海外でも話題になっている、車乗り放題、「愛車サブスクリプションサービス」のレクサス版、「KINT SELECT」がいよいよ発表となりました。
https://newsroom.toyota.co.jp/jp/corporate/26466090.html
流行りの”サブスクリプションサービス”(定額・使い放題等)ですが、同ジャンルとして先行するサービスとしては、中古車販売店の「ガリバーインターナショナル」が先行実施している「NOREL」などがありますね。
トヨタ自動車では2018年11月1日に、本件に関する先行アナウンスをしていました。
(当時のニュースリリースはこちら)
https://newsroom.toyota.co.jp/jp/corporate/25169229.html
このときの質疑応答では「レクサスへの対応は未定」と言葉が濁されていましたが、本日(2/5)のニュースリリースではレクサス専用プラン(「KINT SELECT」)の導入も発表され、すでにレクサス専用サイトが先行オープンしています。
https://kinto-jp.com
「KINT SELECT」、非常に気になるサービスですが、まずは概要をまとめてみました。
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■月額:180,000円(+消費税)
■期間:36ヶ月。ただし、6ヶ月毎に新車乗り換えが必要
■対象車種:IS、RC、RX、UX、ES、NXのハイブリッド車。
■対象グレード:車種ごとに固定(”F SPORT”または”version.L”)
■駆動方式:車種ごとに固定(現時点では東京エリアということもあり2WD車のみ)
■メーカーオプション:車種ごとに固定(ムーンルーフ、BSM、クリアランスソナー等)
■ディーラーオプション:車種ごとに固定(フロアマット、ドラレコなど)
■ボディカラー:基本的にホワイト系、シルバー/ソニックチタニウム
■登録費用:不要(月額料金に含まれる)
■任意保険:不要(月額料金に含まれる。車両保険は免責5万等)
■自動車税:不要(月額料金に含まれる)
■オーナーズデスク:使用可。当然ラウンジサービス等、新車同様のサービスを受けられると思われる。
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月額料金は一見高く見えますが、ほぼすべて「コミコミ」(含まれていないのは、駐車場代金やガソリン代ぐらい?ということや、リセールヴァリューを気にする必要がないので、経費で落とせる方にとっては新たな選択肢と言えます。
たとえば、新型車投入が決まっている車や、モデル末期のクルマに気軽に乗れるというのも考えようによっては良いかも・・・(例えば、今から「RX」や「IS」を新車で購入するのは気になる方も多いでしょう)
また、週末乗車に限定しても、「1日あたり2万円前後」(1ヶ月に10日間乗車)と考えれば、高価なレクサス車を「購入」するのに比べれば、実はそれほど高価ともいえないかも?)
反面デメリット(留意事項)もあるようです。
■半年ごとに乗り換えが必要。(新車)
→その都度、車庫証明の取得などの新車納車手続きが必要
(※再度同じ車種を選択することも可能とされていますが、「継続使用」はできないものと思われる)
■好みの仕様、内外装カラーが選択できない
→これはやむを得ないと思います。乗り換えた車種は認定中古車(CPO)に下ろされると思いますので、基本的にリセール率が高い仕様に固定されているようです。「青」、「赤」などのボディカラー、レアな内装カラーは選択できません。
現時点(2019/2/5)で確認できるのは以下の車種(東京エリアということもあり、「AWD」はなし。)
・IS300h ”F SPORT” FR
・RC300h ”F SPORT” FR
・ES300h "version.L" FF
・UX250h ”F SPORT” FF
・NX300h ”F SPORT” FF
・RX450h ”version.L" FF
・ここに「GS」、「CT」が含まれていないのに気づいた方は鋭いっ!!(もう何を示しているかがなんとなく分かりますね・・・。本来ですと「若者層」や「免許返納が近い方」などにも使いやすいサイズの「CT」や、ビジネスユースとしても活躍する「GS(GS300h)」はこのサービスには適しているはずなので・・・。)
■カスタマイズ不可、サーキット走行不可
→半年ごとに新車に変わるのでカスタマイズは不可です。当然「TVキャンセラー」なども不可でしょうね・・・(わからないと思いますが)
■走行距離に一部制限あり
→1ヶ月「1500km」、6ヶ月で「9000km」の制限があり、それを超える場合は別途距離別精算が必要な模様。
■ペット乗車・喫煙不可
→これもやむを得ないとは思います。車両のリセールバリューの低下につながることは不可とされています。
■所有名義は株式会社「KINT」
→当然ですが、まさに「リース」ですので、車検証上の所有者はサービス利用者には帰属しません。
また、現時点では正式な申し込みや契約に関する約款等の確認ができませんが、急に転勤や海外赴任となった場合の「中途解約」の手続きは不明です。
わざわざ貴重な時間を割いて当ブログを閲覧いただいていらっしゃる大多数の方は「愛車」として、おクルマに愛着を持っていらっしゃると思いますので、「半年ごと乗り換え」・「カスタマイズ不可」・「選べるカラー、グレードは原則固定」というのは制約が多いと思われますので、実際にこのサービスに移行される方はそれほど多くないと思います。
しかし、「車のジャンルにかかわらず新型のレクサス車を味わいたい」という方や、「定期的に転勤・海外赴任の予定がある」、「(年齢が若く)自動車保険の等級が低い」、「運転に慣れたいのでボディサイズを徐々に大きくしたい(UX→NX→RXなど)」という方にとっては、月額料金が固定で、様々なジャンルのレクサス車(しかも新車!)に乗り換えられるのは魅力的なサービスと言えるのではないでしょうか。
現時点では「リセール・ヴァリューが高い」車種・グレード・カラーの構成ですが、これに趣味性の高い「ガソリンエンジンモデル」や「Fモデル
」、高額な「Lモデル」といった派生プランなどもサービスが軌道に乗れば、将来的に展開される可能性はありそうです。
リンク画像さて、レクサスの2018年度の販売実績は、日本開業以来、過去最高となり、ついに「55,000台」を突破しました。
納車が本格化するES、UXに加え、今夏にマイナーチェンジが予定されている「RX」の投入と愛車サブスクリプションサービスの「KINT SELECT」で2019年販売台数はさらに上乗せが期待されますが、販売会社(ディーラー)から見ると、新車販売と、このサブスクリプションサービスで得られる収益については当然問題になるものと思います。(原則値引きがないレクサス車においては、新車販売して、3年毎に買い替えてもらうほうが利益が高いのは言うまでもないでしょう)
また車検や部品交換で販売店が定期的に得られる収益も一時的には低下するものと思いますし、CPO車両が増えることによる既存車のリセールバリューにも少なからず影響があると思います。(例えば、この「KINT SELECT」で、最初に「UX250h」を選択するとすると、2019年の夏には、確実にCPO車両としてUX250hが一定数投入されることになる。)
そのため、まずは、トヨタ自動車が100%出資している「トヨタ東京販売ホールディングス」(2019/4/1から「トヨタモビリティ東京」と改称)傘下の東京エリアのレクサス販売店でテスト・スタートするのは自然な姿と言えるでしょう。
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