2019年04月28日
家族の木 THE FIRST STORY 真一と梨花 <46 墓守>
墓守
田原家の墓は都心部の有名墓地の中にあった。意外に大きな墓だったので驚いた。
「真一悪いけど、このお墓守ってほしいのよ。私も、もう、あまり自信がないのよ。腰の具合が悪いの。ひょっとしたら手術かもしれない。運動不足のつけが今頃回ってきたのね。」
確かに姉はよく腰をさすっていた。トントンとたたいているときもあった。
姉が「この中にはお父さんとお母さんが眠ってる。母はあなたにとっては嫌な人かもしれない。
でもね、もう仏様よ。あなたも嫌じゃなかったら入ってほしいわ。梨花ちゃんも。
最もそんな先のこと、どうなるかわかんないけど。
貴方の代は守って欲しいわ。」と行ったので僕が「ええ、出来るだけのことはします。」というと、
「ありがとう。この広さだから結構管理費なんかもかかるけど、その面は協力させてもらうわよ。」
と言った。
「何水臭いこと言うてるの。私や聡が付いてます。それに真ちゃん凄いよ。とにかくおじいさんに似てる。
田原の事業を引き継いでもらいたいのよ。坂本さんも、ここ任せるって言わはったのよ。
坂本さんは仕事柄、人を見る目はしっかりしてると思うんよ。
その人が、任せるっていうことは要するに信用できるし、力もあるということやと思うのよ。
まあ、結論急ぐこともないけど、悪い話ではないと思うのよね。」
ママはどうしても僕を不動産屋にしたいらしかった。
姉も「坂本さんがいうならホントに大丈夫よ。うちの夫も、あの人のことは信用してる。
おとなしいけれど凄腕よ。真一、よく勉強させてもらいなさい。」と言った。
姉が帰る日は空港まで見送った。
「真一、一度は向こうへ来なさい。みんなで待ってるから。」
「ありがとうございます。どうか元気で。」といった僕に、梨花が「お姉ちゃんでしょ!」といった。
僕が小さな声で「お姉さん」というと「お姉ちゃんやんか。ほら、しっかり言って!」とはっぱをかけられた。
姉は大笑いをして「血は争えないわねえ。田原家はおじいさんの代から恐妻家なの。
梨花ちゃん、しっかり伝統を守ってるのよね。偉い!」とほめた。
僕は、もう一度、「お姉さん、元気で、腰、大事にしてください。」と言った。
続く
田原家の墓は都心部の有名墓地の中にあった。意外に大きな墓だったので驚いた。
「真一悪いけど、このお墓守ってほしいのよ。私も、もう、あまり自信がないのよ。腰の具合が悪いの。ひょっとしたら手術かもしれない。運動不足のつけが今頃回ってきたのね。」
確かに姉はよく腰をさすっていた。トントンとたたいているときもあった。
姉が「この中にはお父さんとお母さんが眠ってる。母はあなたにとっては嫌な人かもしれない。
でもね、もう仏様よ。あなたも嫌じゃなかったら入ってほしいわ。梨花ちゃんも。
最もそんな先のこと、どうなるかわかんないけど。
貴方の代は守って欲しいわ。」と行ったので僕が「ええ、出来るだけのことはします。」というと、
「ありがとう。この広さだから結構管理費なんかもかかるけど、その面は協力させてもらうわよ。」
と言った。
「何水臭いこと言うてるの。私や聡が付いてます。それに真ちゃん凄いよ。とにかくおじいさんに似てる。
田原の事業を引き継いでもらいたいのよ。坂本さんも、ここ任せるって言わはったのよ。
坂本さんは仕事柄、人を見る目はしっかりしてると思うんよ。
その人が、任せるっていうことは要するに信用できるし、力もあるということやと思うのよ。
まあ、結論急ぐこともないけど、悪い話ではないと思うのよね。」
ママはどうしても僕を不動産屋にしたいらしかった。
姉も「坂本さんがいうならホントに大丈夫よ。うちの夫も、あの人のことは信用してる。
おとなしいけれど凄腕よ。真一、よく勉強させてもらいなさい。」と言った。
姉が帰る日は空港まで見送った。
「真一、一度は向こうへ来なさい。みんなで待ってるから。」
「ありがとうございます。どうか元気で。」といった僕に、梨花が「お姉ちゃんでしょ!」といった。
僕が小さな声で「お姉さん」というと「お姉ちゃんやんか。ほら、しっかり言って!」とはっぱをかけられた。
姉は大笑いをして「血は争えないわねえ。田原家はおじいさんの代から恐妻家なの。
梨花ちゃん、しっかり伝統を守ってるのよね。偉い!」とほめた。
僕は、もう一度、「お姉さん、元気で、腰、大事にしてください。」と言った。
続く
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