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2022年05月06日

イディオム−モンタギュー文法からGPSGそしてHPSGへ23

7頁
*Dowy et al (1981). S. 279。但し、Montague(1974)は、次のようなパズルを解くために個体概念の必要性を説いた。
a) The temperature is ninety.
b) The temperature rises.
c) Ninety rises.
 a)からc)への推論は、temperatureにある時点での個体定項の外延を当てただけでは不十分ゆえに成立しない。従って、Montagueは、riseのタイプを<e, t>ではなく、内包的な<<s, e>, t>とした(ibid. S. 267)。しかし、これにより設定されたriseのような内包動詞とは別種の自動詞の外延性を規定する意味公準[∃M∀x□[δ(x)→M{v x}]](MはILの個体の属性タイプの変項、xはILの<s, e>タイプの変項、δはILの個体概念の集合タイプの定項)が、量化のかかったNP主語のIL個体概念の変項の値を制限するために、普通名詞の外延性に関する意味公準[□[δ(x)→∃ux=∧U]](uはeタイプの変項でxに体操する還元形である)と同じ役割を果たすことになり、規則の上で余剰が生じる。これが、個体概念(s, e)を放棄する一つの理由である。
*Klein and Sag(1985). S. 168。
*ibid. S. 171。

8頁
*ibid. S. 174。
*Chomsky(1981). S. 146. 注94。
*Gazdar et al (1985). S. 236。
*複合的な語彙の翻訳は、believeのような繰り上げ動詞などを扱うために導入されている。believe‘(>)とfR(believe‘)(>>は、意味公準∀V∀P1・・・
Pn□[fR(ζ)(V)(P1)・・・(Pn)→ζ(V(P1)・・・(Pn))]により同意であることが保証されている(ibid. S. 214)。

花村(2022)「イディオム−モンタギュー文法からGPSGそしてHPSGへ」より
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花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
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