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事実婚での相続問題

事実婚でのデメリットの1つに相続があり、相続をするという行為は事実婚の場合は認められません。
他の権利に関しては普通の婚姻と変わらないのですが、相続が事実婚に準用されることはないというわけです。
普通、事実婚と違って、婚姻関係にある夫婦の場合、夫がなくなると妻には法定の相続が行われます。
しかし事実婚だと、そうした相続の手続きができず、同居の男性が亡くなった場合でもお相手の女性は相続ができません。
子供がいる事実婚の人が亡くなった場合は、子供に対して遺産がいきますが、子供がいない場合は他の相続人に相続されてしまうということになるのです。
とくに年金については、事実婚の扱いは、ほぼ普通の法律婚と変わらないようになってきています。
具体的には、事実婚であっても、妻が専業主婦で年収が130万円以下なら第3号被保険者と認められます。
この場合、年金保険料を支払う必要はなく、まさしく事実婚でも法律婚でも同じというわけです。

事実婚では、夫が亡くなった場合の遺族年金の権利についても、法律婚と同じように享受することができます。
また、事実婚を解消した際でも、年金分割や財産分与、そして慰謝料を請求する権利も法律婚と同様に認められています。
そんな中、法律婚と違って唯一、事実婚で認められていないのが相続なのです。
籍を入れていない事実婚には相続権は認められておらず、いくら長い夫婦生活の実績があってもそれは認められません。
つまり、長く同居しても実態が夫婦関係と認められても、婚姻届を提出していない事実婚では財産を相続する権利はありません。
事実婚に相続する権利がないというのは案外大きく、マイホームの相続権などもないので、自分が他界した後は、兄弟、甥、姪などに相続が発生することになります。
要するに、事実婚では、妻に財産を相続させたくても、それができないという事態が起こるのです。

事実婚でどうしても妻に財産を残したい場合、方法がないわけではなく、遺言を書いておけばそれが認められます。
生前に妻に財産を残すという遺言を書いておけば、事実婚の関係であっても妻に対して財産を分け与えることができます。
しかし、相続の遺留分については、事実婚では難しく、仮に父母が既にいない場合のみ、全額妻に資産を残すことができる形となります。
ただ、夫の父母や祖父母が生存している場合は、事実婚の場合に資産の3分の1は遺留分という形になってしまいます。
つまり、この場合、事実婚で遺言を書いたとしても、妻に対しては財産の3分の2しか残すことができません。
しかし最近では、事実婚であっても、生計を一にしていることに変わりはないということで、いろいろな権利が認められるようになりました。

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