2017年10月28日
田原総一郎ブログ 小池百合子の本当の目論見は、どこで外れたのか?
田原総一郎ブログ より内容の全てに賛成ではないが 読む価値のある文章だ。 田原さんの視点は 他の人が設定しない位置にある。 そして 歴史観が優れている。 野党がすることをなくしてしまうのが 自民党の戦略と言えなくもないが、 それはある意味では 当然のことで オリジナルが 自民党だろうが野党だろうが 良いと思うことは なんでもやるというのは 基本的に正しい。 自民党は野党のアイデアに 何か少しの変化やオプションを加えて 政策にしてしまうこともある。 だから野党も そういったことをやればいいのに 何かこだわりがあるのかやらない。 だから 憲法改正は賛成だが 安倍政権の下の改正は反対などと わけのわからないロジックに迷い込んでしまう。 それは確かに 今までの解釈改憲とか 安保法制の扱いに それなりの問題を感じ その延長線上であることを根拠に 安倍政権の下では となるのだろうが 普通に聞けば 反対のための反対ととられかねない。 むしろ 改憲案の中身で もっと 主張をはっきりさせるべきところだ。 小池さんのことについては 大きな尺度で見れば まだ成功もしていないし 失敗もしていないと見るので 田原さんの論に 賛成も反対もしない。 しかし これは半分妄想だが 小池希望の党が 大勝利をおさめていたら どうなっていたかを 考えると ちょっと恐ろしい気がする のも確かだ。 旧民進党の 議員の多くは 小池さんを差し置いて 自分たちの力であることを 誇示するだろう。 そして 結局主導権を得ようとして ガバナンスの効かない 民進党と同じ状態に なっていたのではないかと 希望の党の 両院懇談会の様子を聞けば 想像できる。 つまり 選挙に勝っても負けても 選挙後の両院懇談会は あまり変わらなかったと思っている。 だから 長い目で見れば 希望の党は まだ始まってもいないし 終わってもいない。 旧民党出身者は なにをやっても 結局自分たちの支持を 落とすだけなので とりあえず好きなことを してればいい。 旧民進党出身者が 妥当安倍政権と言えば言うほど 安倍政権は 延々と続くのではないか と思われるほど レベルが低い。 救いようがないことが 希望の党にいったことで さらに明らかになった。 もう一つ 田原さんの論に 異論を挟むとすれば 安倍政権の評価であるが そもそも世論調査で出てくる 数字は 安倍政権に限って言えば かなり あてにならないのではないか ということだ。 安倍政権支持を隠す人は 案外多い。 (トランプさんもそうだったようだが 中身の意味はかなり違うと思うが) 結局安倍政権が続いて欲しいと 思ってはいても 正面切って支持しているとは 言いたくない心理があるようだ。 それがなぜかは 一概には言えないが 一つには 安倍首相には多少右翼的なイメージが絡むため 素直に支持していると言いづらい面がある。 また 経済的な恩恵をある程度受けている場合 隠しておいてさらに頑張って欲しい、 また、支持が高くなりすぎると 経済政策が緊縮の方に向かうのではないかと 考える人もいるようだ。 とにかく安倍さんは 女性にはわかりにくいと 感じられてしまうし 硬くて真面目な性格だから 小泉さんのような 人気というわけにはいかないと思うが 実は確実に安定感を むしろ強めているのではないか もりかけ問題にしても 多くの人は批判はしても 本当に大変な問題だとは 思っていない。 むしろそのために やめてもらっては困るという人が 今回の大勝利に つなげたのではないかとも考える。小池百合子の本当の目論見は、どこで外れたのか?
第48回衆議院選挙が22日、投開票された。 与党は、自民党、公明党あわせて 313議席という勝利に終わった。 安倍晋三首相は、 「衆院選、勝敗ラインは与党過半数」 、 つまり自公あわせて 233議席以上と言っていたのだから、 3分2を超える議席の獲得は、 大勝利と言っていいだろう。 自民党が一時の劣勢から、 ここまで挽回した要因はいったい何なのか。 ひとつ目は、 自民党が成果としてアピールした 「アベノミクス」に、 各党が対案を打ち出せなかったことだ、 と僕は思う。 以前にも話したことだが、 アメリカ、イギリス、フランスなど、 欧米の先進国は2大政党だ。 ひとつは、自由経済をうながし、 政府は社会に深く介入しない、 つまり小さな政府を目指す 「保守政党」。 対する 「リベラル政党」は、 社会保障に厚い大きな政府を志向する。 保守政党の政権で 自由競争が続くと格差が広がり、 不満が高まる。 そこで選挙を行うと、 社会保障が厚いリベラル政党が勝つ。 政権をとったリベラル政権は、 社会保障や福祉に、 どんどん税金を投入する。 当然、財政が悪化する。 そこで財政再建のため、 小さい政府を志向する保守政党が 次の選挙では勝つ。 こうして、政権交代が起きていくのだ。 だが自民党というのは、 保守政党でありながら、 経済面ではリベラルだ。 自由経済主義ではないのだ。 これは、 日本人が自由経済を嫌いなことに要因がある、 と僕は考えている。 だから、 かつて竹中平蔵さんらが 「新自由主義」を掲げたとき、 国民はたいへんな拒否反応をみせたのだ。 そのため日本の政党は、 自民党を含めてみんな 経済面ではリベラルになった。 みんなリベラルなのだから、 野党が対案が出せないのも仕方ないだろう。 いま、自民党は消費税を2%引き上げ、 10%にしようとしている。 これに対して、野党はもちろん大反対だ。 だがしかし、 そもそも消費税を10%にするということは、 三党合意で決定したことだ。 民主党の野田佳彦政権のときのことである。 だから、野党の態度は、 反対するための反対に思えるのだ。 そもそも欧州では、 消費税率20%前後が当たり前である。 日本の財政を考えても、 消費増税反対には まったくリアリティがない。 さて、 自民党が挽回した要因の もうひとつの理由だ。 それは、 東京都知事の小池百合子さんにある、 と僕は考えている。 希望の党と民進党が合流した際、 「全員を受け入れる気はさらさらない」と、 小池さんが言った。 この冷たい発言が、 最後まで尾を引いた。 なぜ、こんな言い方をしてしまったのか。 実は、この発言の前に小池さんは、 若狭勝議員と細野豪志議員が 画策していた新党立ち上げについて、 ばっさりと 「リセットします」と言い放っていた。 ここまでは、 メディアにも国民にも受けていた。 小池さんは これに気をよくしたのではないか。 だから、 わざと厳しい言い方を してしまったのではないか。 希望の党が野党第1党となり、 自公が過半数割れすることを 小池さん自身、 目論んでいたのだろう。 もっと言えば、 安倍首相が退陣、 石破茂さんがそのあとを引き継いだところで、 自民党と連立する、 という青写真だ。 以前、僕は、 「『小池さん』という人は、 非常に不思議な存在だ」 「党にビジョンがなくても、 「小池さん自身がビジョンになれる」 と書いたことがある。 小池さん自身が、 「希望の党」の象徴なのだ。 だからこそ、この発言は痛かった。 今回の選挙は、 与党の勝利に終わった。 だが国民は、 安倍政権を選んだのではない。 ほかに選択肢がなかっただけだ。 そのことを、 安倍さんは肝に銘じてほしい。 長期政権のゆるみから、 森友・加計学園問題が起きた。 一時は政権の危機になった。 そのことを、 安倍さんはちゃんと自覚しなければならない。 いい気になってはいけないのだ。
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