2015年02月24日
弱さの思考 〜たそがれを抱きしめる〜
弱さの思想 高橋源一郎+辻信一共著
―われらは柔和な道と非暴力の心を求める、小さいものはすばらしい。(シューマッハー著「スモール・イズ・ビューティフル」)
こうした観点に立てば、環境危機とは、
科学・技術や金融工学によって
次々に人間の有限性を突破していくという現代の物語が
必然的に生み出した結末だということがわかる。
とすれば、この危機を超えていくのは、もう一度、
スロー、スモール、シンプルという制約の中にある
それぞれのあり方に立ち戻るしかない。
言い換えれば、「弱さ」をもう一度わがものとして
抱きしめることが必要になるのだ。
「制約」を突破する「強さ」(フォース)を偏重するのが
文明というものだとすれば、文化人類学で言う「文化」の中にこそ、
「制約」という「弱さ」を受け入れ、抱きしめ、
それをポジティブな力(パワー)へとかえる智慧が秘められているのではないか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私たちが生きているこの地球上で一体何%の人びとが「強者」といえるのだろうか・・・
「強者」の中に大きな弱点があり、
「弱者」の中に小さな強さがあり、
3.11以後、私たちの「強弱」の基準は根こそぎ揺らいだのかもしれない。
「寛容」という美徳を忘れ、「強者」の振りをしている者が
圧倒的に多くなった現代で、実に優しさがしみわたる本である。
新品価格 |
―われらは柔和な道と非暴力の心を求める、小さいものはすばらしい。(シューマッハー著「スモール・イズ・ビューティフル」)
こうした観点に立てば、環境危機とは、
科学・技術や金融工学によって
次々に人間の有限性を突破していくという現代の物語が
必然的に生み出した結末だということがわかる。
とすれば、この危機を超えていくのは、もう一度、
スロー、スモール、シンプルという制約の中にある
それぞれのあり方に立ち戻るしかない。
言い換えれば、「弱さ」をもう一度わがものとして
抱きしめることが必要になるのだ。
「制約」を突破する「強さ」(フォース)を偏重するのが
文明というものだとすれば、文化人類学で言う「文化」の中にこそ、
「制約」という「弱さ」を受け入れ、抱きしめ、
それをポジティブな力(パワー)へとかえる智慧が秘められているのではないか。
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私たちが生きているこの地球上で一体何%の人びとが「強者」といえるのだろうか・・・
「強者」の中に大きな弱点があり、
「弱者」の中に小さな強さがあり、
3.11以後、私たちの「強弱」の基準は根こそぎ揺らいだのかもしれない。
「寛容」という美徳を忘れ、「強者」の振りをしている者が
圧倒的に多くなった現代で、実に優しさがしみわたる本である。
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タグ:#弱さ#たそがれ
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