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2019年04月12日

サヴァンの脳力

最終的には、心の働きの脳内メカニズムについて述べていきます。

脳の疾患と脳力

サヴァンの脳力

脳の機能障害とともに驚異の才能が現れる『サヴァン』

1789年、トマス・フリーという不思議な人物がアメリカの精神医によって文献で紹介された。
彼は数を数えるのがやっとなのに、ある時「70年と17日半生きた人は何秒生きたことになるのか」
と質問をされ、約1分半後に暗算で正確な答えを出した。

彼のように、その人の全般的な能力とは大きくかけ離れ、かつ一般の人にはない驚異の脳力を持つ人たちは
『サヴァン(savant)』、その症状は「サヴァン症候群」と呼ばれる。
サヴァンとは、フランス語の「知る」という動詞から派生した「優れた知能の人」という意味の英語だ。

サヴァンの人は自閉症患者(生まれつき脳の機能障害により、コミュニケーション障害などを持つ)に多く、
自閉症患者の数%〜10%がサヴァンと報告されている。
ただし、生まれた後に、病気や事故によって、脳に損傷を負い、サヴァンになる場合もある。
サヴァンの絵.jpg

サヴァンの人は様々な分野で能力を発揮する。
音楽の分野では、ピアノを一度も習ったことがないのに一度聴いた曲を再現して弾いたり、
作曲できたりする人がいる。
美術の分野では、走り去っていく動物の姿を完全に再現した彫刻像を作ったり、一瞬見ただけの複雑な景色を
描いたりできる人がいる。
数学の分野では、凄まじい速さで計算をしたり、教わらなくとも瞬時に素因数分解ができたりする人が
いるのだ。

これらの能力と合わせて、ほとんどのサヴァンの人が驚異的な記憶力を持つ。
地図、歴史上の事実、電車やバスの時刻表、本を丸ごと1冊分など、膨大な情報を記憶できるのだ。
ずば抜けた記憶力は単独で現れる場合もあれば、芸術的才能と合わせて発揮される場合もある。

サヴァンの人の能力で最も多いのはカレンダー計算能力だ。
過去、未来にわたり、ある日が何曜日であるかを瞬時に知ることができ、過去4万年、未来4万年分の日にちに
ついて曜日を答える人たちもいる。
この能力については、カレンダーに強い興味を持ち続けて長く観察している間に、オリジナルの数学的な規則を見つけ、無意識にその規則を使って答えているのではないか、という仮説がある。

一度見ただけの風景を絵画に

イラストは、スコットランドの画家リチャード・ワウロ(1952〜2006)が描いた作品だ。
彼は幼い時から自閉症的な行動を示していた。
6歳で子どもセンターに入ってからクレヨン画を始めると、すぐに才能が現れた。
彼は、テレビや本でたった一度見ただけのイメージを使って絵を描いたのだ。

参考文献:ニュートン別冊 脳力のしくみ 2014年7月15日発行
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総合診療科 医学博士 元外科学会専門医指導医、元消化器外科学会専門医指導医、元消化器外科化学療法認定医、元消化器内視鏡学会専門医、日本医師会産業医、病理学会剖検医
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