2020年08月11日
ランエボXを中古車として買う
ランエボは2015年発売の「ランサーエボリューション・ファイナルエディション」をもって生産を終了。10代(細かくスピンオフみたいな感じのヤツを入れるともっとありますが…)、24年に渡るその歴史に幕を閉じました。ですので基本的には現在では中古でしか購入出来ません。当然私が購入した車両も中古で購入した訳ですが、新車価格を超える値段で取引されている「ファイナルエディション」を除いても相場は高止まりしています。私は後学の為、購入後も定期的に中古車サイトを覗いていますがランエボの購入を悩んでいる人の一助となれればと思い、ここではランエボXの中古車購入について改めて確認、考察したいと思います。
■基本は1グレード
まずランエボXは競技ベースの「RS」と一般ユーザー向け「GSR」に分けられますが、「RS」はほとんど中古市場で見かけないので一般ユーザーは流通している「GSR」の中で「MT車」か「TC-SST車」を選び、後は色、オプション、年式、走行距離…等を予算に応じて絞り込んでいく事になると思います。私自身はランエボX購入の動機としては「マニュアル車に乗りたい」というのは高くなかったんですが「TC-SST車」の故障について調べれば調べる程、中古購入のリスクが高い事がわかって来ましたので「マニュアル車」に絞ってタマを探していました。(マニュアル車のランエボXに最初に乗った時(HP10プリメーラ以来、約13年ぶりにMT車をまともに運転)の感想は「コレは絶対にTC-SST車の方が素早く変速出来るナ…」でした。)
■フルノーマル車は少ない…
長く乗るつもりで良好なタマを探そうとするとクルマの性格からいって完全ノーマルな個体は少ないですね。純正に戻されているものの、追加メーター設置の跡があったり、前オーナーがノーマルに戻すにもコストが掛かる社外マフラーや車高調を入れた個体が多く、パソコンの画面越しでも「ハードに乗られていたのでは…」と感じる事が多かったです。完全ノーマルに近い個体程、高い傾向にあると思います。
■ツインクラッチSST車は…
ランエボXデビュー時、鳴り物入りで登場した「ツインクラッチSST」は、間もなくトラブルを多発…不具合を発症するとミッション載替えで130万円、修理で70万円〜といずれも重整備となり高額修理を覚悟しなければいけません。その分同じ程度、走行距離のマニュアル車の個体に比べると安くなっています…が予め修理費用を見込んでおかなければいけないのがネックです。私が出入りしている三菱ディーラーでも「たまに(動けなくなって)運ばれて来ますね…正直、ウチ(ディーラー)では直せないので事情を説明させてもらうと、皆さん専門店に持ち込まれているのではないかと思います。」という事です。実際の所はわかりませんが、三菱自動車自体もツインクラッチSSTの在庫はもう少ない様で「新品ミッションに載替え…」という選択肢もなくなって来るのではないでしょうか…。制御等が改善されたという後期型でもトラブルが発生する事はある様ですので、家庭(奥さん)の事情等でTC-SST車にせざる得ない場合は、特に慎重に個体を見極める必要がありそうです。
※DCTについては先行しているVW等のドイツ勢、後発のFIT3共にトラブル、リコールが多発していますので、構造的にムリがある機構なのではないか…?という印象です。
■インプレッサ(WRX-STI)と比較すると…
ランエボXは2007年から2015、2016年(?)まで約8、9年間の長きに渡ってモデルチェンジせずに生産されていました。その間、ライバル…というか相方のインプレッサの方はGR/GV型からVA型に切り替わっています。私がランエボX購入する際の条件としていた「MT車、2012年式以降、走行距離5万キロまで」と同じ条件で探すと直接比較はほとんどVABになりますが、感覚的にランエボXの方が1割以上高い印象でした。私もWRCを見ていた20代の頃はランエボよりインプレッサの方が欲しかったんですが、どうしてもスバル車のアイデンティティである「水平対向エンジン」は整備性が悪く、敷居が高そうなので、いつからか「自分で乗るならランエボ。」と考えていました。
■購入から売却までトータルで考えたい…
ハイブリッド車、電気自動車が右肩上がりで増え続けている昨今、CAFE規制もあり、ランエボの様な車種は内燃機関のクルマでは今後出て来る事はない様に思います。中古車相場は今のところ高止まりしており、安価に出て来る個体は年式、走行距離が行っているか、程度が悪いかで値段相応である印象です。ランエボXは生産終了から既に5年以上が経過し増える事はありません。ですのでランエボXを欲しいと思っている方は、程度の良い個体を見つけたら「行くべき」だと思います。確かに購入金額は高いんですがランエボはリセールバリューが強く、将来売却する時に高く売れる事が見込める為、トータルで考えるとそこまで負担感はないのではないかと思います。(例えば350万のクルマを新車で買い10年後30万で下取りしたとしたら10年で320万円の償却ですが、450万で中古車のランエボを買って10年後、150万で売る事が出来れば300万円の償却ですから。)…何よりも好きなクルマと共に10年過ごす事が出来るという事実は他には代えがたいものがあると思います。(…と私は自分で自分の背中を押して高額な中古車を購入したワケです。)
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