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2017年11月05日

NHK大河ドラマ「おんな城主直虎」第38回までの話

  




NHKの大河ドラマは子どもの時からよくみておりまして、数々の名作に触れ名優の演技も見てきましたから、見る目も多少厳しくなっているのですが、今年の「おんな城主直虎」には、いろいろな視点から注目すべきと思う点や共感できるシーンがあります。
 女性を主人公にした大河ドラマ作品は過去に幾つもありましたが、その多くが「大名・武将の妻の内助の功」を中心に描いたものと言えましょう。ところが今年の作品は小さい土地ながらも領主となった女性を描いた作品です。「内助の功」ではありません。
 現代でも「働く女性」にとって、ほんとうにいきいきと働くことができる環境か? とか、責任を全うできる状況にあるか? ということは大きな課題でしょうが、戦国の時代、遠州の井伊谷(いいのや)を治めることになった女性・直虎にとっては、置かれた状況がたいへん厳しいものだった。家のあとをついで井伊家の当主となった男性が次々と死に、女ながらに当主とならねばならなかったが、「家臣をどうまとめるか?」「大大名・今川家の理不尽な要求にどう対するか?」「領地をどう治め、敵から守り、栄えさせるか?」という難しい課題に取り組まねばならなかった。
 そして一つの一つの課題を乗り越えても次々に起こる難問。
 これは現代の、働く女性のなかの、「責任ある重要な部署を任されたひと」の苦悩に通じるものなのではないか? そう思えました。或る重要なポストに就いた。しかし部下の中にいまいち信用できぬ者がいる、言うことをきかぬ部下がいる、他部署の人間から嫌がらせを受ける、組織のトップから理不尽な要求をされ、せっかくの働きもまったく評価されない。と、そんな悩みを抱えている「働く女性」も多いのではないか? 
 だとしたら、そういう女性から共感を得るような作品となっているのではないだろうか。「おんな城主直虎」のストーリー展開をみて、そう思えました。










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