2019年03月26日
宮本武蔵「五輪書」の教え12
巌流島の決闘 (佐々木小次郎と宮本武蔵の決闘)武蔵29歳の時
武蔵は船中で船の櫂をもらい木刀を作った。小次郎は備前長光の三尺余りの刀を差していた。武蔵は向島に着くと櫂の木刀を下げて素足で船を降りた。小次郎は遅れてきた武蔵を見て、憤然として水際に立って言った。「われは、時刻に先立って来たぞ。その方なんで遅れたのか。臆したか」武蔵は、まるで聞こえないかのように、黙して答えなかった。小次郎は、刀を抜くと、鞘を水中に投げ捨て、水際に立って、武蔵が近づくのを迎えた。そのとき、武蔵は、水中に踏みとどまり、にっこり笑って言った。「小次郎負けたり。勝者なんぞ、その鞘を捨てん」小次郎は
ますます怒り、武蔵が近づくと刀を真向に振り立て、武蔵の眉間を打った。武蔵が同じように木刀で撃つと、小次郎の頭に当たり、たちどころに倒れた。初めに小次郎の打った太刀の切先が、武蔵の鉢巻きの結び目に当たって、手拭いがはらりと落ちた。武蔵は、木刀を下げて少し立っていたが、また振り上げて撃とうとした。その時、小次郎は伏せながら、刀を横に払った。すると、武蔵の袷の膝の上に垂れているところを三寸ばかり切り裂いた。武蔵の撃った木刀は、小次郎の脇腹、横骨を撃ち折って、小次郎は気絶した。口と鼻から血が流れ出た。しばらくしてから、武蔵は、木刀を捨て、手で小次郎の口と鼻を覆って、顔を寄せて死活を伺った。それから、検使に一礼し、木刀を取り、船で帰っていった。〜武蔵の周到な戦術が見て取れる〜
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