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2019年06月29日

やる気を起こさせる心理とは

最終的には、心の働きの脳内メカニズムについて述べていきます。

ニュートン別冊ゼロからわかる心理学 知れば知るほど面白い!心と行動の科学 から
 監修 横田正夫 2019年3月5日発行 ニュートンプレス

発達の心理学


やる気の心理

やる気を起こさせる心理とは

勉強をする、スポーツや習い事の練習をする
など、人は子供の頃から様々な努力を経験します。

勉強や練習を効果的の行うためには、
動機づけが重要になります。

例えば新しいことを知るのが楽しくて勉強するという人もいれば、
スポーツ大会で優勝するために練習を頑張るという人もいるでしょう。
金メダル受賞.jpg

興味があるから勉強をするといった好奇心、
より上手くなりたいという向上心、
活動そのものが好きといった楽しみ
など、活動自体から満足を得られる場合、
その動機づけは「内発的動機づけ」と呼ばれます。

一方、テストで良い点数を取ればお小遣いがもらえるというように、
その活動を通して別の報酬が得られるような動機づけは
「外発的動機づけ」と呼ばれます。

スポーツ大会で優勝するために練習する、
試験に合格すれば希望した大学に入学できる、
仕事でプロジェクトを成功させれば出世できる
といった例は、この外発的動機づけに当たります。

外発的動機づけでは、
自分以外のものによって自分の行動が左右されている
と感じられることから、
自分の医師で動いているという
感覚が弱くなる傾向があります。

また一度報酬をもらうと、
次から報酬がなければ努力をしなくなることがあります。

これを「アンダーマイニング効果」と言います。

そのため、内発的動機づけによる活動の方が
継続されやすいとされます。

ただし実際は、外発的動機づけから始めた取り組みが、
その後の人生に大きな影響を与えたり、
継続されて続けられたりすることも多いものです。

自分のつきたい職業のために
大学に行くという外発的動機づけは、
夢や生きがいにつながっていくでしょう。

また外発的動機づけから始めたことでも、
取り組み中でその活動の面白さに気づくこともあります。

そのため、どちらが良いと言えるものではありません。

努力が無駄であると「学習」する

どれだけ努力してもテストの点数が上がらない、
就職試験に落ち続ける、
上司になんども業務改善のアイデアを提案しているのに
受け入れてもらえない、
といった経験をしたことはありませんか?

このように、努力しても望む結果が
得られない状態が続くことで、
何をしても無駄だと考えるようになり、
その状態から抜け出そうと
考えることをやめてしまうことを
「学習性無力感」
と言います。

一度の大きな挫折よりも、
このような小さな挫折を積み重ねる方が、
無力感を生じやすいと言われます。

『自己効力感』

一方、これから取り組もうとする活動について、
「自分はできるだろう」
という確信のような感覚を持つことを
「自己効力感」
と言います。

このような感覚を持つ人は、
過去に似たような成功体験があったり、
他の人が取り組むのを見ていて
どうすれば成功するかを
シミュレーションできていたりします。

また気分を高揚させたり、
成功体験を想像したりすることも
自己効力感を持つために効果的です。

自己効力感があれば、
学習やスポーツ、
人間関係、仕事などに、
より自信を持って望むことができます。

人を動かす動機づけは2通りある

人が行動を起こすための動機づけには、
内発的動機づけと外発的動機づけがあります。

例えばオリンピックで金メダルを取ることは
外発的動機づけですが、
金メダルはそのスポーツをどれだけ極めたかの証であり
生きがいにもつながることから、
極めて内発的動機づけに近いとも言えます。

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タナカマツヘイ
総合診療科 医学博士 元外科学会専門医指導医、元消化器外科学会専門医指導医、元消化器外科化学療法認定医、元消化器内視鏡学会専門医、日本医師会産業医、病理学会剖検医
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