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2018年01月12日

「暗闇仕留人」第27話(最終話)「別れにて候」






 1月12日。CS放送の時代劇専門チャンネルで午後5時から放送された「暗闇仕留人」の第27話は、最終話で、「別れにて候」というサブタイトルがついていました。
 (以下ネタバレ)中村主水の義理の弟ふたりのうち、石坂浩二さん演じる糸井貢(このシリーズではいちおう糸井貢が主人公らしい)は、裏の稼業でのやる気をすっかり失った。
 しかし、この最終話の仕留(殺し)のターゲットは松平玄蕃頭という大物。時代劇の悪役を演じることでは有名な 戸浦六宏さんが演じていますが、いつも演じている役柄通り、政治を動かす大物だが裏ではやりたい放題のことをやっていて多くの人の恨みを買っています。だから中村主水などは裏の稼業の者として討つ気まんまんですが、それでも貢は仕事をする気がないといいます。
 松平玄蕃の娘( 西崎みどりさん演じる)がとうてい悪人とは思えず玄蕃を殺すことは娘を不幸のどん底に突き落とすことという思いもありました。
 結局は貢が玄蕃殺しに向かうのですが、当の相手の、わしを殺せば日本の夜明けが遅れるぞ、という言葉を聞いてためらいが生じます。その隙をついて玄蕃が貢を斬ります。
 主水が玄蕃を仕留めますが、貢は命を落とします。
 貢をなんとか生き返らそうと、主水は大吉に、いつも相手を仕留める時にやっていることを応用しろと言います。大吉は標的の胸に手を突き入れ心臓を握りつぶして殺します。それを応用するということは、つまり、止まった心臓を人の手で動かして蘇生を図るというわけで、一種の(強引な)心臓マッサージといっていいものです。
 その大吉の働きで、貢は一時的に目を開け蘇生しますが、すぐにまた死者の世界へ向かって、帰らぬ人おなってしまいます。
 主水と大吉は、海の向こうへ行きたかったという貢の思いをかなえようといって貢の遺体を海に流します。つまり水葬です。
 そして、もう潮時だな、と、裏の稼業のチーム解散を告げます。大吉は江戸を去ります。
 のちの必殺シリーズでもよくあることですが、最終話で、仕事人チームの重要人物が死ぬか、幕閣か江戸城内の大物を殺してチームが解散せざるを得ない状況となることが多いです。「暗闇仕留人」ではこの二つが最終話であるのです。
 非情に徹することのできない者は裏の稼業をまっとうすることができない。しかし、人間である以上、殺すことに悩みや迷いが生じる。殺したことによる影響が大きいからです。たとえば殺しのターゲットにも身内がいて……。とか。そういう苦悩を石坂浩二さんが演じていました。





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