2016年07月18日
いくら歳を重ねても迷いは消えない「マリーゴールド・ホテル幸せへの第二章 ’15」劇場公開2016年3月
ジュディ・デンチ81歳、マギー・スミス81歳、ビル・ナイ66歳、リチャード・ギア66歳に加え監督のジョン・マッデンも66歳でオールド・スター・キャストの人生哲学コメディ。
インドにあるボロホテル「マリーゴールド・ホテル」にはイギリス人男女5人が長期滞在していた。欧米人はこういう長期滞在型が多い。スリランカへ旅したときも、一軒一軒広い庭と独立した区画のリゾート・ヴィラに4日間も滞在中のイギリス人女性二人がいた。
朝になると若き経営者ソニー(デヴ・バテル)が名前を呼ばわって生きているか確かめる。そういう配慮の必要な高齢者であってもほのかな恋心と無縁ではない。
イヴリン(ジュディ・デンチ)とダグラス(ビル・ナイ)。後からやってきたアメリカ人のガイ・チェンバース(リチャード・ギア)とソニーの母親カプー夫人(リレット・デュベイ)とのロマンス。
若きソニーには二軒目のマリーゴールド・ホテル開業の夢とフィアンセのスナイナ(ティナ・デサイ)との結婚に心を砕いていた。
老いも若きも愛を求める。クライマックスの結婚式で、いずれのカップルもハッピーエンドになる。人間は恋をすると元気になるし、元気でないと恋ができない。その恋は苦しいもの。60代以上となると幾多の恋の甘い味や、苦い味も知り尽くしている。それでも彼又は彼女に心のうちを明かすべきかと悩む。
ダグラス(ビル・ナイ)がソニーに捧げるスピーチで詩を引用する。「旅の興奮に休息はない 人生の美酒を飲み干そう 世界を貪欲にさまよい全ての時を楽しむ 多くを見聞し見たものすべてを糧にする 時は無限に流れ一生はあまりにも短い 私はつかの間 永遠の沈黙からその一瞬を手に掴む その一瞬は私にもたらす 未知なる新しいものを」
これはソニーへの贈る言葉ではあるが、イヴリン(ジュディ・デンチ)への愛の告白でもある。こういう詩に気持ちを託すというのは、知性と品格と経験が裏打ちとなっているのだろう。ビル・ナイに見事にマッチしていた。
この結婚式のハイライトはソニーたちのダンス。日本の盆踊りを連想させる賑やかさにロックンロールの味付けで盛り上がる。
インドが舞台ではあるがインド半島の先端インド洋に浮かぶスリランカの旅を思い出した。この映画にも出てくる「スリーウィラー」という乗り物。あの小さな三輪車が多くの荷物が積めるのに驚いたものだ。乗り心地は決していいとはいえないが。ゴールの見えた人生、飲んで踊って恋して……これがいいようです。
監督
ジョン・マッデン1949年4月イギリス、ポーツマス生まれ。
キャスト
ジュディ・デンチ1934年12月イギリス、ヨーク生まれ。
マギー・スミス1934年12月イギリス生まれ。
ビル・ナイ1949年12月イギリス生まれ。
デヴ・バテル1990円4月ロンドン生まれ。
ティナ・デサイ出自不詳。
リレット・デュベイ1954年5月インド、ボンベイ生まれ。
リチャード・ギア1949年8月ペンシルヴェニア州フィラデルフィア生まれ。
ご面倒ですが、クリック一つで私は幸せになります!
にほんブログ村
マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章 2枚組ブルーレイ&DVD【初回生産限定】【Blu-ray】 [ ジュディ・デンチ ] 価格:3,231円 |
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/5258999
この記事へのトラックバック