神父のみが使う慣わしがあったのでウルフバードは司教か神父・若しくは僧院の名前だったかもしれません。
ドイツの修道院にいた1人の天才的修道士が作ったという線で更なる調査が進められているという話もあります。
研究者たちはウルフバードは最も古い登録商標、高品質の証であったとも言います。
1000年前と1000年後を行ったり来たりするようなミステリアスで無敵の剣ウルフバード。
何ともロマンティックではないでしょうか。
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