2017年01月08日
おすすめ 高配当銘柄:武田薬品工業(4502)2017年3月
武田薬品工業(4502)は、国内首位の医薬品メーカです。売上比率は2015年3月期実績で、国内38%、海外62%(内訳:米国29%、欧州・カナダ17%、その他16%)売上の9割を医療用医薬品事業が占め、残り1割を、アリナミンドリンク・錠剤を代表とするヘルスケア事業、その他の事業が占めています。主力の医療用医薬品では、ベルケイド(多発性骨髄種治療薬)、リュープリン(前立腺癌、乳癌、子宮内膜症治療薬)、パントプラゾール(消化性潰瘍治療薬)、タケプロン(消化性潰瘍治療薬)、エンティビオ(潰瘍性大腸炎、クローン病治療薬)が売上トップ5(2016年3月期実績)で、オンコロジー(癌)や、消化器系疾患に強みがあります。近年では、2014年に発売されたエンティビオが着実に売上を伸ばしています。また、2015年12月より、ノーベル賞を受賞された山中伸弥氏が所長を務める、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)と、iPS細胞技術の臨床応用に向けた共同研究にも取り組まれています。
配当は、9月(中間)、3月(期末)の年2回実施。2016/9、2017/3の会社予想は共に90円。年間配当利回りは3.63%です。株主優待はありません。2017/3の権利付き最終日は、3/28(火)ですので、たとえば、その日の取引き終了までに100株保有していれば、2017/1/6の終値4965円で計算すると、49万6500円の投資金で、9000円の配当金が貰えます。
注目株:武田薬品工業の最近の株価動向をチェック!!
次に、ここ2年の株価に目を向けると、まず、2015年3月期決算においては、特許切れに伴うジェネリック薬品の浸透により、国内では、タケプロン、ブロプレス(高血圧症治療剤)等の売上が減少したものの、海外では、主力のベルケイド、パントプラゾール、エンティビオが売上を伸ばし、円安も追い風となった事から、売上高は前年比5.1%増の1兆7778億円。一方、当期純利益は、米国において、2型糖尿病病治療剤関連の訴訟にかかる損失を計上した事や、繰延税金資産の回収可能性の見直しと、実効税率の変更影響により税金費用が増加した事を理由に、前年比236.7%減で1457億円の赤字に転落しました。しかし、翌年の2016年3月期決算では、引き続き、国内では、タケプロン、プロブレスの売上が減少したものの、海外において、ベルケイド、パントプラゾール、エンティビオが好調を維持。特に、エンティビオは、前年比209.5%増の862億円を売上げ、主力製品に成長しました。これにより、売上高は前年比1.7%増の1兆8073億円。当期純利益も801億円まで回復しました。2016年10月28日に発表された、2017年3月期中間決算においても、円高の影響で売上高が前期比5.9%減の8508億円に落ち込んだものの、エンティビオが前期比106.4%増の653億円売上た他、2015年12月に発売を開始し、中長期的に重要な製品と位置付けられているニンラーロ(多発性骨髄種治療薬)も順調な立ち上がりを見せている模様です。当期純利益は、法人所得税の減少等により前期比128.6%増の1243億円で着地しています。
このような背景の中、株価は、赤字転落や、弱い回復を嫌気し、チャイナショック時の底値と、英国のEU離脱を問う国民投票の時に付けた底値をサポートとした下落トレンドを描きました。しかし、2017年3月期の中間決算で収益に改善の兆しが見え始めた事や、米国大統領選挙後の円安を背景にリバウンド相場を形成し、下落トレンドを脱却し始めている状況です。会社四季報には【微増益】呼吸器事業売却、長期収載品移管、円高で減収。潰瘍性大腸炎薬や多発性骨髄腫薬好伸。上期に事業譲渡益。下期に研究開発体制再編費を上乗せで増益幅縮小。18年3月期は海外が主力薬伸ばし牽引とあります。直近の証券会社による格付けでは、2016年12月5日 みずほ証券が、中立継続で目標株価を4750→4550円に引き下げていますが、同22日 岩井コスモ証券は、B+継続で目標株価を4900→5300円に引き上げています。 |
昨年の配当権利落ち日前後の株価動向をチェック!
最後に、昨年3月の配当権利落ち日前後の株価推移を見ると、配当権利落ち日には151円の配当落ちがありましたが、4月末には一旦、配当落ちを埋めているようです。 |
米国大統領選挙後、押し目もなくヒョロヒョロと上昇した為、少し買いにくさもありますが、窓を空けるような大きな売りが出ない限りは、Brexit時の4098円を頭の片隅に置きながら、13週線(4750円水準)当たりで少し買い入れる戦略で、網を張っておこうかと思っています。ただ、トランプ氏は、高額な医薬品についても快く思われていないご様子ですので、コメントと政策、及び、リバウンド相場を一気に壊すような売りが出始めたら、考えを改める事にします。
株ブログ 関連記事
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/5802595
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック