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2023年11月12日

第13章 投資の国際的な側面:グローバル市場、為替、通貨危機、保護主義

 投資は、単に自国の市場に限定されるものではありません。世界中のさまざまな国や地域に投資することで、リターンを高めたり、リスクを分散したりすることができます。しかし、国際投資には、グローバル市場の動向、為替レートの変動、通貨危機の発生、保護主義の高まりなど、様々な側面に注意する必要があります。


グローバル市場

 グローバル市場とは、世界中の国や地域の市場が相互に関連し、影響し合うことを指します。グローバル市場では、商品やサービス、資本、労働などの要素が国境を越えて流通します。グローバル市場の発展には、経済の自由化やグローバリゼーション、技術の進歩、金融のイノベーションなどが寄与しています。

 グローバル市場に投資するメリットは、以下のようなものがあります。

・リターンの向上
 グローバル市場には、自国の市場よりも高い成長率や収益率を持つ国や地域が存在する可能性があります。また、グローバル市場には、自国の市場には存在しないような独自の商品やサービス、産業やセクターがあります。これらに投資することで、リターンを高めることができます。

・リスクの分散
 グローバル市場には、自国の市場とは異なる動向や特徴を持つ国や地域があります。これらに投資することで、自国の市場に依存しないポートフォリオを構築することができます。また、グローバル市場には、自国の市場とは相関の低い資産や市場があります。これらに投資することで、リスクを分散することができます。

 グローバル市場に投資する方法は、以下のようなものがあります。

・直接投資
 グローバル市場において、個別の株式や債券、不動産などの資産を直接購入することです。直接投資では、投資先の国や地域の市場や経済に関する知識や情報が必要です。また、取引コストや手数料、税金などの費用がかかります。

・間接投資
 グローバル市場において、投資信託やETF、ADRなどの投資商品を通じて、複数の資産や市場に分散投資することです。間接投資では、投資商品の運用者や発行者が市場や経済に関する知識や情報を提供してくれます。また、取引コストや手数料、税金などの費用が低く抑えられます。

為替

 為替とは、異なる国の通貨の交換レートのことです。為替レートは、市場の需給や金利やインフレーションなどの経済指標、政治や社会の状況などの要因によって変動します。為替レートの変動は、国際投資に大きな影響を与えます。

 為替に関する用語は、以下のようなものがあります。

・基準通貨
 為替レートを表すときに、分子になる通貨のことです。例えば、USD/JPYの場合、基準通貨はUSDです。

・対象通貨
 為替レートを表すときに、分母になる通貨のことです。例えば、USD/JPYの場合、対象通貨はJPYです。

・スポットレート
 現在の為替レートのことです。スポットレートは、市場の需給によって常に変動します。

・フォワードレート
 将来の為替レートのことです。フォワードレートは、スポットレートと金利差によって決まります。

・直接レート
 基準通貨1単位あたりの対象通貨の数量のことです。例えば、USD/JPYの場合、直接レートは1ドルあたりの円の数量です。

・逆レート
 対象通貨1単位あたりの基準通貨の数量のことです。例えば、USD/JPYの場合、逆レートは1円あたりのドルの数量です。

・交差レート
 2つの通貨の為替レートを、第3の通貨を介して表したものです。例えば、EUR/JPYの場合、交差レートはEUR/USDとUSD/JPYのレートを使って計算できます。

 為替に投資するメリットは、以下のようなものがあります。

・リターンの向上
 為替レートの変動によって、自国の通貨に対して他国の通貨が高くなることがあります。このとき、他国の通貨に投資することで、為替差益を得ることができます。

・リスクの分散
 為替レートの変動によって、自国の通貨に対して他国の通貨が安くなることがあります。このとき、他国の通貨に投資することで、為替差損を防ぐことができます。

 為替に投資する方法は、以下のようなものがあります。

・現物取引
 グローバル市場において、異なる国の通貨を直接交換することです。現物取引では、スポットレートに基づいて取引が行われます。

・先物取引
 グローバル市場において、異なる国の通貨を将来の一定の日付とレートで交換する契約をすることです。先物取引では、フォワードレートに基づいて取引が行われます。

・オプション取引
 グローバル市場において、異なる国の通貨を将来の一定の日付とレートで交換する権利を購入することです。オプション取引では、オプションの買い手は、権利を行使するかどうかを選べますが、オプションの売り手は、権利が行使された場合には交換を強制されます。オプション取引では、オプションの価格やペイオフは、様々な要因によって決まります。

通貨危機

 通貨危機とは、ある国の通貨に対する信用が急激に失われ、通貨の価値が大幅に下落する現象のことです。通貨危機は、経済の不安定さや財政赤字、金融バブル、資本の逃避、政治的混乱などの要因によって引き起こされます。通貨危機は、国際投資に大きな影響を与えます。

 通貨危機の例は、以下のようなものがあります。

・アジア通貨危機
 1997年から1998年にかけて、東南アジアや韓国などの国々の通貨が大幅に下落した危機です。アジア通貨危機は、タイのバーツの切り下げをきっかけに、他の国々の通貨にも連鎖的に影響を及ぼしました。アジア通貨危機は、経済の過熱や金融の自由化、短期資本の流入と流出、固定相場制の維持などの要因によって引き起こされました。

・ロシア通貨危機
 1998年に、ロシアのルーブルが大幅に下落した危機です。ロシア通貨危機は、アジア通貨危機の影響や原油価格の低下、財政赤字の拡大、政治的不安定さなどの要因によって引き起こされました。

・アルゼンチン通貨危機
 2001年から2002年にかけて、アルゼンチンのペソが大幅に下落した危機です。アルゼンチン通貨危機は、経済の停滞や財政赤字の増加、外債の返済困難、ドルとの一対一の固定相場制の崩壊などの要因によって引き起こされました。

 通貨危機に対処する方法は、以下のようなものがあります。

・通貨の切り下げ
 通貨の価値を下げることで、輸出を促進し、経済の回復を図る方法です。しかし、通貨の切り下げは、インフレーションや輸入品の高騰、外債の負担増などの副作用をもたらす可能性があります。

・通貨の固定
 通貨の価値を他の通貨や金などの基準に固定することで、信用を回復し、経済の安定を図る方法です。しかし、通貨の固定は、市場の需給や経済の実態との乖離、資本の流出や投機攻撃などのリスクをもたらす可能性があります。

・通貨の浮動
 通貨の価値を市場の需給に任せることで、自動的に調整されるようにする方法です。しかし、通貨の浮動は、通貨の価値の変動や不安定さ、金融政策の効果の低下などの問題をもたらす可能性があります。

保護主義

 保護主義とは、自国の産業や市場を外国の競争から守るために、関税や輸入制限、補助金などの政策をとることです。保護主義は、国際貿易や投資に大きな影響を与えます。

 保護主義の理由は、以下のようなものがあります。

・雇用の確保
 自国の産業や市場を外国の競争から守ることで、自国の雇用を維持することができます。しかし、保護主義は、消費者の選択肢や購買力を低下させ、効率やイノベーションを阻害する可能性があります。

・国家安全保障の確保
 自国の戦略的な産業や資源を外国の依存から解放することで、国家の安全保障を確保することができます。しかし、保護主義は、国際的な協調や信頼を損ない、紛争や報復のリスクを高める可能性があります。

・環境や人権の保護
 自国の環境や人権の基準を外国の産業や市場にも適用することで、環境や人権の保護を図ることができます。しかし、保護主義は、外国の経済発展や貧困削減を妨げ、国際的なルールや協定を無視する可能性があります。

 保護主義の例は、以下のようなものがあります。

・トランプ政権の貿易政策
 2017年から2021年にかけて、アメリカのトランプ政権は、中国やメキシコ、カナダ、EUなどの国や地域に対して、鉄鋼やアルミニウム、ソーラーパネル、洗濯機などの製品に高い関税を課したり、貿易協定を見直したりするなどの保護主義的な貿易政策をとりました。トランプ政権の貿易政策は、アメリカの貿易赤字の削減や雇用の増加を目指しましたが、世界の貿易や投資に混乱や不安定さをもたらしました。

・ブレグジット
 2016年に、イギリスは、EUからの離脱を決めた国民投票を実施しました。イギリスは、EUの規制や移民、貢献金などに不満を持ち、自国の主権や自由を取り戻すことを望みました。しかし、ブレグジットは、イギリスとEUの間の貿易や投資、人の移動、安全保障などの関係に大きな影響を与えました。イギリスとEUは、2020年末までに、ブレグジットの条件や将来の関係についての協定を結びましたが、多くの問題や不確実性が残りました。

まとめ

 投資の国際的な側面について、グローバル市場、為替、通貨危機、保護主義という4つの観点から説明しました。グローバル市場に投資することで、リターンを高めたり、リスクを分散したりすることができますが、為替レートの変動や通貨危機の発生などのリスクにも注意する必要があります。また、保護主義の高まりは、国際貿易や投資に障害や不安定さをもたらす可能性があります。国際投資には、様々な側面に関する知識や情報が必要です。





前章
 第12章 投資の倫理と社会的責任:ESG投資、インパクト投資、フェアトレード

次章
 第14章 投資の業界と職業:証券会社、ファンド、アナリスト、トレーダー
タグ:投資
posted by もぴ at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資
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