2014年10月04日
197話 決勝戦なのに・・・
雨天のため、不安定な日程となった新人戦。
本日は準決勝二試合目と、決勝の二試合が
行われる。
準決勝はどちらも強豪。昨日決勝進出を決めている
我がチームは、漁夫の利がある。
準決勝二試合目・・・
投手戦となり0対0のまま延長9回も決着つかず
「無死満塁」からのスタートとなる特別延長ルールとなった。
それでも決着はなかなかつかなかったが、
いよいよ最後を迎える。
「バッター バントした
しかしピチャー前に転がる、ホームは封殺されそうだぁ〜
あっ〜〜〜っと、悪送球
試合終了」
うううううぅぅぅぅ--------------------
接戦を制したのは、一本柱(好投手)を有する、T中学だった。
「よし、やった。こちらに有利に傾いた。」
一本柱はNo.1投手であると言えるが、延長を投げぬき、
1日で、しかも中一時間ほどでまた連投しなければならない。
「二虎強食の計」
この言葉が龍之介の頭をよぎる。
「こんなチャンスは滅多にない。絶対に勝ちたい。」
中学入学早々に、不登校になった幼馴染の親から、
龍太郎のいじめのせいとでっち上げられ、
名誉を著しく傷つけられた龍太郎とその家族は、
どうしても、優勝という名の名誉が欲しかったのだ。
だから、父龍之介の優勝したい気持ちは、
選手や監督よりも強かったのだと思う。
そして迎えた決勝戦・・・
バックスクリーンに表示されたスタ−ティングメンバーに
驚いた
それは、まずはピチャーがエース神ではなく、また、
連投で二連勝した努力のピチャーでもなく、右手の指
を怪我していて、昨日までショートをしていた、2年生の
キャプテンであった。
すると、ショートには当然名手「神」かと思いきや、
二連投した努力のひと。内野は不慣れで未だぎこちない。
「なんで・・・」
「なんでなん」
努力のひとは、ジュニアの時からキャッチャーのプロで、
キャッチャーとしての能力は既に身についているが、
内野の経験はほとんどなく、龍太郎との二遊間での
コンビネーションも上手くいかない。練習でも使わない
プレーヤーをどうして大事な試合でショートに使うのか、
全く意味が分からない。
その驚きはすぐに怒りに変わった。
ピッチャーを神でなく、キャプテンにするのは許せる。
一点も取られてはいけないゲームで、それならば、
キャッチャーは努力のひと、ショートは神で、守備力は
100%に保たれる。
しかし、このオーダーでは、70%しかなく、失点は覚悟し
ないといけない。7回のチャンスでは、済み1となるだろう。
(相手から点が取れないので、1点取られたら負けること。)
勝利する確率は限りなく減ってしまったのだ。
「なんで・・・」
「なんでなん」
龍之介は想定される試合内容に、
応援する気力が無くなり、過去を回想していた。
努力のひとの父は、
少年軟式野球に携わる名将で、その努力のひとは
幼少のころから、キャッチャーを専任していた。
上級生に混ざった彼は、比べて体格が小柄なのは当然だが、
それでもレギュラーで正捕手を任された。
肩もそれ程強くなく、色々不器用だが、彼の努力を考えると、
もはや勝敗に関係なく応援できた。しかし、そんな彼も、
キャッチャーに専念したことで、一歩一歩確実に上手に
なって、息子龍太郎や、応援する親たちの信頼を得ること
ができたのだ。そして、今敵となっているT中学の2年生、
ショートで1番のキーマンとなる選手こそ、我がジュニアの
キャプテンだった少年である。
この少年を良く知るのは、ジュニアの仲間やその父兄である
龍之介たち。この少年を抑えられるのは、キャッチャー専任の
努力のひとのリードしかないことを龍之介は悟っていたのかも
しれない。
ゲームセット
2対0という一見接戦だったと思える点差かもしれない。
しかし、その一点は非常に重く、T中学校にしては楽勝と
思えたに違いない。
完敗だ
悔しい
勝つ可能性が多いにあり、
それに立ち向かう選手があり、
選手にそれぞれの能力があり、
個性があり、特徴があり、適正があるのに
それを知る監督はいなかった。
(T-T )( T-T) ウルウル
まだまだ、我慢するしかなさそうだ
本日は準決勝二試合目と、決勝の二試合が
行われる。
準決勝はどちらも強豪。昨日決勝進出を決めている
我がチームは、漁夫の利がある。
準決勝二試合目・・・
投手戦となり0対0のまま延長9回も決着つかず
「無死満塁」からのスタートとなる特別延長ルールとなった。
それでも決着はなかなかつかなかったが、
いよいよ最後を迎える。
「バッター バントした
しかしピチャー前に転がる、ホームは封殺されそうだぁ〜
あっ〜〜〜っと、悪送球
試合終了」
うううううぅぅぅぅ--------------------
接戦を制したのは、一本柱(好投手)を有する、T中学だった。
「よし、やった。こちらに有利に傾いた。」
一本柱はNo.1投手であると言えるが、延長を投げぬき、
1日で、しかも中一時間ほどでまた連投しなければならない。
「二虎強食の計」
この言葉が龍之介の頭をよぎる。
「こんなチャンスは滅多にない。絶対に勝ちたい。」
中学入学早々に、不登校になった幼馴染の親から、
龍太郎のいじめのせいとでっち上げられ、
名誉を著しく傷つけられた龍太郎とその家族は、
どうしても、優勝という名の名誉が欲しかったのだ。
だから、父龍之介の優勝したい気持ちは、
選手や監督よりも強かったのだと思う。
そして迎えた決勝戦・・・
バックスクリーンに表示されたスタ−ティングメンバーに
驚いた
それは、まずはピチャーがエース神ではなく、また、
連投で二連勝した努力のピチャーでもなく、右手の指
を怪我していて、昨日までショートをしていた、2年生の
キャプテンであった。
すると、ショートには当然名手「神」かと思いきや、
二連投した努力のひと。内野は不慣れで未だぎこちない。
「なんで・・・」
「なんでなん」
努力のひとは、ジュニアの時からキャッチャーのプロで、
キャッチャーとしての能力は既に身についているが、
内野の経験はほとんどなく、龍太郎との二遊間での
コンビネーションも上手くいかない。練習でも使わない
プレーヤーをどうして大事な試合でショートに使うのか、
全く意味が分からない。
その驚きはすぐに怒りに変わった。
ピッチャーを神でなく、キャプテンにするのは許せる。
一点も取られてはいけないゲームで、それならば、
キャッチャーは努力のひと、ショートは神で、守備力は
100%に保たれる。
しかし、このオーダーでは、70%しかなく、失点は覚悟し
ないといけない。7回のチャンスでは、済み1となるだろう。
(相手から点が取れないので、1点取られたら負けること。)
勝利する確率は限りなく減ってしまったのだ。
「なんで・・・」
「なんでなん」
龍之介は想定される試合内容に、
応援する気力が無くなり、過去を回想していた。
努力のひとの父は、
少年軟式野球に携わる名将で、その努力のひとは
幼少のころから、キャッチャーを専任していた。
上級生に混ざった彼は、比べて体格が小柄なのは当然だが、
それでもレギュラーで正捕手を任された。
肩もそれ程強くなく、色々不器用だが、彼の努力を考えると、
もはや勝敗に関係なく応援できた。しかし、そんな彼も、
キャッチャーに専念したことで、一歩一歩確実に上手に
なって、息子龍太郎や、応援する親たちの信頼を得ること
ができたのだ。そして、今敵となっているT中学の2年生、
ショートで1番のキーマンとなる選手こそ、我がジュニアの
キャプテンだった少年である。
この少年を良く知るのは、ジュニアの仲間やその父兄である
龍之介たち。この少年を抑えられるのは、キャッチャー専任の
努力のひとのリードしかないことを龍之介は悟っていたのかも
しれない。
ゲームセット
2対0という一見接戦だったと思える点差かもしれない。
しかし、その一点は非常に重く、T中学校にしては楽勝と
思えたに違いない。
完敗だ
悔しい
勝つ可能性が多いにあり、
それに立ち向かう選手があり、
選手にそれぞれの能力があり、
個性があり、特徴があり、適正があるのに
それを知る監督はいなかった。
(T-T )( T-T) ウルウル
まだまだ、我慢するしかなさそうだ
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