石川鏡介の「わが愛する時代劇」

　３月４日の午後８時から、NHK総合で、鈴木亮平主演NHK大河ドラマ「西郷どん」の第９回「江戸のヒー様」が放送されました。
　江戸へと旅立った西郷吉之助（鈴木亮平さん演じる）ら一行は、予定より早く江戸に着きます。
　吉之助は品川宿で、「ヒー様」と呼ばれる謎の男（松田翔太さん演じる）と出会います。
　後日、斉彬（渡辺謙さん演じる）の命令で水戸藩邸へ使いに行った吉之助は、そこで「ヒー様」と再会します。
　水戸の隠居、斉昭（伊武雅刀さん演じる）は「ヒー様」を自分の息子だと言って紹介します。「ヒー様」は一橋慶喜だったのです。
　のちに幕府を倒した「維新三傑」の一人、西郷吉之助と、最後の将軍・徳川慶喜の最初の出会いでした、というわけです。


　たとえば中井貴一さんが「義経」（滝沢秀明さん主演）で源頼朝を演じ、「平清盛」（松山ケンイチさん主演）では清盛の父・平忠盛を演じたり、西田敏行さんが「おんな太閤記」（佐久間良子さん主演）で豊臣秀吉を演じ、「葵　徳川三代」では徳川秀忠を演じた、などの例がありますが、「篤姫」で十四代将軍家茂を演じた松田翔太さんが「西郷どん」では慶喜を演じ、「篤姫」で小松帯刀を演じた瑛太さんが「西郷どん」では大久保正助（利通）を演じ、「篤姫」で幾島を演じた松坂慶子さんが「西郷どん」では西郷吉之助の母を演じるという、「篤姫」とはズレた配役には、ちょっと驚きました。