薄毛・抜け毛・育毛119番　

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●育毛ニュース　

女性の薄毛　細る？２０代、将来に不安も

　５０代の女性客の頭皮の様子をモニターに映して見せる美容師浅川久子さん＝２０１０年８月、東京・浅草の「美容室クイーン」

　髪が以前より細くなった、薄くなった…。「薄毛」に悩む女性が増え、女性向け育毛剤やウイッグの宣伝は花盛りだ。昔からおなじみの男性の脱毛症に比べ、原因が多様で研究も遅れている女性の薄毛。その現状は。

　女性の薄毛の頻度はよく分かっていない。だが「男性用育毛剤が発売されると、女性も使えますかと問い合わせがどっと来る。気にする人が増えているのは確か」と順天堂大の植木理恵・准教授（皮膚科）。大正製薬（東京）の２０１０年の調査では、薄毛を自覚する女性は５０代で１０％、６０代は１１％。抜け毛を気にする女性はもっと多い。

　東京・浅草で美容師歴３５年のベテラン、浅川久子さん（５５）も薄毛女性の増加を日々感じる。多くは中高年で、髪のボリュームがなくなり、つむじや分け目が目立つ。「抜け毛を抑えるには頭皮を元気に」と考えた浅川さんは、頭皮を丁寧に洗ってマッサージし、栄養を与える頭皮ケアをメニューに加えている。

　「昔の女性にも薄毛の悩みはあった」と浅川さんは言う。ただ、かつては「かもじ」と呼ばれる一種のつけ毛を結い髪の中に入れて膨らませたり、パーマを強めにかけた上で美容院でセットしボリュームをだしたりした髪形も多く、カムフラージュに一役買っていた。「最近はナチュラル志向で自然に流した髪形が人気。薄くなると分け目も目立つんですよね」

　植木医師によると、女性の薄毛には加齢現象のほか「男性型脱毛症」「休止期脱毛症」「円形脱毛症」がある。内臓などの病気が原因の場合もあるので「脱毛が気になったらまずは皮膚科に相談して」と言う。

　病気でなければ育毛剤も使える。日本皮膚科学会の委員会（委員長・坪井良治東京医大教授）は今春、毛髪を作る細胞を活性化させるなどの作用がある塗り薬ミノキシジル（商品名リアップレディ）が有効などとする評価結果を公表した。

　「バランスの取れた食事、睡眠、ストレスをためないなど生活習慣の改善が一番大切」と強調する植木医師が警鐘を鳴らすのは、過剰なヘアケア。毎日のシャンプーは皮脂の取り過ぎやドライヤーによる乾燥につながり頭皮にはマイナスのこともある。「かゆみやフケがないなら洗髪は１日おきで十分」だそうだ。

　植木医師が最近気にかけているのは、薄毛の自覚が全くない２０代女性の髪が「細くて本数も少ない」と感じられること。髪の本数と太さは３０〜４０代がピークで閉経後は少なく細くなるが、植木医師が調べた２０代の髪は、閉経後女性と同じくらい細かった。東京医大の坪井教授も「２０代女性の髪は昔より細くなった印象がある」と語る。

　２０代の髪が「危ない」のか、いずれ太くなるのかは現時点では不明という。だが植木医師は「今の２０代は子どものころから毎日のシャンプーが当たり前で、髪染めも頻繁。若くても髪をひどく傷めると回復に時間がかかるので、将来のため髪をいたわってほしいのですが…」と話している。

2010/08/30 16:02 【共同通信】

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