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2019年05月22日

5;基底核の機能;まとめ

最終的には、心の働きの脳内メカニズムについて述べていきます。

大脳基底核の機能;パーキンソン病との関連において

5;基底核の機能;まとめ

我々の行動は,認知情報の評価・情動や感情の表出・意欲〜意思の発動・行動計画〜運動プログラム・運動準備・運動遂行という一連のプロセスで発現する.基底核機能のまとめ.jpg


その際,辺縁系における認知情報の評価付けが重要であり,
その規範として「快・不快」の情報が大きな意味を持つ.

辺縁系で決定される「行動の基準」に基づいて,
前頭連合野では社会的範囲内での行動計画が練られ,
運動関連領域における運動プログラムの作成や運動準備を経て
一次運動野から随意運動の指令が脳幹・脊髄へと送られる.

基底核は,各々の大脳皮質─基底核ループを介して,この一連のプロセスに関与している.

また,基底核─脳幹系は随意運動に随伴する姿勢や筋緊張などの自動的な調節に関与する.

基底核内の神経回路の活動動態は,
これらの大脳皮質や脳幹の機能を適切に発現させるための時間的・空間的な枠組みを与えている.

そして,重要なことは,上記のいずれの過程にも中脳ドーパミン作動系が関与していることである.

複雑な順序運動はこれを反復することにより無意識な手続き運動へと変換され,
この過程には基底核が重要な役割を担う[32].

反対に我々は,通常意識に上らない自動的運動(歩行や筋緊張の調節)を意識的に調節することもできる.

基底核はあたかも,運動の随意性と自動性とを自在に操っているかの様である.

我々は歩きながら様々な思考を巡らせ,新たなプランを練ることができる.

基底核はもはや意識的な制御を必要としなくなった一連の運動制御過程を
皮質下の神経機構に任せてしまうことで,
我々の意識や注意,そして能力を新たな方向へ導く役割(創造への寄与)を担っているのかも知れない.

さらに適切な行動や思考の文脈性の獲得と形成にはドーパミンが深く関与している.

大脳基底核の研究で高名なMarsdenは,基底核の機能を,「学習された運動計画の自動的な実行に関与する」と推定した[41].

基底核疾患の運動障害の背後には,この様な高次脳機能の異常が存在すると考えられる.

【引用文献】
大脳基底核の機能;パーキンソン病との関連において
旭川医科大学 生理学第二講座 高草木 薫
参考文献
32.Hikosaka O, Nakahara H, Rand MK, Sakai K, Lu X, Nakamura K, Miyachi S & Doya K : Parallel neural
networks for learning sequential procedures. Trends Neurosci 22 : 464― 471, 1999.
41.Marsden CD : The mysterious motor function of the basal ganglia : The Robert Wartenberg Lecture. Neurology 32 : 514― 539, 1982.
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総合診療科 医学博士 元外科学会専門医指導医、元消化器外科学会専門医指導医、元消化器外科化学療法認定医、元消化器内視鏡学会専門医、日本医師会産業医、病理学会剖検医
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